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[gamescom]Ubisoftのベテランディレクターによる新作「Child of Light」は,絵本のように美しいRPG
プルーデ氏は,2007年リリースの「Tom Clancy’s Rainbow Six: Vegas 2」でリードゲームデザイナーを務めたのを皮切りに,「Assassin’s Creed」シリーズを手掛け,最近では「Far Cry 3」の開発を一任されたという経歴を持っている。3000人という雇用者がいるUbisoft Montrealでもベテランに属する人物だ。
いわゆる「AAAタイトル」と呼ばれる,大規模タイトルにばかりに関わってきた反動からか,今回のChild of Lightでは,「小規模」や「やわらかい女性的なゲーム」をコンセプトにしているという。
Child of Lightは数週間後に正式な資料とともに再度発表されるとのことで,今回の講演は企画やコンセプトアートの紹介が主体になっていたが,それによれば本作は「プレイアブルな詩」というスタンスの,アートフルなゲームであるという。
宮崎 駿氏や天野喜孝氏といった日本人アーティストや,アーサー・ラッカム氏,ケイ・ニールソン氏,ジョン・バウワー氏といった挿絵画家たちに影響を受けたという,非常にマジカルで絵画的な世界になるようだ。
ゲームエンジンには,「Rayman Origins」などでも採用された自社エンジン「Ubiart Framework」が使われているとのこと。
ゲームプレイそのものは,蛍に誘導されながら成長する少女を主人公にした,ロールプレイングゲームになる模様で,「ファイナルファンタジー」を中心とするPlayStation第1世代の旧スクウェア作品にインスパイアされているとのことだ。
Child of Lightの企画を固めるうえで,プルーデ氏はUbisoftの幹部に対して「次世代コンシューマー向けの新しいIPになり得る」と説き,Ubiart Frameworkを使った小規模なプロジェクトにまとめたり,ダウンロード専用タイトルにして流通交渉の負担を軽減させたりと,そのリスクを極力小さくするよう努めたという。
また,アクション重視だったこれまでの作品とはまったく異なるプロジェクトにしたことで,社内のベテラン開発者を中心にしたメンバーにやる気を起こさせる結果にもなったとのこと。そのおかげでゲームのアイデアの補強には苦労しなかったとプルーデ氏は語った。
最近では,こうしたプロジェクトが,Ubisoftのようなビッグメーカーから離れた開発者達によるインディーズ作品として誕生することが多かった。実際,プルーデ氏は「Ubisoftをクラウドファンディングの唯一の投資者に見立てた」と語っており,それは彼らベテラン勢にとっては「独立する」というリスクを回避したものだとも言える。
その一方でプルーデ氏は「Ubisoftという企業文化から逃れ切れず,企画者としての自分のアイデアが,ほかのアイデアの中に埋もれてしまう」ことを感じているらしい。また,たとえChild of Lightが成功しても,インディーズ開発者のように,一気に億万長者に登りつめたり,ゲーム業界で大いに尊敬を集めたりといったことにはならず,最後に自分の手の中に残るものは少ないだろうとも予測しているようだ。
そんな状況においても,「大企業の中から生まれるインディーズ(風な)プロジェクト」として,Child of Lightが今後も注目されるのは間違いないだろう。
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