インタビュー
「ファンキル」「タガタメ」プロデューサー 今泉 潤氏にインタビュー。盛況となった合同オフラインイベントの舞台裏を聞いた
関西圏で初となる今回のイベントでは,ファンキルとタガタメにちなんださまざまな催しが,トータルで14時間以上にわたって行われた。両タイトルのプロデューサーを務める今泉 潤氏はステージイベントに引っ張りだこで,文字どおり分刻みのスケジュールとなっていたようだ。
そういったなか,短時間ではあるが今泉氏に直接話を聞くことができた。(各タイトルの新情報が発表された)第2部よりも前に実施したこともあり,今回のインタビューでは,同社が積極的に取り組むオフラインイベントについて聞いた次第だ。
(関連記事)「ファンキル・タガタメサミット in 神戸」イベントレポート記事
関西圏で初の合同オフラインイベントを開催
4Gamer:
お忙しいなかのご対応,ありがとうございます。
今回のインタビューでは,gumiが注力するオフラインイベントの話題を中心に,いろいろと質問させてください。
プロデューサー 今泉 潤氏(以下,今泉氏):
分かりました。なんでも聞いてください!
4Gamer:
2タイトルでの合同となった今回のオフラインイベントですが,開催した手応えはいかがですか?
今泉氏:
これが今日のスケジュール表なんですけど,朝から晩までギッチリ埋まっていて,事前に台本を読む時間すらないという(笑)。
4Gamer:
広報さんに聞いたところ,このインタビューもステージイベントのリハーサルを抜けて来ているとか……?
今泉氏:
いやいや,4Gamerさんのインタビューですから!
4Gamer:
それは大変恐縮です。
今回は関西圏で初の大型オフラインイベントとなりましたが,どういった経緯で開催に至ったのでしょうか。
今泉氏:
スマホ向けアプリって,よほど大きなタイトルでもない限り,基本的に東京でしかオフラインイベントを開催しませんよね。であれば,もし自分たちが東京以外で開催できれば,インパクトがあるだろうなって思ったのが最初のきっかけです。
過去に東京で開催したファンキルやタガタメのオフラインイベントは盛り上がりましたし,あのときに出展した催しを,まだ体験したことのない人に向けて届けたいという想いもありました。
4Gamer:
しかも,まさかの2タイトルでの合同イベントです。
今泉氏:
ファンキルはもちろんですが,タガタメも今年2月に初の単独のイベントを成功させました(※関連記事)。なので,せっかくイベントを開催するなら,両方いっぺんにやれば凄いことになるんじゃないかなって。まさかここまでの規模になるとは思いませんでしたが(笑)。
最初に企画を考えたのが4月の中旬で,そのときは軽いノリで言ったんですけど,トントン拍子に進んでしまいました。弊社は本業はゲーム開発なのに,なんだかイベント会社みたいになっている節がありますね。
4Gamer:
第1部の出展エリアやステージイベントなどを取材していて,今泉さんだけでなくほかの出演者の皆さんも含め,来場客との距離の近さが印象に残っています。
今泉氏:
ありがとうございます。
僕は普段の生配信などでも,他社のプロデューサーさんなら普通は言わないことも,気軽に言ってしまうタイプなんです。オフラインイベントでは,その傾向が強くなっている部分はありますね。
そのなかには,SNSなどで拡散されると困っちゃうようなネタもあるんですけど,来場客にとってはイベントに来たお得感もあると思うので,まぁ,いいかなと(笑)。
4Gamer:
今泉氏:
ええ。来場客のなかにはシャイな方もいると思いますが,こうやって名刺を用意しておけば,「ください!」って声をかけやすいかなと。これをきっかけに,会話が広がることもありますよ。
実は以前のイベントで名刺を配ったとき,ゲーム内で有用なアイテムをQRコードを通じてプレゼントしたのですが,オークションサイトなどで転売されてしまったことがあるんです。人様の名刺を売るのってどうなのって気持ちもあるんですが,そういうのは良心に頼らざるを得ないし,転売禁止にするのも色々と面倒です。そこで今回のイベントでは,ゲーム内では役に立たない記念品をプレゼントしています。
4Gamer:
これは個人的な印象ですが,今泉さんは言いたいことはもっとたくさんあるんでしょうけど,表向きには出さずにぐっとこらえて,真摯に対応しているように見えます。
今泉氏:
「おまえらマジでさ…… 無料なんだからさ…… もうちょっとさ……!」って言いたくなることもありますよ(笑)。
実際,クソ運営だとか言われて凹むこともありますけど,オフラインイベントなどで直接話すと「意外とまじめにやってるんだね」って言われることも多いです。なのでイベントを開催することで,運営チーム側も励まされる思いですね。
今後は全国巡業ツアーを実施
プレイヤーとプレイヤーのコミュニケーションも
4Gamer:
今回のイベントも盛り上がっていますし,これからも積極的に開催されますか。
今泉氏:
ええ,もちろん。
詳しくはこのあとのステージイベントで発表するのですが,全国を巡業するツアーを計画しているんです。
4Gamer:
おお,もう少し詳しくお聞かせください。
今泉氏:
全国のプレイヤーからイベントを開催してほしいという要望が届いていて,自分たちとしても,できるだけ応えたいと考えています。とはいえ今回のような大規模イベントは,多額なコストがかかってしまいます。でも,もっと小規模なイベントならやれないことはないかなって。
4Gamer:
今泉さんは以前もファンキルで,ほとんど1人で全国各地を巡業されていましたよね。
今泉氏:
昔から好きなんですよ,ああいうの。
さすがにアレよりは規模は大きくなりますが,50〜100人くらいを想定した,なんというか結婚式の二次会みたいな雰囲気で,同じゲーム好きがつながる楽しさを体験してほしいと思っています。
あぁ,そうそう。“つながる”といえば,これからは参加者同士のコミュニケーションも盛り上げたいですね。
4Gamer:
ファンキルやタガタメのプレイヤー同士,ということですか。
今泉氏:
オフラインイベントに参加して得られる,「自分と同じゲームが好きな人がこんなにいるんだ!」っていう一体感は,ほかでは味わえない醍醐味です。でもその一方で,周りに仲間がいなくて,イベントに参加したいと思っても足を踏み出せない人もいると思うんです。
4Gamer:
もったいないですよね。
今泉氏:
なので,これまでのオフラインイベントで重視していた「運営とプレイヤー」に加えて,「プレイヤー同士」もつなぎたいなと。もちろん,強制ではありませんけどね。
4Gamer:
名刺の件と同じく,オフラインイベントに参加することがコミュニケーションのきっかけになるわけですね。
今泉氏:
ちなみに,両タイトルでは対戦系のコンテンツに最近注力しているのですが,これもプレイヤー同士のコミュニケーションを盛り上げたいという想いから企画しました。ゲーム内のコミュニティが盛り上がれば,「あいつに会いたいからイベントに行く」といった流れにも期待できますよね。
4Gamer:
そういえば,さきほど会場内のカフェテリアで食事をしていたところ,初顔合わせの来場客同士が物販で購入できるバッジを交換していて,そこからゲーム談義で盛り上がっていました。
今泉氏:
まさに,そうやって盛り上がってくれると最高ですね。
ファンキルやタガタメを“思い出”に残るアプリに
4Gamer:
御社のタイトルはオフラインイベントを積極的に開催していますが,これにはどういった考えがあるのでしょうか。
今泉氏:
決まった広告予算に対し,これをどのように使えば最もゲームが盛り上がれるのかを考えています。“広告”というと,たとえばコマーシャルなどをイメージする人もいると思うのですが,アレって実際に遊んでいる人にとってはあまり関係ないんですよね。しかしリアルイベントに広告予算を使えば,ゲーム内とも連動できるし,思い出にも残してもらえるわけです。
4Gamer:
なるほど。
今泉氏:
僕たちは皆さんのお陰で収益をあげて,サービスを続けられるわけです。みんなへのお返しをしたいと常々考えていて,それがオフラインイベントという形になっています。過去に開催されたオフラインイベントでは,かなり豪華な冊子を無料で配ったのですが,それも感謝の気持ちの表れの一つですね。
4Gamer:
確かに,あの冊子は無料とは思えないクオリティでした。
今泉氏:
ファンキルの正式サービスが始まって4年目,タガタメは3年目をそれぞれ迎えていますが,スマホ向けアプリでこれだけ長く続けられるのは珍しいでしょう。それだけに,たとえばちょっとApp Store / Google Playの順位が落ちているときなど,「ファンキルどうなるんだ?」みたいなネガティブな話にもなりがちなんです。
実際には全然そんなことないし,安心感を伝えたいという意味でもオフラインイベントには全力を注いでいます。
4Gamer:
長い目で見ると,ファンキルやタガタメをIPとして育てたい,というところに行き着くのでしょうか。
今泉氏:
オフラインイベントに力を入れるのも,ゲーム内の物語がエンディングを迎えるのも,タガタメの劇場版プロジェクトを手がけるのも,全部そうです。これからもさまざまな切り口で,ファンキルやタガタメを思い出に残るアプリにするために模索していきたいです。
4Gamer:
そのあたりの考えは,以前のインタビューから一貫されていますね。
最後になりますが,今後のオフラインイベントへの参加を考えている人に向けて,ひとことお願いします。
今泉氏:
先ほども話しましたが,イベントで儲けようという気はなくて,逆に利益を還元する形として開催しています。こういったイベントに一人で参加するのはハードルが高いかもしれませんが,そうならないように努力しているので,ぜひ気軽に来てください。せっかくゲームを楽しんでいただいているのなら,僕たちの気持ちをオフイベでも受け取ってくれたらいいなと思います。
4Gamer:
今回はお忙しいなかのご対応,ありがとうございました。
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