プレイレポート
「大逆転裁判 −成歩堂龍ノ介の冒險−」英国法廷のインプレッションをお届け。法廷に新風を吹き込む陪審バトルが面白い
帝都勇盟大学の学生である龍ノ介は,日本での裁判を経験したのち,最新の司法制度を学ぶため,留学生としてロンドンに渡ることになる。
今回は,ちょうどロンドンに着いたばかりの龍ノ介が,ある人物から弁護の依頼をされることで,はじめて経験することになる「英国法廷」のインプレッションをお届けしよう。ちなみに,物語としては第3話の部分になる。
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「大逆転裁判 −成歩堂龍ノ介の冒險−」公式サイト
「逆転裁判」におけるプレイヤーの役目は,なんらかの事件に巻き込まれた依頼人の容疑を晴らして,無罪を勝ち取ることにある。そのために,プレイヤーは証人台に立った事件の目撃者などから証言を聞き,尋問をしながら証言と証拠のムジュンを突きつけ,事件を真相へと導いていくわけだ。
この流れは英国法廷でも基本的に同じなのだが,裁判に立ち会う関係者に決定的な違いが1つだけある。それは,倫敦市民から無作為に選ばれた6人の陪審員の存在だ。英国法廷ではこの陪審員達の評決が,被告人に対する判決を大きく左右する。
陪審員達は証人の話を独自に解釈するので,思った以上に厄介な存在だ。従来作ならば,プレイヤーが証人を「ゆさぶる」ことで,新たな情報や証言を引き出し,裁判を有利に進められたのだが,本作ではそれがアダになることがある。
なぜかというと,新たな情報や証言が,被告人にとって不利になるような内容であれば,陪審員達がそれをもとに有罪だと決め付けてしまうからだ。
陪審員は,それぞれ自分の中で評決が決まったら,「炎弾」を大天秤に打ち込むことで,意思表示をする。最終的に6人全員が黒(有罪)に入れると,その時点で審理が中断されて判決が下されるのだが,ここでプレイヤーは「最終弁論」の権利を主張できる。そして,始まるのが「陪審バトル」だ。
これにより,陪審員達を説得する時間をもらえるのだが,すでに有罪の判断を下した陪審員達は,弁護士の言葉に耳を貸してくれない。したがって,自身の言葉で彼らの評決を覆すのは不可能に近いわけだが,そこでカギになるのが陪審員達の“主張”だ。
陪審バトルが始まると,まず陪審員達が被告人を有罪にした理由を主張し始める。その中からムジュンする主張同士をぶつけることで,評決を再検討させることができ,その結果,天秤が白(無罪)に傾けば,審理が続行されるという仕組みになる。審理が続行されれば,再び証人へ尋問を行うことができ,依頼人の無実を証明するチャンスが訪れるというわけだ。
この最終弁論による陪審バトルこそが,英国法廷における逆転の切り札になる。自信満々に主張している陪審員にムジュンを突きつけて,考えを改めさせた時の快感は格別だ。
さらに,陪審員達はあくまでも証人の証言をもとに評決しているということを思い出してもらいたい。当然評決の根拠が食い違うとなれば,そのもとである証言自体にムジュンが生じていることになる。
要するに,陪審員達はそれぞれの立場で証言を聞いているため,プレイヤーが気付かなかった証言のムジュンを,最終弁論で浮き彫りにできるのだ。
一見すると法廷バトルを複雑にしているように見える陪審バトルだが,プレイしてみると,従来のシステムにうまくマッチしているどころか,法廷バトルをより奥深く,そして面白く仕上げるのに一役買っている印象を受けた。
ニンテンドーeショップやニンテンドーゾーンでは,主人公の成歩堂龍ノ介とシャーロック・ホームズの共同推理が楽しめる体験版も配信され(関連記事),発売まで残すところ1か月を切った本作。陪審制をフィーチャーしたことで,ゲームシステムに新風が吹き込まれ,従来作とは一味違った法廷バトルが楽しめるので,ぜひ実際に製品版をプレイしてそれを味わってみてほしい。
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