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「真・三國無双7 猛将伝」の新要素をいち早く体験。開発陣のトークショーも行われた店頭体験会をレポート
会場には,大勢の「無双シリーズ」ファンが集結し,開発陣によるトークショーや発売直前の本作の試遊を楽しんでいた。本稿では,その模様をレポートしていこう。
「真・三國無双7 with 猛将伝」プロデューサー 鈴木亮浩氏 |
ディレクター 宮内 淳氏 |
体験会の前に行われたトークショーには,プロデューサーの鈴木亮浩氏と,ディレクターの宮内 淳氏が登場。本作の詳しい内容について,実機のデモプレイなどを交えながら解説が行われた。
まず,本作のオープニングムービーが初披露され,そこに映し出された呂布についての説明があった。本作で追加される「呂布のストーリー」は史実に基づいており,最終的に曹操に破れるという結末が待っているが,史実とは違う「IFルート」への分岐も存在する。
このIFルートはほかにも用意されており,例えば「長坂の戦いに徐庶がいたら?」など,「三国志」を知っている人であればワクワクするようなシナリオのほか,「呉の四都督の誰が一番,大都督としてふさわしいのかを争う」といった,ちょっとネタ寄りのものもあるという。
そしてファンからの期待されている新武将5人の情報も披露された。魏の五将軍最後の1人として登場する于禁に加え,背格好が似ている陸遜のライバルとして,火計の火付け役だった呉の朱然が登場する。
少しアクの強い顔をした蜀の法正は,「報いの精神の持ち主」であり,鈴木氏いわく「やられたらやり返す,倍返し的な精神を持っている一方,恩を受けたら恩で返すという性格を反映している」とのことで,クセのあるキャラクターだ。
残る2人はともに呂布に深く関わる人物で,参謀として活躍する陳宮は,無双シリーズに登場してほしい武将のアンケートで1位に輝き,晴れてプレイヤーキャラクターとして参戦することとなった。
そして呂布の娘である呂玲綺は,コーエー時代の同社がリリースした「三國志戦記2」のオリジナルキャラクターとして登場しており,「古くからのファンには馴染みのキャラクター」と彼女を紹介。
ちなみに宮内氏は于禁,鈴木氏は陳宮が,それぞれお気に入りキャラクターとのことで,宮内氏は,武器の面白さはもちろんのこと,演じる声優さんが宮内氏と同じ名字の宮内敦士さんということで愛着を持っているという。
また,鈴木氏は,史実では謎の多い陳宮について,曹操を裏切って呂布につくなど,野心家である部分が気に入っていると語った。
続いて,本作の進化したシステムについて宮内氏が解説した。仲間や素材を集めて基地を発展させていく「将星モード」では,銅雀台を完成させて帝を招き入れることに成功すると,地方の平定を目指す「地方制圧」をプレイできるようになる。
また,このモードでは,「護衛武将」を3名まで連れていくことができ,それぞれに細かい指示を与えられるのが特徴だ。とくに高難度のステージは,デバッグ中の開発陣に「時間泥棒」と言わしめるほど,充実した内容になっているという。
このほかにも,「チャレンジモード」には全5コースが用意され,ここで好成績を出すと,“コースをイメージした属性”の武器が手に入る。なお,ここで手に入る武器は,他のモードでは入手できないとのことだ。
システムの紹介が終わると,トークショーの内容は,本作の開発における苦労話へと移る。
真・三國無双7と猛将伝の2作品を1つにまとめるという作業において,「容量が小さいPS Vitaに移植するときは,ディスプレイが高精細な分,中途半端に容量を減らすと,見た目が安っぽくなってしまうので非常に苦労した」そうだ。
また宮内氏は,前作からの新アクション「ストームラッシュ」について,ユーザーから「空中コンボ中などに勝手に発動しまう」と指摘され,これを改善するためにオプションで任意と自動という発動条件の切り替えができるようにしたそうだ。
単純な仕様変更のように聞こえるが,そこに至るまでにはボタン操作や自動発動時のタイミングなど,アクション担当のスタッフと何度も密に話し合って,現状の仕様に至ったという苦労話も語ってくれた。
宮内氏による,実機によるデモンストレーションプレイが行われた |
その後,本作で追加された新規のアクションについて,宮内氏が実機でのプレイを交えて解説。本作では,全キャラクター82名分のEX攻撃が2種類ずつ追加されるほか,新規追加キャラクター向けのユニークな武器が登場すると述べ,その中で于禁の使う「三尖刀」が実機プレイで披露された。
この三尖刀は,チャージ攻撃1を繰り返すことで,炎や雷などの属性が武器に付与され,その状態で特定のチャージ攻撃を行うと,于禁の周囲に球体が出現する。それを3個集めることで,普段よりも強力なチャージ攻撃1が使える,という特性を持っている。また宮内氏は,護衛武将への指示や于禁の無双乱舞なども同時に披露していた。
そして,店頭体験会恒例のプレゼントジャンケン大会が行われ後,最後に2人から次のようなメッセージが来場者へと贈られ,トークショーは終了した。
「本作は猛将伝単体でも楽しんでいただけますが,with 猛将伝ならば,本編と猛将伝という非常に大ボリュームのコンテンツとなります。年末まではまだ少し間はありますが,ぜひ本作で,年末年始を楽しく過ごしていただけたらと思います」(宮内氏)
「今回の猛将伝は,真・三國無双7を遊んでいただいた方に楽しんでいただこうと思い,たくさんの新要素や改善点を入れています。もちろん真・三國無双7を遊んでいない方にも,with 猛将伝を買っていただければ,大ボリュームの内容で三国志の世界に浸っていただけると思います。開発陣は,将星モードなど,前作でのご意見を前向きに反映するよう努力してきましたので,それを実際に体験してもらえればと思います」(鈴木氏)
また,体験会が行われている最中に,鈴木氏と宮内氏への簡単な合同インタビューも行われたので,そちらについてもお伝えしよう。
――今回の体験会で,実際にゲームをプレイされたお客様の反応はいかがでしたか?
鈴木氏:
PS3とPS Vitaの両方で発売するということで,各所ではPS Vita版の仕上がりが気になるという声が多かったようです。なので,今回のイベントは,PS Vita版の体験希望者が多いと予想していました。しかし,実際はPS3版の希望者が圧倒的に多く,こういった場所では,より綺麗な画面を好まれるのかな,という感想を持ちました。
宮内氏:
私は毎回このようなイベントを開くと,女性の方が多いことを実感します。どちらかというと男臭いゲームですので(笑)。同年代の男性がプレイすることをイメージして作っているんですが,こういう場でそういった層だけではないことを感じられて,偏った見方をしてはいけないということを再認識しました。
――注目度が高いというPS Vita版のセールスポイントをお聞かせいただけますか?
鈴木氏:
私がPS Vita版でオススメしたいのは馬乗りですね。画面右下をタッチしっぱなしにすることで,簡単に騎乗できるという点がすごく気に入っています。ボタンが少ないPS Vitaに落とし込むときに考慮した結果,非常にうまくはまった操作の1つですね。
宮内氏:
PS Vitaというハードは,PS3とは似て非なるものです。PS3とPSPぐらい性能が離れてしまうと,開発陣としてある意味割り切れるのですが,PS Vitaは画面が繊細ですから,あまりポリゴン然としたした絵にするわけにもいかないんです。
なので,PS3のグラフィックスと遜色がないように,全体の見た目の印象がバランスよくなるようにし,シーンやカットごとに「ここはエフェクトの品質を落とそう」「ここは影の品質を落とそう」と,全体のパフォーマンスを常に一定にするように努めました。
その結果,イベントシーンではPS Vitaでは難しいと言われた被写界深度(ピントが合っている範囲)が表現できていますので,そのあたりはぜひ見てほしいところですね。
――今回の追加された武将の中で,開発陣から人気のある武将は誰でしょうか?
鈴木氏:
人気キャラですか……やっぱり呂玲綺かな?
宮内氏:
PCの壁紙にするなど,開発陣の男性はメロメロでした(笑)。女性人気が高いのは法正ですかね。アクの強い性格以外に,トランポリンのような独自のアクションも魅力的なので,ぜひ触ってみてほしいですね。
――宮内さんが実機でプレゼンするときに,于禁を選ばれていましたが,そこに理由はあったのでしょうか?
宮内氏:
やはり三尖刀の新しさと,初出しのものがいいだろうということで于禁にしました。三尖刀の色を合わせていくアクションはすごくわかりやすく,今までの無双にはなかった要素ですからね。知っているお客様にも喜んでもらうため,于禁を選びました。
――先ほど女性ファンが多いというお話も出まして,その中で「金色のコルダ3」とのコラボが非常に話題になっているんですが,その経緯をお聞かせいただけますか?
鈴木氏:
コルダの10周年ということもあるんですが,本作での初回特典を考えたときに,やはり衣装の配信がいいだろうと思っていました。ただ,正直なところ,これまでのシリーズを続けてきて,ネタ切れというところがあったんです(笑)。インパクトがありつつ,違うネタを持ってこられないかと考えた結果,今回のコラボを実施することになりました。
人気投票の上位3武将にコラボ衣装を実装することは決めていたので,その結果が出てからどのタイトルの衣装を誰に用意するかを選びました。徐庶の場合,「真・三國無双6」のコラボ衣装で「学園衣装」を作った関係で,彼にもそれが似合うのではないかと考えて,メガネのインパクトなども含めて如月 律の衣装に決めました。
――まだ次回作というには早いと思うのですが,シリーズを続けていく上で,続編を考えるときにはどのような苦労があるのでしょうか?
宮内氏:
続編があることを頭に描いたとしても,そのために次に何かを取っておくということはまずありません。必ずやり切ります。そのうえで次のお話が来たときは,基礎的なライブラリ以外の「無双エンジン」と呼ばれるフローは1度すべて捨てていますね。
そこから「この時代の無双はどうあるべきか」という議論を重ねて,あらためて作り方や技術を積み上げるようにしています。そうすることで,その時代にあった最高の三國無双になると信じて開発をしていますね。
鈴木氏:
何かを残して,という余裕のある開発体制ではないので,毎回やり尽くしてはいますが,どうしても入らなかったというものはあるので,それらについては次回作への教訓として活かしていきます。
ナンバリングでは7作品,猛将伝などを含めればさらに多い数となるので,毎回購入されているユーザーにどうすれば新しいことを感じてもらえるかを念頭に,開発の際は頭をリセットして,どうやってそれを盛り込んでいくかを考えながらやっていますね。
――ありがとうございました。
「真・三國無双7 猛将伝」公式サイト
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真・三國無双7 猛将伝
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