出演声優陣が「頭文字D ARCADE STAGE 8 インフィニティ」でレースを繰り広げた「新劇場版『頭文字Ｄ』スペシャルイベント〜覚醒〜」をレポート

　2014年8月より公開中の劇場用アニメ「新劇場版 頭文字（イニシャル）D Legend1 -覚醒-」に出演する声優陣が登場するイベント「新劇場版『頭文字D』スペシャルイベント〜覚醒〜」が，10月4日に世田谷区民会館で開催された。本イベントは昼の部と夜の部の2回，声優陣や劇場版の製作スタッフによるトークや生アフレコなどが行われたほか，セガのアーケードゲーム「頭文字D ARCADE STAGE 8 インフィニティ」を使った出演者によるゲーム大会なども行われた。本稿では当日の昼の部の模様をお届けしていく。

　ステージに登場したのは，藤原拓海役の宮野真守さん，高橋啓介役の中村優一さん，武内 樹役の白石 稔さん，立花祐一役の志村知幸さん，そして劇場版のCGクリエイティブプロデューサーの松浦裕暁氏の5人。さらに昼の部のスペシャルゲスト，池谷浩一郎役の土田 大さんと藤原文太役の平田広明さんが加わって，「新劇場版D（ドラマチック）トーク」を展開した。

スクリーンに出されたテーマに沿って，劇場版のシーンにまつわるキーワードをフリップに書いてトークを展開

高橋涼介役の小野大輔さんからのビデオメッセージ。中村さん演じる啓介の兄役という話から，なぜか小野家の話へと脱線していく約4分半のトークに，全員が「長い！」とツッコミを入れた。

小野さんのメッセージが終わったところで，ゲストはここで退場と聞かされ，一同ビックリ。藤原豆腐店にあやかって「厚揚げ（色の）ファッション」で登場した平田さんも名残惜しそうに挨拶した

　続いてのコーナーは「イニシャルD 聖地巡礼クイズ」がスタート。出演者の1人，志村さんが配役の立花祐一と同じ姿で，イニシャルDの聖地である群馬県を旅歩きながら，クイズを出していくという映像がスクリーンに映された。食べ歩きをしながらの旅番組風レポートで，聖地ということ以外は作品とほとんど関係がない内容に，客席とステージ上の一同は大爆笑。しかし最後には，「おもちゃと人形 自動車博物館」に展示された，藤原豆腐店のハチロクを紹介し，クイズの優勝者の中村さんには現地のお土産などもプレゼントされ，綺麗な形でコーナーが締めくくられた。

ガソリンスタンド店長の姿で登場した志村さん。「聖地巡礼クイズ 頭文字志（シー）」の決めカットに会場は爆笑の渦に

「ボートに乗ろうとする志村さんに渡されたものは？」というクイズの答えは，劇中でもおなじみの紙コップ。しかしあっけなくコップは湖面に落下してしまった

食べ歩きでなにを食べても「美味しい」と感想を述べる志村さんに，ステージ上から総ツッコミが入り，また客席は爆笑に

「おもちゃと人形 自動車博物館」で，藤原豆腐店を再現した展示と実物のハチロクを興奮気味に紹介した志村さん。ハチロクの中には例の紙コップもある

　そして今回のメインイベントともいえる，頭文字D ARCADE STAGE8 インフィニティを使ったゲーム大会が開催。出演者がゲームをプレイする前に，劇場版の製作にも協力しているプロレーサーの番場 琢さんによるデモンストレーション走行も行われ，ゲーム中でも超上級の「椿ライン / 下り / 晴れ / 昼」のコースをほとんどミスせずに走りきった見事なドライビングに，客席からは大きな拍手が上がっていた。
　本番では，実際に免許を持っている白石さんと志村さん，そして免許を持っていない宮野さんと中村さんがそれぞれ対決を行った。

ステージ上には筐体が用意され，それを使ってゲームをプレイした。写真中央はレーサーの番場さん

ハチゴーとGT-Rによる白石さんVS志村さんの対決。コースは「妙義 / 下り / 晴れ / 昼」で，抜きつ抜かれつのデッドヒートを制したのは志村さん。途中，宮野さんが白石さんのメガネを奪ってしまうというイタズラが勝負を分けた!?

続く対決では，宮野さんはもちろんハチロク，中村さんはRX-7 Type Rを選択。なぜか中村さんは女性のアバターを選んでスタート。コースは「赤城 / 下り / 晴れ / 昼」。こちらも接戦ながら，宮野さんが「踏みっぱなしだ！」「俺は心に免許を持ってる！」と拓海の声で気合を入れながら中村さんの車をブロックし，そのままフィニッシュ

決勝戦は宮野さんVS志村さん。車は同車種RX-7 Type Rで行われたが，色も同じにしてしまったために，観戦者が混乱する状況に。「秋名 / 下り / 晴れ / 夜」という，本日初のナイトコース。2台が並んで3連ヘアピンをドリフトするなど，観客を魅せるレース展開を続けた2人だったが，コース後半で先頭に立った志村さんがそのままフィニッシュし，優勝を飾った

　続いては，劇場版の製作スタッフによる，メイキングの映像を見ながらのトークが行われた。松浦氏，番場さん，そして音響監督の清水洋史氏がステージに登場した。

走りをリアルに描くために，番場さんをはじめ総勢5名のプロレーサーの車にスタッフが乗り込み，ドリフトを実体験し，スピード感の表現や流れる背景などの演出に役立てている

本作では音響にこだわり，サーキットを3日間借り切り，実車にマイクを9本取り付けるほか，コース上にもマイクを置き，エンジン音や排気音，走行音などを録音したという

プロレーサーによる走行時のテクニックを実際に見て，それを劇中に反映させている。ドリフトはハンドルさばきではなく，アクセルワークやサイドブレーキの使い方がポイントだそうだ

　そしてイベントの最後は，劇場版の名シーンを，出演者のライブアフレコで再現するコーナーへと突入。生ならではのアドリブも飛び出し，シリアスなシーンにも関わらず，会場からは時折笑いも起こっていた。

出演者が演じたキャラクターが登場するシーンがスクリーンに映し出され，それに生でアフレコをした

　劇場版公開後のイベントとあって，公開前とはまた違い，その内容などについても触れられた今回のイベント。すでに発表済みの次回作「新劇場版 頭文字D Legend2 -逃走-」にも期待を持たせつつ，昼の部のプログラムはすべては終了となった。

ラストに宮野さんの「新劇場版 頭文字Ｄ Legend1！」のコールに続いて，客席全員が「覚醒！」でハンドルを切るポーズをとって締めくくった

会場入口の物販コーナーも盛況

劇中のセリフやパネルを持って記念撮影するコーナーも設けられていた