[インタビュー]「チェンクロ」メインストーリー第5部が始動。2000年後の世界のため,すべての未来を復元する新たな義勇軍譚
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第5部では,2000年後の世界からやってきた,赤いクロニクルを持つ少女「ミレニア」とともに,義勇軍はさまざまな並行未来を渡り歩く。今度の敵は,数々の未来を滅ぼしてきた刻の侵略者である。
未来の世界では,数百年後も生きながらえている者や,義勇軍の英雄の子孫,そして我ら義勇軍の隊長たちが交差し,新たな困難に挑んでいく。とはいえ,やるべきことは“いつもの義勇軍”だ。
今回はサービス11年半で新たな挑戦に向かうチェンクロについて,総合ディレクターの松永 純氏に話を聞いてきた。
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11年半で見えた,理想的な形
4Gamer:
本日はメインストーリー第5部の解説,よろしくお願いします。
松永 純氏(以下,松永氏):
よろしくお願いします。
4Gamer:
はじめに,第5部が始動する今の心境はいかがですか。
松永氏:
緊張感みたいなものはないですね。
というのも,第5部は3月26日に正式公開しますが,序章のプロローグはすでに好評配信中です。今もその先の監修作業に追われていたりして,チームはすでに次のゴールに向かって走り出しています。なので現場としては,かしこまってひと言という心境でもないんです(笑)。
第4部からずっと,引き続きひた走っているような感じです。
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4Gamer:
プロローグもなかなかの大ボリュームでしたね。
そんな第5部のコンセプトは,ズバリなんでしょう。
松永氏:
コンセプトはずばり,縁(えにし)です。
第5部の舞台は「未来」です。これまで10年以上をかけて描かれてきた世界がどのように移り変わり,義勇軍がどんな絆を未来へつないでいったのか。過去から未来へと受け継がれる縁の熱さ,おもしろさが盛りだくさんの内容になっています。
プレイヤーの皆さんは,これまでの長いお付き合いでキャラクターたち,そしてこの世界の物語に深く愛着を抱いてくださっています。第5部では,未来へつながる義勇軍の縁によって,愛着があればあるほど楽しいストーリーを展開できればと思っています。
未来と言っても,「義勇軍のいなくなったその後の世界は……」みたいな,愛着があると悲哀を感じちゃうようなアフターストーリーを描くつもりはありません。むしろいつもの義勇軍の面々が,未来をガンガン旅します。これまで以上に熱いストーリーを展開しますのでご期待ください。
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4Gamer:
深掘りはのちほどとして。
あらためてですが,第4部を4年間やりきってみてどうでしたか。
松永氏:
まずは無事に完結させられてよかったです。この4年間は本当に,以前よりもすごく楽しく作らせてもらったと実感しています。本当に,ファンの皆さまに感謝だなと。
というのも,第4部の制作は第1部,第2部,第3部と比べると,“皆さんとキャッチボールし続けた4年間”だったんですよね。
4Gamer:
というと?
松永氏:
第1部と第2部は,レギュラーのキャラクターは主人公やピリカをはじめ数人だけで,新章のたびに新キャラが入れ替わりで登場し,プレイヤーさんに目新しさをお届けしていました。第3部からはメインストーリーに義勇軍の面々が登場するようになったものの,5人の新主人公たちが中心になって,新しいドラマの形式を楽しんでいただきました。
一方で,第4部は「既存の義勇軍メンバーが中心になって,さまざまな異世界に旅立つ」という,すでに親しみを持ってもらっているキャラクターたちを活躍させる方向性でした。
ですから我々としては,皆さんのキャラクター愛に応えるためのキャッチボールをしていた感覚が強かったんです。
4Gamer:
一昔前で言うところの,「本編」と「ファンディスク」みたいな?
松永氏:
そういう感じが近いかもですね。こちらから一方的に物語を届けるだけではなく,各章で活躍するキャラクターたちへの,プレイヤーさんの反応を重要視していました。
物語の展開がおもしろいかどうかと同じくらい,各キャラが魅力的に動ける舞台かどうかを考えて,実際にキャラがおもしろく動いてくれたら,それをファンの方々が喜んでくれたかを細かく確認して。反省があったら,よりキャラが動きやすい設定をひねり出して。
皆さんとはそういう,これまで以上に距離が近いキャッチボールをやらせてもらった4年間だったので,それもいったん落ち着いた今は寂しさもありますが,第4部への数々の反響には大変感謝しています。
4Gamer:
それで言うと,第5部の形式も「愛情」と「新しさ」で半々な気が。
松永氏:
実はそうなんです。第5部はこれまでの形式を引き継いで展開していきます。むしろ,パワーアップさせたというのが正しいかもしれません。
これまでは,冒険するメンバーは愛着ある義勇軍の面々で,冒険の先では新しい登場人物が登場していました。それが今回は,冒険するメンバーは同じく愛着ある面々で,さらに冒険の先で出会う人物たちも,義勇軍に縁をもつキャラクターたちで,愛着があるほどおもしろいという“さらなる魅力を乗っけていく物語”と言えます。
我々としては今後,皆さんとより楽しいキャッチボールができるんじゃないかと思っていて,今も期待が膨らんでいるところです。
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4Gamer:
そんな第5部の制作は,いつごろ決めたのでしょう。
松永氏:
1年半くらい前だったと思います。そのあたりで第5部の制作を検討しはじめました。
第4部に対しては,ありがたいことに「もっと続けてほしい」というお声も多く,このまま新世界での冒険を続けていくという選択もあったのですが,チームとしては,ファンの皆さんには何年経っても新しい刺激を感じてほしいし,「こんなことやるんだ!」と驚いてほしいと思ってやってきたので,ここでまた新しい物語を始めようという話になりました。
物語を作っていくうえで,のっぴきならない理由もありまして。
4Gamer:
その理由とは。
松永氏:
シンプルに,もうネタが限界だったんです(笑)。
第4部の世界観でさらなる異世界ネタを考えようにも,誰もどうやっても思い浮かばないところまできていたんです。
4Gamer:
いろいろやりまくりでしたもんねえ。
松永氏:
第4部のように,未知の場所を旅するという構図自体は,第1部のころからずっとやってきた立て付けです。舞台の世界観,そこで起きる展開,義勇軍の面々の衣装,これらは新章を考えるときに重要なポイントですが,いくつかは差が出せても,どこかで過去のシナリオとなにかしらかぶってしまうんですよ。
そしてひとつでもかぶってしまうと,似てるなという印象になってしまう。だから全要素,かぶらないアイデアを出したいんですが……
1年半前……だからちょうど10周年のときですね,全員で何個も何十個も出しても,ベストな答えが出なくて。ちょうどAIがはやってきてたので,僕のほうで「AIにアドバイスをもらおう」とかも試したりして。
4Gamer:
AIさんは力になりましたか。
松永氏:
事細かなプロンプトを用意して,いろんな条件でさまざまなネタ出しをしてもらって,400件とか500件とかアイデアをもらいましたが,うまくはいきませんでした。
どの回答もやっぱり「設定はいいけど,第2部のこれと同じ見た目になるね」「見た目はかぶらないけど,展開自体はどうしても第4部のこれと同じになるね」って感じで,いずれかの人物や展開とネタかぶりするんですよ。なんというか……やりつくしたんだなぁって(笑)。
4Gamer:
人物も物語も,無理もない数がありますしねえ。
松永氏:
ただ,既存のキャラクターたちの深掘りを中心とした第4部の形式は,プレイヤーの皆さんとのキャッチボールも含めて,いまチェンクロを運営していくうえで理想的な形だろうという実感がありました。
だから物語の形式は引き継ぎつつ,それでいて皆さんにマンネリを感じさせない新たな魅力が必要だと考えて,「未来世界」というコンセプトにたどり着いたんです。この答え自体は,すんなり決まりました。
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4Gamer:
チェンクロらしい着地点に落ち着いたと。
松永氏:
はい。第5部の形式や舞台にはほぼ異論がなく,すぐにみんな納得しました。必然的にこれしかないだろうって。ノー議論でしたね。
義勇軍が未来に乗り込めば,キャラクターたちの見せ方はそのままに,既存の場所の変化や,さまざまな人物たちの子孫や,義勇軍の足跡を楽しんでもらえるので,第4部とはまったく異なる物語を作れます。
チェンクロもそろそろ配信12年ですから。付け焼き刃の斬新さで挑むよりも,ここまで育んできたもので新しい勝負をするべきだろうと。
4Gamer:
そうした,向かうべき方向性の共通認識をみんなで持てることも,チェンクロチームの強みなんでしょうね。
松永氏:
そうですね。開発陣の入れ替えはあれど,みんなチェンクロが好きで,これまで歴史を積み重ねてきた1人ですから。
未来,と言っても描き方は?
4Gamer:
ここから,第5部の内容に迫っていきます。
まずは物語のあらすじから教えてください。
松永氏:
第4部の冒険を終えてしばらくして。平和を謳歌する主人公とピリカが,行き倒れた謎の少女「ミレニア」を保護するところから物語がはじまります。そして,ミレニアを追うように現れた,時間を操る正体不明の敵と遭遇します。
苦戦を強いられるピリカたちですが,「刻のクロニクル」を持つミレニアとその仲間に助けられます。そこで彼女は「私は2000年後からやってきた,あなたの子孫です!」と主人公に告げ,滅びに瀕する未来のことを語ります。ミレニアいわく,今から2000年先の未来に現れた刻の侵略者という存在が,時間をさかのぼり,無数の未来を滅ぼしているというのです。このままではすべての未来が滅びてしまう,それを打開するには元凶である遥か未来へ行くしかないと。
2000年後の未来へは,一度でたどり着くことはできません。まだ滅びていない,ですがすでに刻の侵略者に滅ぼされつつある多種多様な並行未来を経由しながら,先を目指す必要があります。
そして義勇軍は,ミレニアたちとともに未来を渡る決死の冒険へと旅立っていく,というストーリーになっています。
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4Gamer:
まずは未来についての確認です。
作中で解説される未来は,義勇軍が活動する正史の世界の先で,さまざまに枝分かれしていった「並行未来」というものです。そのため,どの未来も可能性の1つであり,確実に訪れる未来ではないと。
つまるところパラレルワールドの構造ですが,正史として描く案はなかったのでしょうか? まあメタな作劇的に考えると,こっちのほうが第4部のようにいろいろできるってのが容易に分かるものの。
松永氏:
そのとおりです。まず大切にしたいのは,“巡る未来の舞台が魅力的であること”です。
当初,未来を題材にすることはすんなり決まったものの,じゃあ正史的な一本の歴史を描いていくのか。それとも未来は枝分かれする形にするのか。設定面はかなり議論しました。数か月ほど喧々囂々でしたね。
4Gamer:
そのうえでの結論は?
松永氏:
一本の歴史にすると,当然ですが未来Aから未来Bへとつながる必要があります。そして実際に未来A……すなわち第5部1章の「賢者の塔の未来」設定がfixしたとき考えたんです。
ここから例えば数百年後に,全然違う未来Bになるのって,あるのかと? 賢者の塔がこんなふうに進化したのに,次はそれがなかったかのように,○○が発展してるとか……ないなと(笑)。荒唐無稽だろうと。かといって,この個性的な未来Aに引っ張られた未来Bを描いても,面白みが出し切れないだろうなと。
あと,AとBがつながったときに生まれる「縁」が,実はそんなにおもしろくならないなというのもあります。感じてワクワクする縁って,僕らが10年培った愛着から生まれるものなので。新しい未来Aとの縁より,もともとのユグドとの縁のほうが結局ワクワクできるはず。だから,ストーリー展開の可能性をより広げるためにも,枝分かれしていく未来を巡る物語にしたんです。
ですので今回,1章から驚きがたくさんある展開になっていますが,その先も全然違う魅力に満ちた未来が待っていますよ!
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4Gamer:
もろもろ納得です。
目玉のミレニアについては,どんな少女なのでしょう。
松永氏:
一言で紹介するのは難しいですね。
というのも彼女は主人公の子孫です。チェンクロの主人公は,義勇軍の隊長であり,プレイヤー自身です。おおむね人格のイメージはあるとしても,熱血か冷静か,あるいはおとぼけか。自分なりの選択も絡むことで,人それぞれで持っている印象は微妙に異なっています。
なのでいきなり「こういう方向に振り切ったキャラです!」ってやると,人によっては「私の主人公との縁を感じない……」となってしまうなと。そのため,ミレニアの内面は徐々に描いていくつもりです。あえて言えば,現時点では“主人公に似た少女”と言えます。
4Gamer:
確かに,プロローグ段階ではクセが少なめでしたね。
松永氏:
かつてはフィーナもそうでしたね。彼女もチェインクロニクルを持っていて,物語のカギを握るヒロインだけれど,強さも弱さもあって,責任感ゆえに行動が縛られている側面をもっていました。
それが義勇軍での冒険とともに成長していき,より魅力的なキャラクターへと育っていってくれました。
ミレニアも同じく,彼女しか知らない巨大な秘密や,未来への使命感を持って冒険に臨んでいますが,まだまだ成長過程の少女です。ミレニアは今後,第5部の全章にわたって登場しますので,主人公であり彼女のご先祖様であるプレイヤーの皆さまと,たくさんのドラマが描かれていくと思います。第1部のころのように“ゼロから成長していくヒロインの姿”を見届けてもらえるとうれしいです。
4Gamer:
ミレニアの見た目は,絶妙に中庸なバランスを狙ったかと思いますが,そこはあらかじめイメージ像がありましたか。もしくはtoi8さん(義勇軍の隊長やフィーナのイラストレーター)に任せたのか。
松永氏:
もちろん,中庸かつ主人公を連想させる見た目にすることは最初から考えていました。かといって主人公を女装させたみたいにはしたくなくて,ちゃんと別人格の魅力的なキャラクターを目指しました。toi8先生にも,そうしたヒロイン像の要件をお伝えしましたね。
そして期待通り,すばらしいビジュアルをtoi8先生があげてくださいました。本当に理想的なキャラクターに仕上げていただけたと思います。
そう,すばらしいビジュアルと言えば,主人公もすばらしいんです!
4Gamer:
第5部では,義勇軍の隊長もまたまた新ビジュアルですもんね。
松永氏:
はい。第5部の新ビジュアルはオーラというか,格みたいなものを感じますよね。toi8先生,12年経ってますます腕に磨きがかかっているなと,あらためて実感させてもらいました。
主人公,ストーリーでは相変わらずすっとぼけた選択肢も多いですが,やるときはやります。今回はビジュアルからも頼もしさをめちゃくちゃ感じてもらえると思います。
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4Gamer:
ついでに仲間たちの区分も整理させてください。
第5部では,600年後のベニガサや1000年後のカルネロなど,長命な理由がある人物は「未来の姿」で。そうではない人たちは,ヴァニラやトルシュのような「子孫の存在」で。さらにユグドから未来に向かうメンバーは「時空軍としての姿」で出てくる,という内訳ですよね?
松永氏:
そうです。第4部と同様,義勇軍から数名のメンバーが時空義勇軍,略して「時空軍」として未来への冒険へ向かいます。そして未来の舞台で,さまざまな人物と出会うことになります。
多くのキャラクターは,それぞれなんらかの縁を持っていて,「未来の本人」だったり,「子孫」だったり。はたまた思いもしない奇縁で結ばれた存在だったりします。ここがとてもおもしろいので,「こいつがまさかあの人の子孫とは!」とか「こういう関係できたか!」という驚きをぜひ楽しんでみてください。
4Gamer:
もしかしたらですが,今私が整理した“みんなが想像しやすい区分”以外にも,まさかな角度から登場するパターンとかもありますか?
松永氏:
います。考えてます。
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4Gamer:
サプライズがありそうですね。
仲間についてはもう一点,プロローグでは「義勇軍の隊長は誰と結婚して子孫を残したのか?」でアリーチェたちがキャッキャしていましたが,ミレニアは「未来の個人情報は明かさない」と言い切りました。
この点は,制作方針にもなんらかの意図があるのでしょうか。
松永氏:
そこは第5部における我々のポリシーでもあるんですが,これから未来を描いていくにあたり,「AとBが未来で結婚して子孫を残した」といった明言は基本的にしません。これは全編で守っていく方針です。
というのも,チェンクロは長年運営してきたことで,プレイヤーさんごとに,キャラクター同士の関係性のイメージがあるからです。
そのため,人物同士の関係の結論だけを安易にお見せすると,皆さんの心情をないがしろにする恐れがあります。そうした不安を覚えさせないよう,子孫たちは「誰の子孫か」というのは分かりますが,その「相手が誰だったか」は明言しない形にしています。
4Gamer:
いわば,お手軽なカップリング発表会にはしないと。
松永氏:
そうですね。それに今回,ストーリーを作る側としてはあらためて,「キャラクターたちの過程を描かず,結論だけ見せる」というのが,チェンクロらしくないと感じたんですよね。
チェンクロではこれまで,描くべきところはちゃんと描いて,そうした“推移を飛ばす行間”を作らないようにしてきました。もしも「私は○○と××の子供です」と言ってしまうと,それって描いてもないのに結果だけお知らせすることそのものだなと。
行間を想像する楽しさというのはもちろんあると思うんですが,ちゃんと公式がしっかり描いてくれる信頼っていうのもあると思うんですよね。チェンクロはそっちだろうと。
4Gamer:
ただ,カップリングがうれしい人もいるのではないかなって。それ自体がポリシーと食い違ううえ,ファンを半々に割りかねない刺激的なアプローチでもあるので,避ける判断に異論はないのですが。
例えばヴァニラ。彼女は「ヴォ〇グとア〇ドラの子孫かな?」と匂わせを感じますし,厳密になにも情報を出さないわけでないのでは?
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松永氏:
ヴァニラは担当イラストレーターさん(萩谷 薫氏)がヴォルグだけでなくアルドラも担当していることで,彼女の雰囲気も感じられるビジュアルになっていますが,あくまで想像の余地の範囲にとどめています。
今後の子孫の指標としても,“ヴァニラの匂わせが見せ方的にMAX値”って感じです。
もちろん,すでに作中で関係値のゴールが描かれているキャラクターたちについては,その子孫が登場することもあります。プロローグでも,ミラの姪,セストとクララの娘という縁を持ったキャラが登場します。この子の性格は,どう見ても両親には似ていなくて明らかに叔母の影響を受けてるんですよね。そういう感じで,描くべきところは描いていきたいなと思っています。
4Gamer:
なるほど。それならポリシーにも則ってますね。
続けて,第5部1章の内容も教えてください。
松永氏:
第5部1章は,賢者の塔の約500年後を描く「賢愚の未来」という世界です。500年後の賢者の塔は,近未来的な街並みの学園都市「メルトブルー」に変遷しています。この未来では魔法が発禁となり,マナに変わる新しいエネルギー「カフカ」が発見されたことで,人々は最先端の学問「渦学(かがく)」を研究し,大きな発展を遂げています。
旧来的な魔法が忌み嫌われるなか,義勇軍は魔法原理主義者と出会い,“自分たちの活躍の先で,どんな歴史が紡がれたのか”に直面しつつ,この時代を滅びから救う方法を模索していきます。
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4Gamer:
時空軍的には「アルドラ」と「ミユキ」がフェスの目玉ですが,各時代に即した衣装の変化も,第4部から引き続きやるんですね。
松永氏:
はい。これは第4部の大きな魅力だったと思うので,今回も楽しんでもらえれば! 第5部1章では,未来の魔法学園の装い,転じて現代日本の学生や教員の雰囲気も感じられるファッションで,義勇軍の面々が冒険を繰り広げます。
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4Gamer:
例えば,未来の賢者の塔を描くとしても「100年後の姿」や「300年後の姿」も想像されたかと思います。だが選ばれたのは500年後。
こうした,何年後を切り取るかの取捨選択はどうしていますか。
松永氏:
そこはまさに,チームで議論と試行錯誤をしています。そもそも500年後と言っても,「どんな変化を遂げているか」の想像って人それぞれだったんですよね。1章の次,2章や3章の未来世界についても,慎重に話し合って,より魅力的に見える設定を選び抜いています。
今回の500年という期間は,感覚的にはひとつの文化が大きく様変わりして然るべき,という時間として捉えています。現代日本からすると,500年前ってちょうど戦国時代に入ったくらいで,中世・近代と2周くらい文化が変貌してますが,現代は時代の移り変わりが異常なほど速いのでちょっと違う。1000年前と500年前だと,平安時代が終わりつつあるところからの戦国時代なので,それくらいの感覚が近いかなと思います。
4Gamer:
第5部のロケーションは基本,見知った場所の未来の姿を見せていくのでしょうか。あるいは,まったく未知の場所も出てくるのか。
松永氏:
現状の想定では,これまで皆さんが行ったことのある,ユグドの世界のどこかを舞台にしていきます。海の外の大陸も含めてです。
4Gamer:
1章はThe・近未来みたいな雰囲気ですし,以降も単純に考えると“科学的に発達した世界”が自然と思いつく未来像なのですが。
やっぱり,ここもそれだけではなく?
松永氏:
はい。いろいろと考えています。学園都市メルトブルーのように,ファンタジーな面影を残した近未来風の世界のほかにも,並行未来ならば“そうはならなかった世界”も描きやすいですから。
新章になるたびに,まったく違う世界観が展開されるので,ぜひ楽しみにしてほしいです!
4Gamer:
さらにもう一点。今回は一発目で500年も進みますが,戻ることはあるんでしょうか? 「章が進むたびに未来方向にだけ進む」のか。もしくは「1章は500年後,2章は(現在のユグド世界から見た)200年後に行く」など,時間軸が逆行するパターンもあるのかという意味で。
松永氏:
あり得ます。今回の義勇軍のミッションは,一本道でつながる正史の未来を進んでいく絵図ではなく,いくつもある並行未来の隙間をとおって,ミレニアが生きていた2000年後を目指します。
だからこそ「もう残り200年しかないから,次で最終章か~」といった見せ方にはせず,次は順行するのか,逆行するのか,といった読めない展開になる予定です。皆さんには毎回,何年後に行くのかを楽しみにしてもらいたいですね。
いつも通りやりきる
4Gamer:
チェンクロは10周年の大台も通り越して,今や気付けば11年半に達しました。率直に,昨今はどんな心持ちで運営しているのでしょう。プレッシャーや慣れがどうなるのかは,大半の人が未体験のゾーンですし。
松永氏:
僕自身もセガでゲームの仕事をはじめてから,もうキャリアの半分以上がチェンクロの期間になりました。僕にとって大切なタイトルですし,開発・運営のプレッシャーも変わらずあるのですが,普段仕事をしていて,長くなってきたから特別なにかを感じるということはあまりないです。でもたまに,すごく遠くまできたなというのを,強く感じます。
たぶんですが,「プレイヤーの皆さんと同じ気持ち」なんじゃないでしょうか。皆さんも普段遊ぶとき,特別なにかをかみしめるといった時間よりも,いつも通りなにげなく遊んでいる時間が多いでしょうし。でもたまに,すごい長く遊んでるなって感じて,大事に思ってもらえたりして。
たぶん,そういう感覚と同じなんだと思います。
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4Gamer:
ああ,なんとなく分かるかもと。
当たり前すぎて普段はそれほど気にしない存在,みたいな。
松永氏:
そうですね。もはや人生に当たり前にあるものですからね。
もちろん,遊んでくれている皆さんのおかげで続けてこられましたし,だからこそ本気でぶつかっていかなければならないという思いは常にあります。でも,それが焦りになるとかではなくて,それが普通のこととしてあって,チェンクロと一緒に歩んでいられている,みたいな感覚ですね。 ただまあ,第5部を始動する今はちょっとピリピリしてますが(笑)。
4Gamer:
新たな挑戦ですし,ピリピリしていきましょう(笑)。
それでは締めの前に,第5部記念キャンペーンなどはありますか。
松永氏:
第5部開始記念として,3月27日から毎日ガチャで「最大555回無料で引けるフェス」が開催されます。こちらは第4部・新世界のパッシブをもつキャラクターたちが勢ぞろいしております。期間中は毎日0時にガチャ利用権が復活しますので,お見逃しなく!
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4Gamer:
では最後に。これまで黒の軍勢,白き異形,灰の骸と困難に立ち向かっていき,お役目を果たしたばかりだけどお次は未来を救うことになった,数々の義勇軍の隊長たちにメッセージをお願いします。
松永氏:
チェンクロは2025年7月26日にサービス12周年になりますが,何年経っても物語にワクワクしていただけるよう,これからも刺激的なストーリーを紡いでいきます。
そしてせっかく新しい物語を始めるので,久しぶりにチェンクロに触れる方々にも楽しんでもらえるストーリーを描いていくつもりです!
10年以上たっぷり愛情を注いでくださっている方とも,あのころのあれがおもしろかったなぁと久々に気づいてくださった方とも,楽しく物語のキャッチボールをしながら,一緒に未来をつかんでいければと思っています。皆さん,今回もよろしくお願いします!
4Gamer:
余談ですが,第1部って1年半くらいで完結しましたっけ?
第2部までの数か月ほどあった助走期間も含めて。
松永氏:
当時の年末に大慌てで「第2部を作らなきゃ!」となって会議していた記憶があるので,第1部は1年ちょっと,第2部が2年ちょっとだったかなと。続く第3部は約4年で,第4部も約4年でしたね。
4Gamer:
となると,第5部は「5年目標」だったり?
松永氏:
いや,どうでしょう(笑)。
実際にやってみたら変わるかもしれませんけど,第3部で4年,第4部でも4年と区切れたので,これがちょうどいい期間なのかなと。物語を楽しく書けすぎてしまったら分かりませんが。
4Gamer:
とりあえず,いつも通りやりきっていくと。
松永氏:
はい。いつも通りです。義勇軍もそうですし,プレイヤーの皆さんとも同じく,やるべきことをいつも通りやっていきたいと思います。
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