インタビュー
[G-Star 2015]MOBAだけではない,さまざまな可能性を秘めたNCSOFTの最新作,「Master X Master」をじっくり遊んだ
「Master X Master」公式サイト
画面写真やUIなどを見る限り,オーソドックスなMOBAをイメージする人もいるかもしれないが,実際はだいぶ異なっている。操作システムがまず独特で,[W/A/S/D]キーで上下左右への移動,[Q][E][R],およびマウスボタンの左右クリックで各種アクティブスキルの使用,そして[R]キーで必殺技(いわゆる「Ultimate」)の発動,さらにマウスカーソルを置いた場所に応じてマスターの向きが変わるという感じになっている。
少々の慣れが必要になりそうな操作系だが,移動しながら別方向への攻撃が可能なので,とくに遠距離系のキャラクターは独特のプレイフィールになる。このあたり,オールドゲーマーなら「魂斗羅」や「怒」をイメージしてもらうと,比較的分かりやすいかもしれない。
細かい部分では,スペースキーによるジャンプで敵からの攻撃を避けたり,[V]キーでマウスカーソルのある場所への移動が行えたりする。[V]キーを押しっぱなしにしている間は,マウスカーソルを動かすだけで移動可能で(クリックは不要)で,これもまた独特な操作感だ。
会場では,来場者3名がチームを編成し,まずパーティプレイでPvE系のダンジョンに挑戦したのち,同じチームでブース内のほかのチームとPvPを行う,という流れになっていた。
プレイして面白いと思ったのは,ほかのタイトルからやってきたマスターの再現度の高さだ。例えばジン・ヴァレル(「ブレイドアンドソウル」)のモーションや使用スキル「濁気」は剣術士と同じだし,クロメデ(「The Tower of AION」)は「アローシャワー」や「ミゼラブル ストライク」など,これまたプレイヤーにおなじみのスキルの数々が使える。
ステージも同様で,今回挑戦したPvEダンジョンは「ブレイドアンドソウル」の海蛇補給基地をモチーフにしたもので,もちろんラスボスはポー・ファランだ。このような作りは,「ブレイドアンドソウル」ファンにとっては嬉しいところであり,またMXMはMMORPGとは異なる見下ろし型視点なので,新鮮さも感じられる。NCSOFTお膝元の韓国では,これら既存IPからの流用は非常に効果的だと思われる。
もちろん,MXMには新たなマスターやオリジナルのステージもたっぷり用意されているので,既存タイトルのプレイヤーでなくとも,十分に楽しめる。
感心したのは,マウスホイールを回すことで,事前に2人選択したマスターを瞬時に交代できるシステムだ。マスターによって近接タイプ/遠隔タイプなどさまざまな個性があるが,PvPにおいてマスター間の「相性」が生じるのは避けられない。その場合,すばやくマスターを交代して切り抜けられるし,たとえ瀕死状態になっても,もう1人のマスターに交代できるわけだ。
ちなみに同じマスターでも,ステージ開始直前に[Q/E]キー割り当てるスキルを,4種類の中から選択できる。武器も複数の候補から選ぶことができ,チームの編成に応じて,全体のスペックを微調整できるのだ。こういった形で,バランス調整にアプローチしている点は興味深い。
試遊台でプレイしたPvPは,制限時間内のキル/デス数を競うという内容だった。マスター同士の対人戦に限って言えば「League of Legends」に代表されるMOBAの局地戦に近い印象だ。
PvPのポイントとしては,マイキャラが倒された際にスキルポイントが手に入り,これを使って強化できることが挙げられる。つまり,押されているチームはマスターの性能が多少有利になるため,ワンサイドゲームになりにくいのだ。
MOBAっぽい見た目や,既存IPからキャラクターを流用するコンセプトから,筆者はMXMに対して「Heroes of the Storm」のNCSOFT版,といった印象を抱いていた。だが実際には,MOBA以外にもアクションRPGや弾幕シューティングなど,さまざまなジャンルの要素を取り込んだ意欲的な作品だった。今年のG-StarでNCSOFTがこれ1作にかけているのも,よく分かる。
お伝えしたように,韓国,日本,台湾でのグローバルサービスおよび共通仕様という構想が語られた本作。実現されれば,少なくともPvPを好むプレイヤーにとってかなり期待すべき作品になるはずだ。2016年2月に実施される予定のクローズドβテストの情報が待ち遠しい。
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