連載
哲学的世界観の雰囲気ゲー。iOS向けアクションパズルゲーム「Nihilumbra」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第617回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」では,どこか儚さが漂うダークな世界観のアクションパズルゲーム「Nihilumbra」を紹介する。ゲームの随所に用意された,自分の人生を問われているかのような意味深なメッセージと,新たなステージへ挑戦するたびに特殊な能力が追加されるという,成長要素のあるゲームシステムが特徴だ。
iOS版「Nihilumbra」ダウンロードページ
本作は,主人公である影の生物(?)が,雪山を彷徨うところからスタートする。彼はふとしたことから体を手に入れ,さらに,不思議な力を持った花(後述)に触れることで,さまざまな能力を身につけていく。こうして得た能力を使いながら,すべてのステージを踏破していくのが本作の目的だ。
操作はいたってシンプルで,画面左下に表示される左右の矢印で移動,画面右下のボタンでジャンプが行える。なお,これらの操作はジャイロセンサーを使った方法に切り替えることも可能だ。
各ステージは,ブロックを置くと開く扉や,一定時間で落下する足場,主人公を見つけると追いかけてくるモンスターなどさまざまなギミックで満ちている。序盤はさほど難しくないが,ステージが進むにつれて,謎解きや要求されるアクションも次第に難しくなっていく。
先述したように,主人公は不思議な花に触れることでさまざま能力を得られる。この能力は,プレイヤーが地面や壁をスワイプしてラインを引き,色を付けた場所に主人公がいる場合にのみ発動する。
最初に入手できる「青の能力」は,スワイプした地面を凍らせることができ,これを使って移動速度やジャンプ力の上昇,さらにはモンスターを滑らせたり重いブロックを運んだりといったように活用できる。
同様にトランポリンのように跳ねられる「緑の能力」や,物体を吸着させる「茶色の能力」など,ゲームを進めるにつれ少しずつ能力が追加されていく。能力入手後はちょっとしたチュートリアルが挟まれ,具体的な使用方法が学べるので,とくに迷うことはないだろう。ちなみに最初からある「紫の能力」は,描いたラインを消す能力だ。これらの能力は右上のメニューから好きな能力(色)を選択して切り替えられる。
各ステージでは,点在している光の玉「チェックポイント」に近づくことで進行状況が記録され,敵に攻撃されたり,ギミックにハマったりしてゲームオーバーになっても,そのポイントから再開できる。各ステージはそれほど長くないとはいえ,中には難度の高い場所もいくつかあるため,とてもありがたい機能だ。
そして,複数のステージで構成されるワールドの最後には,画面左端から紫色の瘴気「Void」が迫ってくる強制スクロールステージが待ち受けている。いかにこのVoidと接触せずに攻略できるかが問われるため,的確なタップと冷静な状況判断が要求されるだろう。
各ワールドにはテーマが設定されており,さまざまな美しい情景が見どころだ。制限時間もとくにないため,ときには立ち止まって美しい世界に見入ったり,書かれたテキストを眺めたりするのも楽しみ方のひとつだろう。
アクションゲームではあるがそこまでシビアな操作性は要求されず,どちらかというと慎重な操作と謎解きが重視されている印象の本作。「不思議な世界観に惹かれた」「雰囲気ゲーが好き」という人にはぜひプレイしてほしい。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”も好き。
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