プレイレポート
「ピグブレイブ」CBTのプレイレポート。かわいいピグの見た目に反して,しっかりしたMORPGだった
同じくサイバーエージェントがサービスを提供している「アメーバピグ」風のキャラクターが,最大4人のパーティで冒険するMORPGとして開発が進められている本作。伊藤賢治氏が楽曲を提供していることでも話題となっている。
本稿ではβテストをプレイして分かったゲーム内容やプレイフィールについてお届けしよう。
スインガルドという世界を舞台に,1000年の封印から蘇ったドラゴンを倒すために旅立つ冒険者達を描く本作。プレイヤーはまず,自身が操作するキャラクターを4つの種族から選んで作成し,冒険へと旅立つ。その種族は「ピグル」「エルフ」「ドワーフ」「ニャンクス」で,顔のパーツを自由に選んでメイキングが可能だ。もし「アメーバピグ」のユーザーなら,そこで使っているピグをベースにしてキャラクターを作ることもできる。アバターパーツの数は「アメーバピグ」より多いとのことだ。
こうして冒険者となったプレイヤーは,まず,チュートリアルを兼ねたシングルプレイ用ダンジョン「セルバラの森」に挑み,その後「エルバーン城下町」にある酒場で仲間を集めて冒険を進めていくことになる。一つの城下町にアクセスできるプレイヤーの数は最大30人だが,自分のフレンドはアクセスしている城下町が違っても連絡を取り合ってパーティを組むことが可能だ。
本作に用意されているジョブは,タンク役の「ナイト」,アタッカーの「モンク」「ウィザード」,ヒーラーの「クレリック」という4種類で,それぞれの役割をこなしながら戦うというオンラインRPGの基本を踏襲した作りになっている。一つの城下町にアクセスできるのが30人ということで,パーティを募集しても特定のジョブが集まらないこともあるのでは,という心配をする人もいるかもしれないが,本作では冒険に出ているとき以外ならいつでもジョブを変更できるので,チャットなどを使って調整すればパーティを組めるはずだ。
なお,本作のメインとなる「ストーリー」は,ダンジョンをクリアするごとに次のダンジョンが開放されるシステムとなっており,パーティを組んだ場合は,メンバーの中で一番進んでいないプレイヤーの進行度に合わせたダンジョンにしか行けない仕組みになっている。レベルが低いプレイヤーでも,自分では太刀打ちできない場所へ連れて行かれてしまったり,物語が分からなくなったりする心配は無い。
なお,ストーリー以外にも,定期的に開催されるイベントクエストなどが用意されている。
ダンジョンの攻略は,敵との戦闘を繰り返す方式となっており,迷路のような作りの場所を移動したり,仕掛けられた罠を避けたりといったことは必要ない。
戦闘は画像のような12×12のマス目が描かれたフィールドが舞台で,ターン制ではなく,リアルタイムで進行する。
フィールドは7×12がプレイヤー側,5×12が敵側のエリアで,プレイヤーは自陣エリアのマス目をクリックすれば,そこに移動可能だ。攻撃や回復などのスキルは,敵や仲間にカーソルを合わせると現れるスキルアイコンか,画面下に表示される同様のアイコンをクリックして使用する。
スキルを使うために消費するMP的なパラメータはないが,スキルは一度使用してから一定時間が経過しないと再使用できないので,とくに回復系のスキルは使いどころの見極めが重要になるだろう。
敵の攻撃方法はなかなか多彩で,一筋縄ではいかない。今回のプレイで印象的だったのは,スケルトンが使ってくる「爆弾」だ。これは広範囲にダメージを与えてくる攻撃だが,発動するとまずプレイヤー側エリアの一部が赤く光り,一定時間後にプレイヤーキャラクターがそこにいるとダメージを受けてしまう。
うまく範囲外に移動すればダメージを受けずに済むのだが,スキルアイコンをクリックしてからスキル発動までの間に移動操作をすると,そのスキルがキャンセルされるというデメリットもある。スケルトンは爆弾を頻繁に使ってくるので,逃げ回るだけで精一杯,という状況にも遭遇した。
ただスキルを選んで攻撃していくだけでなく,状況を考えてエリア内を移動したり,複数の敵がいるときに倒す順番を考えたりといったことも必要で,しっかりとした戦略性があるという印象。サービス開始時のジョブは今回と同じ4種類だが,新たなジョブが追加される可能性もあるとのことで,戦略の幅は広がっていきそうだ。
今回本作をプレイしてみて,個人的にはクレリックの重要性が高すぎるように感じた。というのも,序盤の回復手段はクレリックのスキルだけで,戦闘中にクレリックが力尽きると,とたんに勝利が難しくなってしまうからだ。1回戦闘が終了すると,力尽きて魂になったプレイヤーがすべて復活するという仕様なので,その場をしのげば何とかなる場合もあるのだが……。
また,気になった点は操作面にもあった。これまで説明してきたように,本作ではクリックで移動やスキル対象の選択を行うのだが,移動したい場所やスキルを使いたいキャラクターに,ほかのキャラクターが重なってしまって,思ったとおりの操作ができないという事態がしばしば発生したのだ。
ただし,サイバーエージェントによると,正式サービスではクレリック以外のジョブもレベルを上げることで回復用のスキルを覚えていくとのこと。また,操作面の問題についても正式サービスに向けて対応を進めているとのことなので,改善に期待したいところだ。
筆者は本作が発表されたとき,アメーバピグ風のビジュアルから,もっとカジュアルなものを想像していた。確かにほかのプレイヤーと気軽にチャットできる仕様や,マウスのみで行える操作など,アメーバピグの特徴は引き継がれているが,今回のβテストをプレイして,予想以上にしっかりとしたMORPGとして作られているという印象を受けた。
ストーリーを綴るカットシーンでは,ピグとは印象の異なる,手描きのような表現が用いられていたり,ファンタジーRPGファンの琴線に触れるような装備やモンスター,あるいは画面周りのデザインが起こされていたりと,アメーバピグのユーザー層以外の取り込みにも積極的なようだ。
アカウントはアメーバピグと共通なので,冒険を共にする仲間に困ることがなさそうなのも大きなポイントだろう。正式サービス開始まではまだ少し間があるが,大いに期待したい。
なお,本作では2015年2月に第2回のクローズドβテストが予定されている。第1回に応募していなかった人は,公式サイトで事前登録を済ませておこう(第1回に応募した人は,再度登録する必要はない)。
「ピグブレイブ」公式サイト
- 関連タイトル:
ピグブレイブ
- この記事のURL: