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本日開始のアーケード版「パズドラ バトルトーナメント」ロケテスト。早朝から大盛況だった会場の模様と,開発陣ミニインタビューをお届け
スマートフォン用タイトルとしてはじまり,先日ニンテンドー3DS用ソフト「パズドラZ」も発売されたばかりであるパズドラの,アーケード進出ということで,ロケテスト会場となった東京・秋葉原のゲームセンター「HEY」では,平日にもかかわらず早朝から多くのファンが殺到。開店と同時に整理券が配布され,場合によっては数時間待ちという盛況ぶりとなっていた。
本作は,パズドラシリーズの基本ルールであるスリーマッチパズルを踏襲しながらも,スーマートフォン版やニンテンドー3DS版とは異なる対戦型ゲームだ。今回のロケテストバージョンでは,最大16人のプレイヤー4つのグループに分かれてまず予選を行い,グループのトップ通過者が準決勝と決勝を戦う「全国トーナメント」モードをプレイすることができた。これまでのパズドラとは一風変わった,白熱した対戦が楽しめるモードとなっている。
パズルのスペースも横8×縦5と,スマートフォン版から大きくなっており,ドロップを動かす制限時間もない(その分,考え込んでいると相手に攻撃されてしまう)という,アーケード版の独自のルールが設けられており,ロケテストの参加者達も,普段とはちょっと違うパズドラを,戸惑いながらも楽しんでいたようだった。
より詳しいルールやプレイフィールなどは,後に掲載予定のプレイレポート記事に譲るとして,本稿ではロケテスト会場に居合わせた,本作のプロデューサー,スクウェア・エニックスの門井信樹氏と,パズドラの生みの親である,ガンホー・オンライン・エンターテイメントの山本大介氏へのインタビューをお届けしよう。
ロケテスト開始に合せて登場した山本氏。「遊びに来てくれてありがとう!」と,ロケテスト参加者達に挨拶していた |
最初のプレイヤーが遊ぶ様子を真剣に見守る山本氏。その隣にはスクウェア・エニックスの柴 貴正氏の姿も |
山本氏の熱意が生んだ豪華すぎるコラボ――パスドラBT プロデューサー陣ミニインタビュー
大盛況のロケテストになりましたね。さっそくですが,まず本作の制作経緯からお聞かせください。
山本大介氏(以下,山本氏と略):
ありがとうございます。経緯ということでいえば,飲み友達でもあるスクウェア・エニックスの安藤武博さん※への,お酒の席でのラブコールが元になります。もともと僕は,ゲームセンター向けのゲームを作りたくて業界に入ったのですが,なかなか機会に恵まれなくて。彼と会うたびに,アーケードゲームを作りたいと話していて,それが切っ掛けで柴 貴正さん※を紹介していただきました。
※安藤武博氏……スクウェア・エニックスに所属するゲームクリエイター。個性的な作風で知られ,近年はスマートフォン向けタイトルを多く手がけている。代表作に「鈴木爆発」「拡散性ミリオンアーサー」など。
※柴 貴正氏……LORD of VERMILIONシリーズなどで知られる,スクウェア・エニックスのプロデューサー。
4Gamer:
おお,安藤さんが切っ掛けだったんですね。
山本氏:
はい。そこから門井さんにまで話が広がっていき,ここまで漕ぎつけた形ですね。これは私がハドソンにいた頃の話なのですが,「LORD of VERMILION」とコラボしたときに,実は門井さんにもお世話になったことがありまして。そんな縁の深いメンバーが集まって作っているんですよ。
4Gamer:
すごい。回り回って結実したわけですか。
門井信樹氏(以下,門井氏と略):
山本さんは,以前のコラボのときからアーケードゲームをやりたいって言ってましたから。それが実ったんだと思いますよ。
山本氏:
言い続けていれば,誰かが手を差し伸べてくれるものなんだって分かりました(笑)。
4Gamer:
ではパズドラをアーケード化したかったというよりは,アーケードゲームを作るにあたって,パズドラを選んだという感じなんですか?
山本氏:
そうですね。パズドラはあくまできっかけなんですよ。
分かりました。では少し話題を変えて,キャラクターデザインを野村哲也さんが担当されているということで,発表時は話題になりましたが,この起用の経緯は?
門井氏:
パズドラというトップIPとのコラボなわけですから,うちもトップのクリエイターを出さざるを得ないかなと(笑)。山本さんから,「スクウェア・エニックスらしさ」が欲しいって要望もありましたし,それもきっかけですね。
4Gamer:
上がってきたデザインを見て,山本さんはどう思われましたか。
山本氏:
いやぁ,豪華すぎますよね! 「KINGDOM HEARTS III」(PS4 / Xbox One)も控えているっていうのに,わざわざパズドラを描いてくれたわけですから。社内でイラストを見せて自慢したくらいです。ロゴもスクウェア・エニックスらしさが出ていて,かなりお気に入りです。
門井氏:
両者のテイストがいい感じでハイブリッドになったのではないでしょうか。
4Gamer:
ああ,そういえばかなりそれっぽいですね(笑)。ゲームの内容についても,少し聞かせてください。スマートフォン版やニンテンドー3DS版のパズドラは,基本的には1人用のゲームでしたが,今回は対戦ゲームということで,かなり大きく手が加えられてるのではないかと思います。いったいどのように対戦するんですか?
門井氏:
トーナメントという形ですが,基本的には1vs.1のバトルと考えてもらっていいと思います。これまでのターン制とは違い,リアルタイムで進行しますので,例えば「じっくり考えて大コンボを作るか」「小さな手で素早く攻めていくか」なんて部分も含めて戦略になります。
4Gamer:
制限時間がない分,のんびりしていたら,どんどん旗色が悪くなっていく?
門井氏:
ええ,そこは格闘ゲームなど一緒です。スキルの発動や回復などにも時間がかかりますので,いかに時間をうまく使うかという駆け引きになります。
4Gamer:
先ほどプレイ画面を見せていただきましたが,スマートフォン版やニンテンドー3DS版を見慣れていると,パズルのスペースがすごく大きく感じますね。なぜ大きくしたのでしょうか。
門井氏:
折角画面が広いんだから,広くしたいじゃないですか(笑)。山本さんの方でも,広いスペースでのプレイを実験されたいたそうで,この機会に広くしてみたという感じです。画面全体をパズルにしようってアイデアもあったんですよ。それはさすがにゲームになりませんでしたけど。
山本氏:
スマートフォンは,どうしても画面サイズに限界があるので,泣く泣く今のサイズになっているんです。だから,アーケード版はやっと広い画面を実現できたという感じですね。
4Gamer:
でもあの広さだと,ホルスパーティとかラーパーティが強くなりすぎるのでは?
山本氏:
熱いと思いますよ(笑)。まあ,さすがにスマートフォン版のものをそのまま持ってくるわけにはいかないので,調整はしていますけど。
門井氏:
一部のスキルなどには,スマートフォン版から細かく調整を加えているので,その辺りもぜひ,今回のロケテストで試していただきたいです。
4Gamer:
とはいえ,やはりスマートフォン版やニンテンドー3DS版をプレイしている人のほうが,有利……ですよね? パズルとしての基本ルールは同じわけですし。
門井氏:
パズル力については,その通りですね。ただ実際は,スマートフォン版でランクの高い人が必ず勝てるかというと,そうはならないと思います。違うスキルが求められるので。
山本氏:
スマートフォン版のプレイヤーは将棋の名人戦のような長期戦だと強いでしょうが,本作の場合はリアルタイムバトルなので,スピードが求められるんです。将棋で言えば,ノータイムの早指しのようなものですね。
4Gamer:
なるほど……。ではパーティについてなのですが,対戦となると,パーティ構成によってかなりはっきりした相性が出ますよね? 例えば自分が闇の単色パーティだったときに,対戦相手が光パーティだったりすると,対戦前から勝負が決してしまうのではないかと。
門井氏:
そのために,リザーブというパーティメンバーの入れ替えシステムが用意されています。
4Gamer:
リザーブですか。
門井氏:
先ほどスピードと言いましたが,これは単に素早くコンボを揃えるだけではないんです。相手のモンスターを見て,リザーブからモンスターを素早く入れ替えたり,スキル発動のタイミングを見極めたりなど,ある種,アーケードカードゲームのような技術が問われますね。
プレイしていただくと分かると思いますが,かなり忙しいゲームですよ。LORD of VERMILIONにも負けないぐらいだと思います(笑)。
4Gamer:
おお……かなり消費カロリーが高そうですね。冒険者/フレンド枠もあるんですか?
門井氏:
もちろんあります。というか,本作では手持ちから出せるモンスターは4体までなので,フレンドはかなり重要ですね。今回はカードシステムとしてNESiCAを使っていますので,同じお店で遊んでいるプレイヤーを登録することで,助っ人にできます。助っ人登録は店舗ごとにできるので,いろんな場所でプレイしていただければ,それぞれのお店に自分の分身を置いていけるんです。なので,遠征して遊ぶのも面白いと思います。
4Gamer:
一方で,本作で初めてパズドラに触れるという人もいると思いますが,オススメの上達方法などはあるでしょうか。
門井氏:
初心者や,じっくり遊びたい人向けには,ストーリーモードを用意する予定です。そこで練習していただいて,ゆくゆくは対戦デビューしていただけるといいのではないかと。
山本氏:
思えば格闘ゲームだってそうじゃないですか。1人でCPU戦で練習してから対戦デビューするという。そういう意味で,古き良きのゲーセンのゲームだと思ってます。
門井氏:
ゲームセンターに来る人達って,意外にフィーチャーフォンを使っている人が多かったりするんですよ。そういう人にも,ぜひ一度パズドラで遊んでみてもらえたらと思います。
4Gamer:
では最後に,ロケテストに参加しようというパズドラファンに向け,メッセージをお願いします。
門井氏:
今回のロケテストは3日間と短いですが,ぜひ多くの人に触っていただいて,意見をぶつけてほしいと思っています。いただいた意見はどんどん取り入れ,稼働に向けて改善していきますので,よろしくお願いします。何より,ゲームセンターに遊びに来てほしいですね。
山本氏:
本当にね,単に遊びに来てくれるのが一番嬉しい(笑)。僕も変装して現れたりするかもしれませんが,気付いても声はかけないでくださいね(笑)。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
山本氏の熱意と,さまざまな人の縁によって生まれたアーケードゲーム「パズドラ バトルトーナメント ラズール王国とマドロミドラゴン」。稼働は2014年春が予定されており,現時点での開発度は60%前後とのことなので,ゲームセンターに並ぶまでには,もう少しだけ待つ必要がありそう。門井氏の言うように,今回のロケテストで得られた意見は,本格稼働に向けフィードバックが行われるそうなので,期待するファンはぜひ最寄りの会場まで足を運んでみよう。
「パズドラ バトルトーナメント ―ラズール王国とマドロミドラゴン―」ロケーションテストサイト
- 関連タイトル:
パズドラ バトルトーナメント -チャンピオンズ オブ ラズール-
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