インタビュー
あのシナリオをどうやって3DSに? 20年の時を経て甦る「闘神都市」の疑問を,イメージエポック・御影氏とアリスソフト・TADA氏に聞いてきた
20年を経て生まれ変わる「闘神都市II」
4Gamer:
せっかくTADAさんに同席していただけた,またとない機会ですので,20年前の開発当時のお話も聞かせてください。当時のアリスソフトは,どんなことを考えて闘神都市IIを制作されたのでしょうか。
TADA氏:
初代の「闘神都市」(以下,「I」)は,それまで予定していた企画がボツになってしまい,1日か2日で急遽考えた代案がベースになっているんです。なので開発期間もすごく短かくて,盛り込めなかったものがたくさん有りました。
4Gamer:
確かに「I」は,「II」と比べるとお気楽というか,コメディテイストが強かったように思います。
TADA氏:
ええ。それに比べると,闘神都市IIはじっくりと開発できたので,ストーリーやアイデアなども,いろいろ詰め込むことができた。むしろ,ちょっとやり過ぎてしまった。あれはそういうタイトルです。
4Gamer:
本作について語るなら,後半のストーリー展開については,どうしてもお聞きしなくてはならないと思います。あの衝撃的な展開のシナリオは,どういった経緯で生まれたのでしょうか。
TADA氏:
闘神大会の後を描くというのは,「I」でもやっていましたので,当然「II」にあっていいものだろうと考えていました。その上で,前作を越えるようなインパクトをと思って試行錯誤していったのですが……まさかあそこまでのボリュームになるとは(笑)。
4Gamer:
先ほども御影さんがおっしゃっていましたが,「II」の物語って,とにかくプレイヤーに業を背負わせようとするじゃないですか。主人公が美しい純愛を貫く影で,まるで紙くずのように,想いを踏みにじられる人達がいる。……あれは,どうしてああなったんですか?
御影氏:
本当にねえ。さっきまで葉月と一緒に「シード君,好きだよ!」「俺もだよ!」とかラブコメをやっていたのに,途中から「え……? ええーーーっ?!」ですから。悪事を働きまくって館に戻ってきたときのBGMが,またツラいのなんの(笑)。
4Gamer:
ランスシリーズにも通じる部分だと思うのですが,TADAさんの創る世界って,なんというか,悪人にとってものすごくイージーモードな世界じゃないですか。悪事を行うことに対して,ほとんど何のリスクもない。むしろ悪事を行った方が,スムーズに事が進むという。あれは勧善懲悪な世界観,今で言うならば“JRPG”に対するアンチテーゼ……とかなんですか?
TADA氏:
そこまで深い考えはなかったです(笑)。ただ,自分達が作っているのはエロゲなんで,このジャンルでしかできないことに挑戦しよう。そうでないと意味がない,とは思っていました。
4Gamer:
うーん。かといって,なんの希望もない世界なのかというと,そういうわけでもない。そのバランスが絶妙で,だからこそ魅力的なんですけど。ちなみに,この後半のストーリーって,今回のニンテンドー3DS版でも同じなんですか?
御影氏:
原作のストーリーの大筋は,最後までなぞらえていますね。
4Gamer:
あれを,そういった“黒さ”や“重さ”なしで描くことが,本当に可能なんでしょうか。
御影氏:
最初にもお答えしたとおり,悪事関連であるとか,例の“天使喰い”イベントなんかは,そのままではありません。ありませんが,形を変えて残っています。消滅させて莫大な経験値を得るのか,見逃してギフトを手にするかは,プレイヤーが選べる方式です。
TADA氏:
まぁその辺りは,初めてプレイする人は,できれば予備知識なしでプレイして欲しいですよね。
御影氏:
あれが当時,一番の衝撃でしたからね。後半からが,このゲームの本番と言ってもいいくらいです。あとそれから,新要素として新たなヒロインが追加されています。
4Gamer:
それがこのキャラクター,咲夜ですね。額にはツノらしきものが生えていますが,これはつまり鬼……なわけですよね?
御影氏:
鋭いですね! でもそれは,遊んでみてのお楽しみと言うことで(笑)。彼女は闘神大会を阻止する目的でシードの前に現れ,敵対することになります。後半は彼女をヒロインとしたルートもあって,そちらに進むと,原作の葉月ルートとは,まったく別のストーリーが展開されます。
おぉ,新たなルートも用意されているんですか。原作とは大分違った雰囲気になりそうですね。
御影氏:
咲夜ルートはきちんとエンディングまで用意しているので,オリジナル版をプレイした方でも,新鮮に楽しめると思います。デザインについても,アリスソフトのMIN-NARAKENさんに原案をお願いして生まれてきたキャラクターですので,アリスソフトのファンもぜひ期待してください。
4Gamer:
キャラクターということでは,今回改めて原作をプレイさせていただいて気づいたんですが,葉月っていわゆる“ボクっ娘”だったんですよね。なんというか,時代を感じてしまいました(笑)。
御影氏:
そうなんですよ! 実はそれを変えるかどうかというのは,今回,結構悩まされた部分でした。でも,変えてしまうと「こんなの葉月じゃない!」って非難を受けるのは必至じゃないですか。なので,そのままにしてあります。
TADA氏:
いやあ,あれは当時,アリスソフトの社内でも反対意見があったんですよ。でも熱心なスタッフ……というか僕が「これがいいんです!」って押し切ったんですよね。いま振り返ってみると,あまりにも正統派なボクっ娘すぎたかな?
4Gamer:
いやいや,ボクっ娘いいじゃないですか(笑)。しかし,現在公開されているメインビジュアルで,メインヒロインの葉月を差し置いて,クライアがセンターにきているのは,ちょっと気になりました。
御影氏:
あれは僕の趣味です(笑)。だって闘神都市IIといったら,クライアでしょう?
4Gamer:
確かに強烈な印象……というか,トラウマを残すキャラクターではありますね。
御影氏:
いやもちろん,闘神都市のヒロインが葉月であるのは間違いないんです。でも葉月については,もう20年前の時点で完成されているじゃないですか。なので,今回手を加えるならば,原作で語られなかった女の子達にも愛を注いであげたかった。表現の幅が限られているなら,その幅の中で少しでもたくさんの女の子達の物語を語りたかったので。
4Gamer:
それが,ギフトシステムという形で結実したと。
御影氏:
ええ。クライアのイベントは,オリジナルとは少し趣が変わりましたが,とくに心を込めて作ってあるので,楽しみにしていてください。
アリスソフトとイメージエポックが目指すもの
4Gamer:
話を少し戻して,TADAさんにお聞きしたいと思います。今回,アリスソフトとイメージエポックという,活躍するフィールドも歴史も異なる2社がタッグを組むことになったわけですが,その中でなにか新しい発見はあったでしょうか?
TADA氏:
僕としては,プロの開発会社のゲームの作り方って凄いんだなって,痛感させられましたね。仕様書を見せてもらうと,何分間にバトルが何回発生し,女の子モンスターの登場頻度がこれくらい,なんてものまできっちり計算されていて。20年前の当時なんか,とりあえず実機で動かしてみて,「あれ,出現率高いな……。ちょっと変えよう」といった感じで進めていましたから。正直言うと,未だにそれを続けてるんですけど(笑)。
御影氏:
僕らがそういった“クラッシュ&ビルド”の方法で開発すると,最後に地獄を見るのが分かっているので,ある程度最初に決めてしまうんです。というか,大規模な開発になればなるほど,そうせざるを得ないですね。
4Gamer:
作り方からして違うんですね。しかしアリスソフトさんのタイトルの魅力って,何というか,プレイヤーとの距離の近さにあるのかなって感じるのですが,その辺りはいかがですか。主にreadmeファイルや「アリスの館」でのぶっちゃけた開発者トークとか,ゲーム内の細かなネタとかなんですけど。
御影氏:
あれは親近感が沸きますね。同じ開発者の目線から見ても,それはすごく感じます。
TADA氏:
それは単に開発スタッフ達が,自分達にとって楽しいものを作ってきただけで,戦略的に狙ってやっているようなことではありません。ただ,当時からエルフさんとか,一流のエロゲメーカーにはできない,ウチにしかできないことをしよう,という気持ちはあったのかもしれません。
御影氏:
友達やサークル内で「これって面白いよね?」って見せあいながら,盛り上がっていった物作りが,いつのまにか10万人,20万人のファンを抱える規模になっていった。そこがアリスソフトさんの魅力だと,僕は思っています。
4Gamer:
御影さんの言うように,そういう作り方をビジネスとして長く続けるのって,並大抵のことではないと思うんですが,何か秘訣のようなものはあるのでしょうか。
TADA氏:
いやあ,どうでしょう。やっぱりほかのメーカーとは違うものを作り続けることなんじゃないないですか。単に飽きっぽいだけとも言いますが(笑)。
4Gamer:
ノベルゲームが主体の現在のエロゲ業界の中で,SLGなど骨太なゲームを作り続けていて,そこはこだわりがあるのかな,とも思っていたのですけど。
TADA氏:
一つ作ったら,新しいことにチャレンジしたくなってしまう性分なんです。ノベル系も決して避けているわけではなく,得意なスタッフがいないということに尽きると思います。
4Gamer:
では,コンシューマゲームのフィールドに打って出るような,そういうお考えは? 例えばアクアプラスさんなんかは,両方のプラットフォームでタイトルを発表されていますよね。
TADA氏:
……エロが使えないとなると,シナリオやゲームシステムで勝負しなければならない訳じゃないですか。今のアリスソフトがそのクオリティを満たせるかというと,ちょっと自信がないですね。
4Gamer:
アリスソフトさんに「ゲームのクオリティに自信がない」と言われたら,他のメーカーは頭を抱えてしまいそうですが……。
御影氏:
でもその気持ちは,僕は分かる気がします。アリスソフトさんのエロの持ち味って,すごく独特なんですよ。それに,コンシューマゲームのプレイヤー達は,なんだかんだでゲームに関しては目が肥えていますからね。
TADA氏:
むしろ,肥えすぎなんじゃないかって,思うことがあります。いちユーザーとして最近のRPGを遊ぶと,あまりに複雑すぎて,面白さより先に面倒臭さを感じてしまったりとか。個人的にはもう少しシンプルなゲームがいいのですが,今の時代,それでは受け入れられない。
4Gamer:
大作志向が強すぎるということでしょうか。
TADA氏:
シンプルな面白さのゲームに,なにか違う魅力を付け足していく作業というのは,とても大変です。その魅力がエロでいいのなら,これほど楽なことはない。ゲームがシンプルであっても,プレイヤーは遊んでくれますから。
4Gamer:
それは……確かにそうですね。
TADA氏:
なので,自分の居場所は,きっとここなんだろうなって思っています。ただ……今回,携帯ゲーム機での開発を見させていただいて,コンシューマもちょっといいなって,感じてるんですけどね(笑)。
4Gamer:
おお。それはどのあたりが?
TADA氏:
闘神都市IIを作っていた時代もそうでしたが,限られたスペックという制約の中でゲームを作るのって,基本的に楽しいんですよ。今はPCもハイスペックになりすぎてて……正直しんどいと感じます。
4Gamer:
開発費や開発期間が膨れあがってしまうと?
TADA氏:
ええ。やろうと思えば,際限なく何でもできてしまうのが困りものです。ディティールを追い求めると,キリがなくなってしまう。プレイヤーからの要望を真に受けてしまって,失敗した経験が僕等にもあります。
御影氏:
でも,すべてのプレイヤーがハイスペックを活かしたゲームを求めているのかというと,実はそうとも限らなかったりしますからね。重要なのは,例えば登場するヒロインの魅力だったりとか,ストーリーの中でその娘とどれだけイチャイチャできるかとかという……まあそれは,自分の性癖なんですけど。
4Gamer:
ぶっちゃけましたね(笑)。でも,魅力的なキャラクターを,いかに効率よく消費できるか,ということですよね。
そう,日本のコンテンツの強さって,やっぱりそこじゃないですか。今回,アリスソフトさんのIPをお借りした理由の一つにも,実はそれがあります。イメージエポックは,RPGの開発には経験を積んだ実績があり,作れる仕組みがある。でも魅力的なキャラクターを作り上げるのは,それとは別軸の時間と体力を費やす必要があります。そして,時間と体力をかけるということは,それをペイできるだけの販売本数を見込まなくてはならない。
4Gamer:
それは,そうでしょうね。
御影氏:
「魅力的なキャラクター」に「魅力的な物語」,そして「ワクワクするゲームシステム」。この3つを全て高い水準に持って行くには,時間も体力もあまりに足りない。それならば,業界の先達が作り上げた魅力的なIPをお借りすることで開発期間を短縮し,若いスタッフに経験を積ませられたら,と考えました。……と言いつつ,やっぱり時間はかかってしまいましたけど(笑)。
TADA氏:
最初にお会いしたときも,御影さんは「スタッフを鍛え直したい」って言っていましたね。すごく印象に残っています。
御影氏:
ええ。今回,闘神都市を作らせていただいたことで得られた経験は,決して自分達だけでは得られなかった。この経験は,きっと次の作品に活かされると思うんです。
TADA氏:
それについては僕等も思うところがありまして。闘神都市IIの頃って,ゲームシステムもハードウェアのスペックもシンプルで,自分達でいうのもなんですが,パッケージとして凄く完成されていたと思うんですよ。
4Gamer:
外から見ていても,あの時期のアリスソフトは,一つの黄金期だったように思います。何より,作っているスタッフが楽しそうで。
TADA氏:
なにせ,マップの中にキャラクターが表示されただけで,一喜一憂してたくらいですから(笑)。そういう意味では,スタッフ達も成長しやすい環境だったと思います。僕等もあの頃のマインドに,いったん気持ちを戻す必要がある。今回イメージエポックさんとコラボしたことで,それに気づけた気がします。
「本当にこれでよかったのか」,答えが聞きたい
4Gamer:
本作について,改めて整理させてください。原作の一番の魅力だった“黒さ”や“重さ”は,残念ながらそのままでは今作に載せることはできなかった。その代りに,現代のRPGとしてゲームシステムを再構築することで,RPGとして魅力的なものに仕上げた。そういうお話でしたよね。
御影氏:
そのとおりです。
4Gamer:
序盤をプレイさせていただいた限りでは,その判断は正しかったと,個人的には思います。ですが,原作ファンだという御影さんに,これはあえてお聞きしたいのですが……本当にそれで良かったのですか?
御影氏:
いちファンとして,良かったと思っています。僕はこのタイトルで,アリスソフトというメーカーをもっと多くの人に知ってもらいたいと思っているんです。今の若い人達の中には,アリスソフトを知らない人だって少なくないでしょう。オールドファンに買ってもらいたいのはもちろんですが,アリスファンの新しい仲間を,僕は増やしたい。
4Gamer:
ああ,なるほど。
御影氏:
正直なことを言うと,今のコンシューマゲームが求める規制の範囲って,ほかのエンタメに比べて,ちょっと厳しすぎると感じる部分が,確かにあります。アニメならできる内容でも,ゲームだとNGだったりしますから。
4Gamer:
そこは確かに,不思議ではありますね。
御影氏:
さっきJRPGに対するアンチテーゼという話もありましたが,オリジナルの闘神都市IIで描かれた世界って,ある意味すごくリアルな法則に基づいた世界じゃないですか。その部分に,僕は惹かれたわけで。
4Gamer:
“黒い”表現をすべて削るのではなく,表現を抑える形にすることは,やはり難しかったのでしょうか。
御影氏:
ある程度までなら,できたかもしれません。でもマイルドにした時点で,その魅力は確実に変質してしまうじゃないですか。そうなった時点で,もはや別物なんですよ。なので,元々の原作から別の良さを引き出す形で,現代の闘神都市に仕上げたいと考えました。
4Gamer:
原作の別の良さ,とは?
御影氏:
最も重視したのは,バトルとイベントのテンポ感ですね。どちらが主でも従でもなく,バランス良く進んでいくあの感覚。とくに「ガールズギフト」というシステムを加えたことで,イベントとバトルが有機的につながって,目指していたテンポの良さを実現できたと思っています。
4Gamer:
では,プラットフォームに3DSを選んだのは? ほかのハードや,据え置き機の可能性はなかったのでしょうか。
御影氏:
携帯機でやりたいという思いが,まず最初にありました。開発を始めた2010年当時,今後の市況を考えたときに選んだのが,ニンテンドー3DSなんです。2Dグラフィックスが中心のタイトルですが,立体視で遊ぶとちょっと新鮮な臨場感が出ることも分かりましたし,そこに惹かれましたね。
4Gamer:
キャラクターとインタフェースが重なりあって,飛び出す絵本のような表現になっていましたね。ではオールドファンにとっての,3DS版の見どころというと,どこになるでしょうか。
御影氏:
まずオールドファンの皆さんにとっては,「ああ,闘神都市IIってこうだったよね」と,当時感じた気持ちを懐かしく思い出しながら,最後まで遊んでもらえるだけのクオリティは,保証できる内容に仕上がったと思っています。そのうえで,新たに追加されたヒロイン,またオリジナルで描かれることのなかったキャラクター達の物語を,楽しんでいただけたらと思っています。
4Gamer:
葉月とセレーナ以外のヒロイン達が,その後どうなったのかが語られるんですか? 酒場でウエイトレスをしていたさやかさんは,無事故郷に帰れたのか,とか?
御影氏:
受付嬢のシュリさんや,闘神ダイジェストのクリちゃんなど,すべての女の子にギフトにまつわるイベントが用意されていますし,原作では描かれていないさやかさんのその後もわかります。その辺りはぜひ,楽しみにしていただければと。
4Gamer:
鉄壁のシュリさんまで! それはオールドファンにとっても嬉しいですね。でも,TADAさんとしてはどうなのでしょう。かつて自分の手がけたキャラクター達が,こうして新しい姿で甦ってくるというのは。
TADA氏:
それはもう,大歓迎ですよ。だって,当時のままだったら,自分自身がプレイしていて楽しめないじゃないですか(笑)。それは当時遊んだ人達にとっても,同じなんじゃないでしょうか。
御影氏:
どのキャラクターも,ファンにとっては大切なヒロインですので,そのイメージを壊さずに新たなイベントを作るのは,大変な作業でした。でもここは頑張りましたので,ご期待ください。
4Gamer:
分かりました。個人的にも楽しみにさせていただきます。では最後に,開発のラストスパートに向けた意気込みをお願いします。
御影氏:
まだブラッシュアップの作業が残っていますが,僕の立場としては,精一杯走ってゴールできそうという感じです(笑)。先ほどの「本当にこれで良かったのか」という質問は,僕はむしろ皆さんにお聞きしてみたい。「自信があります」とか「大丈夫です」とか言っていますが,内心ドキドキですよ。その答えを出すのは,本当は僕ではなく,皆さんですから。それでもし良い答えが返ってくるなら……そのときは「闘神都市クエスト マグナム」かな?
4Gamer:
おお,それはぜひ実現してほしいですね。
TADA氏:
そういう事言われると,こっちも「闘神都市IV」が作りたくなってくるじゃないですか(笑)。僕としては,まず無事にリリースまで漕ぎつけていただいて,イメージエポックさんにありがとうとお伝えしたいです。
4Gamer:
そういえば闘神都市IIも,メガドライブに移植されるという噂が昔ありましたよね。結局実現はしなかったようですが。
TADA氏:
ご存知のとおり,ウチのタイトルはエロありきのものばかりなので,移植しようと思っても,必ず壁にぶち当たるんですよ。今はいちプレイヤーとして,3DS版が遊べるのを楽しみにしています。アリスソフトとしても,最低でも「ランス10」までは頑張ろうと思っていますので,応援をよろしくお願いします(笑)。
4Gamer:
おお。期待させていただきます。ところで,これは聞くのを忘れていたんですが,クリちゃんの「ぱうぱう」って台詞,あれってどういう意味なんですか?
TADA氏:
さあ……たぶん,深い意味はないと思います。いろんなネーミングもそうですけど,当時の僕は,頭がおかしかったんじゃないですか(笑)。
4Gamer:
ああ,とくに意味はないと分かって,逆にスッキリしました(笑)。本日はお忙しい中,ありがとうございました!
20年前のオリジナル版制作当時の話題から,いかにそれを現代に甦らせるかまで,さまざまなトピックでお届けした今回のインタビュー,いかがだっただろうか。
インタビュー中でも触れたとおり,今回のインタビューに当たり,本作の序盤部分をプレイさせてもらったのだが,その中身はかなりの部分,当時のテイストが残されていたことをお伝えしておきたい。アレンジが加えられているとはいえBGMは当時のままだし,闘神ダイジェストなどのノリもそのまま。ダンジョンが3Dグラフィックスになり,インタフェースがずいぶんと親切になったことで,オールドファンは最初は戸惑うかもしれないが,「ああ,そういえばそうだったな」とか「おお,そうアレンジしてくるか」というように,違いを楽しみながらプレイできるはずだ。少なくとも,筆者はそうだった。
しかし,まさか4Gamerでアリスソフトを訪れることになろうとは。夢にも思っていなかった取材だけに,ちょっとテンションが上がってしまったのは否めない。本当は,もう少しTADA氏に当時の事を聞いてみたかったのだが……。もし機会があれば,ぜひそのあたりをリベンジさせていただきたい。そのためにも,御影氏にはぜひ「闘神都市クエスト マグナム」を実現させてほしいものだ。
本作ニンテンドー3DS用ソフト「闘神都市」は,2014年1月30日に発売となる。アリスソフトファンはもちろんのこと,オリジナルを知らないJRPGファンにも,ぜひ手にとってみてほしいタイトルだ。
――2013年11月7日収録
- 関連タイトル:
闘神都市
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(C)ALICESOFT (C)ALICESOFT/Imageepoch/闘神都市製作委員会