プレイレポート
[TGS 2014]カードゲームで人気のOink Gamesがスマホゲームに殴りこみ。独特のテイストが楽しいパズルゲーム「MUJO」プレイレポート
そんな状況を背景に,独特の世界観とビジュアルを持ったカードゲームの制作で世界的に知られるOink Gamesが,新作ゲームをひっさげて東京ゲームショウ2014に参加した。彼らの作ったものは,「ゲームオーバーのないパズルゲーム」なのだという。いったいどんなゲームなのだろうか?
「パズドラ」×「さめがめ」?
パネルを集めて消して,敵と戦うパズルゲーム
ゲームとしては,連続する同色のパネルを3枚以上タッチすることで消していくというのが基本となっている。「さめがめ」系のパズルといえば,イメージできる人も多いだろう。画面上側には敵がいて,攻撃パネルを消すと消した枚数だけ敵のHPにダメージを与える。敵のHPを0にすればステージクリアと,シンプルなルールのゲームだ。
だが,ここにはひとつ障害が用意されている。敵のHPはパネルを消すごとに回復してしまうのだ。つまり,なるべく多くのダメージを,なるべく1度で与える必要がある。
ところが敵のHPは,「100」とか「1000」とかいった数字が当たり前のように表示される。画面にあるパネルは8×8で最大64枚しかない。「これって無理ゲー?」といわんばかりだ。
ここでミソとなるのが,パネルの長押しだ。パネルはタッチすると消えるが,消せるパネル群を長押しすると,それらのパネルが1マスに集まって,集めたパネルの2乗の価値に高まる。つまり,4枚集めれば16パネルぶん分,10枚集めれば100パネル分というわけ。これを利用すれば,敵のHPを一気に削り取れるのだ。
キャラクターは,それぞれ対応する色のパネルを消すことで,経験点を獲得して成長していく。「このままではちょっと難しいな」というステージも,キャラクターを成長させることでクリアできる可能性があるというわけだ。
あちらをたてれば,こちらがたたず
ジレンマにどう立ち向かうかがMUJOの鍵
MUJO最大の鍵は,いわゆる「ジレンマ」である。
たとえば,パネルを1か所に集めれば,高い価値を持ったパネルを作れるが,それを消すために「同じ色のパネルが3連続以上」という条件を満たすのが難しくなる。
パネルの価値を高めれば高めるほど効率は上がるが,そもそも消せなくなったり,爆弾で消えてしまったりする危険性も高まる。「どこまでまとめ,どこで消すのか」の判断こそが,MUJOのコアとなる面白さと言えるだろう。
ところで冒頭で述べたように,MUJOにはゲームオーバーという概念がない。敵は存在するものの,こちらを攻撃したりはしないのだ。
その代わりといってはなんだが,「このままではもうブロックを消せない」状態になっても,自動的な救済策はない。そうなったときプレイヤーは,「画面を1ライン上にスクロールさせ,新しい1ラインを登場させる」ボタンを押すことになる。
おまけに敵のHPは自然回復するので,「ゲームオーバーはないが,いつまでもクリアできない」状況はあり得る。ある意味,「これはクリアできなさそうだ」とどこで見切りをつけるのかでも,プレイヤーの判断が問われているといえるだろう。
App Storeでも快進撃中
元々有料アプリ(200円)であることに加えて,任意のパネルを1枚消せるお助けアイテムがアプリ内課金で購入できる。これらで売り上げを立てているわけだ。
Oink GamesはMUJOが初のTGS出展で,自社ブランドでのモバイル向けゲームもこれが初となる。ただし,これまでも受託開発でいくつもゲームを手がけているのだという。そのためか,自然で扱いやすいUIも含めてゲームの完成度は高く。非常に手慣れたものを感じた。
独特の雰囲気と良質なプレイ感に,こなれたUIも備えたMUJOは,App Storeのパズルカテゴリでトップを取ったほか,公開一週めにして世界20か国でトップ10入りを果たしたという。
スマートフォンアプリでも快進撃を始めたOink Gamesからは,今後も目が離せなさそうだ。
「MUJO」App Store(iTunesが起動します)
Oink Games 日本語公式Webサイト
4Gamer「東京ゲームショウ2014」特設サイト
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(C)2014 Oink Games Inc.