27年間Blizzard Entertainmentを率いたマイク・ モーハイム氏が退任へ。新たな社長にはJ・アレン・ブラック氏が就任

　Blizzard Entertainmentは，創業者の1人であり，これまで27年間にわたって同社を率いてきたマイク・モーハイム（Mike Morhaime）氏が，2018年10月3日付けで社長を退任し，戦略顧問となることを明らかにした。新社長にはJ・アレン・ブラック（J Allen Brack）氏が就任する。
　さらに，「Overwatch」のエグゼクティブプロデューサーだったレイ・グレスコ（Ray Gresko）氏がチーフデベロップメントオフィサーに就任し，モーハイム氏と共に同社を設立したアレン・アダム（Allen Adham）氏がエグゼクティブチームに参加するとのこと。

「Blizzard Entertainment」公式サイト

マイク・モーハイム氏

　Blizzard Entertainmentは1991年，カリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）に在籍していたアレン・アダム氏が，クラスメイトのマイク・モーハイム氏と現副社長のフランク・ピアース（Frank Pearce）氏を誘う形で設立された（最初の社名はSilicon & Synapse）。
　以来，「Warcraft」「Diablo」「StarCraft」「World of Warcraft」「Hearthstone」，さらに「Overwatch」などのブランドを築き上げてきた北米ゲーム業界のトップメーカーだ。

　最近は上層部の入れ替わりが激しいようで，2004年に退職したアダム氏が2016年に復職したほか，同社の顔としてゲームイベントなどで人気のあったストーリー＆フランチャイズ担当副社長のクリス・メッツェン（Chris Mezten）氏が2016年に退職。のちのインタビューでメッツェン氏は，「失敗作が許されないプレッシャーによる疲労」を辞任の理由として挙げている。
　また，2018年4月には「Hearthstone」のディレクターだったベン・ブロード（Ben Brode）氏と，エグゼクティブプロデューサーだったハミルトン・チュウ（Hamilton Chu）氏が，「新しいことをやりたい」として揃って退社した。

J・アレン・ブラック氏

　新社長のJ・アレン・ブラック氏は，Origin System時代にゲーム業界に参加した24年目のベテラン開発者で，Sony Online Entertainment時代に「Star Wars Galaxies」などを開発したことが縁で，Blizzard Entertainmentに移り，「World of Warcraft」のエグゼクティブプロデューサーなどを務めてきた人物だ。11月2日〜3日に開催されるイベント「BlizzCon 2018」では「Diablo」の新作に関するアナウンスが予想されており，ブラック体制に移行しても同社の盤石さは揺るがないだろう。