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[TGS 2013]北海道IT推進協会ブースにこっそり展示されていた,ニンテンドー3DS用プログラミングツール「プチコン3号(仮称)」を見てきた
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印刷2013/09/26 16:38

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[TGS 2013]北海道IT推進協会ブースにこっそり展示されていた,ニンテンドー3DS用プログラミングツール「プチコン3号(仮称)」を見てきた

画像集#005のサムネイル/[TGS 2013]北海道IT推進協会ブースにこっそり展示されていた,ニンテンドー3DS用プログラミングツール「プチコン3号(仮称)」を見てきた
 東京ゲームショウ2013を取材する合間に,何となく会場で配布されているパンフレットを読んでいた筆者は,北海道のゲーム開発会社8社が共同出展する「北海道IT推進協会」のブースに,「プチコン」があることを発見した。

 プチコンとは,スマイルブームが開発しているプログラミングツールで,これまでに「プチコン」と「プチコンmkII」の2作品がニンテンドーDSiウェアとしてリリースされている。30代以上のPCファンには懐かしい「BASIC」でプログラムが組めるツールだ。
 このツールを使って,ごく簡単なプログラムから,BASICとは思えないほどのハイクオリティな作品が制作され,YouTubeやニコニコ動画などで発表されている。

 筆者はプチコンの最新バージョンがニンテンドー3DS向けにリリースされるということ以前から聞いていたので,一体どんなものになっているのかを確認すべく,北海道IT推進協会ブースを訪ねてみた。

北海道IT推進協会ブースの中にあったスマイルブームのスペース。スマイルブームは,今回のTGSに出展されたSCEの「勇者のくせにこなまいきだ。G」の開発なども手掛けている
画像集#001のサムネイル/[TGS 2013]北海道IT推進協会ブースにこっそり展示されていた,ニンテンドー3DS用プログラミングツール「プチコン3号(仮称)」を見てきた

 ところがブースに着いてみると,スマイルブームのスペースには,プチコンmkIIが動くニンテンドーDSi LLと,プチコンの投稿プログラムの映像を見せるディスプレイなどが設置されているだけ。3DS LLもあるにはあったのだが,閉じた状態で置かれていて,どう見ても触れる雰囲気ではなかった。

 今回はプチコンmkIIの展示のみで,あの3DS LLは誰かの私物だろうか……と思ってスタッフに尋ねてみると,黙ってその3DS LLを開いて見せてくれた。
 そこには筆者にも馴染み深いBASICの言語がずらっと並び,無駄に(!?)立体感のあるカーソルの様子が映し出されていた。やっぱりこれは3DS向けのプチコンだったのだ。

プチコン3号のプログラム入力画面とソフトキーボード
画像集#002のサムネイル/[TGS 2013]北海道IT推進協会ブースにこっそり展示されていた,ニンテンドー3DS用プログラミングツール「プチコン3号(仮称)」を見てきた

 この「プチコン3号(仮称)」は,3DSのダウンロードソフトとして販売予定の,プチコン最新バージョン。現段階ではまだ開発中で,プログラムを走らせることもままならい状態とのことだ。
 来場者に実際に触ってもらうことができないため,ブースで声をかけてくれた人に,3DSでのプログラム入力画面を見せつつ,その内容についてスタッフが説明するという体裁をとることにしたという。

 ブースにはちょうどスマイルブーム代表取締役社長の小林貴樹氏が姿を見せていたので,プチコン3号について少し聞いてみた。

スマイルブーム代表取締役社長 小林貴樹氏
画像集#003のサムネイル/[TGS 2013]北海道IT推進協会ブースにこっそり展示されていた,ニンテンドー3DS用プログラミングツール「プチコン3号(仮称)」を見てきた
「このプチコン3号ではまず,前回のプチコンmkIIできなかった,コピー&ペーストなど,操作性の部分を強化しています。あとはもちろん3DSですから立体視ですね。BASICプログラムなので,たとえば位置を指定する“LOCATE”の命令に,縦横位置であるXとYに加えてZの値を指定することで,奥行きを指定することができるんです。もちろんポリゴンではないので,3Dならぬ2.5Dといったところでしょうか」(小林氏)

 よく考えてみると,BASICが動く3D画面のハードなど,これまで聞いたことがない。それだけでもワクワクしてしまうような仕様だ。

「プログラムの実行速度は現時点でもmkIIより2倍は速くて,10倍を目標に開発を進めていますので,恐らくPlayStationやゲームボーイアドバンスクラスのゲームは作れるようになると思います。現状ではまだプログラムを動かせる状態になっていないので,実際に動く画面をお見せできるのはもう少し先になるんですが,画面だけでもいち早くお見せしたくて持ってきてしまいました(笑)」(小林氏)

 小林氏の話を聞く限り,かなり高性能なものとなるようで,これまでプチコンで高度なプログラムを作ってきたクリエイターたちが,一体どのような作品を見せてくれるのかが楽しみなところである。
 そのほかにもさまざまな新機能が搭載されるという説明を受けたので,以下に箇条書きでまとめてみた。小林氏の話すとおり,とくに入力や編集に関しては,かなりユーザーフレンドリーなものとなりそうだ。

  • 999999行まで編集可能
  • 拡張スライドパッドに対応
  • 単語の色分けが可能
  • プログラムの折り返し表示が可能
  • 複数ソースの編集(4つまで)が可能
  • お絵描き機能の標準搭載
  • 編集機能の強化(複数行コピーやUNDO機能など)
  • マイク,カメラ,センサーなどの入力デバイスサポート
  • ユーザー作品のサーバー管理
  • DETUNEアプリ(音楽ソフト)とのリンク

 言語は内部でユニコード化されているため,海外のユーザーとのプログラム互換も可能とのこと。日本版以外にヨーロッパ・北米での海外版のリリースも予定されているそうだ。
 気になる発売日は,ティザーサイトにある通り「1年先ではない比較的近い未来」で,価格については「プログラムを学びたい小学生でも手が届くように,1000円のニンテンドーポイントカード1枚で購入できるようにしたい」と小林氏は語っていた。

 筆者を含むアラフォーの世代が,子供時代に「マイコン」とカセットテープを使ってプログラムを学んだように,今の子供たちはプチコンを使ってプログラムを学ぶことになるのかもしれない。
 今回の東京ゲームショウではインディーズゲームが大いに盛り上がっていたが,プチコンはその流れを後押しするツールの一つとしても,存在感を見せてくれるのではないだろうか。

小林氏はブースを訪ねてきたプチコンユーザーに,プチコン3号の仕様を説明するなど,交流を深めていた
画像集#004のサムネイル/[TGS 2013]北海道IT推進協会ブースにこっそり展示されていた,ニンテンドー3DS用プログラミングツール「プチコン3号(仮称)」を見てきた

「プチコン3号(仮称)」ティザーサイト

スマイルブーム公式サイト

  • 関連タイトル:

    プチコン3号 SmileBASIC

  • 関連タイトル:

    プチコンmkII

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