プレイレポート
PS Vita用ソフト「艦これ改」がいよいよ抜錨。ブラウザ版をベースに大きく生まれ変わった本作のプレイレポートを掲載
……と,その前に,念のため軽くゲーム概要を紹介しておこう。艦これ改では,ブラウザ版と同様,プレイヤーが提督となって,主に旧日本海軍の艦艇を擬人化した“艦娘(かんむす)”による艦隊を編成し,謎の勢力“深海棲艦(しんかいせいかん)”との戦いを繰り広げていく。設定的にはこれがすべてで,明確なストーリーラインが存在するわけではないという点もブラウザ版と共通している。
読者の中には,すでにブラウザ版を相当にやり込んでいるという古参提督も多いかと思うが,それぞれのデータは独立しているため,自慢の艦隊を艦これ改に引き継ぐこと(またはその逆)はできない。では,艦これ改はブラウザ版を単にスタンドアロンで遊べるようにしただけのものかというと,まったくそうではない。
ということで,ここからは「艦これ改はブラウザ版とどこが違うのか」を中心に,ゲームの流れに沿って紹介していきたい。
「艦これ改」公式サイト
同じように見えて,同じじゃない!
ブラウザ版をベースに大きく生まれ変わったゲームシステム
提督が鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮を執ります。てなわけで,ゲームを開始すると,まずはゲーム難度と初期艦娘の選択を行うことに。ゲーム難度は簡単なほうから順番に「丁」「丙」「乙」の3段階あり,あとから変更できない点に注意しよう。
また初期艦娘はブラウザ版から大幅に増えており,駆逐艦「吹雪」「叢雲」「電」「五月雨」「漣」「睦月」「時雨」「大潮」,軽巡洋艦「川内」「神通」「那珂」から,1人を選択できる。ゲーム的には,軽巡洋艦を選んだほうが序盤がほんのちょっぴり有利になるが,このときに選ばなかった艦娘もあとでゲーム内で入手できるので,見た目の好みで選んでしまってもまったく問題ない。強いて言えば,筆者は神通が好きです(迫真)。
●初期艦娘一覧
艦これ改の基本画面の1つが,旗艦提督室。ブラウザ版における母港の指令室と見た目や機能はほぼ同じだが,艦隊ごとに1つ用意されるという点が大きな違いだ。もちろん,個別に内装をカスタマイズすることも可能で,第1艦隊は洋風,第2艦隊は和室といった具合に変化を付けて楽しめる。
旗艦提督室では,艦隊の「編成」や,艦娘の「改装」「入渠」「補給」,さまざまな「任務」の受諾,艦娘の建造や兵器の開発などを行う「工廠」といった,各種コマンドを実行できる。これらのコマンドの中央に大きく配置された「戦略」を選択すると,艦これ改のもう1つのメインとなる戦略画面に移行する。
ここで,ブラウザ版からの最大の変更点について触れておくと,艦これ改は1日=1ターンを単位とした“ターン制のシミュレーションゲーム”に変化した点が挙げられる。戦略画面は,まさにこのゲームシステムの変化を象徴する部分で,ここでは艦隊の「出撃」「遠征」「演習」,そしてほかの海域への「移動」といった,艦隊運用に関するコマンドを実行できる。
●出撃
●遠征
●演習
これらのコマンドは,1艦隊につき,1日1回しか実行できず,すべての艦隊への指示を完了したら,明示的に「終了」コマンドを実行してターンを進めることになる。また,戦略画面では,各海域に「輸送船団」及び,その「海上護衛艦隊」を「配備」でき,これらをどこにどれだけ配備したかに応じて,ターンごとに獲得できる資源量が変化する。
ちなみに,海上護衛艦隊は,出撃や遠征などを行う艦隊とは別に編成できるので,毎ターン海上護衛に追われてちっとも出撃できない! といったことは起こらないが,それぞれに別の艦娘を割り当てる必要がある。戦力が足りない序盤のうちは,とりあえず輸送船団のみを配備しておくといいかもしれない。
ブラウザ版では,何もしなくても時間経過によって各種資源が少しずつ溜まっていくが,艦これ改では自然に資源が増加するということはないので,輸送船団&海上護衛艦隊の配備は非常に重要な要素となる。毎ターン,艦隊を出撃させ,そのたびに損害を受けて修理したり,次々と新たな艦娘の建造を行ったりしていると,あっという間に資源が底をついてしまうので,時にはあえて何もせずにターンを進め,資源の備蓄に努めることも必要になるだろう。
●配備
艦これ改では,こうして戦力を整え,兵站を確保し,各海域エリアの敵勢力を撃破して制海権を握り,深海棲艦の中枢泊地を制圧することでゲームクリアとなり,エンディングを迎えるというのもブラウザ版との大きな違いだ。クリア後には一定数の艦娘を引き継いで,別難度で挑むこともできる(引き継げる艦娘数,装備数はクリアした作戦難易度に応じて増えていく)。むしろ,歴戦の提督にとってはここからが本番だと言えるかもしれない。
果たして,どんなエンディングが待っているのか気になるところだが,敵もそうやすやすと倒されるのを待つばかりではない。それが,深海棲艦の「反攻作戦」だ。
深海棲艦が反攻作戦の準備を開始すると,戦略画面の海域ヘクスの色が変色するので,出撃を繰り返して敵勢力の漸減を図ろう。それでも防ぎきれなかった場合は,強力な敵艦隊が来襲し,こちらの「連合艦隊」で決戦を行うことになる。
ブラウザ版の提督ならご存じのとおり,連合艦隊は複数の艦隊で出撃することになる。艦これ改ではブラウザ版と少し違う形となるが,前衛艦隊と主力艦隊という2つの艦隊で迎撃正面に出撃,さらに最大2つの支援艦隊を派遣することも可能だ。もし,迎撃戦に敗北すると,その海域エリアの制海権を失うだけでなく,配備されていた輸送船団などの兵站も手痛いダメージを受けてしまうので,そうならないよう全力で迎え撃とう。もちろん,涙を飲んで戦略的撤退を選ぶのも1つの選択だ。
筆者は,ブラウザ版を事前登録してサービス開始時から遊び続け,お気に入りの艦娘をせっせと育成して,もはやこれまでに何人とケッコンカッコカリしたか分からないほどの戦歴の持ち主なので,艦これ改を遊び始める前は「また艦娘を一から集め直すのは大変だなあ」などと思っていた。で,実際それはそのとおりなのだが,やってみるとこれが意外と楽しく,建造で一喜一憂したり,図鑑が少しずつ埋まっていくのを眺めてにやにやするのにすっかり夢中になってしまった。
艦これ改も本家ブラウザ版と同様,ゲーム内ですべての情報が開示されているわけではなく,自分で試行錯誤しながら(あるいは,ほかの提督達と情報交換しながら)攻略法を見つけ出していくタイプのゲームなので,そうした面ではややブラウザ版の経験者向けとも言える。とはいえ,自分に合った難易度を選べるうえ,ブラウザ版と異なり,大きな戦略ミスがあった場合に「戦局をセーブしておいた時点からやり直す」こともできるので,じっくりと腰を据えて自分なりの戦略や戦力育成を楽しむことができるだろう。提督諸氏はもちろん,艦これ改で提督デビューしようと考えている人も,ぜひ挑戦してみてほしい。
「艦これ改」公式サイト
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