インタビュー
アルバム「Let's Do It Now!!」発売記念,kors k×Ryu☆対談インタビュー。BEMANIシーンを背景に生み出された”Japanese EDM”とは?
2000年に行われた「beatmania IIDX」公募企画でデビューを飾り,今も根強い人気を誇る氏が,世界のダンスミュージックシーンを賑わす音楽ジャンル”EDM”に挑戦したという本作は,BEMANIファンのみならず,音楽ファンからの熱い注目を集める1枚といえるだろう。
今回4Gamerではアルバムの発売に先駆け,kors k氏に話をうかがう機会を得た。レーベルから盟友のRyu☆氏に同席してもらい,「Let's Do It Now!!」の魅力についても存分に語ってもらっている。
アルバム制作までの経緯,kors k氏とBEMANIシリーズとの出会い,そしてkors k氏の今後の活動についてまで。今と昔をつなぐ濃い話題が聞けたインタビューとなったので,ファンはお見逃しなく。
「Let's Do It Now!!」公式サイト
EXIT TUNES公式サイト
BEMANI Fan Site
“Japanese EDM”を浸透させたい。kors k氏の魂が込められた「Let's Do It Now!!」
4Gamer:
6月4日に発売となるkors kさんのメジャーデビューアルバム「Let's Do It Now!!」ですが,まずは制作に至る経緯から聞かせていただけますか。
EXIT TUNESさんから,Ryu☆ちゃん経由でアルバムを作らないかというオファーが来たのがきっかけですね。ファンをもっと広げたいのと,自分がメジャーでどれくらいやれるのか試してみたいというのがあって,受けることにしました。
4Gamer:
では,Ryu☆さんがkors kさんに声をかけた理由は?
Ryu☆氏:
それはもう,kors kの力を信じているから。彼と一緒に何かを作るのは,単純に楽しいことですし,kors kのさらなる飛躍のきっかけとなればと思い,セッティングさせていただきました。
4Gamer
なるほど。今回のアルバムには,いわゆるEDM(Electronic Dance Music)が中心に収録されていますが,これもRyu☆さんのオーダーだったのでしょうか。
kors k氏:
いや,そこは自分の趣味で(笑)。はやってたというのが一番大きい理由ですね。今やEDMはClubシーン,Popsシーンでもスタンダードな存在になっています,なので今旬であるEDMを取り入れてみようと思いました。
4Gamer:
なるほど。kors kさんご自身は,EDMのどんなところに魅力を感じているのでしょうか。
kors k氏:
うーん,曲単体と言うよりも,いわゆるパーティーイベントでの盛り上がり方がイイんですよね。皆が一斉に手を上げてジャンプしたり,歌ったり。すごくバブリーで,景気のいい一体感があるんです。
4Gamer:
皆で共有するグルーヴ感が魅力だと。
kors k氏:
ただ,リズムゲームの楽曲として考えると,テンポが緩やかな事もあって,もの足りないと感じる人はいると思います。だからBEMANIアーティストとしての自分のファン層を考えると,少し不安ではありました。
4Gamer:
今のBEMANIは,テンポが速く音が多いものが好まれやすい傾向がありますね。
kors k氏:
ええ。でもEDM自体が持っているキャッチーさは,BEMANIファンにも響くと思うんです。だからテンポが遅くても音ゲープレイヤーを満足させられる,かつ自分らしい音を加えた新しいEDM――“Japanese EDM”を提唱しようというのが,今回の試みなんです。
4Gamer:
おお,Japanese EDM!
Ryu☆氏:
実際に現時点における,ナンバー1 Japanese EDMアルバムに仕上がっていると思いますよ。個人的には,3曲目の「On My Wings」が最高に好みです。kors kの一番得意な,ちょっと泣きと哀愁が入る感じの楽曲で。
kors k氏:
「On My Wings」は,ザ・kors kって感じの音を詰めこんだ曲ですね。あとムービーはmurAta_Yuzi君という,僕が注目している若手クリエイターに制作してもらったんですが,これが凄くカッコよく仕上がってるので,ぜひチェックして欲しいですね。
4Gamer:
EDMについてもう少しお聞きしたいのですが,国内のDJやクリエイターは,自分ではEDMをあまり作ったりはしないものなんですか?
kors k氏:
いや,クラブ界隈で活動しているような人達は,自分達で作ってイベントでかけてますね。でも,それ以上に海外の動きが活発なので,そっちを追いかけるだけという人も少なくない。毎週新曲がリリースされるような状態で,旬の入れ替わりも激しいですから。
4Gamer:
なるほど。では,国内と海外のクリエイターに,なにか違いは感じているでしょうか。
kors k氏:
傾向としてですが,リスニングのポイントが全然違うみたいです。日本人はメロディやハーモニーといった,中域からやや高域に耳が行きますが,海外は低音を中心に聴くんですよ。BEMANIの楽曲にシャキシャキした楽曲が多いのは,すごく日本的ですね。
4Gamer:
その差ってどこから来るものなのでしょう。やっぱり子供の頃から聴いている音楽の違いですか?
kors k氏:
確証があるわけではないですけど,もしかすると言語の特性なのかな。
4Gamer:
そういえば,今回のライナーノーツ(8曲目「Because of You」)の中でも,kors kさんは「日本人クリエイターには英語ボーカリストが致命的に足りない」と書かれていましたね。
kors k氏:
ええ。やっぱり英語ボーカルの魅力は,言語としての普及率が圧倒的に高いことなので。僕が海外でDJをするときも,日本語のトラックではガツンと響かない。DJはお客さんとの一体感が大事なので,世界共通ものを出したほうが伝わりやすいです。
4Gamer:
海外を意識して,楽曲制作の手法を変えることはあるのでしょうか。
kors k氏:
いえ,参考にする程度ですね。そこの真似をしたって,海外のプロデューサーには結局勝てないですから。それなら,僕は日本人らしい音を中心に,そこに少し海外の音をブレンドすることで,日本のゲーマー達に伝えたい。日本人に分かりやすいように,かみ砕いて提供することを心がけています。
4Gamer:
中心なるのは,あくまで日本人らしい音だと。
これは以前,ノイジークロークの坂本英城さん※と飲んだときの話なんですけど,坂本さんは英語をもっと勉強するべきとおっしゃれられていて。でも僕は日本人としての個性が潰れてしまう気がして,「日本語にこだわるべき」みたいなことを言ったんです。そしたら坂本さんが「大丈夫Ryu☆ちゃん,何十年も日本語にどっぷり浸かっているんだから,自分でこれは海外っぽくできたなーと思っても,海外の人が聴いたら絶対日本人だって分かる」って。
※坂本英城氏……ノイジークローク代表兼サウンドクリエイター。ロシアのサンクトペテルブルクで公演を行うなど,海外でも活発に活動を展開している。代表作に「428 〜封鎖された渋谷で〜」や「龍が如く」シリーズ,「勇者のくせになまいきだ」など。
4Gamer:
聴いただけで日本人っぽいって分かるものなんですか?
kors k氏:
分かるみたいですよ。僕も良く言われますし。
Ryu☆氏:
メロディーの上がり下がり,休符の取り方なんかに独特なものがあるみたいですね。坂本さんのその話を聞いて,僕もなるほどって思っちゃいました(笑)。
4Gamer:
そんなRyu☆さんが関わった楽曲も,今回は収録されているんですよね。
kors k氏:
11曲目の「Force of mind」ですね。エモいっすこの曲。
Ryu☆氏:
出た! エモい!
kors k氏:
この表現,最近お気に入りなんですよ。音楽を聴いてて爽やかさや哀愁を感じたり,エモーショナルなものを略してエモい。このアルバムはエモい系連発ですね。
4Gamer:
確かに最近よく耳にします(笑)。この曲はkors kさんからの提案なんですか?
kors k氏:
ですね。Ryu☆ちゃんとのユニットであるThe 4th名義のコラボは,お互いのアルバムで毎回やっていることでもあったので,今回も企画当初から考えていたんですよ。
Ryu☆氏:
以前に出した「Force of wind」という曲があって,今回はその“w”をひっくり返してmindにしてみました。好きなんです,こういうの。
4Gamer:
その手の言葉遊びは,BEMANIファンも敏感ですね。ところで楽曲の制作は実際,どんな風に進められたんですか?
kors k氏:
僕らの場合,お互いにファイルをやり取りしながらというのが中心ですね。今回は僕のアルバムなので,音のバランスは僕が担当して,最初にドラムとか基本的なとこを作ってRyu☆ちゃんに投げる。で,そっちでメロディーとか展開をつけたうえで戻してもらって,また僕が自分なりの音に近づけて完成。
4Gamer:
どちらか一方が楽曲の軸になる部分を作って,それに肉付けしていくと。一緒にスタジオに入って同時に制作,ということはないんですか?
kors k氏:
一緒にスタジオに入ると,まず完成しないですね。
Ryu☆氏:
ちょっと飲みに行こうとか,とりあえず食べてから考えようとか言いだしますから。
(一同笑)
Ryu☆氏:
15年前だったら,絶対一緒にスタジオにいたと思いますけど。今は機材もネットも進歩して,家の中で完結できるようになっちゃったから。
4Gamer:
飲みの席では,音楽の話をしたりしますか?
Ryu☆氏:
するときもあれば,しないときもあるけど……でも大体してるかな? 好きなプラグインの話とかを,妻が居合わせているときに始めちゃって,ポカーンとさせたりとか(笑)。でもkors kとの飲み屋での会話って,僕には結構ありがたくて。勉強熱心だから,最新の音源や機材,ソフトなんかに詳しくて,いいのがあると教えてくれるんですよね。
kors k氏:
音ネタとかね。僕はあまり趣味がないというか,元々音楽を作るのが趣味だったから,それが仕事になってしまうと,ほかにやることが何もなくて。結局酒の席でもそういう話になっちゃうんだよね。
Ryu☆氏:
昔からだけど,音楽一筋の職人という言葉がピッタリなヤツなんですよ。kors kは。
kors k氏のルーツとBEMANIシリーズ
4Gamer:
昔の話も出てきたようなので,kors k氏のルーツでもある,BEMANIコンポーザーとしての側面についてお聞きしたいと思います。「beatmania IIDX 3rdstyle」時代の公募企画から世に出たkors kさんですが,作曲自体を始めたのはいつ頃だったのでしょうか。
kors k氏:
実は元々は音楽が嫌いだったんですよね。幼少自体,習い事でバイオリンとピアノをやらされていたんですけど,これが本当に嫌で嫌で。でも,小室哲哉さんの楽曲を聴いてシンセサイザーの音にハマって,そこからのめり込んで行きました。
ほかにも,Ferry Corstenっていう人がいて,その音楽を聴いて衝撃を受けたりとか。トランスムーブメントの火付け役の人で,今もEDMシーンで活躍されている方です。
4Gamer:
ということは,音楽制作のルーツはトランス系ですか。
kors k氏:
もっと遡ると……Robert Milesの「Children」とか。いわゆるドリームハウスっていう綺麗なピアノが入ったダンス・ポップなんですけど,これが凄いツボでした。母親がCDを買って来て聞かせてくれたんだけど,今思うとこれもルーツかな。
Ryu☆氏:
なるほど。綺麗でエモいのが好きなのも納得だわ。
4Gamer:
実は結構な英才教育だった?
kors k氏:
いや,それはないと思いますよ。親父が音痴だったので,音痴にならないように教育されただけで(笑)。
4Gamer:
なるほど。しかし,そこからスタートしたのであれば,最初からメジャーシーンを目指すという道もあったわけですよね。あえてゲームコンポーザーの道を選ばれたのは,やはり「beatmania」シリーズの衝撃が大きかったのでしょうか。
kors k氏:
かなり大きかったですね。元々ゲームが好きだったこともあって,遊んでいて楽しくて,かつ,色んなジャンルを内包していてどれもがカッコ良い。自分もこれを彩るアーティストの一人になりたいと思いました。
4Gamer:
それで,公募に挑戦されたと。
kors k氏:
ええ。でも公募企画がなかったときも「beatmania」チームにデモテープを送ろうとは考えていたんですよ。高校受験が迫っていて,学業を優先したために,その時は断念しましたけど。
4Gamer:
結果として,Ryu☆さんとkors kさんが採用されることになったわけですが,初めてお互いの楽曲を聴いたときの印象って覚えてらっしゃいますか。
kors k氏:
この人が自分のライバルになる人かな,という漠然としたイメージがありました。「starmine」は本当にプレイしていて面白かった。自分がもっとゲームを意識した曲を作らないといけないって思わされたし,凄く刺激になりました。
「beatmania IIDX 4th style」よりRyu☆「starmine」 |
同kors k「Clione」 |
Ryu☆氏:
自分はもう,客観的に見て負けてるなって思いましたね。だってイイ音出してるんだもん。ゲームセンターに行っても,みんな「Clione」か「ABSOLUTE」ばっかりで,自分の曲はいつプレイしてもらえるんだろうって,待ってたくらいだし。
kors k氏:
そんなことないでしょ。東京だとみんな「starmine」やってたよ。
Ryu☆氏:
行ったゲームセンターがお互いに逆だったら良かったのかも(笑)。
それはともかく,ホントにイイ音出してたんだよ。kors kはフィルターとかの芸が細かくて,最初から職人のイメージでした。当時は今みたいにパソコンに指示を出してピッとやれるわけでもなく,工夫を加えるためには時間が必要でしたから。
kors k氏:
機材が足りてなかった当時は,例えばエフェクトを加えるにしても1本しか使えない状況で,曲中に変えるためには,エクスクルーシブデータという16進法のメッセージをマスターしなくちゃいけなかったんですよ。それを必至に打ち込んでましたね。
Ryu☆氏:
kors kは今もそういう部分が見え隠れする作り方だよね。自分は当時そういうのは一切やってなかったし,「starmine」制作時の機材なんか,今で言えばガジェットみたいなものでしたから。シンセ1台だけでやりくりしてて,今思うと無茶なことしてました。dj takaさんに声をかけていただけて,本当によかったと思ってます。
4Gamer:
kors kさんは,BEMANI楽曲を作るとき,まず何を意識されるのでしょうか。Ryu☆さんは以前,譜面ありきで制作するという話をされていましたが(関連記事)。
kors k氏:
自由にやっていい場合なら,ほかの人がやってない音を優先しますね。BEMANIにおけるジャンルって早い者勝ちじゃないですか。だからほかの人が手をつける前にやっておこうかなと。後は,五鍵盤時代の香りというか,クラブっぽい,古き良き音を入れておきたいという気持ちもある。最近だと「Echo Of Forever」や「Release The Music」なんかがまさにそれですね。
4Gamer:
猫叉Masterさんも,Funkotを誰かがやる前にやってしまおうと思ったと言ってましたし,競争激しそうですよね。ちなみに,EDM以外で今注目しているジャンルはあるんでしょうか。
kors k氏:
ムーンバートン(Moombahton)という,レゲトン(Reggaeton)※とエレクトロハウスが混じったようなジャンルがあるんですけど,それがすごく夏っぽくて好きです。あとハードスタイルという,激しいキックがギョンギョンいってるような曲にもハマってますね。
※レゲトン……1980年代から90年代にヒップホップの影響を受けて生み出された,プエルトリコ発祥の音楽ジャンル。スペイン語のレゲエに,プエルトリコの音楽(サルサ)などが加えられたもの。
Ryu☆氏:
kors kは常に新しい音を研究してるから,ジャンル被って困ることとかあんまりないでしょ。ずっと疑問に思ってたんだけど,あれってどうやって研究してるの? イメージ的に新しい音を作るには,機材からテクニック,特徴とエッセンスを自分のモノにしていく過程をこなさないといけないから,大変だと思うんだけど。
kors k氏:
ジャンルオタクだからね(笑)。被らないところにカタルシスを得ている部分はあるかも。新しい音を求めるのは,時代が進むにつれて出てくるカッコいい音を,自分の中に取り入れたいから。スーパーソーとか,トーキングベースとか,取り入れたいと思ったらとことん聴いて研究するんですよ。
Ryu☆氏:
それを随時やってるんだ。
kors k氏:
そうだね。後はYouTubeで公開されているチュートリアル講座を見たりとか。音作りを紹介してくれてる動画で,基本的に海外産なんだけど,これが超便利で。ヒントが一杯詰まってるんだよね。
Ryu☆氏:
あれは凄いよね。素人がそのとおりにやるだけで同じ音が出せるレベル。秘伝のタレの作り方を教えていいの? って思っちゃうくらい。
4Gamer:
kors kさんも作曲する過程を生で配信してませんでしたか?
kors k氏:
あれはそんなに深い意味はないです。制作に行き詰ったり,期日が迫っているのに進まないときなんかに,皆に見られているというプレッシャーによって,作業を進めようっていう(笑)。
Ryu☆氏:
あの配信は面白いね。
4Gamer:
Ryu☆さんは,制作に行き詰ったときはどうされるんですか?
Ryu☆氏:
寝ます! あと最近は,散歩して頭の中で作ることも多くなりましたね。弾くとどうしても手癖が出ることに気づいてしまって。意図せず自分が昔作ったものと,似たものができてしまったりするので。それを避けるために,頭の中だけでメロを考えるんです。
kors k氏:
PCに向かって,さあ仕事するぞとならないと,作れない僕とは対照的だね。僕の場合,配信を通じてリスナーとコミュニケーションを取るのって結構刺激になる部分もあって。Twitterもそうですが,距離が近くなると,この人達をもっと満足させたいって気持ちが湧きますから。
4Gamer:
kors kさんはTwitter上でよくコミュニケーションを取られていますね。
最近だとあのクレープのやつとか(笑)。あれ,狙ってやってるわけじゃないよね?
kors k氏:
狙ってないよ(笑)。単にクレープ美味しくてテンション上がってる写真アップしただけなんだけど,なぜかコラージュがはやっちゃってビックリした。でも,僕は面白くてイイと思う。ヒップホップだって元々サンプリングの文化なわけだし,それに近いものでしょ?
Ryu☆氏:
なるほどね(笑)。
kors k氏:
僕らがやってるJ-COREも,元々はアニメやゲームネタをサンプリングしたものだし。サンプリングは僕も好きなので,面白いものがうまれるのは大歓迎です。
4Gamer:
BEMANIユーザーとネット文化の親和性は高いですよね。皆さん盛り上げるのがうまいというか。
kors k氏:
KONAMIさんは,コンポーザーの魅せ方がうまいんだよね。
Ryu☆氏:
beatnation Recordsの発足が,かなりの転機になった気がします。あれが2006年だから……もう8年前か。
kors k氏:
8年前か……恐ろしいくらい時間経ったね。
Ryu☆氏:
そりゃ僕らも歳取るわけだよ。みんなもうおっちゃんだもん。
4Gamer:
お二人とも,もう10年以上BEMANIシリーズに関わってこられてベテランの域ですが,ここ数年は若い世代のコンポーザーもかなり多く参入してきています。新たな世代交代の時期なのかな,とも思いますがどうお考えですか?
kors k氏:
僕はリアルタイムでシーンの移り変わりが見られるポジションなので,今後の展開がすごく楽しみです。Hommarju君をはじめ,DJ Genki君, DJ Noriken君,USAO君といった若い勢力は,みなすごく良い子なので期待しています。
今はクリエイター側にまわる人が増えた分,頭一つ抜けるのが難しい時代かもしれないけど,それを乗り越えた人達は,やっぱりほかの人とは違うものを持っている。……ただ,もう少し尖った人が出てきてもいいかなって思うんだけど。
Ryu☆氏:
ネット上ではぶっ飛んだところを見せつつも,抑えるところは抑えてるんだよね。
kors k氏:
彼らが今後活動を続けていって,自信や実績,キャリアを積んできたら,そこは変わるかもしれない。個性は充分に持っている子達なんで。それも含めて,楽しみですね。
8月3日「EXIT TUNES ACADEMY FINAL SPECIAL 2014」に向けて
4Gamer:
そろそろお時間も近いようですので,kors kさんの今後の活動ついて,なにかお話いただけることがあればお願いしたいと思います。
kors k氏:
今まではフリーランスとして,来た仕事は基本断らないスタンスだったんですが,この1年でアーティスト性というものを少し意識し始めました。今回のようなメジャーの仕事はもちろんのこと,インディーズもすごく楽しいので,今後も続けていくつもりです。それから「beatmania」シリーズをはじめ,BEMANIシリーズもガッツリやっていきますのでお楽しみに。
4Gamer:
海外での活躍も,今後は増えていく?
海外ももちろん意識はしていますが,まずは国内での活動をしっかりやりたいですね。EDMの文化を根付かせたいし,EDMクリエイターを増やすことも,今回のアルバムのコンセプトの一つなので。ま,結局は今までと変わらず,好きなことを好きなタイミングでやりつつ,エモい活動をしていければな,と。
Ryu☆氏:
8月のさいたまスーパーアリーナでも,エモいDJに期待してるから。
4Gamer:
EXIT TUNES主催の「EXIT TUNES ACADEMY FINAL SPECIAL 2014」ですよね。どんなイベントなんですか?
Ryu☆氏:
基本的にはEXIT TUNESで活動しているアーティストさんを全員集めたフェスですね。ボカロ,歌い手,ゲーム実況,そして僕らのDJが一堂に会するんです。今回からフードコートも出すので,食べながら,飲みながら,音楽を楽しんでいただければと。kors kも出演するので,8月3日,ぜひ遊びに来てほしいです。
kors k氏:
フードコートあるんだ。kors kおじさんのクレープ屋とか出す?
Ryu☆氏:
いいね(笑)。それ絶対盛りあがるよ。
kors k氏:
フェスは夏を感じられるイベントで,楽しいよね。会場へ向かう途中もウキウキするしさ。
Ryu☆氏:
フードコートでビール買ってね。お酒片手に楽しめる,最高の夏になるよ。
4Gamer:
あの,できればフードコート以外の注目ポイントも教えていただけると……。
Ryu☆氏:
そうだった(笑)。会場は2ステージ制になっていて,1つはETAステージで,歌ってみた,ボカロが中心。もう1つが「ゲーム実況レボリューション」という,ゲーム実況が中心のステージです。僕らはそこでライブをやる予定。EDMは会場がデカイほど楽しめるので,皆で盛り上がりを体感していただければと。
kors k氏:
間違いない。デカい会場でのEDMは,最高に気持ちいいんだよね。アルバム制作期間中に「ULTRA2014」に行ったんです。マイアミで開催されるEDMシーン最大のお祭なんだけど,最高に楽しかった。そこでの体験が,今回のアルバムには詰まっています。ぜひ「EXIT TUNES ACADEMY FINAL SPECIAL 2014」に遊びに来てください。
4Gamer:
そのためにも,まずはアルバムで予習して,それから会場に向かうのが良さそうです。では最後に4Gamer読者に向けたメッセージをいただいて,締めにしたいと思います。
kors k氏:
とにかく命と魂を削って作り上げたアルバムです。僕の音が好きな方はもちろん,これまで僕のことをまるで知らなかったという人にも,ぜひ手にとってほしい。これまでのkors kを知らなくてもオススメできる内容になっているので,これでEDMの楽しさに気づいてもらえたら嬉しいですね。
Ryu☆氏:
kors kの最新サウンドが詰まった,僕的には日本でナンバー1のアルバムです。kors kは小室哲哉さん,僕はEURO BEATから影響を受けて音楽の世界に足を踏み入れたわけですが,この「Let's Do It Now!!」は,それらと同じように,きっと若い世代に影響を与えることになる。だから10代,20代の人達にこそ,手に取ってもらいたいです。よろしくお願いします。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「Let’s Do It Now!! / kors k」概要
品番:QWCE-00363
価格:¥1,852(本体)+税
発売日:2014年6月4日
発売元 :EXITTUNES
販売元 :PONY CANYON
CDの総収録曲数:全13曲
【初回限定封入特典】
・初回限定kors kオリジナルラバーストラップ
・初回限定kors kオリジナルステッカー封入 ※ランダムでkors k直筆サイン入り
【コナミスタイル限定セット】
・kors k の超人気楽曲をRyu☆、Sota Fujimori、Hommarju の3人が Remix した超プレミアムSpecial CD
・kors k出演「EXIT TUNES ACADEMY FINAL SPECIAL 2014」チケット
・kors k オリジナルUSBメモリ 4GB
・kors k 直筆サイン入りICカードステッカー
http://www.konamistyle.jp/item/72800
【販売店別初回購入特典】
・TSUTAYA RECORDS限定オリジナル特典
「On My Wings」kors k Special RemixCD
・アニメイト限定オリジナル特典
「On My Wings」DJ Shimamura Special RemixCD
・とらのあな限定オリジナル特典
「On My Wings」REDALiCE + Masayoshi Minoshima (SAISEN TURN) Special RemixCD
・アニブロ・ゲーマーズ限定オリジナル特典
「kors k」複製サイン&コメント入りブロマイド
・アニメガ・JBOOK・文教堂限定オリジナル特典
「Let's Do It Now!!」缶バッジ
・メロンブックス限定オリジナル特典
kors kアナザージャケット
・ゲーマーズ限定オリジナル特典
kors k複製サイン&コメント入りブロマイド
※店舗別オリジナル特典の詳細は「こちら」。
「Let's Do It Now!!」公式サイト
EXIT TUNES公式サイト
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beatmania IIDX 21 SPADA
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