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【PR】初めてのGeForce購入ガイド。店頭で迷わないための「選び方」を完全解説
PCゲームをプレイできるだけの性能を持つPCを手に入れたいなら,自作するしかなかったのも,今は昔。「ゲームPC」と呼ばれる,3D性能を重視したPC製品が,現在ではゲーマーにとっての有力な選択肢となっている。
ゲームPCを販売しているショップは,店頭で,「○○というCPU搭載」「●●というGPU搭載」と謳い,「だからゲームが速い!」とプッシュしているケースが多い。
しかし,ゲームをプレイするためのPCにおいては,PCを普通に動かすだけは足りない。当たり前だが,3Dゲームを動かしたければ,3Dグラフィックスを処理しなければならないのである。このとき,「頭脳兼心臓」と「3Dグラフィックス処理専用装置」のどちらがより重要かといえば,これまた自明ではなかろうか。
そう,ゲームPCにおいては,CPUではなくGPUがゲーム性能を左右するのだ。
ゲームPCに限らず,PCというものは,往々にして,買った直後は十分な性能がある。しかし,技術が日々進歩するため,時間の経過とともに,その仕様は加速度的に陳腐化していくという宿命も抱える。ゲームなどのアプリケーション(≒ソフトウェア)が,より新しい世代のGPUやCPUの性能を見越して開発されると,旧世代のPCは,相対的に,どんどん遅くなっていく。
ただ,せっかく購入したゲームPCである。速くなくなったからといって,ぽんぽんと買い換えるわけにはいかないだろう。最低でも2年,可能なら4〜5年くらいは使いたいと考えるのが人情ではなかろうか。
そこで検討に値するのが,GPUの交換だ。最もゲーム性能を左右する装置がGPUなら,GPUを交換してしまえば,手持ちのPCが持つゲーム性能を引き上げられるではないか,というわけである。
残念ながら,読者の購入したゲームPCがノート型という場合,この対策は取れない(=買い換えるしかない)ものの,もともと,複数の部品の組み合わせによってできているデスクトップ型なら,“問題の”製品を交換してしまえばいい。
では,何をどれに変えればいいのだろう? 本稿では,そのあたりを分かりやすく紹介していきたい思う。
初めてのGPU交換はGeForceがオススメ
実力を推し量るヒントになる型番の見方を押さえよう
手元のゲームPCで側板を開けてみると,ケーブル経由でディスプレイとつながっている部品を確認できるだろう。それがグラフィックスカードである。
そして,グラフィックスカードに搭載されている,グラフィックスカードの核ともいえる部品がGPUで,このGPUによって,グラフィックスカードの性能はおおむね決まることになる。
GeForceが大きな支持を集めている理由はいろいろあるのだが,現時点における大きな理由をあえて挙げれば,
- 消費電力あたりの性能が高い
- 店頭で購入しやすく,また,価格もこなれている
といったあたりになるだろうか。2014年秋〜冬の時点で,国内グラフィックスカード市場におけるシェアが8割を超えているため,情報が集まりやすく,何かあれば,周りに尋ねられるユーザーが多いというのも,初めてグラフィックスカードを交換するときにはメリットとなるはずだ。
一言でまとめると,「性能」というのは,「3Dゲームを綺麗な絵で滑らかに動かす能力」のこと。ゲーム機はハードごとに性能が異なるが,それと同じように,グラフィックスカードも,GPUごとに性能が異なるのである。
では,GPUはどれくらいあるのかというと,NVIDIAがゲーマー向けと位置づけるのは「GeForce GTX」と呼ばれるシリーズで,とくに,「GTX」の後ろに3桁数字が続くものが主力製品なのだが,それが現行製品だけでも10種あったりする。
しかも3桁数字は,「数字の大きいほうが高性能」であることをおおむね示すが,100%当てはまるわけではない。これは,2014年のGeForce GTXにおいて,3桁数字の100の位が世代,10の位が世代内での相対性能を示すためだ。
GPUの技術は日々進歩しているため,瞬間を切り取ると,新しい世代のGPUと,より古い世代のGPUが混在することになる。製品名に数字を使っている以上,この宿命からは逃れられない。
というわけで下に示したのは,現行世代のGeForce GTXから,10製品中4製品の型番をピックアップし,並べてみたものだ。詳細は少し後で述べるが,これは上から性能順になっている。3桁の数字をそのまま捉えてしまうと,660より750のほうが上ながら,実際には660のほうが性能は高い。ただし,GPUの世代は750のほうが新しいので,性能以外だと,100の位の大きい750のほうがメリットは多い。
だいたいの目安としては,10の位が9・8・7でハイクラス,6でミドルクラス,5でエントリーミドルクラスと理解しておくのがいいだろう。ちなみにエントリークラスより下,「たまにゲームもプレイしたい」などといったニーズは,GeForce GTXよりワンランク下のGPU製品シリーズ「GeForce GT」が引き受けることになっている。
実際に動かして把握する
GeForce GTXの実力
3DMark |
新生FFXIVベンチ キャラ編 |
同じPCで,グラフィックスカードを変えながら同じテストを行えば,グラフィックスカード(≒GPU)の性能差が分かる,というわけである。
今回のテスト環境のうち,グラフィックスカード以外の構成は表のとおり。とくに細かく説明はしないが,現行世代のハイクラスゲームPCに近いと考えてほしい。
また,グラフィックスカードは,いずれもNVIDIA標準の仕様で動作させている。「標準の仕様?」と思うかもしれないが,このあたりは後述する。
CPU | Core i7-4790K(定格クロック4GHz,最大クロック4.4GHz,4C8T,L3キャッシュ容量8MB) |
マザーボード | ASUSTeK Computer MAXIMUS VII RANGER(Intel Z97,BIOS 2012) |
メインメモリ | サンマックス・テクノロジーズ SMD-32G28CP-18ML-Q
PC3L-14900 DDR3L SDRAM 8GB×2 (4枚セット中2枚をDDR3L-1600の11-11-11-28設定で利用) |
グラフィックスカード | GeForce GTX 980リファレンスカード(グラフィックスメモリ容量4GB) |
HDD | Seagate Technology Barracuda 7200.14(ST2000DM001,容量2TB) |
OS | 64bit版Windows 8.1 Pro |
チップセットドライバ | Intel Chipset Software 9.4.2.1019 |
グラフィックスドライバ | GeForce 344.75 Driver |
テスト方法は4GamerがGPUのテストを行うときのルールをまとめた「ベンチマークレギュレーション」のバージョン15.3準拠となるので,興味のある人はそちらを参照してほしい,とお断りしつつ,さっそくスコアを見ていこう。グラフ1は,
3DMarkは,特定のゲームタイトルにおける性能指標となるものではないため,数字がいくつ以上ならOK,といったことは言えないのだが,体験的にざっくりと語ることを許してもらえるなら,Fire Strikeのスコアが4000を超えていれば,2014年12月時点の最新3Dゲームをプレイできないことはないレベルにあると言える。オンラインゲームは相対的に負荷が低めなので,4000もあればほとんどの場合は必要十分だ。
また,6000あれば,多くの3Dゲームにおいて,PlayStation 4(以下,PS4)やXbox One以上の画質で問題なくプレイできる。あとは,数字が大きくなればなるほど快適度が増したり,より高画質な設定を行えるようになったりする,くらいに理解しておくといいだろう。
続いてグラフ2は,液晶ディスプレイや液晶テレビにおける標準的な解像度である1920×1080ドットで実行した,新生FFXIVベンチ キャラ編のテスト結果をまとめたものだ。テストにあたっては,最も高いグラフィックス品質を期待できる「最高品質」を選択している。
スクウェア・エニックスは,スコアの見方を指標として示しており,7000以上が最高指標となる「非常に快適」,5000〜6999でセカンドベストの「とても快適」だが,ご覧のとおり,GeForce GTX 660以上で「非常に快適」の水準を大きく超えてきた。上位5製品は「そんなスコアが必要か?」と思えるほど高い値である。
そこで,新生FFXIV キャラ編で,テスト解像度を2560×1600ドットに引き上げてみた。その状態におけるスコアがグラフ3となる。PS4やXbox Oneだと,この解像度は逆立ちしても出せないので,まさに「PCならではの高精細映像」といえるが,その状態でも,GeForce GTX 770以上はスコア7000を超えてきている。これが,
さて,ここで注意すべきは,基本的に,より高い性能を持つGPUのほうが,
- 消費電力(=動作にあたって必要な電力)は高くなる
- 搭載されるグラフィックスカードのサイズは大きくなる
ということである。
1.から見ていこう。PCには,コンセントからケーブル経由で受けた電源を,PCで利用できるようにする――専門用語を使うと「直流に変換する」――ための装置たる「電源ユニット」が内蔵されており,その容量次第で,利用できるGPUには制約が入ることになる。
電源ユニットの容量は,ゲームPCによって異なる。たいていの場合,電源ユニットは,ゲームPCの側板を開くと,本体後方天面部か底面部に四角い箱として用意されており,貼られたシールからワット(Watt,W)表示で容量は読み取れるようになっている。確実を期したいなら,ゲームPCの納品書や,発売当時の製品情報ページを確認するといい。
2.のほうは,例外も多く,一概には言えなかったりもする。そのため,あくまで一般的な傾向だと理解してほしいが,搭載しようとしているゲームPCの大きさや,内部構造次第では,大きなグラフィックスカードは装着できない可能性がある。
幸いにして,最近のゲームPCは,小型のものでも長いグラフィックスカードを装着できるものがほとんどだ。ただ,こちらも可能であれば,実際にゲームPCの内部でサイズを測っておくといい。
参考までに,NVIDIAの標準仕様における,GPUごとに最低限必要な電源ユニット容量(必須容量)とグラフィックスカードの長さを,下にまとめておこう。けっこう細かく異なっているので,グラフィックスカードの買い換えを検討する場合は,一度確認しておくことを勧めたい。
●GPUごとの必須容量とグラフィックスカードの長さ
- GeForce GTX 980:必須容量500W,長さ約266.7mm
- GeForce GTX 970:必須容量500W,長さ約266.7mm
- GeForce GTX 780 Ti:必須容量600W,長さ約266.7mm
- GeForce GTX 780:必須容量600W,長さ約266.7mm
- GeForce GTX 770:必須容量600W,長さ約266.7mm
- GeForce GTX 760:必須容量500W,長さ約241.3mm
- GeForce GTX 660:必須容量450W,長さ約241.3mm
- GeForce GTX 750 Ti:必須容量300W,長さ約144.8mm
- GeForce GTX 750:必須容量300W,長さ約144.8mm
- GeForce GTX 650:必須容量400W,長さ約144.8mm
ちなみに,ここで気づいた人もいると思うが,比較的近い性能レベルで比較した場合,世代番号「7」は「6」よりも最低限必要な電源ユニット容量が小さく,「9」は「7」よりさらに小さい。前段で,100の位が大きいほうがメリットはあるという話をしたが,たとえばその一端が,このあたりにあるわけだ。
メリットに絡んで少しだけ余談気味に続けておくと,今回紹介した現行10製品のうち,GeForce GTX 650以外は,すべてが,無料で使えるNVIDIA製のゲーム録画ツール「ShadowPlay」(シャドウプレイ)に対応している。本稿でShadowPlayの解説は行わないが(※4Gamerでは解説記事を掲載済み),ゲームの録画まで考えている人は,記憶に留めておいてもらえれば幸いだ。
店頭に並んでいるのは,NVIDIAのパートナー製グラフィックスカードだ
GeForce GTXの性能と事前にチェックすべき事柄を把握したところで,颯爽とショップへ出かけたとしよう。ここまで読んだあなたであれば,GeForce GTXの現行モデルが持つ性能や,自分のゲームPCでどのGPUまで利用できるかは把握済み。あとは予算に合わせて,欲しいと思った型番のGeForce GTX搭載カードを買えばいい……のだが,実はここに1つ,大きな落とし穴(?)がある。それを知らずにショップへ出かけると,店頭で途方に暮れるかもしれない。
2014年12月時点において,日本国内でGeForce GTX搭載グラフィックスカードを展開しているのは,国内外の9社だ。1社だけあれば事足りるのではないかと思うかしれないが,ここでポイントになるのが,テストを行う段で「後述する」とした,NVIDIAの標準仕様である。NVIDIAは各GPUの標準仕様を定めており,それによって搭載グラフィックスカードの性能のおおよそは決まるのだが,「おおよそ」を除く部分と,そのほかの特徴や機能は,カードメーカーが決定している。そこに競争が生じ,結果として,さまざまなメーカーから,さまざまなグラフィックスカードが登場するに至っているのだ。
いろいろと例外はあるものの,カードメーカーが決定するのは,主に動作クロックと冷却能力,静音性の3点である。
ただ,「クーラー」とも呼ばれる冷却機構は,主に熱伝導用および放熱用の金属からなる部品「ヒートシンク」とファンによって構成されるため,いたずらに冷却能力を上げようとすると,今度は冷却機構のサイズが大きくなりすぎて,多くのゲームPCに装着できなくなったり,ファンの動作音が大きくなりすぎたりしてしまう。
なので,動作クロックと冷却能力,静音性のバランスというのは,グラフィックスカードメーカーの腕の見せ所になる。もちろん,メーカーによっては,一部の個性に目を瞑って製造コストを下げ,店頭での安価さを追求するところもあり,結果として,個性豊かなGeForce GTX搭載グラフィックスカードが,店頭を賑わすことになるのだ。
店頭に並んでいるのは,「NVIDIA製のグラフィックスカード」ではないが,国内正規代理店を通じて販売されている9社の製品であれば,メーカー保証も含め,安心して購入できるので,店頭で臆する心配はない。
各社のGeForce GTX搭載グラフィックスカード
その特徴をチェック
では,GeForce GTX搭載グラフィックスカードを扱う各社にはどのような特徴があるのだろうか。今回は,日本国内でGeForce GTX搭載グラフィックスカードを展開している9社の,2014年12月時点における特徴をまとめてみたいと思う。グラフィックスカード選びの参考にしてもらえれば幸いだ。
●GeForce GTX搭載グラフィックスカードを展開しているメーカー一覧
- ASUS(ASUSTeK Computer)
- ELSA(エルザジャパン)
- GALAX(GALAXY Technology)
- GIGABYTE(GIGA-BYTE TECHNOLOGY)
- Inno3D(InnoVISION Multimedia)
- MSI(Micro Star International)
- Palit(Palit Microsystems)
- ZOTAC(ZOTAC International)
- 玄人志向
■ASUS(ASUSTeK Computer)
現在のメーカー一押し製品は,ゲーマー向けブランド「STRIX」(ストリックス)の製品群だ。最大の特徴は,“準ファンレス”であること。GPUに一定の負荷がかかって,特定の温度付近になるまではファンが回転しない仕様になっているので,OSの起動時やデスクトップユース,あるいは2Dのゲームをプレイしているときは,無音で運用できるのだ。ファンが回らないとなると,温度が高くなって,安定性に不安が出てくると思うかもしれないが,カードレベルで,熱に強い部品などを使っているため,無音運用時にも不安はない。
3Dゲームを実行して,一定レベルの負荷がかかれば,全自動でファンが回転するのもポイント。ユーザーは何の手間もかかることなく,準ファンレスの静かさと,高負荷時のしっかりした冷却を手に入れることができる。
STRIX-GTX980-DC2OC-4GD5(GeForce GTX 980搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5(GeForce GTX 970搭載製品メーカー製品情報ページ) |
STRIX-GTX750TI-OC-2GD5(GeForce GTX 750 Ti搭載製品メーカー製品情報ページ) |
■ELSA(エルザジャパン)
2014年12月時点における同社製品の注目ポイントは,「S.A.C」(Silent Air Cooling)と呼ばれる冷却機構だ。負荷の低いときにファンの回転を止めて静音化を図るのが最近のトレンドだが,エルザジャパンが選択したのは「あえてファンの回転を止めない」というアイデア。GPUの熱を効率よく伝えられるヒートシンクと,低回転で動作するため静かな大口径のファンを組み合わせることで,常に安定した冷却能力を,大きくない動作音で実現できるのが特徴となっている。ユーザーのゲームPCそのもの,あるいはPCが設置された環境を問わず,安定した冷却を行えるので,安定志向の人にこそ向いた存在だといえるだろう。
■GALAX(GALAXY Technology)
2014年に,ブランド名を従来のGALAXYからGALAX(ギャラックス)へと変更したGALAXY Technology。近年は,メーカー保証がなくなるのを覚悟のうえで,壊れても自己責任と割り切って動作クロックを引き上げる行為である「オーバークロック」を楽しみたいユーザーに向けて,カードの信頼性を高める方向の製品作りが顕著となっている。
そんな同社がこの冬に用意する一押しグラフィックスカードも,やはりキーワードはオーバークロックだ。NVIDIAの標準仕様よりも高い動作クロックをメーカーレベルで設定し,さらに,グラフィックスカードの再設計によって,自己責任を覚悟したユーザーは,さらに高い動作クロック設定を狙えるようになっている。動作クロックだけでなく,3基あるファンの回転数設定など,細かな調整を行える設定用アプリケーション「Xtreme Tuner Plus」(エクストリームチューナープラス)が標準で用意されてる点も見どころといえ,総じて,オーバークロックに惹かれる人のための製品であるといえるだろう。
■GIGABYTE(GIGA-BYTE TECHNOLOGY)
製品ボックスにSuper Over Clockのロゴマークが貼られた製品では,購入した人が自己責任で動作クロックを引き上げようと思ったときに,より高い動作クロックを実現できるよう,GIGABYTEが社内で選別したGPUを採用しているのが特徴。Flex Displayのロゴが躍る製品では,用意されたビデオ出力インタフェースのうち,どの組み合わせでも最大4画面出力を行える。そしてWINDFORCEは,GIGABYTE独自の冷却機構の名称で,特殊設計のヒートシンクと,1〜3基のファンによる,高度な冷却が可能だ。長年の実績がある冷却機構なので,搭載グラフィックスカードであれば,安心して購入できるだろう。
GV-N980G1 GAMING-4GD(GeForce GTX 980搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
GV-N970G1 GAMING-4GD(GeForce GTX 970搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
GV-N970IXOC-4GD(GeForce GTX 970搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
■Inno3D(InnoVISION Multimedia)
2014年12月における一押し製品は,大型クーラー「Herculez X4」(ハーキュルスX4,ヘラクレスX4)搭載モデルだ。これは,負荷状況に応じて回転数が制御される3連ファンとは別に,グラフィックスカードの側面に小型のファンを搭載し,冷却機構内部に熱が籠もるのを防ぐ仕掛けを採用することで,より高い冷却能力を実現しようというもの。冷却性能重視でいくとき,iChillは有力な選択肢となるはずだ。
iChill Geforce GTX 980 4GB Ultra(GeForce GTX 980搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
iChill Geforce GTX 970 4GB Ultra(GeForce GTX 970搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
■MSI(Micro Star International)
2014年12月時点の最新世代グラフィックスカードに搭載される「Twin Frozr V」は,大型のヒートシンクと,100mmという大口径ファン2基を組み合わせたもの。大口径のファンであることを活かして,そもそものファン回転数を落としつつ,さらに,GPU温度が50℃を下回る状況では,ファンの回転自体を止めるように設計されている。グラフィックスカードの基板上には,複数の温度センサーが搭載されており,これらの情報を基に全自動でファン回転数が制御されるため,ユーザーは,これといった面倒なしに,Twin Frozr Vのメリットを最大限に享受できるわけである。
専用ツール「Gaming App」が付属しており,Windowsのデスクトップからボタンをクリックするだけで,メーカー保証付き(※ここが大事!)のまま,動作クロックの引き上げを行えるのもメリットといえる。
GTX 980 GAMING 4G(GeForce GTX 980搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
GTX 970 GAMING 4G(GeForce GTX 970搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
■Palit(Palit Microsystems)
最近では,「風」の文字が製品ボックスやグラフィックスカード上に躍る高品質製品シリーズ「JetStream」(ジェットストリーム)でも,ファンを増やしてきているが,その最新モデルでは,直径100mmのファンを2基,それぞれ逆回転させることで,空気の流れに淀みを生じさせることなく,効率のいいエアフローを生むというアイデアを採用した。また,2014年秋から冬にかけてのトレンドである「負荷の低い状況ではファンの回転数を停止する機能」も採用しており,GPU温度が60℃に達しない局面では,グラフィックスカードを無音で利用可能だ。
Jetstreamシリーズは,高機能なグラフィックスカードをできる限り低コストで手に入れたい人に向いている。
Palit GTX 980 Super JetStream(GeForce GTX 980搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
Palit GTX 980 JetStream(GeForce GTX 980搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
Palit GTX 970 JetStream(GeForce GTX 980搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
■ZOTAC(ZOTAC International)
そんなZOTACは2014年秋に,「Ice Storm」(アイスストーム)という,新しい大型冷却機構を採用してきた。これは,直径90mmのファン3基と,ファンの振動を抑えるための亜鉛合金製ファンカバー,そして大型のヒートシンクなどを組み合わせたもので,中央のファンで吸気,左右のファンで排気と役割を変えながら冷却効率を最適化することで,高負荷時にも極めて静かに運用できるというのが特徴になっている。
グラフィックスカード上に,動作クロックを引き上げるためだけに使う専用部品「OC+」(OCプラス)を搭載しており,自己責任を覚悟すれば,Windows上から利用できる専用ツール「Firestorm」(ファイアストーム)から,簡単に動作クロックの引き上げを試せるのも利点といえる。欠点の少ない全部入りカードを,コスト度外視で手に入れたいときは要チェックだ。
ZOTAC GeForce GTX 980 AMP! Extreme Edition(GeForce GTX 980搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
ZOTAC GeForce GTX 980 AMP! Omega Edition(GeForce GTX 980搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
ZOTAC GeForce GTX 970 AMP! Extreme Edition(GeForce GTX 970搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
ZOTAC GeForce GTX 970 AMP! Omega Edition(GeForce GTX 970搭載製品。メーカー製品情報ページ) |
■玄人志向
かつて,「正体不明の日本ブランド」として立ち上がった玄人志向。数年前に“ネタばらし”があり,PC周辺機器メーカーとして知られるバッファローのグループ企業であるCFD販売のブランドだと明らかになった。徹頭徹尾,シンプルさとコストパフォーマンスの高さを追求するブランドで,サポートはオンラインのみ(※電話サポートなし)など,ブランド名どおり,メインのターゲット顧客層は「いろいろ理解したうえで,安価さを取る人」となる。販売網が充実しており,家電量販店で入手しやすいのも特徴だ。
2014年12月時点における一押しモデルは,GeForce GTX 970搭載グラフィックスカード「GF-GTX970-E4GB/OC/BLACK」。これも,もちろんコストパフォーマンス重視の製品なのだが,冷却機構はファンを2基搭載した独自のものになっており,GPUの温度が低いときは,片方が止まり,より静音で動作するようになっている。入手のしやすさと価格,静音性にこだわるとき,有力な候補となるだろう。
それでも迷ったらショップで店員に聞くのがオススメ
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ちなみに,東京・秋葉原や大阪・日本橋など,国内の主要都市に存在するPCパーツショップの店員は,GeForce搭載グラフィックスカードについてNVIDIAの担当者によるトレーニングを受けるなどしており,知識が豊富だ。9社のグラフィックスカードは,一部,特徴が被るものもあるが,そこであと一歩踏み込んで「どちらを選ぶべきか」を知りたい場合は,PCショップの店頭で,店員に尋ねてみることを勧めたい。そのとき,スマートフォンか何かで,この記事を見せれば,きっと話はスムーズに進むだろう。
NVIDIAのGeForce製品情報ページ
(本文:佐々山薫郁,テスト協力:宮崎真一)
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