インタビュー
大切なのはパズドラファンのキャラ愛に忠実であること――対戦特化に生まれ変わった「パズドラ バトルトーナメント」開発者インタビュー
スマホ向けのタイトルとして未曾有のヒットとなった「パズル&ドラゴンズ」(iOS / Android)(以下,本家パズドラ)の派生作品として生まれた本作は,アーケードという舞台でどのように受け入れられ,どう変わっていこうとしているのか。本作のデベロッパであるジーンで開発ディレクターを務める跡治弘基氏に話を聞いてみた。
またリリースから7か月というタイミングで行われたリニューアルの意図,バランス調整の方向性,今後の展開などについても話を聞いているので,パズバトファン,また本家パズドラのファンもぜひ読み進めてほしい。
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「パズドラ バトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-」公式サイト
リニューアルを遂げ,対戦に特化した「パズバトCoL」
4Gamer:
2014年11月26日に大幅アップデートが行われ,名前も「パズドラ バトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-」に変更となった本作。まずはその狙いについて聞かせください。
リニューアルのテーマとしては,対人戦に特化することが軸になっています。稼働当初のバージョンは,本家パズドラのプレイヤーにも楽しんでいただきたいということもあって,育成の要素を大きくフィーチャーしていました。これを撤廃して,純粋な対戦ゲームへと再構築したんです。
4Gamer:
プレイヤーやモンスターのレベルがなくなり,確かに育成による格差は感じなくなりました。「予選トーナメント」も廃止され,結果的にかも知れませんが,適正なレベルでマッチングが行われるようになったのもあるかもしれません。
跡治氏:
ええ。やっぱり対等な勝負のほうが楽しいですからね。格差のあるマッチングについては,とくにコアプレイヤーの皆さんから「罪悪感がある」という声をいただいていました。全体的にも,もっと対戦を楽しみたいという声が大きくて,今回のリニューアルに至ったというわけです。
4Gamer:
このタイミングでリニューアルされるのは,当初から決まっていたのでしょうか? 稼働から7か月でここまで変るというのは,珍しいケースだと思うのですが。
跡治氏:
このタイミングというところまでは決まっていませんでした。ただ,なにぶんチャレンジャブルなタイトルなので未知数な部分が多く,プレイヤーの皆さんの意見を積極的に拾っていく必要があると考えていたんです。その準備が整ったのが,この7か月目のタイミングだったというわけです。
4Gamer:
なるほど。対人戦に特化するという方針は,プレイヤーの声を反映したものというわけなんですね。反響はいかがですか。
跡治氏:
おおむねポジティブな意見をいただいています。対戦の面白いゲームだというのは,とくにコアなプレイヤーの皆さんから評価をいただいていましたが,対戦がしやすくなったことで,それが全体に広がっている印象です。
4Gamer:
ちなみに本作のプレイヤー層って,どんな人達ですか?
跡治氏:
やはり,本家パズドラをプレイされている方が多いようです。年齢層でいえば,メインは中高生から大学生,新社会人くらい。コア層は20代前半に多くて,今のゲームセンターのお客さんの中では,比較的若いといえるかもしれません。
4Gamer:
ゲームセンターでも,たしかに中高生を多く見かける印象ですね。
跡治氏:
統計データを見ても,16〜17時くらいの時間帯がピークになっているので,学校帰りにプレイされる人が多いみたいです。
■「パズバトCoL」でパズバトはどう変ったのか
リニューアルによって,より対戦に特化した形で生まれ変わった「パズバトCoL」。その変更点は多岐に及ぶが,とくに大きなポイントとしては,以下の7つの点が挙げられる。
1.対戦画面の進化
バトル画面のレイアウト変更によって対戦相手の盤面が大きく表示されるようになり,戦況を把握しやすくなった。ライフゲージが格闘ゲームライクな配置になり,観戦者から見ても分かりやすいのがポイントだ
4.助っ人システムの変更
助っ人の選択範囲が,店舗内から全国にまで拡大。さらに自分の所有モンスターからも選べるようになった 5.プレイヤースキルの見直し・追加
ライフが減るとスキルポイントが回復するようになり,試合後半においてもプレイヤースキルが使用できるようになった。またセット可能数も最大6つになり,選択肢が増えたことで戦略性が増した
「パズドラ」から「パズバト」へ。誕生の経緯とは
4Gamer:
リニューアルからは少し離れて,そもそも本作が生まれた経緯についてお聞かせください。パズドラをアーケードに移すと聞いたとき,どんなことを考えでしょうか。
跡治氏:
プロデューサーの門井さん(スクウェア・エニックス 門井信樹氏)からお話をいただいて,色々な方向性を考えましたね。パズチャレ※みたいな案もあったのですが,せっかくゲームセンターまで足を運んで遊んでもらうのだから,スマホと同じことをやっても仕方がないじゃないですか。ただ,対戦型のゲームにはしたいと思っていたんです。
※パズチャレ……パズドラのスピンアウトアプリ。ダンジョンを固定デッキでクリアして,そのクリアタイム,最大コンボ,総ターンをスコアへと換算して総スコアを競う一種のタイムアタック。パズドラの大会などで使用されている。
4Gamer:
対戦が先にあったわけですね。
跡治氏:
ええ。一口に対戦といっても,さまざまなパターンがあります。現在のようなリアルタイム制にするのか,あるいはターン制にするのか。例えばターン制にすると,パズルを操作する時間は共通になります。するとなにが起こるかというと……。
4Gamer:
純粋にコンボをたくさんつなげた方が強いゲームになりますね。
跡治氏:
そうなんです。純粋にパズル力勝負になってしまって,戦略性があまりなくなってしまう。でもリアルタイム制なら,自分のパズル力にあわせてコンボが組めます。時間をかけて10コンボ組んで大ダメージを与えるか,素早く3〜4コンボを作って小さなダメージを稼ぐかというように。これがまずリアルタイム制を採用した理由です。
4Gamer:
まだあるのですか?
跡治氏:
はい。次に問題になったのが,パズルを動かせる時間です。本家パズドラでは,ドロップを掴んでから4秒間動かせますが,その前にみんなすごく考えますよね。
4Gamer:
長考しちゃいますね(笑)。
跡治氏:
リアルタイムだとこの時間が取れないんです。そこで,思い切ってこの時間を無制限にしました。ドロップを持てる時間を制限してしまうと,どうしてもその前に考えるというフェーズが挟まってしまう。一方,無制限なら「とりあえず動かしてから考えよう」となるじゃないですか。
4Gamer:
……言われてみると確かに。
跡治氏:
となると,今度は本家と同じ6×5の盤面だと,狭いと感じるようになるんです。選択肢が少ないので,やっぱりちゃんと考えないとうまくコンボが作れないんですね。そこで盤面を広げることにしました。アーケードということで画面も広いわけですし。
4Gamer:
本作の盤面は,8×5のサイズになっていますね。でも,もっと広くすることもできたのでは?
跡治氏:
これ以上広くすると,落ちコン※が発生しやすくなって,コンボだらけになっちゃうんですよ。色々なサイズの盤面でテストしてみましたが,今のサイズが一番気持ちよくコンボが作れて,かつ考える時間も短くできました。
※落ちコン……消したドロップを消したとき,上から補充されるドロップによってコンボが成立すること。補充されるドロップはランダムであるため,発生するか否かは運に大きく左右される。
4Gamer:
なるほど。ちなみに本作はコンボ倍率※も,本家と違っていますよね。4コンボが一番効率が良くて,それ以上は伸びが悪くなっている。
※コンボ倍率……コンボによって攻撃力にかかる補正値。アーケード版では1コンボごとに1.0倍→1.4倍→1.7倍→2.0倍→2.2倍→2.4倍……と増加し,4コンボまでの伸び率が高く設定されている。ちなみに本家パズドラは1.0倍→1.25倍→1.5倍→1.75倍→2.0倍→2.25倍……の線形増加となっている。
跡治氏:
これもいろいろテストしてみた結果から設定しました。あのサイズの盤面だと4コンボが一つの目安になるコンボ数なんですよ。パズドラに慣れた人ならすぐに作ることができ,そうでない人には目標になるっていう。
4Gamer:
プレイしていても,あの倍率は絶妙だと思います。5コンボ以上を狙って作るのは,あのスピード感だとけっこう難しい。
跡治氏:
急激に難しくなるんですよね。だからこそ,高コンボの倍率を高くするという考え方もあるのですが,それをやってしまうとまたパズル力勝負になりますから。なのでそこは抑えつつ,でも高コンボを狙う意味まではなくしてしまわないようなバランスを目指したつもりです。
4Gamer:
お聞きしていると,パズル力勝負にはしないというのが本作の一つのキーポイントのようですね。本作における運と実力のバランスについてはどうお考えですか。
跡治氏:
そもそも落ちコンがあるので運を完全に排除することはできませんが,それでも運の要素は2〜3割程度に抑えたいと考えました。デッキやスキルの組み合わせによっても変わりますし,むしろどの程度を運に頼るかは,プレイヤーさんが選べるのが理想かなと。
4Gamer:
ああ,単色デッキみたいに相手との相性が強いものは,マッチングの運次第なところがありますね。
跡治氏:
ええ。反対に実力があって運に振り回されたくないという人は,そういうデッキを作ることもできる。それに一口に実力といっても色々あって,パズル力以外にも知識や状況判断力が要求される部分もある。すごくうまい人でも,緊張すると全然ダメとかあるじゃないですか。
4Gamer:
対戦ゲームにはよくある話ですね(笑)。
跡治氏:
上位の方のプレイを見ていると,もちろんパズル力も高いんですが,冷静に状況を見て対応する能力に長けていると感じます。心理的な部分がすごく出やすいゲームなので,そういうのもひっくるめて実力なんだと思いますね。
調整の秘訣はエジプト神にあり?
4Gamer:
ところで稼働時のお話では,本作の制作にあたっては,本家パズドラプロデューサーの山本氏(ガンホー・オンライン・エンターテイメント 山本大介氏)もかなり積極的に関わっておられたとのこと。具体的に山本氏からはどんなオーダーがあったのでしょうか。
跡治氏:
オーダーという訳ではないのですが,折に触れてご意見をいただきました。それこそアイデア出しから細かな調整のレベルまで。中でも山本さんが気になさっていたのは「パズル力とモンスター性能のバランス」です。
4Gamer:
というと?
跡治氏:
例えば,「単色消しのスキルよりも,多色消しスキルのほうが強くあるべき」とかですね。基本はパズルゲームですから。
4Gamer:
ラーやイシス,ホルスあたりのリーダースキルのことですか?
跡治氏:
ええ。元々エジプト神はリリース後のアップデートで追加になる予定でしたが,当初からかなり気にされていたようです。「ラーとかあのへんはいったらどうなるの?」とか「実装は後だとしても,先に入れてみてほしいな」とか,かなり早い段階でおっしゃってました。
4Gamer:
いや,パズバトが発表されたときは,僕らもまっさきにラーとかホルスどうするんだって思いましたよ。盤面も広くなっていますし,強すぎるんじゃないかって。かといって,人気のエジプト神を出さないわけにもいかないでしょうし。
跡治氏:
おっしゃるとおり,エジプト神の調整をしくじると全体のバランスが崩れかねないので,僕らとしてもプレッシャーはかなりありました。実装はリニューアルに合せた11月になりましたが,調整には一番長い時間をかけたモンスターだと思います。
4Gamer:
スキルの発動条件も,本家パズドラとは違いますね。
跡治氏:
ええ。本家と同じ仕様だと,倒れたモンスターがいて属性が欠けてしまうと発動できなくなってしまうので,そこはチームに組み込まれていれば問題ないようになっています。ここも山本さんが気にされていたところで,盤面が広がったことによるコンボの作りやすさ,攻撃倍率と合せて,細心の注意を払って調整しています。結果,わりといいところに落ちついてくれたのではないかと。
4Gamer:
ゲーム内のリーダー使用率はどんな感じなのでしょうか。
跡治氏:
それについてはデータを持ってきているんですよ。上位100名での集計ですが,概ねこんな感じですね。
4Gamer:
おお。究極進化が実装されたばかりのヘルメスとアルテミスが多いですね。あ,一人だけロマン砲※がいる(笑)。
※ロマン砲……冥狼神・アヌビスのこと。リーダースキルの発動条件が15コンボとかなり厳しいが,発動さえできれば敵パーティを一撃で全滅させられるほどの威力を持つ。
跡治氏:
ロマン砲は2回やられるとキツイんですよね。楽勝だと思って舐めていたら,先日あっさりやられました(笑)。ヘルメスとアルテミスは今一番流行のリーダーで,その前はラーやホルスが圧倒的に多かったと記憶しています。今でもパズル力が高い人はラー使いが多くて,いくら邪魔してもきっちり5色消してきますよ。
4Gamer:
こうしてみると,結構ばらけている印象ですね。
跡治氏:
やっぱり色々なデッキで戦えたほうが楽しいですから,現状はまさに狙い通りだと思っています。
4Gamer:
具体的には,どうやって調整されているのですか。やはり膨大なデータをとって,それを元にという感じですか?
跡治氏:
それは大前提で,例えばリニューアル直前なんかは丸1か月分ぐらい対戦データを取り続け,全モンスターを見直しました。ただ,バランスを取れば良いわけではなくて,考えるべきことはもっとたくさんあるんです。リーダー向きなのかサブ向きなのかとか,リリース順だとか。やはり後から出たモンスターが弱いとつまらないですからね。なにより大事なのは,本家パズドラでのモンスターのイメージを崩さないことかと。
4Gamer:
今のところ,モンスターに大幅な下方修正が行われたことはなかったように思いますが,これは意図的な方針なのでしょうか。下方修正は行わず,上方修正で調整していくというような。
跡治氏:
下方修正は極力避けたいですが,それで面白くなるのであれば,ためらうつもりはありません。状況を見ながら,つど検討するといった感じですね。
4Gamer:
なるほど。ラーやホルスについては先ほどお聞きしましたが,ほかに調整に苦労したモンスターというと,なにがあるでしょうか。個人的には威嚇系※はきっと悩んだと感じたのですが。
※威嚇系……エキドナやオロチなどが持つ,敵の攻撃頻度を下げるスキル。ターン制である本家パズドラでは,実装初期に猛威をふるった。リアルタイム制となった本作では,モンスタースキルの発動を遅らせるスキルとなっている。
跡治氏:
ああ,あれも開発当初はかなり頭を悩まされたスキルです。単純に相手を止めてしまうと強すぎますし。まったく違ったスキルにしてしまうこともできましたが,なんとか近しいところに留めたいと頑張りました。でも,個人的に思い入れがあるのは,「チェンジ・ザ・ワールド」などの操作時間延長系なんですよね。
4Gamer:
え,どうしてまた?
跡治氏:
僕はかなり強いスキルだと思ったのですが,開発内部でもなかなか理解されなくて。でも,うまく使ってくれる上位ランカーさんが現れだして,すごく嬉しいという(笑)。
4Gamer:
ツクヨミのチェンジ・ザ・ワールドは,30秒間ドロップが動かし放題になるスキルですよね。確かに操作時間がもともと無制限の本作では,意味がないような?
跡治氏:
ドロップを動かしたあと,スタートを押さないと攻撃が始まらないというのがミソなんです。その間にプレイヤースキルやモンスタースキルを使ったりもできるので,例えば相手の防御スキル発動を見たら,クイックボムで無効化してから大コンボを発動したりとか。
4Gamer:
なるほど! 倒れたモンスターが復活するのを待ってからコンボをスタートしたりもできますね。そんな使い方ができるってこと,今知りましたよ(笑)。
跡治氏:
開発陣にもいまいち伝わらなくて,「ほんとにいいの?」「たぶん……大丈夫」なんてやりとりしながら作ったのを覚えています。
リニューアルを経て,進化を続ける「パズバト」
4Gamer:
では,ここからは本作の今後についてお聞きしたいのですが,まず1月28日にVer.2.100アップデートが実装されます。クシナダヒメやオオクニヌシなど,新和の神シリーズが追加され、ほかにも和の神シリーズが究極進化するとのこと。
跡治氏:
はい。一部のモンスターには分岐のある究極進化体も登場しています。対戦がより面白くなるはずなので,まずは新しい環境を楽しんでほしいですね。ほかにもイベントなどを予定していますので,ご期待ください。
4Gamer:
さらなるアップデートについてはいかがですか。例えば本家パズドラでは,覚醒スキルが実装され,列消しやバインド耐性といった新しい戦略が必要になっていますよね。これらがパズバトに登場する可能性は。
跡治氏:
覚醒スキルもそうですし,本家にある要素ない要素を含め,検討は常に行っています。本家の流行も追いかけつつ,色々なアイデアを試しているところなので,もう少しお待ちいただければと。
4Gamer:
ではイベントについては? 1月26日には,「公式大会 ラズールトーナメント2015 -東京編-」の決勝大会も開催されました。ほかにもこういったイベントは予定されていますか。
跡治氏:
今言える範囲だと,今春に本格的な全国大会を開催する予定があります。また先の公式大会のような機会も,もっと増やしたいと思っています。
4Gamer:
ちょっと脱線するのですが,本作の大会を配信などで観戦するときはどういったところに注目するとより楽しめるでしょうか。本作をプレイしたことがないという人も,配信を見る機会があると思うので。
跡治氏:
やっぱり,まずは上位プレイヤーのすさまじいパズル力を見てもらうのが一番分かりやすいのではないかと。「同じ人間か?」って思ってしまうぐらいのスピードと正確さなので,本家パズドラをやったことがある人なら,そのすごさは伝わるはずです。
4Gamer:
確かにパズルのスピード感は,リアルタイム対戦である本作ならではですね。
跡治氏:
ええ。その上で余裕があったら,モンスターがあと何体残っているかとか,ライフゲージの残りに注目するといいと思います。とくに土壇場での逆転なんかは,本作ならではの判断力が求められる部分ですから。
4Gamer:
なるほど。本家パズドラのプレイヤーなら,お馴染みのモンスター達が大画面で動くというだけでも,結構楽しめる気がします。
跡治氏:
ああ,その点はすごく好評をいただいているところなので,ぜひ見ていただけるとありがたいですね。とくに進化後のモンスターなんかは,デザイナーがすごく苦労して動かしてるんですよ。アテナの馬車とか四足歩行のモンスターなどは,とくに注目してほしいです。
4Gamer:
分かりました。ではこれを最後の質問にしたいのですが,跡治さんご自身,パズドラシリーズの魅力って,どんなところにあるとお考えでしょうか。
跡治氏:
うーん……キャラクターとゲームシステムの親和性でしょうか。パズドラより前のスマホゲームって,キャラクターを育てて愛でるような要素と,バトルやパズルのような戦略的なゲームシステムがバラバラだった気がしているんです。どちらもスマホとの親和性は高いですが,これをうまく合わせたのがパズドラだったのかなと。
4Gamer:
でも,パズドラって実はすごく難しいゲームじゃないですか? 真面目に取り組もうとすると,考えることがすごく多いうえに,パズル力も求められるという。よくぞここまでヒットしたなと,個人的には思うのですが。
跡治氏:
難しいですね。でも,どれも必要な要素なんですよ。パズバトを作るとき,もっと単純にできないか,要素を減らせないかというのも考えましたが,それで戦略性が落ちてしまうことは避けたかった。なにより,僕自身がやっていてつまらないですからね。だから本作も,ハードルを下げる方向ではなく乗り越えられるようなものを目指したつもりです。
4Gamer:
乗り越えられるとは?
跡治氏:
僕の中では,このゲームは麻雀と一緒だと思うんですよね。麻雀って,初心者のウチは自分の手の中で役を作るのが精一杯じゃないですか。でも慣れてくると,ほかのプレイヤーの手も見えてくるようになる。
4Gamer:
確かに。麻雀もまた,最初のハードルがすごく高いゲームですね。
跡治氏:
それと同じで,最初はパズルだけやっていればなんとかなるんです。でも慣れてくると,相手の状況が見えるようになってより楽しくなる。そうして一歩ずつ学習して,自分自身が成長するのを楽しんもらえたらと思っています。あとは繰り返しになりますが,皆さんの中のモンスターのイメージ――いわばキャラ愛を崩すようなことはしないってことですね。グラフィックスの面でも,ゲームバランスや能力の面でも,これだけは死守するつもりで開発に臨んでいます。
4Gamer:
なるほど。キャラクターの魅力とバトルの戦略性。この二つを本家から引き継ぎ,そこにリアルタイム対戦という新しい切り口を加えて料理したのがパズバトだと。少し分かってきたように思います。
ああ……一つだけ聞き忘れていたので,これだけ質問させてください。本家パズドラのパズバトコラボガチャって,究極進化の予定とかはないんでしょうか。もちろん決めるのはガンホーさんだと思いますが,可能性としてどうなのかなと。
跡治氏:
僕としても,ぜひ究極進化してほしいです(笑)。なにせコラボしたその日に,プライベートで全キャラ揃えちゃいましたからね。これを見た山本さんが,ぜひ前向きに検討してくれることに期待したいです。
4Gamer:
自分もティンニンをスキルマ+297にしちゃったので,ぜひ期待させていただきます。本日はありがとうございました!
「パズドラ バトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-」公式サイト
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パズドラ バトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-
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