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モンスターハンター エクスプロア
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ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー
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印刷2017/04/25 14:00

インタビュー

ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー

画像集 No.004のサムネイル画像 / ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー
 カプコンは2017年4月26日,スマートフォン向けハンティングアクションRPG「モンスターハンター エクスプロア」iOS / Android。以下,「MHXR」)のVer6.0大型アップデートを実施する。既報のとおり,このアップデートはニンテンドー3DS用ソフト「モンスターハンタークロス」の4大モンスターの中から第1弾として「ライゼクス」が登場し,各武器種に新アクションをもたらす「覇玉武器」が実装されるなど,要注目の内容となっている。
 今回4Gamerでは,「MHXR」のプロデューサーを務める関野亮央氏と,同ディレクターの岡野勇樹氏に今回のアップデートの概要と意図するところ,そして今後の展開を聞いた。

ディレクターの岡野勇樹氏(左)と,プロデューサーの関野亮央氏(右)
画像集 No.045のサムネイル画像 / ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー

「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート特設サイト



プロモーションのターニングポイントとなったVer5.0アップデート


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。関野さんといえば,以前はPCオンラインゲーム「モンスターハンター フロンティアZ」PC / PS4 / PS3 / PS Vita / Xbox 360 / Wii U。以下,「MHF」)を担当していましたよね。今後は「MHXR」のプロデューサーを務めるとのことですが,実際にはもっと前から本作に関わっていたとうかがいました。

関野亮央氏(以下,関野氏):
 そうなんです。「MHXR」チームにはVer4.0実装から少し経った2016年6月頃に加わり,主に外部へのプロモーションを手がけていました。当時は,アップデートを重ねてきた中で「MHXR」チームの運営基盤が整ってきており,自転車操業的な状態を脱して,「次のパブリシティにはこれが必要だろう」と,先々のことまで考えられるようになってきた時期でしたね。

4Gamer:
 具体的にはどういったことをされていたのでしょうか?

関野氏:
 東京ゲームショウ2016で配信した「MHXR」の生放送に向けて,Ver5.0の情報を公開する順番を決めたり,プレゼンテーション用の資料を作ったり,新モンスターや操虫棍をどうやって見せていくか考えていました。そのあともVer5.1,5.2……と同じようなことをやってきた感じです。

画像集 No.035のサムネイル画像 / ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー
4Gamer:
 プロデューサーとしての役割を担うことになったのは,いつ頃でしょうか。

関野氏:
 表だって名乗り始めたのはVer5.5なのですが,実はゲーム内のクレジットには2017年1月末のVer5.3の時点でプロデューサーと記されているんです。そして社内で相談した結果,Ver6.0のタイミングで,あらためて皆さんにお伝えしましょうと。

4Gamer:
 そうだったんですね。では,関野さんが関わり始めたVer4.0から,現状の「MHXR」を振り返って,印象に残っていることがあれば教えてください。

関野氏:
 やっぱりVer5.0ですね。数字的にもサービスイン以降,もっとも大きな成功と呼べる大型アップデートでした。
 また,実をいうと僕が関わる前の「MHXR」は,アップデートの告知を見ても目玉が何なのかよく分からないような状態だったんです。キャッチコピーらしきものがあるアップデートもあれば,ないアップデートもあるなど,明らかに基盤が不安定であることが見て取れました。そこで僕が加わったとき,同じカプコンオンラインゲームズ(以下,COG)の「MHF」や「Dragon's Dogma Online」PC/PS4/PS3)のプロモーション手法を「MHXR」に持ち込んだわけです。

4Gamer:
 確かにVer5.0のプロモーション展開は,それまでの「MHXR」と比較すると「MHF」寄りだな,と感じたことを覚えていますが,そういう事情があったんですね。

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関野氏:
 よくも悪くも,プロモーションに運営型ゲームの色が出たんでしょうね。実際,僕が加わったVer4.1の頃のプロモ用素材は,バナー然り,パブリシティ用の新モンスターやハンターの新装備の画像然り,用意してあっても中途半端に抜けがあることも多かったんです。「何でないの?」と聞いても,「ああ,確かにないと困りますね」という答えが返ってくる。つまり,それまでの「MHXR」チームは経験が少なく,そもそも抜けがあることに気づいていなかったんですよ。そう考えると,Ver5.0はプロモーション面のターニングポイントだったと言えますね。

岡野勇樹氏(以下,岡野氏):
 「MHXR」チームの開発寄りのメンバーは,私も含めて開発特化という人材が多いんですよ。「面白いものを作る」ということには自信があるんですが,それを世間の皆さんに広く伝えるということが上手くできないんですよね。せっかくいいものを作っても,それを告知するバナーの仕組みを知らない,なんてこともありました。

4Gamer:
 確かに,すごく打ち出していたこともあれば,新武器種のチャージアックスがちょっとないがしろだったりと,波があったように感じます。

岡野氏:
 そうですね。せっかく新しい武器種が入ったのにほとんど事前にアナウンスされることなく,しかもゲーム内でなかなか排出されないことなども重なり,本当に打ち出し方が下手だったなと。
 その反省を活かして操虫棍が実装されたVer5.0のときは,開発側も打ち出し方に配慮しましたし,また操作もチャージアックスよりシンプルになるよう心がけました。

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4Gamer:
 関野さんが加わったことで,開発側の意識も変わったと。

岡野氏:
 開発側のほとんどのメンバーが運営型のゲームを経験してきませんでしたからね。関野が入るまでは,本当に試行錯誤の連続で,すごく苦労しました。

スマートフォンで「モンスターハンター」のアクションを再現するためのこだわり


4Gamer:
 苦労したといえば,「MHXR」はもともと「モンスターハンター スマート」(以下,「スマート」)として開発していたタイトルを大幅に改修した,という経緯がありますよね。「MHXR」のサービスイン時のインタビューでは2年の歳月をかけて改修したというお話でしたが。

「スマート」は東京ゲームショウ2013で初披露された
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岡野氏:
 遡ってお話しすると,私が「スマート」を最初に考えたときは,ナンバリングの「モンスターハンター」のようにアクション性の高いものをスマホ向けに出したいと思っていました。
 ただ当時はブラウザゲームの最盛期で,ようやくブラウザ型のゲームから進化して,スマートフォンでのタッチ操作を利用したゲームが話題になり始めた時期だったんですよね。そこで社内では,ブラウザゲームもしくはスマホゲームで,少しアクションがあるゲームがちょうどいいだろうという話にまとまったんです。

4Gamer:
 なるほど。

岡野氏:
 しかし開発を進めていく一方で,私達開発側は「本当にこれでハンター達が満足するだろうか?」「(ひいては)ビジネスとして成立するのか?」という思いが湧き上がり,ローンチの直前になって「これではダメじゃないのか」と,編成側と話したところ,満場一致で「確かに無理だ」となったんです。

4Gamer:
 それで改修が決まったと。

岡野氏:
 そのとおりです。しかし,単なる改修では私達がそれに時間を取られている間,他社さんの新作はさらに進化していくことが予想できます。そこで会社から長い期間をもらい,一歩も二歩も先の未来を見据えて,大幅に作り直すことになったんです。そこから,今の「MHXR」のような「モンスターハンター」本来のアクションをあらためて採用することとなりました。

「スマート」が披露された当初はバーチャルパッドではなく,地面をタップして移動する形式が採用されていた
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4Gamer:
 もともとの岡野さんのアイデアに近づいたわけですね。

岡野氏:
 ええ。最初は端末を横持ちにするという案もあったのですが,実際に試してみたら全然気持ち良くプレイできなくて……。そこで私達は,「モンスターハンター」のアクションの面白さがどこにあるのかを徹底的に分析して洗い出しました。そして核となる部分だけを抜き出して,スマホでできる簡単操作で,モンハンらしいアクションの実現を目指そうと考えたんです。

4Gamer:
 確かに,初めて開発バージョンのテストプレイをしたとき,「これはモンハンだ!」と感じたのを今でも覚えています。

関野氏:
 僕も「MHXR」という名前がまだ決まってない頃にプレイする機会があったんですが,素直に「すごいな!」と思いました。単純な操作が主流のアプリタイトルが多かった中で,このアクションは別格だと。

岡野氏:
 それと,マルチプレイがなかったのも「スマート」の欠点でした。「モンスターハンター」が世の中に受け入れられた理由の1つといえる,“4人でのマルチプレイ”がない状態でローンチしてしまっては,「モンスターハンター」ファンの期待を裏切ってしまうことになりますから,改修が決まってからはマルチプレイの実現が最重要課題となりましたね。

2013年の時点でこのグラフィックス
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4Gamer:
 私が言うのもあれですが,それは賢明な判断だったように感じます。

岡野氏:
 一口にマルチプレイといっても,ほかのスマホゲームと「MHXR」ではまったく構造が違いますから,技術的には相当厳しかったです。「これでいいんじゃないか」という妥協案が挙がったこともありましたが,「『スマホだからこの程度でいい』という考え方はやめよう」と自分を含め,開発メンバー全体を奮い立たせ,その後の試行錯誤の結果,今のマルチプレイが完成したわけです。

関野氏:
 いろいろすごいとは感じたけど,その分,僕は「これ,いつ世の中に出るんだろう?」とも思っていましたよ(笑)。

岡野氏:
 結局,作り直しに1年,マルチプレイの実現に1年かかってしまい,期待してくださっていた皆さんには本当に申し訳なかったのですが,長くお待たせすることになってしまいました。
 ただ,やっぱり「モンスターハンター」はアクションがキモですから,それをスマホでどう表現するかという部分は,どんなに大変でもこだわりたかったんです。

4Gamer:
 先ほど横持ちでは全然遊べなかったという話もありましたが,かといって「モンスターハンター」のアクションを縦持ちで遊べるようにするというのも,相当大変な話かと思います。

2015年6月の「メディア探検会」で披露された「MHXR」。中央にバーチャルパッドが配置されるなど,「スマート」から大きく姿を変えて登場した
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岡野氏:
 縦持ちも最初からこだわっていた部分です。今でこそ横持ちのタイトルが増えましたが,当時は世間的にも横持ちのスマホゲームへの抵抗があったようで,より多くの人に「MHXR」を遊んでいただくためには,やはり片手で手軽にできる縦持ちしかないと。

4Gamer:
 縦持ちへのこだわりは日本特有の現象だとよく耳にします。ちょっと脱線してしまうのですが,実は先日,別のインタビューで,「スマホゲームはゲーム機のコントローラのような決まったボタン配置がなく,操作体系を作るところから始めなければならなくてすごく大変。その反面,自由度が高くて操作体系を考えるのはすごく面白い」という話を聞いたのですが,この点,岡野さんはどうでしょうか?

岡野氏:
 その方のおっしゃるとおりだと思います。たとえば「MHXR」では,フリック操作で回避行動を取りますが,判定のタイミングを“入力した瞬間”にするのか,“指が離れた瞬間”にするのかというだけでも全然違ってきます。指が離れた瞬間だと,いろんな操作とバッティングしないので,できることが格段に増えるのですが,その一方で操作のレスポンスが落ちてしまうんですね。逆にそこをうまくゲームに落とし込んでいるタイトルもあるのですが,「MHXR」はアクションがキモなので,入力した瞬間に判定が出るようにしました。

4Gamer:
 なるほど。

画像集 No.043のサムネイル画像 / ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー

岡野氏:
 このほか,モンスターの身体をタップして攻撃する,というシステムにしたかったんですが,それ以上に重要な,モンスターをタップしてロックオンするというシステムを優先するなど,操作体系を作る上ではさまざまな取捨選択をしましたね。

4Gamer:
 そうやってベストの操作体系を作り上げていったと。

岡野氏:
 ええ,アクション部分はベストだと思っています。

関野氏:
 どこかのタイミングで,ハンターの皆さんがどこまでタッチやフリックの感度などを設定しているのか調査してみたいですね。実はゲーム機やPCのゲームよりも,スマホゲームのほうが感度の調整が重要かもしれません。

岡野氏:
 アクションへのこだわりはとても強いですね。回避行動の操作を5段階に調整できたり,スティック上の回避行動のON/OFFを設定できたりするのは,今のところ「MHXR」くらいなんじゃないでしょうか。


異なるインパクトから生まれるシナジー。4大モンスターと「覇玉武器」の実装


4Gamer:
 それではVer6.0の内容について教えてください。まず,今回のアップデートのコンセプトや意図するところは何でしょうか。

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岡野氏:
 「MHXR」のアップデートといえば,新モンスターと新アクションは不可欠だと考えています。
 まずモンスターに関しては,Ver5.0で「MHXR」オリジナルの「ネフ・ガルムド」を実装したので,次は「モンスターハンター」シリーズを代表するものを出そうと思いました。
 しかし,実装されるモンスターが1体だけでは普通のアップデートと何ら変わりません。そこで,皆さんがワクワクするものはなんだろうと考え,「モンスターハンタークロス」の看板である4大モンスターを出すということに行き着いたのです。

関野氏:
 僕はプロデューサーに就任する以前から,4大モンスターをVer6.0のタイミングで実装すると聞かされていたのですが,岡野が説明したように1体ずつの披露だとどうしてもインパクトが薄れてしまいます。そこで,最初のお披露目でインパクトが残せるよう,4体同時に紹介することにしたのです。また,ここから先,Ver6.1,6.2と続いていく中で,4大モンスターがすべてそろったときに完結するアップデートだとも思っています。

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4Gamer:
 体験会で4大モンスターと打ち出されていたのは,確かにインパクトがありましたね。新アクションにもかなり驚かされましたが,そちらはどうでしょうか?

岡野氏:
 先ほども話題にあがったのですが,「MHXR」はナンバリングの「モンスターハンター」などと比べるとアクションを簡略化しています。それもまた「MHXR」の魅力となっていますが,その一方で長く遊んでくださっている皆さんから,ほかにもアクションがほしいという声もたくさん寄せられています。
 それであれば,アクション満載の新武器種を作るよりも,皆さんが使い慣れた従来の14武器種で新しいアクションが楽しめたほうがいいだろうと。

関野氏:
 僕のほうからも4大モンスターを出すのであれば,ハンターにも何か出せないかという相談をしていたんですよね。
 というのも,たとえばネフ・ガルムドであればまったく新しいオリジナルモンスターですから,外見や段階的に明らかになる情報からいろいろ想像する余地がありました。そして実装されたタイミングで,実際の強さや手触り,倒しやすさ,攻略法といったように膨らんでいくわけです。

4Gamer:
 新モンスターは発見や驚きがありますよね。

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関野氏:
 しかし4大モンスターは最初のインパクトこそ大きいのですが,すでに多くの「モンスターハンター」ファンの皆さんはどんなモンスターか知っています。最初に実装するライゼクスには「MHXR」ならではのアクションを仕込んでいますが,すでにライゼクスと対峙したことのある人であれば,大きなインパクトは受けないと思うんですよね。
 そこが大型アップデートとしての弱みになってしまうんじゃないかと考えて,ハンターにも新アクションを追加したいという話になり,それが最終的に覇玉武器となったわけです。

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4Gamer:
 なるほど。2つの要素により,Ver6.0という節目らしい大型感を演出したんですね。

関野氏:
 ええ,表と裏の看板といった感じです。

4Gamer:
 新アクションについてもう少しうかがいたいのですが,新アクションは新たに登場する覇玉武器を装備しないと使えないようですが,基本アクションとして追加しなかったのはなぜでしょうか?

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岡野氏:
 この判断はかなり難しいところでして……。そもそもの前提として「MHXR」はアクションを簡略化して,簡単操作でも気持ちの良いアクションが楽しめるところに魅力があります。そこで,新アクションをそのまま追加すると,確実に操作が複雑になってしまうんですね。そこで,覇玉武器としてリリースし,既存のアクションを差し替えることで成立する形を目指すことになったんです。

4Gamer:
 なるほど。

岡野氏:
 さらに覇玉武器の新アクションは,ほとんどの武器種で“長所を伸ばす”“短所を埋める”か,どちらかの方向性にしているのですが,なかには遊び方が大きく変わるものもあります。そうなると既存の武器種にアクションを追加するよりも,各武器種を新しく設計していくほうが,おそらくハンターの皆さんも受け入れやすいだろうなと……。我々のやりたいことが実現しやすいこともあり,覇玉武器専用のアクションが生まれたというわけです。

4Gamer:
 2つの側面があるんですね。

岡野氏:
 また「モンスターハンター」は,アクション,モンスター,武具が一体となるゲームです。その3つのバランスを図ろうとしたとき,覇玉武器に新アクションを追加すると,覇玉武器がほかの武器より1段階上の存在になってしまい,「MHXR」の魅力が薄れてしまうという懸念もありました。そのため,「ここは覇玉武器で行こう」「ここは別の武器で行こう」「この武技を使える武器で行こう」など,使い分けの選択の幅が生まれるようにほかの部分も調整しています。

画像集 No.018のサムネイル画像 / ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー
関野氏:
 とくに「MHXR」のハンターの皆さんは,ほかの「モンスターハンター」と違って,特定の武器に特化するのではなく,局面に合わせて武器種を使い分ける傾向が強いんですよ。もちろん得意だったり,好きだったりする武器種はあるかと思いますが……。
 剣士とガンナーという根本的なところも使い分けている人が多いので,武器によってアクションが違うほうが選択肢が増えますしね。そうした点から,単にアクションを追加するのではなく,覇玉武器のような形にしたほうが「MHXR」にはマッチすると考えたんです。

4Gamer:
 つまり,覇玉武器は必ずしも最強の武器というわけではないと。

岡野氏:
 そうです。局面や使い方によって,覇玉武器より強いとされる武器もあります。

関野氏:
 実際,Ver5.5で出した★6の大剣と,★5の覇玉武器の大剣を比較すると,どちらが強いか断言できません。あくまでも,どちらのアクションを有効に使えるかというハンター各自の判断が重要になるんです。
 したがって,ヒエラルキーの最上位に覇玉武器があるわけではありません。14の武器種,それに備わった武技,狩力,そして今回追加される覇玉武器など,さまざまな選択肢から,最適な武器を選ぶ楽しさは変わらないようにしています。

岡野氏:
 それと,今回のアップデートで14武器種すべての覇玉武器を実装するわけではありません。まずは大剣とライトボウガンが実装され,残りも順次実装していきます。そうした状況で覇玉武器が最強となると,大剣かライトボウガンのどちらかしか楽しめないという,歪な事態に陥ってしまいかねませんから。また覇玉武器の入手方法については,クエストのクリア報酬だけでなく,イベントでも排出することも検討しています。


「覇玉武器」の大剣は利便性重視,ライトボウガンは新武器種並みに違うアクションに


4Gamer:
 それでは,覇玉武器の第1弾として,大剣とライトボウガンの2種類を選んだ理由について教えてください。

岡野氏:
 まず大剣は,「モンスターハンター」の代名詞ともいえる武器種だから,という点が大きいです。溜め斬りによる一撃がシンプルに強いし,一撃離脱という戦い方も分かりやすい。初心者からベテランのハンターまで理解しやすい武器種ですから,14武器種の中では最初に選ぶべきだろうと。

4Gamer:
 覇玉武器の大剣は「溜め移動」と「溜め二連斬り」が特徴ですよね。

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岡野氏:
 もともと溜め斬りは大剣を特徴付ける大きなポイントですから,そこに触れないわけにはいかないだろうと……。ただ,溜め3よりも強い“溜め4”ではあまりにも普通すぎます。
 私自身,アップデートではハンターの皆さんの想像を超えるようなものを出したいと常々思っていますので,もっと別の軸で何か出せないかと考えた結果,“利便性”というところにたどり着きました。

4Gamer:
 それで移動しながら溜められるようにしたわけですか。

岡野氏:
 はい。加えて溜め二連斬りは二段攻撃ですから,1回外しても2回目が当たればダメージを与えられます。さらに,上方への攻撃,スーパーアーマー状態,回避キャンセルなど,利便性面でのさまざまなメリットがあるんですよ。
 ただ,通常の溜め斬りの弱点を補って利便性を高めた反面,通常の溜め斬り(3段階目)よりも威力が若干低く設定されています。それを差し引いても,覇玉武器の大剣は相対的に見て通常の大剣よりも火力を出しやすいので,うまく使いこなせれば,さらなる火力を期待できますよ。

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関野氏:
 大剣の新アクションのなかでも,とくに溜め中に動けることは大きいと思います。

岡野氏:
 溜め移動のヒントになったのは,以前のアップデートで高評価をいただいた溜め斬りのホーミングだったんですよ。今回は,移動速度こそ溜め中なので低いのですが,360度どの方向にもむき直すことができるので,かなり便利になっています。

4Gamer:
 細かい部分ですが,溜め斬りのホーミングは,個人的にも非常に嬉しいアップデートでした。では,もう一方のライトボウガンについてはどうでしょうか?

岡野氏:
 ライトボウガンを選んだことには,いくつか理由があります。まず,これまでの「MHXR」におけるライトボウガンの立ち位置って,すごく中途半端になってしまっていたんですね。いろいろとテコ入れはしてきたのですが,なかなかうまい落としどころが見つからず……。そんなこともあり,この機会に遊び方を大きく変えることによって,ライトボウガン好きの皆さんに喜んでいただきたいなと。
 また,大剣は剣士用だったので,その対となるガンナー用の武器であること,そして開発側としてライトボウガンでどうしても早く実現したいアクションがあったことなどが理由で,2種類目はライトボウガンになりました。

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関野氏:
 運営の観点からしても,大剣には派手さがありますから1発目に選んでも安心だろうと思っていたのですが,ライトボウガンのほうは,僕自身は当初,疑問があったんですよね……。正直なところ,各武器種の覇玉武器をどの順序で実装していくかを考えたときに,「ライトボウガンはあまり関心を惹く部分がないから,早めに出したほうがいいのかな」くらいに思っていたんですよ(笑)。

岡野氏:
 情報解禁したときも,ほとんどのハンターさんは「何でライトボウガン?」みたいな反応でしたよね(笑)。

関野氏:
 でも,何度か覇玉武器のライトボウガンを触っているうちに分かってきたんですが,もう新武器種と言っていいくらい違うんです。弾を撃つというところ以外はまったく別といっていい仕上がりですね。
 社内で「MHXR」を好きなスタッフに僕の端末を貸して遊ばせたときは,しばらく返ってこなかった上に,「実装されたらすぐ使いたいので,ベストな動きを教えてほしい」と尋ねられたりもしました。とくに「MHXR」をやり込んだ人ほど,ライトボウガンの覇玉武器はインパクトが大きいんじゃないでしょうか。

岡野氏:
 通常のライトボウガンは操作が少なくて遊びやすい反面,単調になってしまう部分がありますからね。「MHXR」が理想とするのは,“最初は簡単だけどやり込むと奥深さがある”というゲーム性なので,テクニカルな部分が増えるというのは理想に近づけたかなと思います。

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関野氏:
 ライトボウガンの新アクションは,前転して強力なショットを放つ「ドライブショット」と,後ろに回転して距離を取りながら攻撃し,最後にリロードを行う「リロードショット」の2つがあるんですが,どちらも狙いどころのタイミングがシビアなんですよね。
 最初はなかなか出せないんですが,何度か挑戦しているうちに「あ,うまく当てられた!」と使えるようになり,次第に使うタイミングが分かるようになっていく。そうやって気持ちよく攻撃して,気持ちよく回避できるようになっていく過程は,格闘ゲームのそれに近いのかもしれません。言うなれば,「ストリートファイター」で,波動拳を自在に出せるようになったときの感覚です。

4Gamer:
 あの達成感はなんとも言えない気持ち良さがありますよね。そんな覇玉武器ですが,開発するにあたり,印象に残っているエピソードなどはありますか?

関野氏:
 作ると決まってから,件名に“覇玉武器”というワードの入ったメールのやり取りがものすごい数になったことですね(笑)。

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岡野氏:
 ようやく大剣とライトボウガンを作り終わりましたが,残り12武器種は絶賛調整中ですから,まだまだそういったやり取りは続きますけど(笑)。
 苦労したエピソードでいえば,すべての新アクションを新たにモーションキャプチャーして作っているんですが,いざ組んでみたら尺が合わなかったことですかね。早回しにして尺を合わせられればいいんですが,ときには早回しのせいで人ならざる動きになってしまうなんてことも(笑)。そういうときは,モーションキャプチャからやり直すしかないんですが,そのやり取りは大変でした……。

関野氏:
 確かに“モーション”という件名のメールも多かった(笑)。でもその甲斐あって,今後出てくる覇玉武器の新アクションは意外な動きをするものが多いですから,ぜひ期待してほしいですね。

岡野氏:
 本当に“斜め上を行く”という表現がピッタリのものもありますから(笑)。


謎の少女「カイラーサ」の登場により,ストーリーは佳境に入っていく


4Gamer:
 Ver6.0では,断裂群島に「ウルス島」が加わりますよね。ストーリーにも新たな展開があるかと思います。

関野氏:
 ストーリーは,ここから佳境に入っていきますね。その中心となる謎の少女「カイラーサ」は,実はVer5.0の頃にはでき上がっていたキャラなんですよ。声優の東山奈央さんがボイスを担当していることもあって,社内でも結構話題になっていて……。

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4Gamer:
 人気の声優さんですね。

関野氏:
 僕自身も,「ゲームの中ではいつ会えるんだろう」「早く出せばいいのに」と思っていました。ただ,あらためて考えると,カイラーサの登場を大型アップデートとなるVer6.0のタイミングにしたのはよかったと思います。

4Gamer:
 と,いいますと?

岡野氏:
 カイラーサは,タブラディン群島のキーとなるキャラクターで,この群島でのシナリオにおいては主役の1人といってもいい存在なんです。ほかの登場人物は,ハンターと行動を共にして開拓していく立場だったのですが,カイラーサはまだその正体が明らかになっていません。彼女がなぜここにいるのか,何を目的としているのかはウルス島のシナリオで少しずつ明らかになっていき,ひいてはそれがストーリー全体のターニングポイントとなるんです。

関野氏:
 ゲームの性質上,僕は「MHXR」にストーリーを求めている人は決して多くはないと思っています。「モンスターハンター」であるからには,モンスターの狩猟に時間を割きたいという人が大半を占めるでしょうし。また人によってはマナーモードで遊ぶので,ボイスは聞かないというケースもあると思います。

4Gamer:
 スマホゲームの宿命ともいえますね……。

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関野氏:
 しかし,Ver6.0から入るカイラーサのボイスを聞かないなんてもったいないですから,ぜひイヤフォンを使ったり,ご自宅で遊んだりと音を出せる環境で,彼女の可愛らしさを堪能してほしいですね。その上で,彼女のセリフの中に気になる単語が出てきたら,あらためてストーリーを追ったり,以前のシナリオを読み返したりしてもらえると嬉しいです。
 ちなみにウルス島のシナリオは,これまでの流れが何となく分かるような内容となっているので,最初から全部読み返さないと分からないということにならないよう,調整しています。

4Gamer:
 東山さん目当てでVer6.0からストーリーに注目したハンターでも大丈夫というわけですね。

岡野氏:
 ええ,カイラーサのセリフだけでも,ひととおりのことは分かるはずです。

4Gamer:
 東山奈央さんによるカイラーサ,楽しみです。そのほかVer6.0で実装される新要素はありますか?

関野氏:
 炸裂個体モンスターとして,ラギアクルスが登場します。裂海変異モンスターとしては,もっともシンプルな形になったと思います。


気になる4大モンスターの登場順,そして次の覇玉武器の武器種は


4Gamer:
 それでは今後の展開について教えてください。気の早い話ですが,やはりVer6.1以降,「モンスターハンタークロス」4大モンスターがどの順番で出てくるのか,あるいは次の覇玉武器の武器種は何かといったところが気になります。

関野氏:
 4大モンスターの登場順に関しては,結構早い段階で発表する予定です。この場でいえるのは,「皆さんの期待を裏切ることはないんじゃないかな」ということと,「Ver6.0でライゼクスを狩りまくっておけば次に後悔することはない」ということくらいですね。
 覇玉武器は,Ver6.1で3武器種目が登場するんですが,僕個人としては,この武器種の新アクションが全14武器種の中で一番,もともとのイメージからかけ離れたものになっていると思います。

画像集 No.006のサムネイル画像 / ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー

岡野氏:
 ……ああ,なるほど。確かにそうかも。

関野氏:
 「MHXR」はエフェクトの派手さも特徴の1つですよね。それを全力で活かしたからこそ,この武器種でこのアクションが成立した,とでも表現しましょうか。もしも「MHXR」以外の「モンスターハンター」でこれをやると,「何で?」と思う人もいるんじゃないかなと。

岡野氏:
 確かに……(笑)。繰り返しになりますが,覇玉武器では皆さんの想像の範囲に留まらず,一歩先を行く,斜め上を行くことを目指しています。次の武器種も,それを端的に表現している1つといっていいかもしれません。

関野氏:
 まあ感じ方は人それぞれですから,実装してみたら「いや,そうでもなかったぞ」と思う人もいるかもしれませんが(笑)。

岡野氏:
 新アクションを作る上で難しいのは,意外性を出しつつも,その武器種らしいアクションであることも大切にしなければいけない点ですね。その武器種の特徴と今までのアクションを踏まえつつ,「その手があったか!」と思わせたいんです。

関野氏:
 「何でこうなるの?」ではなくて,「ああ,こういうこともできるのか!」と驚きつつも納得できるものに仕上げないと。

4Gamer:
 非常に気になりますね。ちなみにVer6.1で実装される覇玉武器の武器種は1つだけでしょうか?

画像集 No.042のサムネイル画像 / ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー

関野氏:
 そうです。続くVer6.2も1つだけですね。こちらの新アクションは,武器種の長所を伸ばすものとなっています。

4Gamer:
 ということは,Ver7.0までに全14種類の覇玉武器がそろうわけではない,ということですね。

関野氏:
 そのとおりです。Ver7.0以降になる武器種もあります。また,アップデートによっては覇玉武器の実装をお休みすることもあります。

岡野氏:
 もちろん,お休みする理由もきちんとあります。

関野氏:
 そのときになったら「ああ,なるほどね」と納得していただけるかと。

岡野氏:
 決して「開発が間に合わない」とか,そういうことではないです。

4Gamer:
 そのタイミングで大きな目玉が別途用意される……という感じでしょうか?

関野氏:
 うーん……少しだけお話すると,Ver6.0から6.3まで4大モンスターが順次登場しますが,そのあとVer7.0に移行する前にVer6.4を挟むんです。その1拍でVer7.0に向けた準備をいろいろやるのですが,これがちょうどサービスイン2周年のタイミングに重なる予定で……。

4Gamer:
 ということは,新たな「MHXR」オリジナルモンスターや個体モンスター,あるいは「十六人討伐戦」のような新コンテンツが実装される可能性も……?

2016年4月に実装されたレイドコンテンツ「十六人討伐戦」。「MHXR」では初登場となる古龍種「暴征翼 クシャルダオラ」が第1弾として配信された
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関野氏:
 それらすべて,皆さんにご提供できることを目指して企画開発を進めていますが,もろもろ断言はできないです(笑)。
 僕自身,Ver6.0では「MHXR」のすべての環境を整えることをテーマに掲げていままして,新モンスターであれば,「モンスターハンター」ファンの皆さんが知っているものであったとしても,シリーズ全体の中では新しいものを選びましたし,覇玉武器の新アクションも,挑戦的な部分を持たせつつ充実感を持たせたいと考えました。今回のアップデートで理想としていた環境が整ったので,この先のアップデートは今まで以上にチャレンジしていきたいですね。

4Gamer:
 今でもかなりチャレンジングなことも多い印象ですが,もっと攻めるんですね。

関野氏:
 先ほどVer6.0のシナリオはストーリーのターニングポイントと表現しましたが,開発面でも「MHXR」でなければできない体験を提供する,という方向にシフトを切り替えていますので,これから新しいものを順次お披露目できると思いますよ。

岡野氏:
 せっかくプラットフォームが違うわけですから,同じ「モンスターハンター」といっても「MHXR」独自の体験を提供したいんですよね。それは新モンスターを作るときも同じです。たとえナンバリングの「モンスターハンター」で皆さんが知っているモンスターであっても,「『エクスプロア』だからこその体験を追加!」というだけでは表現しきれない“驚き”を追加していきたいですね。


「エヴァ」コラボ第2弾では,誰もが驚くこだわりの新ギミックを披露


4Gamer:
 続いては,コラボのお話しもうかがいたいと思います。

関野氏:
 4月20日に発表するのですが(インタビュー実施日は4月14日),まず「エヴァンゲリオン」とのコラボ第2弾を実施します(詳細は「こちら」)。「エヴァコラボをまたやってほしい」というリクエストが多かったのが主な理由ですが,実をいうと,僕が自分のデータで「MHXR」を遊び始めたのはチームに加わってからなので,エヴァコラボ第1弾のときはランクが足りなかったんですよ。

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4Gamer:
 そうだったんですね。

関野氏:
 皆がコラボ装備で盛り上がっている中,「うらやましいな」と思いながら1人で黙々とランクを上げるしかなかったので,ある意味,今回はそのときの欲求を満たせたという個人的な思いもあります(笑)。

岡野氏:
 第1弾の装備は相当な人気ですからね。

関野氏:
 皆さんのお声によって,「何としてもエヴァコラボを実現しなければ!」と奮い立たされました。

4Gamer:
 「MHXR」のコラボは,限定装備が手に入るだけでなく,モンスターの外見やアクションにも手が加わっていますよね。「モンスターハンター」のコラボとしては珍しいんじゃないでしょうか。

岡野氏:
 開発側としては,「MHXR」のコラボでは,ほかの「モンスターハンター」でやっていないことをあえてやりたいと考えているんです。たとえば「進撃の巨人」コラボ第1弾で出したイビルジョー奇行種は,それまでの「モンスターハンター」では絶対に見られないものでしたし,エヴァコラボ第1弾も相当にこだわってモンスターや装備を作りました。

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岡野氏:
 そして今回のエヴァコラボ第2弾は,その上を行くほどこだわっていまして,皆さんから「やりすぎだろ」といわれかねない仕上がりとなりました。必ず驚く内容になっていますので,ぜひ体験していただきたいです。

関野氏:
 なかでもモンスターには時間をかけました……。

岡野氏:
 このために新機能まで作りましたからね。時間がかかったとかそういう次元じゃないですよ。もう様子がおかしい(笑)。モンスター1体にどれだけコストをかけているんだという感じです。

4Gamer:
 それだけコラボを大切にしているということですね。

画像集 No.003のサムネイル画像 / ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー
関野氏:
 そう言ってもらえると嬉しいです。新機能はかなりエヴァらしいギミックになっているんですが,通常の強襲クエストで使いたいくらい素晴らしい仕上がりです。このコラボクエストは,ぜひ事前に情報を仕入れていない状態で体験してほしいですね。絶対驚きますし,面白いですよ。

4Gamer:
 モンスターのベースとなっているブラキディオスは,ナンバリングで初登場したときに「エヴァ初号機みたい」といわれていましたが,それをそのままやるというのも1周回って意外です。

関野氏:
 「いわれているなら,やっちまえ!」くらいの勢いで(笑)。また,あの外見は3つの案の中からあれに決まったんですが,疲れているときに見ると,もうエヴァ初号機なのかブラキディオスなのか分からなくなります(笑)。

岡野氏:
 武器も外見だけでなく,こだわった武技を持たせています。

画像集 No.047のサムネイル画像 / ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー 画像集 No.048のサムネイル画像 / ほかの「モンスターハンター」とは違う表現を目指す。「モンスターハンター エクスプロア」Ver6.0大型アップデート実施記念インタビュー

4Gamer:
 期待が高まりますね。ちなみに,気が早いですが,次のコラボの予定は決まっているんでしょうか?

関野氏:
 はい。ただ今いえるのは,2017年夏頃に大きなコラボが控えているということだけです。たぶん皆さんが喜んでくださると予想しています。とにかく「MHXR」チームは,コラボにかける熱量がほかのタイトル以上に高く,「あれもやりたい」「これもやりたい」というアイデアの数が多いので,その仕上がりには絶対の自信がありますね。

岡野氏:
 いい意味で,アホみたいなアイデアを出せる雰囲気になっているんですよ。「逆転裁判」コラボの「ムジュンをつらぬく槍」も,面白いアイデアだと思うのですが,それを1つのアイデアとして提出できるかというと,なかなか難しかったりしますよね。僕自身,自分からとぼけたことをいって,提案しやすい雰囲気作りに努めています。

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4Gamer:
 「逆転裁判」コラボはいろんな意味ですごく話題になりましたね(笑)。それでは最後に,「MHXR」のVer6.0や今後の展開に注目している人に向けてメッセージをお願いします。

関野氏:
 Ver6.0は「MHXR」のこれまでとこれから先をつなげることをテーマに掲げてきました。2017年に入って初めての大型アップデートですから,皆さんにご迷惑をかけないように,またこのアップデートがサービスイン2周年に向けたスタートラインとなるように,チーム一同気を引き締めていきます。
 情報は順次公開していきますが,次回の大型アップデートにも大きな花火を用意しているので,ご期待いただければと思います。これから始めるという人,プレイをお休みしていた人,ずっと遊んでくださっている人,すべての皆さんが楽しく遊べる「MHXR」をこれからも作り続けていきますので,まずはVer6.0に触ってもらえればと思います。

岡野氏:
 4大モンスター第1弾のライゼクスには,「MHXR」ならではの行動を追加しましたので,まずはそこを楽しんでもらいたいです。
 そして皆さんがリクエストしてくださった新しいアクションが,ついに覇玉武器という形で実装されます。覇玉武器を入手していなくとも体験できるトライアルクエストも用意しているので,ぜひ新アクションがどんなものなのか体験してください。
 Ver6.0は,ずっとプレイされている人に楽しんでもらえるのはもちろんですが,何かの事情でお休みしているという人も,遊び方を変えたりリファインをかけたりして,かなり遊びやすくなっていますので,ぜひこの機会に一度触ってもらえると嬉しいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

――2017年4月14日収録

「モンスターハンター エクスプロア」公式サイト

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