インタビュー
「キャンディークラッシュ」5周年を迎えた今だから語れる成功と失敗。“次の一手”にも言及されたKing Japan代表 枝廣 憲氏インタビュー
代表作「キャンディークラッシュ」シリーズを筆頭に,「ファームヒーロー」(iOS / Android)「バブルウィッチ」(iOS / Android)といった数々のカジュアルパズルゲームをリリースし,各国でヒットを記録しているのはご存じのとおりである。
その日本支社となるKing Japanが設立されたのは2013年7月。日本文化に沿ったコンテンツ発信を目的とし,季節に応じたキャンペーンやイベント,プロモーション施策で斬新なプロジェクトを成功させてきた。同社のユニークなテレビCMが印象に残っている,という4Gamer読者も多いことだろう。
今回4Gamerでは,その仕掛け人であるKing Japan代表取締役の枝廣 憲氏にインタビューを行った。5周年を迎えた「キャンディークラッシュ」(iOS / Android)を振り返り,今後の展望,さらには海外タイトルを日本で定着させるために必要なことなど,スマートフォン向けゲームの最新動向を語ってもらった。
「キャンディークラッシュ」公式サイト
「キャンディークラッシュ」ダウンロードページ
「キャンディークラッシュ」ダウンロードページ
King Japan設立後の最初のミッションは
「キャンディークラッシュ」早急の改修
本日はよろしくお願いします。2013年7月にKing Japanが設立され,早4年が経ちました。枝廣さんは設立当初から代表を務めていらっしゃいますが,King Japanと出会ったきっかけは何だったのでしょうか。
枝廣憲氏(以下,枝廣氏):
法人としての設立は2013年7月で,オフィスの開設は2014年4月でした。
King本社では当時,日本支社の代表者を探していたんですが,海外から見ると,日本の市場は参入障壁が非常に高いんですよ。テレビCMを放映したくてもさまざまな制約があったり,言語の壁があったり。だから,日本の市場と文化をよく理解している人を代表に据える必要がありました。
4Gamer:
そこで,枝廣さんに白羽の矢が立ったということですね。
枝廣氏:
はい。私がジョインしたのは2014年1月頃です。ゲーム業界の経験があったため,そこが評価されたようです。
4Gamer:
ゲームの開発と運営はKing本社が行っていますが,日本支社はどのような役割を担っているのでしょうか。
枝廣氏:
日本国内でのマーケティングが主なミッションですが,ローカライズ,カルチャライズの面もシビアに監修しています。今でこそ自然な日本語表記とUIになっていますが,当初「キャンディークラッシュ」は課題が山積でした。本格的な日本展開の前に,私からKing本社へ「きちんと改修すべきだ」とはっきり告げました。
4Gamer:
当時はブラウザソーシャルゲームの名残もあったので,そのままローカライズしただけでは難しいと感じられたのですね。
枝廣氏:
ゲーム内の演出から翻訳テキストに至るまで,改善の余地だらけでした。私がジョインする前の2013年末頃から改修プロジェクトが始まって,2014年4月にオフィスを開設するまで,日本向けのプロモーションを準備しながら,日本語版の改修を進めていたんですよ。最初から本当に大忙しでした。
4Gamer:
カルチャライズを含めた改修ですね。
枝廣氏:
おっしゃるとおりです。日本はカルチャライズに関しては比較的寛容なのですが,国と地域によっては宗教的,文化的な背景もありますから,十分な配慮が必要です。
4Gamer:
ただ,実際に日本語版の「キャンディークラッシュ」を遊んだときは,そこまでゴリゴリに改修されている印象はありませんでした。もちろん遊んでいて違和感がなかった,という意味です。
枝廣氏:
気付かず遊んでいただけているのであれば,私としては大成功だと思っています(笑)。
4Gamer:
日本のプレイヤー向けにゲームを改修する際,King本社とはどのようなやり取りがありましたか。折り合いをつけるのが難しいこともありそうですが。
枝廣氏:
いやぁ,これはたくさんありましたね(苦笑)。第一,登場キャラクターの改修は一切関わることができませんでしたから。その後,日本をイメージしたステージやキャラクターが登場するようになって,そこからようやく我々からのアドバイスがとおるようになりました。
4Gamer:
デリケートな部分ですからね(笑)。ただ,登場キャラクターの可愛らしさは万国共通だと思います。それにメインのパズルゲーム部分は,本当に完成度が高いものでしたからね。
枝廣氏:
ありがとうございます。世界の国と地域で遊ばれているゲームなので,パズルゲームの面白さは実証されていると思います。そこから,どのようにして日本市場に打って出るかが,我々King Japanの最初のミッションであり,早急に土壌作りをする必要がありました。
4Gamer:
思えばKingのゲームって,200タイトル以上ありますよね。当時からすでに世界的ヒット作だった「キャンディークラッシュ」なら日本上陸も当然と言えますが,「バブルウィッチ」や「ファームヒーロー」といったタイトルも展開しています。数々のタイトルの中から,日本で展開するものを決めることも,枝廣さんの役割なのでしょうか。
枝廣氏:
はい。その選択権は私にあります。
4Gamer:
気になります。どのように選定しているのですか?
枝廣氏:
私自身の目利き力とマーケティング分析の両面で検討します。ただし,最優先事項としているのは,プレイヤーの方にどれだけ楽しんでもらえるか,ということです。「日本で流行りそう」といった単純な視点で選ぶことは絶対にありません。
幸いにして,Kingには膨大なプレイヤーデータが揃っています。プレイヤーの属性情報はもちろん,プレイ時間,起動頻度なども鑑みて,ペルソナ像を作り込むことができます。あとは自分で遊んでみて,「これは面白いゲームだ」と確信が持てれば,日本展開を進めていきます。
4Gamer:
マーケティングに加えて,ローカライズとカルチャライズ,そして日本展開におけるタイトル選定まで行うとなると,いやはや,骨が折れますね(笑)。
枝廣氏:
シビれますよ(笑)。でも仕事でゲームが遊べるので楽しいです。
4Gamer:
Kingのゲームの中でも,個人的に「パラダイス・ベイ」は異色の存在だと思っています。従来のタイトルに比べ,ミドルコア向けという印象を受けました。
枝廣氏:
根強いファンが多いタイトルですね。私の妻は今でも遊んでいます(笑)。ただ,ミドルコア向けと呼ぶには少し方向性が違うかもしれません。そもそもKingのゲームは,「Bite Size Brilliance(バイト サイズ ブリリアンス)」をコンセプトに据えています。我々は“一口大の輝き”と訳していますが,たとえば,隙間時間にポケットからスマートフォンを取り出してゲームを遊び,また閉じて,ちょっとした合間に再びその続きを遊ぶ。
4Gamer:
過度な体験を押しつけないということですね。ひいてはストレスフリーのゲーム体験にも繋がります。
枝廣氏:
そうですね。時間や場所,お金の面でも,“一口大”で構わないのです。いつでも気軽に遊べるゲームであることをKingグループではとても大切にしています。それは,「キャンディークラッシュ」のみならず,Kingのゲームすべてに言えることもかもしれません。
“一口大”の楽しさをより多くの人に
枝廣氏が考える日本のスマホアプリ市場とは
4Gamer:
では,昨今のゲームアプリ市場についてお聞かせください。枝廣さんは,スマホゲーム黎明期から市場の移り変わりを見てきているわけですが,2017年のゲームアプリ市場にどのようなトレンドを感じていますか。
螺旋を描いているように感じています。たとえば,これまでもさまざまなゲームデバイスが登場しましたが,何でも最初は簡単なパズルゲームから始まるものではないでしょうか。
そこからストーリー性のあるもの,ゲームシステムが複雑なもの,IPタイトルが出現し,コンテンツはどんどん多様化していきました。スマホゲームに関しては,その多様性が極大に達したのが2017年だったのかなと考えています。
4Gamer:
最近では,中国,韓国,台湾のゲーム会社が日本に進出してヒットを飛ばしています。海外企業の日本進出はここ最近,とくに熱を帯びてきたように思いますが,いかがでしょうか。
枝廣氏:
日本は巨大な市場ですから,多くの企業が狙いを定めていると思います。本来であれば,日本発のゲームタイトルが全世界でヒットを記録するという,“逆パターン”の成功例がそろそろあっても良い頃なのですが……。
4Gamer:
日本市場は,中国と欧米に次ぐ世界第3位の市場規模だと言われています。国内の既存ゲーム会社と日本進出を試みる海外企業の間で,想像以上に競争が激化しているのかもしれません。
枝廣氏:
加速度的に独自の成長を遂げたのが最近の日本市場の特徴です。その日本市場で,「キャンディークラッシュ」を中心とした海外の素晴らしいコンテンツを成功させたことに誇りを感じますし,とても嬉しいですね。
4Gamer:
競合タイトルの動向についてはいかがでしょう。最近では「キャンディークラッシュ」と同様のマッチ3パズルゲーム「ガーデンスケイプ」シリーズがヒットしています。こうした動きに危機感を抱くことはあるのでしょうか。
枝廣氏:
ひとつの革命的タイトルが評価され,それが次々と進化して,また新しいタイトルが出てくるのは世の常です。どちらかというと,競合タイトルを意識するのではなく,カジュアルゲーム市場の拡大に努めることが先決かもしれません。
ゲームアプリ市場のうち,カジュアルパズルゲームは10%〜15%のシェアを確保しています。カジュアルパズルゲームというジャンルの中で「ガーデンスケイプ」のような注目作もあるわけですが,Kingには「キャンディークラッシュ」を長期間運用してきたノウハウがあります。
また,一部の国と地域ではスマートデバイスの普及が急速に広がっています。我々は,多くの方に“一口大”で遊んでいただけることをモットーにしているので,グローバルで見れば,じつはカジュアルパズルゲームが今最もポテンシャルを秘めたジャンルだと思っています。
4Gamer:
なるほど。グローバルで市場を捉えれば,まだまだフロンティアが広がっているということですね。その一方で,期間限定イベントが中心の日本型のゲーム運営手法「ライブオペレーション」も導入されています。ライブオペレーションの導入も日本法人であるKing Japanから提案したのでしょうか。
枝廣氏:
アジア圏特有のゲーム運営方法などの情報は,まとめて本社と情報交換していますが,最終的な判断をしているのは本社となります。ただ,日本の運営施策はインプットしているはずなので,もしかすると参考にしたのかもしれません。当然,「日本オリジナルのイベント施策をやってほしい」という場合は,我々のほうから企画から考えることはあります。
4Gamer:
日本限定のイベントはこれまでもあったのでしょうか。
枝廣氏:
たとえば,お正月やゴールデンウィークなど,季節に関わるイベント施策はありましたね。中国と韓国には旧正月がありますし,欧米にはクリスマスホリデーがあります。その他のリージョンでも地域に合わせた施策が実行されています。「キャンディークラッシュ」はシングルバイナリですが,イベント内容やポップアップを随時変更できるようになっているんですよ。
4Gamer:
日本発のイベントにおいて,何か成果はありましたか。
枝廣氏:
昨年「バブルウィッチ」で実施した,日本マクドナルドさんとのコラボレーションは大変反響がありました。具体的な数字は申し上げられませんが,予想をはるかに上回るクリック数がありました。
4Gamer:
O2O(Online to Offline:オンライン上で,実際(オフライン)の行動を促すこと)施策で大きな成果があったのですね。ちなみに,現在は本社とのミーティングではどのように行われているのでしょうか。こうした日本特有の企画はイギリスにも届いているのでしょうか。
枝廣氏:
関係につきましては,大変良好です。実際にマクドナルドさんとのコラボレーションの際には,特別ステージを本社に開発してもらいました。もちろん,原案はKing Japanで制作しましたが。とても反響が良かったので本社の人も驚いていましたよ。インストール数,アクティブユーザー数共に大きく伸ばすことができたので,「この成果について説明しに(本社の)イギリスまで来てほしい」とのお達しがあったくらいでした。
4Gamer:
日本発信のマーケティング施策の成果が,本社をはじめ各国の支社に共有されたことで,新たな成果はもちろん,グループとしても強固な関係を築きそうですね。
枝廣氏:
おっしゃるとおりですね。私はこれを総じて「Japan to Global」と呼んでいます。我々としては,Kingという大きな傘の中で,世界を動かせるチャンスが手元にあると思っています。そこに甘んずることなく,今後も新たな成果を目指しています。
欧米では「キャンディークラッシュ」の
バラエティ番組が放送開始
4Gamer:
King Japanでは,日本向けのマーケティング本部として,これまで数々のプロモーションを展開してきました。たとえば,テレビCMでは関ジャニ∞のメンバーの女装が話題になりましたし,アメコミ風アニメや謎の覆面レスラーといった,大胆なクリエイティブも目立ちました。広告代理店でのご経験も豊富な枝廣さんですが,マーケティング施策において一貫して大切にしていることはあるのでしょうか。
枝廣氏:
それは,真似されるものを作ることです。
4Gamer:
なるほど。
枝廣氏:
どんなビジネスにも言えますが,フォロワーになってはいけません。最初にアイデアを思いついて実践した方が,パイオニアとして市場を開拓し,ビジネスを改革していくものだと思います。フォロワーになれば,たしかにリスクは減ります。ですが,考えてみると,リスクを取らないこと自体がリスクとも言えるのではないでしょうか。
4Gamer:
そんな枝廣さんは,Kingというゲーム会社をどのように分析されていますか。
枝廣氏:
キャッチコピーのように言うと,「ユーザーファースト・ビジネスセカンド」ですね。プレイヤーのみなさんに遊んでいただき,楽しんでいただけるものができて,そこからKingのファンや,そしてコミュニティが形成されていくものだと思っています。ビジネスは後々形成されていくので,まずはユーザーファーストを重んじる会社であると捉えています。
4Gamer:
「ユーザーファースト・ビジネスセカンド」の視点には納得です。
枝廣氏:
今でも電車の中で「キャンディークラッシュ」で遊んでいる人を見かけると,つい声をかけたくなりますよ。もうリリースから5年が経っているんですけどね。
4Gamer:
今年5周年を迎えた「キャンディークラッシュ」ですが,定量的な動向はどのようになっているのでしょう。ダウンロード数やセールスランキングをはじめ,DAU(Daily Active Users:一日当たりのアクティブユーザー数)も気になるところです。
枝廣氏:
セールスランキングに関しては,極端に低下することはありませんね。DAUも一定の推移を保っています。最近では,欧米のApp Storeセールスランキングで首位に返り咲くことができました。
4Gamer:
それは驚きです。
枝廣氏:
スマホゲームの最大の利点は,アップデートを繰り返すことで,いつでも新鮮なコンテンツを提供できる点です。なかでも今年の夏は,「キャンディークラッシュ」をさらに一皮むくための,エキサイティングな取り組みを行いました。
4Gamer:
それはどういう取り組みでしょうか。
枝廣氏:
複数あるのですが,WEGOとのアパレルコラボや,映画「絵文字の国のジーン」とのコラボも展開しました。また,欧米では「キャンディークラッシュ」を題材としたバラエティ番組が放送開始となりました。参加型の生放送番組で,巨大なタッチスクリーンで「キャンディークラッシュ」をプレイするという内容です。この出来事は,King Japanにとっても新しい風を感じさせてくれましたね。
4Gamer:
ここまで来ると,ゲームの枠を飛び出して,「キャンディークラッシュ」はひとつのエンターテインメント圏として認識されているのかもしれません。
枝廣氏:
それは感じます。App StoreやGoogle Playで高い評価をいただいていますが,今ではWindowsデバイスに「キャンディークラッシュ」がプリインストールされているほどです。かつてはマインスイーパーやソリティアなどがあったポジションに,Kingのタイトルが並んでいるのは本当に名誉なことだと思います。
4Gamer:
そういえば……Kingが掲げる「ユーザーファースト」を聞いて思い当たったことがありました。実は私の母も「キャンディークラッシュ」を長年プレイし続けているんです。
枝廣氏:
おぉ,そうなのですか。どれくらい遊んでいるんですか?
4Gamer:
1000ステージは超えていました。
枝廣氏:
えっ!? そんなに。ちょっと待ってくださいね……(自身のスマートフォンを取り出し,ステージ進捗を確認する枝廣氏)。あ,良かった! 私は1670ステージでした。
4Gamer:
さすがです(笑)。最近ではWindowsデバイスにプリインストールされていることもあるくらいですが,私が母親にiPadをプレゼントしたときに,最初にどんなゲームを遊んでもらおうかと考えて,自然と「キャンディークラッシュ」をインストールしていたんですよね。やっぱり最初はこれだろうと。
枝廣氏:
あぁ,いいですね。そういうのが一番うれしいです。
4Gamer:
この“当たり前のポジション”レベルまで知名度と実績を積み重ねられたのは,本当にすごいことだとあらためて思います。
枝廣氏:
そういえば私も,「キャンディークラッシュ」に関して印象的な出来事がありました。
4Gamer:
おや,なんでしょう。
枝廣氏:
先日,家族旅行で車を運転していて,トイレ休憩でサービスエリアに寄ったんですよ。すると,いきなり「枝廣さんですよね?」と声をかけられたんです。最初はお仕事でお会いした人かなと思ったのですが,顔を見ても分からず……。すると「キャンディークラッシュ,やっています!」と,まさかのプレイヤーさんだったんです。
一同:(笑)
枝廣氏:
その後,一緒に写真を撮ってほしいとお願いされたので,快く対応したものの,その一連の出来事が全部サービスエリアのトイレの中だったんですよね。きっと写真では複雑な表情になっていたことでしょう(苦笑)。ただ,私の顔を知ってもらえるくらいに,「キャンディークラッシュ」というゲームが,全国区で一定の評価と認知度を得ていることは,身を持って知らされました。
世界規模で考えると,Kingのゲームタイトルはプレイ回数が1兆回を超え,月間アクティブユーザーは3.42億人を記録していますが,日本でも頑張っていますよね。
「キャンディークラッシュ」に動画広告を導入
Kingゲームの新作は「そう遠くない未来に」
4Gamer:
King本社は2015年11月に,Activision Blizzardの傘下に加わりました。このことは,King Japanの将来にどのように関わってくるのでしょうか。
枝廣氏:
親子(親会社・子会社)関係を結んだというより,ビジネスの横幅が広がったと考えています。Blizzardも日本オフィスを構えることを発表されていますが,弊社もグループとして積極的にコミュニケーションを図っていきたいと考えております。日本においては,お互いまだまだ発展途上ですので,たとえば共同でマーケティング施策に取り組んだり,はたまたビジネス交渉する際に我々のネットワークを活用したりと,さまざまな可能性が見出せるのではないかと思っています。
4Gamer:
ゲームコンテンツの動きに関しては,何とも言えないですよね。
枝廣氏:
そうですね。さすがに我々で「Call of Duty」をどうこうはできませんが(笑)。ただ,テスト的には「Hearthstone」の広告を,「キャンディークラッシュ」内に表示させたことがあります。違和感がないとは言えない光景でしたが,あくまでもひとつのテスト施策として,大変興味深いデータが取れました。
4Gamer:
もうひとつ,King Japanの取り組みとして,気になるものがあります。以前,スマホゲームと現代社会の関わり方を調査したプレスリリースを発表されましたよね。ゲーム会社自らがこのような調査結果を発表するのは,かなり珍しいと思ったのですが,こちらはどういう経緯だったのでしょうか。
King Japanは「息抜きスマゲー」というコンセプトのもと,みなさんの隙間時間を埋められる存在になりたいと考えています。その隙間を埋められるものとは何だろうと考えるに至り,これはきちんと理解したほうがいいということで,今回の調査を実施しました。
4Gamer:
自社のノウハウの蓄積はもちろん,日本のプレイヤー属性を知るためにも,重要なアクションだったのですね。
枝廣氏:
はい。また,実際に調べてみると,ゲームで遊んでいる人は,我々の想像以上に大勢いらっしゃることが分かりました。先ほども申し上げましたが,2018年以降,これからコンテンツが多様化していく時代のなかで,King Japanも乗り遅れないようにしなければなりません。この調査を経て,より一層それを強く思いましたね。
4Gamer:
5周年を迎えた「キャンディークラッシュ」ですが,今後どのような取り組みを考えていますか。
枝廣氏:
直近の取り組みですが,動画広告を導入しました。
4Gamer:
ということは,アプリ内課金制+広告のハイブリッド型になったのですね。
枝廣氏:
視聴1回でライフ(スタミナ)1個をプレゼントしているのですが,これが意外にもプレイヤーのみなさんからは高評価でした。
4Gamer:
本来,広告というものは毛嫌いされがちですが,インセンティブが得られるのであれば,高評価に転じることができるんですね。さらに,そのインセンティブでプレイ継続を促すこともできますから,まさに組み合わせの妙だと言えます。
枝廣氏:
そうですよね。広告を導入して評価が高くなるのは不思議な出来事です。動画広告はグローバルとしての取り組みですが,日本における広告の開発リソースは弊社で確保して,表示の仕方や出すタイミングなども含め,社内で行っています。
4Gamer:
なるほど。このほかに「キャンディークラッシュ」の今後の取り組みについて教えてください。
枝廣氏:
たくさん仕込んでいます。ただ,これがアップデートの施策になるのか,それとも全く違う形になるのかはまだ検討中です。「キャンディークラッシュ」シリーズには,オリジナル,ソーダ,ゼリーの3作品があります。どういう形で絡んでいくかはまだ言えませんが,シリーズ合わせていろいろな遊び方に派生していければと思っています。
4Gamer:
分かりました。それでは,最後にKing Japanにおける今後の展望をお聞かせください。
枝廣氏:
一番大切にしているのは,今遊んでいるファンの方に,「やっぱりKingのゲームは面白いね!」と思っていただけるようにすることです。もちろん,新作ゲームも鋭意開発中です。試行錯誤の末,本当に素晴らしいものが完成しつつあります。そういう意味では,日本で発表できることを今から楽しみにしています。そう遠くない未来に発表できると思います。ぜひ,楽しみに待っていてください。
4Gamer:
現状で言えることは難しいかもしれませんが,ミドルコア向けではなく,カジュアル向けですよね。
枝廣氏:
うーん,ミドルカジュアル……とだけ言っておきましょう。ただ,新しい楽しみ方を提示できると思います。どこまでも「Bite Size Brilliance(一口大の輝き)」を徹底して,開発・運営・マーケティングに励んでいきたいと思います。
4Gamer:
楽しみにしています。本日はありがとうございました。
「キャンディークラッシュ」公式サイト
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