テストレポート
重量約141gのスマートフォン「AQUOS zero2」が発売。軽いだけでなくゲーム用機能も完備したゲーマー向け端末の完成形
※正確には,画面サイズ6インチ以上,電池容量3000mAh以上,防水(IPX5以上)対応のスマートフォンとして
1年ほど前に登場した前モデルの「AQUOS zero」で,シャープの開発陣は「価値ある軽量」を旗印に,当時の6インチ級スマートフォンとしては最軽量クラスの約146gを実現して話題を呼んだ。その後継機種となるAQUOS zero2は,初代機よりも高いスペックや高フレームレート表示に対応する有機ELディスプレイといった新しい特徴を加えながら,初代機よりも少し軽くなったというから驚かされる。
本稿では,シャープ開発陣への取材を通じて,AQUOS zero2の特徴やゲーマー向け機能に関する取り組みについて明らかにしていきたい。なお,本稿で扱っているAQUOS zero2はソフトバンク版であるが,背面のデザインが若干異なる(※NTTドコモ版やKDDI版は通信事業者のロゴが描かれている)ことと,通信事業者固有のアプリが異なる以外の違いはない。
シャープのAQUOS zero2スペシャルWebサイト
バックパネルの変更で一新された外観
AQUOS zero2は,6.4インチサイズで解像度1080×2340ドット,横画面時のアスペクト比が19.5:9,120Hz表示対応といったシャープ製有機ELディスプレイを採用するスマートフォンである。初代AQUOS zeroは国内大手通信事業者のうちソフトバンクしか扱わなかったが,AQUOS zero2は同社に加えて,NTTドコモやKDDIでも扱うようになったので,選択肢が広がったことは大いに歓迎したいところだ。
AQUOS zero2の外観は,前面上部に切り欠き(ノッチ)を設けてインカメラを配置し,額縁いっぱいまでディスプレイパネルが広がっているという,今どきのスマートフォンでは定番のものだ。AQUOS zeroでは,インカメラ周辺にセンサー類を配置するためのスペースを必要としたので,やや大きめのノッチがあった。それに対してAQUOS zero2は,2019年夏モデルの「AQUOS R3」と同様に,インカメラ部分だけを切り欠いた小さめのノッチになっている。
バックパネルのカラーバリエーションは,本稿で取り上げている「Astro Black」(アストロブラック)と,白系の「Misty White」(ミスティホワイト)の2色だ。アラミド繊維の素材感を生かした前モデルのバックパネルもあればよかったのだが,今回は採用されていない。たとえばオプションとして,交換用のアラミド繊維製バックパネルがあれば,AQUOS zeroのファンは喜んだかもしれない。
AQUOSスマートフォンでは,2018年夏モデルで登場した「AQUOS R2」でデュアルレンズ式のアウトカメラを初めて採用し,AQUOS R3でもそれを継承していた。ただ,AQUOS R2とAQUOS R3は,デュアルレンズのうち標準側を静止画用,広角側を動画用として使い分ける方式であった。それに対してAQUOS zero2は,どちらのレンズでも静止画と動画を撮影できるごく一般的なデュアルレンズ式スマートフォンと同じ仕組みを採用している。
カメラユニット自体は,AQUOS R3で採用したのと同じものをAQUOS zero2でも使っているそうだが,「広角レンズで写真を撮りたい」というニーズも考慮して,どちらのレンズでも使えるようにしたとのこと。ユーザーとしては歓迎できる変更ではなかろうか。
側面が凹んだデザインは,AQUOS zeroで初めて採用したもので,そのままAQUOS zero2でも継承していると理解していい。
スペックについても確認しておこう。
AQUOS zero2は,Qualcomm製のハイエンドSoC(System
バッテリー容量は約3130mAhで,約3200mAhのAQUOS R3よりはわずかに少ないが,AQUOS zeroとまったく同じである。現行世代のハイエンド端末として,
スペック面に不足はない。
実際に,AQUOS zero2と初代AQUOS zero,およびAQUOS R3で簡単なベンチマークテストも行い,性能を検証してみた。
まず,定番の3Dグラフィックスベンチマークアプリ「3DMark」の結果をまとめたのが,グラフ1〜3となる。今回使用したのは,製品版に近い試作機ではあるが,AQUOS zero2の成績はなかなか優秀で,OpenGL 3.1ベースのテスト2つは総合成績(Overall score)で同じSoCを搭載しているAQUOS R3を上回っている。Vulkanでは,AQUOS R3に及ばなかったが,総合成績の差はわずかだ。
総合ベンチマークアプリの「AnTuTu Benchmark」によるスコア(グラフ4)も,傾向は3DMarkと似ている。GPU性能では,AQUOS R3に軍配が上がるものの,それ以外の3項目はすべてAQUOS zero2が勝っているのだ。AQUOS zero2はメインメモリ容量が8GBと,AQUOS R3の6GBよりも多いので,その差が効いている面がありそうだ。
本体紹介の最後に,AQUOS zero2の主なスペックを表にまとめておこう。
メーカー | シャープ |
---|---|
OS | Android 10 |
ディスプレイパネル | 6.4インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 855」 ・CPUコア:Kryo 485(最大2.8GHz) ・GPUコア:Adreno 640 ・モデム:Snapdragon X20 LTE |
メインメモリ容量 | 8GB |
ストレージ | 256GB |
アウトカメラ | 2眼式 ・標準:約1220万画素,F1.7,画角78度 ・広角:約2010万画素,F2.4,画角125度 |
インカメラ | 約800万画素,F2.2 |
対応LTEバンド | FDD LTE Band 1/2/3/4/5/7/8/11/12 TDD LTE Band 38/39/40/41/42 |
対応3Gバンド | W-CDMA Band 1/2/4/5/6/8/19 |
無線LAN対応 | IEEE 802.11ac |
Bluetooth対応 | 5.0 |
連続待受時間 | 4G LTE/AXP:約550時間,3G:約615時間 |
連続通話時間 | 4G LTE:約2170分,3G:約1900分 |
バッテリー容量 | 3130mAh |
USBポート | USB 3.1 Type-C |
公称本体サイズ | 74(W) |
公称本体重量 | 約141g |
本体カラー | Astro Black,Misty White |
ついに登場。ゲーム専用設定をまとめた「ゲーミング設定」
AQUOS zero2には,ついにというか,ようやくというか,端末の動作をゲームプレイ向けにカスタマイズする機能が加わった。それが「ゲーミング設定」だ。ゲーム用途重視の他社製スマートフォンが採用しているもので,AQUOSスマートフォンに欠けていた最も大きな要素がソフトウェア面だと筆者は考えていたので,その欠けた部分をしっかりと埋めてきたのは評価できる。
実のところ,2019年9月の発表会時点では,ゲーミング設定の存在は明らかになっていなかった。もちろん,開発は進めていたそうだが発表会には間に合わなかったそうで,結果としてサプライズ的な新機能となったわけだ。
そのゲーミング設定は,Androidの設定アプリから「AQUOS便利機能」をタップすると,その中にある。また,ゲーミング設定に登録したゲームアプリを実行中は,スマートフォンの通知パネルに「ゲーミングメニュー」というショートカットが加わるので,そこからゲーミング設定を呼び出すことも可能だ。
ゲーミング設定で行える主な機能を列挙してみよう。
- ハイレスポンスモード:240Hz駆動の表示とタッチパネルのレポートレートを240Hzにするゲーム向け動作モードのオン,オフを切り替える
- ゲーム中の通知をブロック:ゲームアプリがアクティブな状態にあるときは,通知の表示をブロックする設定。この項目を長押しすると,電話着信をブロックする追加設定も行える
- ゲーム画質:ディスプレイの色味をゲーム向けに調整するゲーム画質のオン,オフ切り替え。詳細は後述
- パフォーマンス:ディスプレイパネルの解像度を使う「高精細表示」と,ゲームを実行中は解像度を下げて描画性能を稼ぐ「軽快動作」を切り替える
- 登録ゲームのプレイ中に通知パネルに表示:ゲーミングメニューを通知パネルに表示するか,しないかを切り替える
- 録画設定:ゲーム映像を端末上で録画する機能の映像および録音品質を設定する
- 検索設定:実行中のゲームアプリに関連した情報を検索するときに使うキーワードを登録しておく。検索時は「ゲームタイトル」+「キーワード」での検索を行う
- 登録ゲーム設定:アプリごとに,ゲーミング設定を有効にするか,無効にするかを指定する。ゲーム以外のアプリにゲーミング設定を適応することも可能
- 自動登録時に通知:インストールしたゲームアプリを自動でゲーミング設定を適用する対象として登録した場合,通知を行うか,行わないかを指定する
なお,ゲーミング設定は,ゲーム管理で有効になっているゲームすべてに適用されるもので,ゲームごとに設定を使い分けるといった機能はない。各機能の見どころについては,後段で詳しく説明していきたい。
パワフルさをスペック以外で体感できる端末
AQUOSスマートフォンはAQUOS R以降,ゲーム用途にも重きを置いた端末として企画,開発が行われてきた。スペックが高いだけでなく,持続的に高性能を維持しつつ,とくに熱がユーザーの使い勝手に悪影響を与えないようにといった工夫を凝らしてきたわけだ。
とはいえ,いわゆるゲーム特化型のスマートフォンとは異なる方向性を目指していたのも事実で,AQUOS zeroも「ごりごりのゲーム端末ではなかった」と篠宮氏は振り返る。そこでAQUOS zero2は,AQUOS zeroで高評価を受けたポイントを伸ばしつつ,シャープの考えるゲーマー向けスマートフォンの実現を目指したものとなっている。
他社のゲーマー向けスマートフォンには,放熱に有利として少々いかつい筐体を採用したり,派手なカラーLEDイルミネーション機能を備えるものがある。しかし,AQUOS zeroでゲーマーから評価を受けた一番の特徴は軽さであったため,そこは譲れない。そう考えて開発陣がAQUOS zero2開発においてコンセプトとしたのは,「パワフルさをスペックや数字ではないところで体感してもらえる端末」であると,篠宮氏は説明する。
まずは,有機ELディスプレイから見ていこう。
先述したとおり,AQUOS zero2の有機ELディスプレイは,120Hz(120fps)の高フレームレート表示に対応している。しかも,単に120Hzでの表示が行えるだけでなく,内部的に240Hzで駆動したうえで,映像フレームの間に黒い画面を挿入することで映像の残像感を低減する「黒挿入」機能も採用しているのだ。
なお,240Hz駆動,120Hz表示を利用するには,ゲーミング設定の「ハイレスポンスモード」をオンにしておく必要がある。もっとも,初期設定でオンになっているので,何か問題が生じない限り,わざわざオフにする必要はない。
その点を開発陣に確認したところ,AQUOS zero2では単純に黒いフレームを映像フレームの間に差し込むのではなく,縦画面時の上から下に向かって黒い帯が流れるような形で黒挿入を行って,残像感の低減と輝度の確保を両立しているそうだ。
そこで,AQUOS zero2における240Hzの画面を960fps相当のスーパースローモーション撮影で録画してみた。その結果が以下の動画だ。サンプルに使ったゲームは,120Hz表示が可能なAndroid版アリス・ギア・アイギスであるが,60Hz(60fps)の録画では感じられない黒い帯の動きがスーパースローモーション撮影では明確に見てとれる一方で,60fpsの録画を見ても,画面が暗くなったようには見えないことが分かると思う。
黒挿入の適切な割合は,視認性を犠牲にしないようバランスを見ながら調整を繰り返したそうで,黒挿入を行っている他社製スマートフォンと比べても,画面の明るさと映像の滑らかさは良好であるとのことだ。
黒挿入と輝度の確保を両立したこともあり,AQUOS zero2のディスプレイパネルにおける最大輝度は,AQUOS zeroの約1.5倍に向上している。それに加えて,日差しの明るい屋外でも画面を視認しやすいように自動で輝度を上げる「アウトドアビュー」機能も実現できた。
加えて,発色可能な色数は約10億色となり,色再現性も向上。AQUOS zeroで採用した有機ELディスプレイ向けの発色調整技術「リッチカラーテクノロジーモバイル」も採用している。
さらにAQUOS zero2では,新たにゲーム用の発色調整モードである「ゲーム画質」を導入したのも大きなポイントである。
以前のシャープ製スマートフォンでは,やや色を派手に見せる色調整(演色)に重点を置いていたそうだが,ここ最近は,HDR映像の広がりなどもあり,コンテンツの意図を忠実に再現する方向へと変わっていた。しかし,ゲームについては相変わらず,演色重視でやっていたそうだ。
しかし,よりゲームに特化したスマートフォンを実現するには,これまでと同じ演色のままでは十分ではなく,ゲームの画質も改めるべきであると,篠宮氏らは考えた。そこで,画質設計の担当者とともにゲームメーカー各社を回って,スマートフォンゲームにおける色のこだわりについてヒアリングを実施したと篠宮氏は述べる。
ヒアリングで聞いた中には,「レアなキャラクターやアイテムを金色の枠がついたカードで示すタイトルの場合,画面上で金色が黄色と区別できないようではゲーム開発者の意図にそぐわないし,ユーザーにとってもよい体験とは言えない」という話があったという。こうした調査を踏まえて,ゲームにおいても開発者の意図を伝えるのに適する画質モードとして,ゲーム画質を実装したとのことだ。
実際に,いくつかのゲームで設定のオンとオフを切り替えて見比べたところ,ゲーム画質のほうが不自然にならない程度で暗部の視認性が向上していることを確認できた。なお,既存の発色を好む人向けに,ゲーム画質をオフにすることも当然可能である。
さて,有機ELディスプレイの240Hz駆動化と合わせて,開発陣がゲーム用途において重視したのが,「物理的にハイレスポンス」(篠宮氏)であること。AQUOS zero2のタッチパネルは,240Hzのレポートレートに対応できる高速なものとなっている。それに加えて,タッチパネル側の信号処理から,CPUによる内部処理までを最適化したことにより,タッチ操作が表示に反映されるまでの遅延短縮を実現し,切れの良い操作感を実現したとのことだ。
実際に,10秒間の連打回数を調べる連打測定アプリ「SpiderShooter」を使って,AQUOS zero2の連打応答性を検証してみた。タッチパネルの連打には,画面連打用の入力デバイス「スマッチ」を使い,最も高速な毎秒約20回の連打設定で計測している。
結果は,ハイレスポンスモードが有効な状態では,スマッチの最高速にほぼ等しい197回(毎秒19.7回)を記録した一方で,ハイレスポンスモードをオフにした状態では,167回(毎秒16.7回)となった。オフの状態でカウンターの上がり具合を見ていると,タッチパネルの飽和と思われる動きが散見されたことも考慮すると,連打を行うゲームでは,ハイレスポンスモードをオンにしておくのが効果的であろう。
ただ篠宮氏は,他社製品でもレポートレートが速いタッチパネルを採用する端末があることを踏まえたうえで,「(私たちは)タッチだけ速くするのはやりません」と述べる。これは,ゲームPCの環境に置き換えてみると分かりやすいだろうか。
ゲーマー向けのUSBマウスやUSBキーボードにおけるレポートレートは,1000Hz程度のものが一般的で,3000Hzまで高速化した製品もある。しかし,入力デバイスだけが速くても,ゲームにおいては不十分だ。短いサイクルで流れてくる入力データを処理するCPUと,高リフレッシュレート表示を行えるディスプレイといった具合に,さまざまな要素が足並みを揃えることが必要となる。
PCの場合と同様に,AQUOS zero2は高速なタッチパネルを使うだけでなく,
贅肉を少しずつ減らすような軽量化
「ここまで軽くできると思っていなかった」
強度と重量面で優れるアラミド繊維製バックパネルを止めて,不利を承知で樹脂製バックパネルを採用したのは,「アラミド繊維製バックパネルでは,カラーバリエーション展開が難しかった」からであると,篠宮氏は説明する。素材感を生かしたAQUOS zeroのバックパネルは,個性的で見栄えもいいとは思う。しかし,カラーバリエーション展開ができないと,「これ以外のカラーが欲しい」というニーズは切り捨てることになる。篠宮氏自身は,アラミド繊維製バックパネルを残したいと強く考えていたそうだが,最終的には樹脂製のみとすることを受け入れたとのことだった。
樹脂製バックパネルに変えたからとはいえ,AQUOS zero2の放熱能力や強度を落とすわけにはいかず,軽量化も諦めることはできない。工学の世界に魔法は存在しないので,開発陣は少しずつ贅肉を減らすような軽量化に取り組んだという。とくに重量軽減に効果があったのは,マザーボードの軽量化だ。2019年9月の製品発表時点で明らかにしていた約143gから,さらに2gの軽量化を実現できたポイントも,マザーボードにあったそうで,「ここまで軽くできるとは思っていなかった」と,田邊氏は笑顔で述べていた。
ただ,AQUOS zero2では,SoCやカメラと放熱用の金属板をつなぐ熱伝導材について,改めて条件の異なる素材をいくつも試すことで,より効率の良い素材を採用しているとのこと。それに加えて,背面側にある樹脂製のキャビネットに細かい隙間を開けることで,放熱シートの熱が持つ熱が,直接背面の部品(※たとえばNFC用アンテナ)やバックパネルに伝わりにくくする工夫も凝らしている。
放熱の状況を確認するため,AQUOS zero2で1時間連続でアリス・ギア・アイギスをプレイして,ボディ背面の温度をスマートフォン用赤外線カメラ「FLIR ONE Pro」で確認してみることにした。1時間プレイ後の背面は,最も高温の部分で約39℃程度だ。高温部分はアウトカメラの左側に広く広がっているが,横持ち時に手が触れる側面や,縦持ち時に触れる本体下側の温度は,あまり上がっていないことを確認できた。
どんなゲームでも快適にプレイできるように
AQUOS zeroを紹介したときに,「ミリシタ担当と呼ばれるスタッフがいて〜」という話があったことが話題となったが,AQUOSの開発部隊には,ゲームをプレイ中の動作を細かく検証するためのチーム「パフォーマンスグループ」がいるそうだ。彼らは,ゲームの挙動,たとえばCPUやGPUの使用状況や,ハードウェアの性能を生かすためのゲーム側設定などを調べて,それを端末の開発や動作パラメータの設定などに生かす役目を担っているという。
とくに,AQUOS zero2はゲームに注力した端末なので,どんなゲームでも一番高い設定,高いフレームレートで遊べるにようにしたいという目標があったので,彼らによる検証と,検証をもとにしたチューニングはとても重要だ。ゲーミング設定にも,そうした検証が反映されている。
その一方,先述したとおり,ゲーミング設定にはCPUをオーバークロック動作させたり,ゲームごとにプロファイルを作って動作を変えたりといった機能は実装されていない。篠宮氏によると,「誰が使っても,なんとなく分かるようにしたかった」そうで,必要な機能を絞り込んだそうだ。
開発チーム側でも,ゲーミング設定に必要な機能は何かという真剣な議論があったそうで,「この機能は減らしてもいいんじゃないか?」という声があると,社内のゲーマーから「そんなのはゲーミングUIではない!」といった反対意見が上がるといった具合で,ときに白熱することもあったと,篠宮氏は笑いながら振り返っていた。
ゲーミング設定はソフトウェアの機能なので,AQUOS zero2だけでなく,既存のAQUOSスマートフォンや,今後登場する端末に広げていくことも可能だろう。篠宮氏もゲーミング設定が「senseやRにあってもいい」と前向きだ。将来的には,AQUOS共通の標準的な機能となることもありそうである。
ゲーム向け設定機能という欠けていたピースを加えたことで,ゲーマー向けスマートフォンとしてのAQUOS zero2の価値は,今までのAQUOS以上に高まったと言えるのではないだろうか。ゲーム用途を重視してハイエンドスマートフォンを検討している人なら,AQUOS zero2は,ぜひ選択肢に入れてほしい1台である。
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