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[COMPUTEX]PowerColor,世界初となる空冷R9 295X2仕様の新型「Devil 13」カードを展示
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印刷2014/06/06 00:00

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[COMPUTEX]PowerColor,世界初となる空冷R9 295X2仕様の新型「Devil 13」カードを展示

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 PowerColorブランドを展開するTulは,COMPUTEX TAIPEI 2014のメイン会場であるTWTC Nangang内のプライベートブース内で,同社のデュアルGPUカードシリーズ「Devil 13」の新型を展示していた。新しいDevil 13は,デュアル「Radeon R9 290X」仕様のグラフィックスカードだ。

Radeon R9 295X2の空冷モデルとなる新型Devil 13
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むしろこっちのほうがAMDリファレンスより純正風?

3スロット仕様の空冷デザインを採用する新型Devil 13



AMDのRadeon R9 295X2リファレンスカード。たいへんものものしい
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 1枚のカード上にRadeon R9 290Xを2基搭載するグラフィックスカードとして,AMDは「Radeon R9 295X2」を発表しているわけだが(関連記事),AMDリファレンスデザインのRadeon R9 290Xカードには簡易液冷クーラーが取り付けられており,相当にものものしい様相になっていた。(少なくともメーカー保証が受けられるレベルでは)着脱不可能なラジエータユニットを使って,2基あるGPUを冷却し,さらに,カード全体を覆うカバー部に取り付けられたファンが,メモリチップや電源関連部品を冷却するという仕様は,ASUSTeK ComputerのデュアルRadeonカードシリーズであるARESを彷彿とさせ,とてもリファレンスデザインには見えないものだった。

 それもあってか,Tulは新型Devil 13の開発に当たって「むしろこちらが純正設計のように見える製品を目指した」とのこと。結果として新型Devil 13は,言ってしまえば「3基の冷却ファンを搭載しただけ」の非常にシンプルな外観になっている。

新型Devil 13でTulは“AMDのリファレンスカード風”を目指したという
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 とはいえ,GPUクーラーのヒートシンク部は,熱交換面積を稼ぐために大型化されており,カード自体も3スロット仕様になっている。それを支えるべく,カードの背面側には分厚い金属フレームが用意され,結果として,カードの重さは2kgを軽く超え(※公称値は現時点では非公開),手に取ると,片手では持つのをはばかられるほどの重さが感じられる。
 Radeon R9 295X2リファレンスカードは2スロット仕様なので,買う側としては,「2スロット仕様のカードと液冷ラジエータ」か,「3スロット仕様だけれどもシンプルな空冷」かを選ぶことになるのだろう。

動作デモ展示中の新型Devil 13。一見すると普通のハイエンドグラフィックスカードに思えるかもしれないが,実は3スロット仕様
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カードの裏側には,剛性確保のために分厚い金属フレームがあしらわれている,そこにはAMDの副社長であるRoy Taylor氏のサインが
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 気になるスペックは,Radeon R9 295X2がGPUコア最大1018MHz,メモリ最大5000MHz相当(実クロック1250MHz)なのに対し,新型Devil 13は,GPUコア最大クロックがRadeon R9 290Xに準じる1000MHzと若干低く,逆にメモリクロックは5400MHz相当(実クロック1350MHz)と,若干高められている。
 GDDR5メモリ容量自体は,GPUあたり4GBで,ここはRadeon R9 295X2と同じだ。
 外部出力インタフェースは,DisplayPort×1,Dual-Link DVI-D×2,HDMI(Type A)×1となっており,mini DisplayPort×4とDual-Link DVI-D×1で最大5画面出力に対応するRadeon R9 295X2と比べると,ディスプレイ1台分だけ出力が少ない。

電源コネクタは驚きの8ピン×4! 計算上は,PCI Express x16スロットからの分を合わせて675Wを供給できることになる
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3スロットデザインなのだが,画面出力は4つまで
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手裏剣型のファン「DoubleBlades」とは?


DoubleBlads採用グラフィックスカードの第1号製品が新型Devil 13になる
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 3スロットデザインとはいえ,なぜRadeon R9 295X2的な製品を空冷で実現できたのか。Tulの担当者によれば,特許出願中の,新しいデザインによる冷却ファン「DoubleBlades」の開発成功がその背景にあるとのことだ。
 DoubleBladesは,1つのファンの中で,大型の羽と小型の羽がミックスされた,ハイブリッドなファン形状が特徴となっている。大型の羽は,大風量を広域に拡散する役割を果たし,小型の羽は高速な気流をファン直下に叩きつけるエアフローになっているそうだ。これにより,従来,ファンの軸部分の直下ではどうしても冷却性能が低下しがちだったところを,改善できるようになったという。Tul内部では「手裏剣ブレード」(Shuriken Blades)というあだ名が付いているそうだ。

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 TulとしてはこのDoubleBladesに自信を持っており,今後は,従来よりも静かに動作するモデルや,より少ないファンの数で問題なく冷却できるモデルなどを実現していきたいとのことだった。

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DoubleBladesのエアフロー模式モデル。大型の羽が広域へ拡散する方向,小型の羽が直下方向へのエアフローを生む
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DoubleBladesはクーラーベンダーとの共同開発品で特許出願中とのこと。個人的には「手裏剣ブレード」のほうがカッコイイと思うのだが
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今後市場投入予定の「Radeon R9 270X」カードでは,DoubleBladesを2基搭載する


新型Devil 13は完全数量限定で6月中に発売。価格は1500ドル前後に


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 さて,新型Devil 13だが,登場はまもなくだそうで,日本を含む全世界で,6月中に発売される見込みだ。北米市場におけるメーカー想定売価は1500ドル前後とのことなので,同1499ドルRadeon R9 295X2とほとんど同じ価格になると見られる。空冷モデルだからといって,簡易液冷モデルより安価に設定したりはしないようである。

 ちなみに,Devil 13シリーズのお約束として,カードは宝石箱のような厚手のケースに収められており,封印もビニールテープではなくメタルプレートがあしらわれる。悪魔の魂を封印した石棺をイメージしているのだとか。
 なお,製品ボックスにはおまけとして,日本における販売価格が1万円台半ばのRazer製のゲーマー向けマウス「Razer Ouroboros」が付属するそうだ。

 生産数量は未公開ながら,@初回生産の出荷分で生産終了になる」とのことなので,欲しい人はショップの入荷情報をマメに追ったほうがいいかもしれない。

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悪魔の石棺をイメージした製品ボックス
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Razer Ouroborosがおまけとして付属


「Turbo Timer」なる製品も発売に


 すでに台湾市場では発売済みらしいのだだが,PC本体の電源オフ後もしばらくグラフィックスカードを冷却するための専用キット「Turbo Timer」も,Tulブースに並べられていた。
 ターボタイマーといえば,スポーツカーなどのターボ車において,タービン(ターボチャージャー)の焼き付きを防止するために,エンジンオフ後もしばらくは冷却を継続するための機構のこと。まさにその機能を持つのが今回のTurbo Timerというわけだ。

 「Timer」という名が冠されているものの,実際にはタイマースイッチがあるわけではなく,PCが動作している間にキャパシタに電気を溜めておいて,PCのシャットダウン時には,グラフィックスカードのファンモーターを約20秒間回転させ続ける。
 すべてのグラフィックスカードに使えるわけではなく,PowerColorブランドの一部にしか対応しないのが玉に瑕だが,なかなか面白いアイデアとはいえるかもしれない。

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Turbo Timer専用コネクタを持つ,一部のPowerColorグラフィックスカードでのみ利用できるTurbo Timer。台湾市場における実勢価格は日本円にして1500円程度だそうだ

  • 関連タイトル:

    Radeon R9 200

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