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「討鬼伝 極×プレコミュ先行試遊会 モノノフ出陣式」の模様をレポート。開発陣の実機プレイで,新しい武器種や必殺技の要素などが明らかに
コーエーテクモゲームスは本日(2014年5月31日),ハンティングアクション「討鬼伝 極」(PS Vita/PSP)の先行試遊会「『討鬼伝 極』×プレコミュ先行試遊会『モノノフ出陣式』」を都内で開催した。今回のイベントは,ソニー・コンピュータエンタテインメントのコミュニティサイト「プレコミュ」で募集された一般参加者向け体験会と,メディアと流通関係者に向けた体験会が別に行われており,ここでは後者の模様についてレポートしよう。
小笠原賢一氏 |
森中 隆氏 |
「討鬼伝 極」公式サイト
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「討鬼伝 極」の発売が,2014年8月28日に決定。体験版が6月5日に配信開始されるほか,「討鬼伝 極 TREASURE BOX」の特典内容なども明らかに
イベント前半は「披露の巻」として,本作の詳細について,プロデューサーの森中 隆氏が解説を行った。
まず「討鬼伝 極」のゼネラルプロデューサーを務める,コーエーテクモゲームスの小笠原賢一氏が登壇し「昨年『討鬼伝』を発売したときは,ほかのハンティングアクションに先行されていましたが,今回の『討鬼伝 極』は,そんなライバルタイトルに追いつき,追い越す意気込みで制作しました。タイトルどおり,質量極まった作品となります」と挨拶を述べた。
続いて,プロデューサー森中 隆氏が,2日前に完成したばかりのプロモーションビデオを披露し,ゲームの紹介を行った。討鬼伝 極は,2013年6月に発売されたハンティングアクション「討鬼伝」(PS Vita/PSP)の内容をまるごと収録し,さらに前作と同じほどのボリュームを持った追加要素を一つにまとめた作品だ。新たな鬼やキャラクター,武器,アクションなどが楽しめるという。
ストーリーは前作に続く形で新規部分が追加されるので,前作を遊んだ人には追加部分をじっくり楽しめ,初めて遊ぶ人は,「討鬼伝」の最初から「討鬼伝 極」のラストまで一気に楽しめるようになっているという。
主な敵となる大型の鬼については,「オラビ」「イミハヤヒ」といった新たな鬼が登場し,全体の数としては前作の2倍。さらに,AIが強化されて賢くなっているので,前作を遊び込んだ人でも倒し甲斐のある敵になっている。
また,新たな武器種として「金砕棒」(かなさいぼう),「薙刀」「銃」が追加されているほか,「献」(けん)と「壊」(かい)という2種の戦闘スタイルが加わっている。これらの内容については,のちほどお伝えしたい。
従来の6つ武器種に加え,3種の武器アクションが追加された |
強力な部位破壊技の「鬼千切・極」は,共闘時に決めると気持ちがいい |
さらに「討鬼伝 極」の新アクションとして追加されたのが「鬼千切・極」(おにちぎり・きわみ)だ。これはマルチプレイなどで複数のキャラクターとゲージを共有することで繰り出す必殺技で,これを決めると,一撃で鬼の複数の部位を破壊できる。単独で使用する「鬼千切」より,はるかに強力なものになっているわけだ。
そして,前作をプレイした人にとって嬉しいのが,セーブデータ引き継ぎ要素だ。それまでのゲームの進行度や持っている武器防具,ミタマなど,すべての内容を引き継げるという。さらに,前作をPSPでプレイしたが,今回はPS Vitaで遊びたいというプレイヤーに向け,PSPからPS Vitaへのデータの引き継ぎも可能となっている。
武器は1000以上,防具も100セット以上が追加され,収集がさらに楽しくなる |
これまでのセーブデータは,そのまま引き継げる |
ここからは本作のディレクター関口和敏氏と影武者(開発陣)によるデモプレイで,新規の武器種や戦闘スタイルについて,後日配信予定の「アクション体験版」を使っての解説が行われた。
ここでまず関口氏が使用していた銃は,遠距離からの狙撃ができるもの。銃を構えると,鬼の弱点である霊脈が赤く光り,そこを狙うことで大きなダメージを与えられるのだ。装備している銃によって,複数の弾種の切り替え([△]を押したあとに[□]か[○])が可能で,近距離で効果の高い散弾や,弾に特殊効果を持たせられる狙撃弾など,戦況によって切り替えられる。
また銃装備者の特殊技として,「擲弾」という霊力を込めた爆弾を投げることが可能だ([□]+[×])。放物線を描いて飛んでいく擲弾は時限式で爆発し,敵にダメージを与えるが,持っている銃で撃ってその場で爆発させるというテクニックもあり,このときにどの弾種で打ち抜くかで爆発したときの効果も変わるという。
続いては,金砕棒が紹介された。これはかなり重量があり,振るのが遅く扱いが難しいのだが,そのぶん攻撃範囲が広く威力も高い。
先端を鬼にヒットさせると「豪打」となり,豪打を当て続けるとプレイヤーが一定時間「豪腕状態」になって,振りが速くなり,溜め攻撃に必要な時間も短縮される。攻撃を当てれば当てるほど,弱点である重量が軽くなり,強力な武器になっていくわけだ。
この金砕棒の特殊攻撃は[○]で溜めることができ,最大で9段階の溜め攻撃が繰り出せる。また「発止」([□]+[×])は,攻撃してくる敵をひるませるカウンター技だ。
最後に紹介されたのは薙刀。関口氏によれば「比較的初心者向き」だそうだが,攻撃範囲の広さとスピードが特徴だ。ボタンを押すだけで素早いコンボがくり出され,[△]を長押しすることで「暁」というジャンプ攻撃も出せる。
上級者向けのテクニックもあり,敵の攻撃を受けずに自分の攻撃を当て続けると,一定時間「連舞状態」となり,このときは薙刀が敵の複数の部位にヒットする。また連舞状態には,[○]連打で出せる連続攻撃「繚乱」の攻撃速度を上昇させる効果もあるという。
敵の攻撃を受け流す「流転」([□]+[×])というアクションもあり,上級者ほど,華麗に敵の攻撃を避けながら攻撃し続けられるわけだ。
続いて紹介されたのは,ミタマによる戦闘スタイルについて。「壊」は,敵の部位破壊を得意とするミタマで,部位を破壊するたびに自身の攻撃力がどんどん上がる特徴を持っている。部位に対する攻撃力(与えるダメージは変わらないが,部位を破壊しやすくなる)を上げる「鎧割」,攻撃した部位に鬼祓いの力を付与する(部位破壊すると即時に,鬼祓いが完了する)「断祓」,一定時間武器ゲージの増加量を一気に上昇させる「布都御魂」といった,本作の醍醐味である部位破壊に特化したタマフリを使用することが可能なのだ。
「献」は,味方の支援を得意とするミタマで,自分の武器ゲージの一部をエリア内の味方に与える力を持っている。味方が受けるダメージを一定時間,エリアの味方全員で共有する「命ノ楔」,自分の周囲の味方を無敵にしつつ,発動中は自分の体力が次第に減っていくという「捨身供儀」,周囲の味方の防御力と攻撃力を上昇させる「献身」などが使用できる。
中でも味方とダメージを共有する命ノ楔は,ダメージを直接受けた本人以外はゲージが赤くなる(一定時間で回復)だけなので,戦略に組み込めば,かなり面白くなりそうだ。
関口氏は最後に鬼千切・極を使うところも見せてくれた。味方の名前の左側にあるゲージがいっぱいになると,味方の1人がこれを使えるようになるが(ゲージの右に「極」のマークが出る),敵の複数の部位にヒットさせるためには味方との協力が必要で,接近することでリンク(青いラインで表示)された味方の数だけ,部位を破壊できる。
ほかのプレイヤーとの共闘時なら声をかければいいが,ソロプレイでNPCを使っているときなどは,指示コマンドを使って味方を周囲に集めることが必要になるだろう。
鬼千切・極をヒットさせると,部位破壊だけでなく,敵がその場に長時間ダウンするので,ここから一気に攻め立てていくことができる。
ここで来場者は試遊会場へと移動し,アクション体験版を試遊する「出陣の巻」となった。今回は試遊の時間がかなり限られていたため,気になる新武器種をすべて使うことはできなかったが,金砕棒のアクションと,薙刀でのマルチプレイを試せたので,その感触を簡単にお伝えしていこう。
カウンター攻撃の発止は,突進など,敵が体全体を使ってくる攻撃は止められないため,動きをよく見て繰り出すことが必要だ。やはり,ある程度ゲームに慣れたモノノフ向けと言えるだろう。
マルチで使用した薙刀は,筆者のような本作にあまり慣れていないプレイヤーにも分かりやすく,さらに暁からの空中攻撃も多彩で,扱いやすかった。体験会で相手にした大型鬼オラビは飛行する敵で,空中にいる時間も長いため,空中攻撃でさらにダメージを与えることもできた。ただし,空中にいるときは敵から受けるダメージが増加するので,注意は必要だ。
筆者は薙刀の連舞状態をあまり意識せずに戦っていたので,それほど戦力になれず,一緒に鬼に挑んだ来場者に申し訳なかったのだが,それでも,全員で鬼千切・極をくり出すことができたりなど,時間いっぱい,かなり楽しんだ。
最後の「告知の巻」では,プロデューサーの森中氏が本作の発売日を発表。8月28日にはゲーム本編のほか,「もふもふ天狐ぬいぐるみ」や画集,サントラCDなどを同梱した「討鬼伝 極 TREASURE BOX」の発売も決定している。
6月30日まで「ミタマデザインコンテスト」が開催される。最優秀作品は,ゲームにミタマとして登場する |
STUDIO4℃による,プロモーションアニメ第2弾が製作中 |
「クイズバトル討鬼伝」公式サイト
討鬼伝 極の初回封入特典として,「なりきり衣装」のダウンロードコードが同梱 |
ショップ別の予約特典としては,4種類の防具が用意される予定だ |
データの引き継ぎをすることでもらえる特典もある。天狐の装備に注目! |
ゲームの発売日は8月28日に決定。豪華特典が用意された「討鬼伝 極 TREASURE BOX」の発売も決定した |
イベント終了後,開発陣への簡単な合同インタビューが行われたので,最後にその様子をお伝えしよう。
――体験会を終えての気持ちを教えてください。
小笠原賢一氏(以下,小笠原氏):
まだすべてでははありませんが,「討鬼伝 極」の進化したゲームシステムや内容については一通りお話できましたので,それをぜひ読者の方々に伝えてほしいですね。
森中 隆氏(以下,森中氏):
前作を作るとき,「絶対に続編まで作れるようにしよう」という意気込みで始めたタイトルでしたので,その続編を実機で披露できるところまでたどり着けて,非常に嬉しく思っています。
関口和敏氏(以下,関口氏):
デモプレイで無事に鬼千切・極が出せてホッとしています(笑)。今回使用したのが「アクション体験版」ということで,アクション部分をご紹介できてよかったと思っています。前作のアクション体験版では,プレイヤーの皆さんから非常に厳しい意見をもらいまして,それを踏まえたうえで今回の体験版を作っています。ですから今回もまた,よりよい意見をいただけることを期待しています。「討鬼伝」シリーズはプレイヤーと一緒に作ってきたという自負がありますので,これからもそうやっていきたいと考えています。ぜひ協力していただければと思います。
――武器の新たな強化システムを考えていると,森中さんがイベントでチラリと触れていましたが,それは弱い武器を強くできるという考え方なのですか。
森中氏:
そういえば,言っちゃいましたね(笑)。
関口氏:
簡単に言うと,武器を1000種類以上まで一気に増やしたため,武器のツリー構造を見直し,強化システムを改善したということです。武器ツリーに関しては,プレイヤーからの意見も多かったので,満足いただけるように調整中です。
――そういった調整部分で,一番大きく変わったところはどこですか。
森中氏:
一番変化したのは,天狐だと思います(笑)。活躍の場がかなり増えています。今回,データ引き継ぎの特典として「天狐装備」がありますが,それ以外にも天狐の装備があるんです。装備によって何がどう変わるのかについては,後日お知らせします。
――既存の鬼は,どのように変わっているんでしょうか。
関口氏:
まずは,AIを見直していますので,挙動がよくなりました。アクション体験版にも入っていますが,高難度向けの攻撃も追加されているので,かなり手ごわいです。うちの手練れでも簡単には勝てないぐらいまで強くしました。それと,複数同時討伐などのときに,挙動がよくなかったものを直して,かなり手応えのあるものにしました。ゲームとしては,「難しいけど面白い」という方向で調整を加えています。
――AIの改善以外で,プレイヤーの意見を反映させたところはありますか。
関口氏:
武器の追加は当然ながら,あとは防具のデザインです。ゴツいものが多いという意見がありましたので,「討鬼伝」ならではというスタンスを残しつつ,皆さんが求めている,スタイリッシュな防具なども増やしています。
――今回追加された「金砕棒」と「薙刀」「銃」は,以前から構想があったのでしょうか。それとも今回新たに作られたものなんですか。
関口氏:
あの3種の案は開発初期からありましたが,アクションは追加にあたって新たに考えたものです。前作で「討鬼伝」というゲームの雰囲気が確立できましたので,それに合わせて設計しています。
――アクション体験版のほか,引き継ぎ体験版の予定はありますか。
小笠原氏:
まずはアクション体験版で楽しんでもらって,あとは順番に,ということになると思います(笑)。
――プロモーションアニメは,どのようなものになるんでしょうか。
森中氏:
現在鋭意制作中で,絵コンテも上がってきました。主に前作から本作へのつなぎとなる,新キャラクターの登場を描いています。本作の前日譚,というところでしょうか。
――スマートフォンアプリ,「クイズバトル討鬼伝」について教えてください。
森中氏:
実はもう完成に近い状態で,現在はブラッシュアップをしているところです。「討鬼伝 極」の発売前の夏にはリリースしたいと考えていますので,期待してください。
小笠原氏:
クイズバトルを遊ぶと,本編でもいいことがあるような仕掛けも入れていますので,発売までクイズバトルで楽しんでもらって,8月28日の発売に向けて盛り上げていきたいと考えています。現在事前登録も行っていますが,登録者が増えるほど特典も良くしていきますので,ぜひ登録してほしいですね。
――ちなみに,クイズはやはり,歴史に強いと有利になったりするんでしょうか。
森中氏:
確かにクイズのジャンルとして「歴史」を用意させていただいてますので,詳しい人は戦いやすいのではないでしょうか。もちろん「討鬼伝」関連のクイズも入っていますので,楽しみにしてください。
――本日は,どうもありがとうございました。
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(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
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