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ガスト創立20周年発表会が開催。アトリエシリーズのアニメ化や最新作のプレゼンテーションが行われた発表会の模様をレポート
同社は1993年10月1日に創立され,「マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜」(1997年発売)からスタートした「アトリエシリーズ」などで多くのファンを獲得してきた。2011年12月からはコーエーテクモホールディングスの子会社となり,近年は新たなプロジェクト「サージュ・コンチェルト」を展開,さらなる躍進を続けている。
冒頭,壇上に上がったガスト/コーエーテクモホールディングスの代表取締役社長を務める襟川陽一氏は,集まったメディアや関係者,そして来場したガストサポーターに向けて挨拶を行った。
「“風”という意味を持つガストは,ゲームファンに爽やかな風を提供しよう,あるいはゲーム業界に新風を巻き起こそうというコンセプトでスタートしました」と20年の歴史の始まりについて語り,コーエーテクモグループに加わってからの2年間で急激な成長を遂げたと話す。また,ガストの新たなプロジェクトに大きな期待をかけるとともに,強い決意で臨むことを約束した。
続いて登壇したのは,ガストの常務取締役 プロデューサーの井上忠信氏。井上氏はスクリーンに映し出された年表で,この20年を振り返った。長野県で初めてのゲームメーカーとして誕生したガストは,1995年に「ファルカタ 〜アストラン・パードマの紋章〜」でPlayStationへと初参入。当初,開発メンバーは10名ほどしかおらず,開発には非常に苦労したそうだ。そして2年後の1997年,マリーのアトリエを発売。同シリーズは,現在までに世界累計販売本数が300万本を記録する人気シリーズへと成長した。
また,コーエーテクモグループ加入後の2012年には,サージュ・コンチェルトの第1弾となる「シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜」を発売している。この新たなIPへのチャレンジについて,アトリエシリーズとともに二枚看板として力を入れていく,と井上氏は語っていた。
その後,今後展開されていく新作について,開発陣によるプレゼンテーションが行われた。
最初に紹介されたのはガスト創立20周年記念作品となる,11月21日発売予定の「新・ロロナのアトリエ はじまりの物語 〜アーランドの錬金術士〜」(PS3/PS Vita)。同作のディレクターを務める岡村佳人氏と,キャラクターデザインを手掛けるイラストレーターの岸田メル氏が登壇した。
アトリエシリーズディレクターの岡村佳人氏(右)と,イラストレーターの岸田メル氏(左) |
同作は2009年に発売された「ロロナのアトリエ 〜アーランドの錬金術士〜」のリメイク作だが,従来の移植作「Plusシリーズ」とは異なり,さまざまな追加要素だけにとどまらず,3Dキャラクターモデルを一新し,より岸田氏のイラストのテイストに近づけている。さらに,これまでの「アーランドシリーズ」やPlusシリーズを総括した集大成とするべく,ゲームシステムなども改善しており,単なる移植に留まらないということでタイトルには「Plus」ではなく「新」を付けた,と岡村氏は解説した。
新・ロロナのアトリエでは,岸田氏のイラストに近い形でキャラクターがモデリングされている | |
システムはこれまでのシリーズのいいところを踏襲し,集大成と呼べる内容になっている |
今回追加された新シナリオでは,岸田氏の新たなイラストも用意されており,アーランドシリーズの主人公3人が勢揃いするなど,ファンには嬉しい要素が満載。これまでは仲間にできなかったサブキャラクターが,仲間になって戦闘に参加したり,サブキャラのコスチュームチェンジが可能になったりと,シリーズをプレイしたことがある人でも十分に楽しめる内容となっている。
岡村氏は「皆さんにシリーズを愛していただいた結果,本作を制作することができました。三部作の集大成となりますが,これで終わってしまうのではなく,これからもユーザーさんの声を大切にして,アトリエシリーズに反映していきたいと思います」と発売に向けてコメントしていた。
新しいシナリオでは,岸田氏の新規描き下ろしイラストが数多く採用されている。イラストの点数は,これまででも最多だとか |
エスティやアストリッドをはじめとするサブキャラクターが仲間になって一緒に戦ってくれるという,ファン待望の新要素も | |
新規コスチュームは3Dモデルだけでなく,岸田氏のイラストに反映されることもある |
さらに,岡村氏よりアトリエシリーズでは初のテレビアニメ化が発表された。すでに「こちら」の記事でお伝えしているように,アニメ化されるのはシリーズ最新作「エスカ&ロジーのアトリエ 〜黄昏の空の錬金術士〜」で,Studio五組の制作により2014年内に放映予定とのこと。岡村氏は「これまで何度かアニメ化のオファーはいただいていましたが,なかなか実現せず,今回の制作が決まったときは本当に嬉しかった」とコメントしており,同作は2人の主人公が登場するが,アニメでどのように表現されるのかも楽しみにしていると続けた。
詳細については,今後発表されるとのことなので,それまでは楽しみに待つことにしよう。
ガスト20周年記念プロジェクトの一環として始動する今回のアニメ化は,同シリーズでは初の試み |
続いて,サージュ・コンチェルトの最新作「アルノサージュ 〜生まれいずる星へ祈る詩〜」の魅力を,同作のディレクターを務める土屋 暁氏と,イオン役で出演する声優 加隈亜衣さんが語った。
ディレクターの土屋 暁氏(右)と,イオンを演じる加隈亜衣さん(左) |
サージュ・コンチェルトとは,「七次元を隔てた異世界に向けてアプローチする」というテーマで描かれる作品群のことで,第1弾タイトルが2012年に発売された「シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜」である。加隈さんは同作の主人公イオンを演じており,第2弾となるアルノサージュにも出演することになったわけだ。
加隈さんは「シェルノサージュでのイオンとはがらりと変わった雰囲気もあって,見た目や衣装も替わったので,彼女らしさを残しつつ少し大人っぽくなった」と,再びイオンを演じた印象を語っている。
ちなみに,アルノサージュとシェルノサージュの世界はつながっているものなのか,それとも異なるのかは明らかにされていない。さらに土屋氏は,本作のイオンについて「そもそも(シェルノサージュと)同じイオンなのか」というところまで言及し,加隈さんを驚かせていた。
加隈さんは,イオンが声優デビューとなった記念すべきキャラクターであり,新たな形で演じられることを嬉しく思いつつ「この1年,イオンちゃんと一緒に歩んできて,その成長したところを見せたい」と,本作に懸ける意気込みを語った。
一方,土屋氏は「ほかのRPGにはない特徴的なシステムや爽快感のある戦闘が楽しめるほか,オープニングテーマも含めて15曲の詩で壮大な世界を表現しているので期待してほしい」とファンに向けてメッセージを贈っている。また,限定版「エージェントパック」には特典としてオルゴールが付属することも発表されている。
スクリーンには,アルノサージュのテーマである“絆”や“心の内面”をイメージした初公開映像が映し出された。BGMは本作のオープニングテーマだった |
最後に再び登壇した岡村氏は「ガストは業界に新しい風を巻き起こすことを目標に,ガストならではの味を持った作品を作り続け,新しいサプライズをお届けし続けることが使命だ」と述べ,さらなるチャレンジを約束した。
土屋氏も「30名ほどの少人数の会社がゲームを作り続けて,20周年という節目を迎えられたのは,これまで独自性の高いタイトルを提供し続けてきたことにある」と語り,コーエーテクモグループという大きな組織の一員となっても,これまでどおりの体制でプレイヤーに支持されるものを作り続けていくと力強く宣言し,発表会を締めくくった。
「新・ロロナのアトリエ はじまりの物語 〜アーランドの錬金術士〜」公式サイト
「アルノサージュ 〜生まれいずる星へ祈る詩〜」公式サイト
会場の一角には,ガストがこれまでにリリースしてきた作品群が展示されていた |
発表会終了後には関係者を集めたパーティが行われ,襟川氏が乾杯の音頭を取った |
- 関連タイトル:
新・ロロナのアトリエ はじまりの物語 〜アーランドの錬金術士〜
- 関連タイトル:
新・ロロナのアトリエ はじまりの物語 〜アーランドの錬金術士〜
- 関連タイトル:
エスカ&ロジーのアトリエ〜黄昏の空の錬金術士〜
- 関連タイトル:
アルノサージュ 〜生まれいずる星へ祈る詩〜
- 関連タイトル:
シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜
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- 新・ロロナのアトリエ はじまりの物語 ~アーランドの錬金術士~ (初回封入特典(オリジナルコスチューム「ピーチバケイション」ダウンロードコード) 同梱)
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