インタビュー
リアルタイムPvPの実装や「とある科学の超電磁砲S」とのコラボも決定。本格ブラウザSRPG「Shadow of Eclipse」の現状と今後についてインタビュー
ブラウザで遊べるSRPGということで,リリース前から注目を集めていた本作だが,サービス開始から一か月が経過した現在,どのような状況になっているのだろうか。今回4Gamerはゲームポットを訪問し,SoEのプロデューサーを務める鈴木大地氏に,同作の現状と今後の展開についてインタビューした。要望の声が多いリアルタイムPvPや「とある科学の超電磁砲S」とのコラボレーションなど,興味深い話も聞けたので,プレイヤーはぜひご一読を。
「Shadow of Eclipse」公式サイト
ジャンルとしての面白さを最優先に作られた「Shadow of Eclipse」
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。正式サービスのスタートから1か月ちょっとが経過した「Shadow of Eclipse」ですが,プレイヤーからの反応はいかがですか?
本作は,熱心なファンの多いシミュレーションRPGというジャンルを,ブラウザ上で気軽に楽しめる作品ということで,発表当初から多くの方に注目していただきました。
しかし,サービス開始直後からログイン障害が頻発してしまい,お客様に大変ご迷惑をお掛けしてしまったのが大きな反省点です。
現在,ログイン障害の原因は大きく改善されているのですが,「動作が不安定だ」という声もたびたび寄せられるので,不具合の調査/修正作業を続けております。
4Gamer:
ゲーム内容に関しては,どのような声が目立ちますか?
鈴木氏:
「ブラウザゲームとしてはかなり本格的なSRPGに仕上がっている」という評価をいただくことが多く,大変嬉しく思っております。気軽に遊べるブラウザゲームと,じっくり遊ぶSRPGの長所を損なわないよう,最大限の注意を払いましたので,そこが評価されてホッとしています。
開発当初は,疲労度(スタミナ)を設定しようという意見も出ていたのですが,開発のntiq gamesと協議のうえ,現在の形となりました。
4Gamer:
どういった行動で疲労度が減少するのかにもよりますが,確かに,SRPGは自分のペースでじっくりと遊びたいジャンルではありますね。
鈴木氏:
おっしゃるとおりです。自分のペースで進めて,納得のいくまで攻略できるのがSRPGというジャンルの良さですから。そういった理由もあり,運営としての都合よりもジャンルとしての面白さを優先しました。
4Gamer:
なるほど。ほかに目立った意見はありますか?
鈴木氏:
オンラインゲームならではのコンテンツや,コミュニティ要素を充実させてほしいという声が多く寄せられています。中でも,チャットやアイテム倉庫などの利便性を高めてほしいという要望が多いですね。あと,これはSRPGファンなら当然だと思うのですが,ゲームバランスや戦術に関する議論が非常に活発で,我々も参考にさせていただいています。
4Gamer:
攻略Wikiのようなものも,比較的早いタイミングで作られていましたよね。
鈴木氏:
はい。熱心なプレイヤー達が,そういったサイトでユニットデータをまとめたり,戦術を議論したりと,活発に活動してくれているんです。我々としても,そういった熱を冷まさないよう気を付けつつ,より一層ゲームを盛り上げていきたいと考えています。
10月〜11月に「リアルタイムPvP」のテストを実施
「1人で何度でも挑戦したくなるダンジョン」も登場?
4Gamer:
本作には白兵戦を得意とするファイター,弓による遠距離攻撃に長けたレンジャー,さまざまな魔法を駆使するウィザードという3種類のクラスが用意されていますが,一番人気のクラスは何ですか?
現状ですと,ウィザードが一番人気ですね。サービス開始直後は,序盤ではレンジャーが一番強いという意見が多かったんですが,研究が進むにつれ,より多彩なスキルを覚えるウィザードの人気が高まってきました。
4Gamer:
そういったトレンドは,今後のバランス調整にも影響を及ぼしそうですね。
鈴木氏:
ゲームバランスの調整は,毎週行われる定期メンテナンスでも行いますし,今後,スキルの効果をPvP / PvEで分けるといった調整も検討しています。もう少し具体的なところでは,現状戦闘において不利になりがちなファイターの防御能力やスキル性能を,もう少し高めようかという検討も行っています。そのあたりについては,今後のPvPなどさまざまなコンテンツを踏まえてのバランス調整を行っていきたいので,詳細が決まり次第お伝えしたいと思います。
4Gamer:
分かりました。ところで本作には,主人公以外のキャラクターとして,仲間になるモンスターが存在しますが,こちらに関してはどのような反響がありますか?
鈴木氏:
ユニットに関しては,とにかく「もっと追加してほしい」という意見が多いですね。モンスターを仲間にするためにダンジョンを周回するというのは,コアプレイヤーのプレイスタイルとして定着した感があります。ユニット召喚ガチャも,おかげさまでご好評をいただいております。
4Gamer:
プレイヤー達の研究や情報交換が活発に行われているということは,運営側としても満足のいく状況といったところでしょうか。
鈴木氏:
スタートしたばかりのオンラインゲームなので,コンテンツ不足や細かな不具合をはじめ,まだまだ至らないところはありますが,求めていた反応が得られたという手応えは確かに感じています。
4Gamer:
今後の予定としては,やはりコンテンツの拡充に全力を注ぐことになるんでしょうか。
そうですね。アバターやモンスターの追加は定期的に行うとして,より戦略性が求められるフィールドや,ゲームモードの開発を急いでいます。中でも優先度が高いのは,要望の多いプレイヤー同士の直接対決,リアルタイムPvPの実装ですね。
4Gamer:
すでに実装されている蒼空戦は,防衛側がAI操作になる簡易的なPvPですが,やはりリアルタイムPvPが開発されていたんですね。
鈴木氏:
予定では,今年の10月,あるいは11月くらいのタイミングで,一度テストプレイを行う予定です。そこでご意見をいただいて,今後の調整に活かしていこうと考えています。
本作はタクティクスバトルを採用しているので,リアルタイムPvPとなると,プレイヤーの思考時間がネックになるんですよ。
4対4の対人戦の場合,1ユニットにつき30秒の持ち時間があったとしても,ある人は「ちょうど良い」といい,ある人は「時間が足らない」という……。
鈴木氏:
そういうことですね。SRPGをプレイするうえで一番大切な思考時間を,満足に与えられないんじゃないかという懸念があるんです。その辺のバランシングに関しては,現在開発側とも協議を続けていますので,マッチングシステムやランキング,ターン制限などの仕様が固まる10月,あるいは11月頃に,テストにご協力いただければと思います。
4Gamer:
うーん,確かに落しどころが難しそうですね。
鈴木氏:
本当に難しい問題です。“読み”の能力がプレイヤーごとに異なる以上,万人にとってベストな制限時間というものは存在しないと思うのですが……例えば,ターンを早く終わらせた場合に何らかのメリットを得られるなど,そういったルールもアリだと思いますので,さまざまな改善方法について模索していきたいと思っています。
4Gamer:
なるほど,そのメリットがその場のユニットの強さでなく,戦闘後の報酬に結びつくような形であれば,勝敗に関しては比較的フェアな形になりそうですね。
ちなみに,AI操作のパーティと戦える従来の蒼空戦は,これまでどおり楽しめるんですよね?
鈴木氏:
はい。蒼空戦にも,攻撃側/防衛側それぞれにランキングを用意しましたし,これからもさらなる改善を施していきますので,引き続き楽しんでいただければと思います。
4Gamer:
そのほか,今後のアップデート予定がありましたら,お話できる範囲でお願いします。
コンテンツの拡充を図る意味で,「1人で何度でも挑戦したくなるダンジョン」を用意しています。
具体的には,「パーティの限界に挑戦」することがテーマの特殊ダンジョンで,パーティ構成や戦い方を工夫することで,同レベル帯の他プレイヤーよりもより先の地点まで突き進んでいくという,挑戦しがいのある遊びを提供できればと考えています。
一定の地点をクリアするごとに攻略難度が高まり,得られる報酬もより豪華になっていきますので,普段とは違った戦略でパーティを構成し,挑戦してほしいと思います。
4Gamer:
こちらの実装時期はどれくらいになりそうですか?
鈴木氏:
まだ開発中なので何ともいえませんが,武器の強化システムなども同時開発しつつ,年内には実装したいと考えています。また,雪山をテーマにした7番目のエリアも開発中で,こちらは秋頃にお届けしようと作業を急いでいます。
9月中にはAndroid版のテストプレイ用アプリを配布予定
「とある科学の超電磁砲S」とのコラボも決定!
4Gamer:
そういえば,当初からアナウンスされていたAndroid版の,その後の開発状況はいかがでしょうか。
鈴木氏:
すでにAndroid端末で正常に動作する環境は整っています。現在は,動作のさらなる安定や,UIの改善,ロード時間の短縮に取り組んでいるので……9月中くらいには,PC版のプレイヤーに向けてAndroid用テストアプリを提供したいですね。
4Gamer:
個人的に一番気になるのは,マウス操作からタッチ操作に変わる部分でしょうか。ゲームによっては,タッチ操作をする際の指のせいで,ゲームに必要な情報が見えにくくなってしまうことがあるじゃないですか。そのあたりについて,何か工夫はされていますか?
鈴木氏:
SRPGは情報量が多いゲームなので,その場面において,プレイヤーが一番見たい情報は何なのか,というところを集中的に議論しています。あるコマンドを実行するまでのタッチ回数や,ボタンの大きさなども重要ですね。
4Gamer:
おお,かなり本格的な最適化が行われるみたいですね。
鈴木氏:
Android端末であれば,スマートフォンでもタブレットでも快適にプレイできるものを提供する予定です。いつでもどこでも遊ぶには,どうしても通信環境がネックになってしまいますが,移動中は蒼空戦などを中心に楽しんでいただき,通信環境がいい場所ではダンジョン攻略や,いずれはリアルタイムPvPを楽しむ……ということも可能でしょう。PC版とAndroid版は同じサーバーでプレイでき,データも共有されているので,自分の好きな遊び方で楽しんでいただければと思います。
4Gamer:
ちなみに,iOS版の進捗はいかがでしょうか。
鈴木氏:
当初からiOS版のサービス構想はありますが,やはりお客様からも,早くiOS端末で遊びたいという意見が多く寄せられているので,Android版をリリースしたら,実現に向けて動いていきたいと考えています。
4Gamer:
そのほか,SoEの今後の展開で,お話できることはありますか?
鈴木氏:
SoEでは,アニメ「とある科学の超電磁砲S」とのコラボレーション企画を計画しています。実施は9月から10月くらいを予定しており,同作のキャラクターや衣装を,ユニットやアバターとしてSoEの世界に登場させるという内容です。
4Gamer:
「とある科学の超電磁砲S」とのコラボを決めた理由のようなものはありますか?
「とある科学の超電磁砲S」は,魅力的な登場人物が多彩な技を使いますよね。そこがSoEのゲームシステムとマッチしていると思い,思い切って打診させていただきました。
一般的なコラボだと,基本的にはアバター面でのコラボが多いと思いますが,SoEではユニットとして登場するので,ファンの方ならきっと満足していただけるはずですよ。
4Gamer:
ユニットということは,ボイスも入るわけですね。
鈴木氏:
もちろん,アニメ版の声優さんを起用したボイスが入ります。SoE上で「とある科学の超電磁砲S」の世界観を再現するためには欠かせない要素なので,ここには力を入れました。ぜひご期待ください。
4Gamer:
「スカッとゴルフ パンヤ」や「ファンタジーアース ゼロ」では,アニメ版のキャラクターそのものを登場させるのは難しそうですし,そういう意味ではSoEならではのコラボ展開と言えるかもしれませんね。
鈴木氏:
SoEはユニットの存在が非常に重要ですし,事実「もっといろんなユニットを登場させてほしい」という要望も多くいただいています。
4Gamer:
今後のコラボレーションにも期待が持てそうですね。ちなみに,今回のコラボユニット/アバターの提供方法は?
鈴木氏:
基本的にはショップやガチャでの提供になると思いますが,キャンペーンの報酬として入手できるなど,なるべく多くのプレイヤーが楽しめる方法を検討しています。
4Gamer:
分かりました。それでは最後に,プレイヤーへのメッセージをお願いします。
鈴木氏:
SoEをよりやりがいのある,より本格的なタクティクスバトルRPGにするべく,運営・開発共に引き続き尽力していきます。皆様に楽しんでいただけるようなアップデートやイベントを次々と実現していきますので,ぜひ期待していてください。よろしくお願いします。
4Gamer:
ありがとうございました。
「Shadow of Eclipse」公式サイト
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