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放置が後ろめたいなら見守ろう。スマートフォン向けRPG「てくてく勇者」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第484回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
RPGといえば,地道に戦闘を重ねて経験値やアイテムを稼ぎ,キャラクターを育てていくという流れが一般的だ。たとえバトルに斬新なシステムやアイデアが採用されていたとしても,繰り返していればどうしても面倒くさくなるというもの。
本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」では,バトルはお任せでRPGを楽しめるというという,お手軽かつオイシイとこ取りな作品「てくてく勇者」(iOS / Android)を紹介しよう。
iOS版「てくてく勇者」ダウンロード
Android版「てくてく勇者」ダウンロード
プレイヤーは「トアル王国」の勇者となり,魔王を倒す旅へと旅立つことになる。最初に戦士か魔術師を選ぶことになるが,どちらを選んでも十分攻略可能なうえ,そもそもバトルは「お任せ」なので,外見などの好みで選ぶといい。
さて,ゲームを開始するとまずはチュートリアルとなる。本作はスタミナを消費してダンジョンに挑み,クリアすれば道中のお宝やゴールドを手に入れて,次のダンジョンが開放される,という流れで進む。ワールドマップは「もり」「さばく」といったエリアに分かれており,それぞれ5つのダンジョンが用意されている。そして,各エリア最後のダンジョン最深部にはボスが待ち構えており,これらを倒せば新たなエリアへ進めるようになるのだ。
さて,肝心のバトルはこれまで語ったように,お任せ,つまりオートで進む。主人公の行動は「攻撃」か特定の状況に応じた「アイテム使用」のみで,どんどんモンスターを倒し,ダンジョンを踏破してくれる。
ここまでの説明で放置系のゲームに思えたかもしれないが,本作の特徴は「バックグラウンド状態ではゲームが進行しない」という点。放置系ゲームではキャラクターを冒険に行かせ,その間ほかのアプリを起動……というスタイルになるが,本作ではそれができず,ゲーム内の勇者を「見守る」ことになる。ダンジョン攻略中は端末がスリープ状態にならない仕様なので,じっくり見守れるはずだ。
見守ると行っても,ただ見ているだけではなく,プレイヤーは「にげる」指示を主人公に出すことができる。にげるは文字通りダンジョンから撤退させるもので,それまでに獲得した経験値やアイテムを失うことはない。死んでしまうと経験値やアイテムは得られないので,「危ない!」と感じたら即座に逃げさせよう。この「危ないときだけ助けてあげる」という作りはなかなか面白く,まさに見守り型だ。
本作は物語が少し進むと,ダンジョンを「ループ」できるようになる。要は同じダンジョンを何回繰り返し攻略するかという設定で,たとえばループを3に設定すれば,勇者は同じダンジョンに3回挑むこととなる。経験値稼ぎとしてよく見られる「ダンジョン選択→クリア→再度同じダンジョン選択」という作業を行う機能が用意されているというわけだ。これはなかなか便利な機能で,問題なくクリアできる程度のダンジョンであれば,複数回ループを設定し,あとは別の作業という,放置型ゲームに似た遊び方もできる。
さすがに最前線のダンジョンでループさせるのは心臓に悪いが,経験値稼ぎではおおいに役立ってくれる。ただし端末はしっかり充電しておくように |
モンスターを倒すと,そのダンジョン攻略中のみ効果が発動するステータスアップアイテムを入手できる。倒せば倒すほどバトルが有利になるのだ |
ちょっとしたハック&スラッシュ的要素も取り入れられており,宝箱からは回復アイテムやゴールドのほか,武器や防具も入手できる。お店には並ばない武具を調達できることもあるので,ゴールド節約のために武具を求めて探索ということも可能。もちろん,お店で新しい武具に買い換えるほうが手っ取り早いので,この辺りは個人のスタイルということになるだろう。
また,宝箱から「モンスターの卵」を入手すると,「ペット」が利用可能になる。ペットたちはそれぞれ特殊なスキルを持っており,ダンジョンに連れて行くことでそのスキルが発動。ペット自身が戦うことはないので,特殊スキルのついたアクセサリという感覚に近いだろうか。同種の卵を一定数入手すればペットのレベルが上がり,さらにスキルが強化されるという要素もある。
トボけたテキストやサクサクと上がるレベル(最大レベルは999),そしてレベルアップボーナスを任意でステータスに振り分けられる育成の自由度など,細部まで非常に作りこまれたかなりの良作。RPGのキモであるバトルが自動でありながら,ここまで面白く作り上げたセンスは見事と言うほかない。ぜひ一度プレイしてみてほしい。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。
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