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広大なアメリカ大陸を自由気ままに走り回れる「ザ クルー」。クローズドβテストのインプレッションをお届け
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印刷2014/08/06 12:00

プレイレポート

広大なアメリカ大陸を自由気ままに走り回れる「ザ クルー」。クローズドβテストのインプレッションをお届け

 Ubisoft Entertainmentが欧米で2014年11月11日の発売を予定しているレースアクション「ザ クルー」PC/PlayStation 4/Xbox One)は,広大なアメリカ全土を舞台に,仲間と一緒にいろいろなミッションに挑んでもよし,気ままに走ってもまたよしという自由度の高いシステムの作品だ。オンライン接続が必須になっており,道を走っているのは,ほかのプレイヤーの操作する車かもしれないし,NPCの車かもしれないという,MMO(大人数参加型オンライン)型ゲームのシステムを採用した個性的なレースゲームでもある。

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「ザ クルー」公式サイト


 6月10日に掲載した記事でもお伝えしたように,本作のクローズドβテストが先日行われており,そのテストに筆者も参加したので,ここで本作のインプレッションをお届けしたい。プレイしたのはPCの英語版だ。あらかじめお断りしておくが,今回のCBTは参加したプレイヤーからのフィードバックを製品に反映させることを目的としており,そのため製品版とは違うところもあるはずで,あくまで,テストプレイのレポートと言うことでお読みいただければ幸いだ。

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広いアメリカはオレの庭


 ゲームの舞台となるアメリカは,ニューヨークを中心とした「EAST COAST」,シカゴやデトロイトがある「MIDWEST」,マイアミなどの「THE SOUTH」,ラスベガスやロッキー山脈の「MOUTAIN STATES」,そしてロサンゼルスを中心とした「WEST COAST」と大きく5つのエリアに分かれており,今回のCBTではすべてのエリアを走ることができた。

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 ものは試しということで,ニューヨークからロッキー山脈を越えてロサンゼルスへというアメリカ横断ルートを2013 NISSAN 370Zでかっ飛ばしてみたところ,途中で休憩を入れつつ,だいたい1時間ほどで走り切れた。これまでも何度かお伝えしているように,北米全域が走れるといっても,実際より縮尺されているのだが,それでも走ってみれば意外に大変で,かつてないほどのスケールが感じられることは間違いない。
 お約束のファストトラベルも用意されているので,移動が面倒だという人はそちらを使えばいいわけだが,アメリカの広さを実感するために,一度は端から端まで走ってみることをお勧めしたい。

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 実をいうと,筆者はハワイしか行ったことがなく,アメリカについてはテレビや映画で知っているだけなのだが,軽くドライブするだけで,まさに広大なアメリカを走っているような気持ちになれた。
 ニューヨークの自由の女神やシカゴのウィリス・タワーなど,有名な建築物や観光名所がゲーム中に再現されているため,目的もなくドライブしていて,そういった,どこかで見たことがある建物が見えてくると思わず嬉しくなる。
 大都会を抜けて夜の田舎町を走ると,まるで映画のワンシーンのように,人の気配のないモーテルやドライブインが現れたりするし,ハイウェイを突っ走っていくと,地平線の向こうにうっすらとビル群が見えてきて,都市に近づいているのが分かったりなど,どこもかしこも筆者の想像どおりのアメリカだ。

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 道には一般車が走っているが,場所や時間帯によって交通量が変化する。また一般車だけでなく,歩道には人々も歩いているのだが,例えば都市では日中,大勢の人々がウロウロしているのに,明け方には交通量が少なくなり,人の姿も見えないというあたりまで再現されているのだ。深い霧のたちこめる朝の住宅街を気持ちよく飛ばしていたら,突然,ジョギング中の人が横断歩道を渡っているのに気づいてビックリしたりできるところがすごい。

 さらに,信号機もちゃんとあって,交通ルールに従って一般車が走る中,パトカーや救急車,消防車が駆け抜けていたりなど,ゲームのライブ感は非常に高い。
 ただ,今回のCBTでは無理に交通ルールを守る必要はなく,パトカーの目の前で信号無視をしても,追いかけてくることはなかった。例えば一般車に繰り返し接触したり,パトカーにぶつけると血眼になって追いかけてくるので,製品版では,もうちょっとパトカーの態度を厳しめにすると,さらに現実味があって面白くなりそうだ。

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ストーリーに沿って展開する,数々のミッション


 ゲームは自分を含めて最大8人のプレイヤーが自動的にマッチングされる仕組みになっているが,実際にプレイしてみたところ,CBTということで参加人数が少ないせいもあるのか,都市部では普通にマッチングされるが,郊外や砂漠などではうまくされないという印象だった。ただし,一度マッチングされれば,どこを走っていても継続され,マップにいる仲間の位置が常に表示される。テストではインスタントレースなどはできなかったものの,仲間と一緒にドライブを楽しむことなどができた。

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 本作はポンと広大なマップに放り出され,適当にレースをこなしていくのではなく,ストーリーに沿って展開する数々のミッションに挑むというスタイルになっていた。
 主人公の名前はアレックスで,兄と共にトラブルに巻き込まれ,連邦捜査官に兄を殺されてしまう。アレックスは逮捕され,刑務所に送られたが,5年後,兄を殺した男を追っている女性が面会に現れ,真犯人を捕まえるために協力してほしいと告げられる……といった感じの割とシリアスなストーリーが用意されており,なにやら裏のある事件の真相を巡ってミッションに挑んでいくことになる。

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 もっとも,ストーリーミッションを始めるには,マップ上にある開始ポイントまで車で行く必要があるため,どのタイミングで挑戦するかは完全にプレイヤーの自由になる。お兄さん? 誰それ? という感じでミッションを無視したまま仲間とドライブしていても構わない。
 そんなミッションの内容は,順位を競うシンプルなレースのほか,制限時間内にゴール地点まで走ったり,ターゲットに体当たりして停車させたり,追っ手から逃げ切ったりなどさまざまで,自分の車ではなく指定された車を使う場合が多い。指定された車は,高性能スポーツカーからオフロード仕様のポルシェなど,種類は多彩だった。

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 ミッションには,一人で行う「SOLO」(ソロプレイ)のほか,マッチングされたプレイヤーと対戦する「QUICK COOP」(クイッククープ)が用意されていた。「QUICK COOP」は,何度か対戦者を募ったものの,誰にもゲームに参加してくれず,結局,数回しかプレイできなかった。とはいえ,やはり人間相手のレースや追いかけっこのほうが確実に盛り上がるという印象が強い。

 ミッションの結果によって,金,銀,銅のメダルのほか,車を強化できるカスタマイズパーツが入手可能だ。一度挑戦したミッションには何度でも再挑戦が可能なので,金メダル獲得を目指してがんばってほしい。

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 ミッションのほかに,ミニゲームである「Skill Charenge」(スキルチャレンジ)が用意されており,こちらもミッションと同様,結果によって金,銀,銅のメダルがもらえる。スキルチャレンジには,ルート上のゲートを破壊していく「Scramble Skill」や,ジグザグに配置されたゲートを抜けていく「Slalom Skill」などがある。

 マップのあちこちにあるスキルチャレンジに挑戦するには,開始地点を示すマーカーを走り抜けることで,シームレスに移行できるが,マーカーが道のど真ん中にあるため,目的地に向けて飛ばしている最中にうっかり触れ,やろうと思っていなかったスキルチャレンジが始まってしまうことが少なからずあった。マーカーを避けようとして事故を起こしたり,コースアウトしたりしたこともあったので,できれば,やるかどうかの確認を取ってほしかったところだ。

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愛車をカスタマイズして,ミッションに挑め


 ミッションとスキルチャレンジではメダルやカスタマイズパーツのほかに経験値も得られ,レベルアップすることで,移動できるエリアが広がっていく感じだ。
 得られた賞金を使ってディーラーで新たな車を購入したり,カスタマイズパーツを入手することも可能だが,このあたりは,ほかのレースゲームなどにもよくあるシステムなので,分かりやすいはず。

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 まずは愛車を買いたいが,最初に選べるのはCHEVROLET CAMARO SS 2010,2013 NISSAN 370Z,FORD MUSTANG GT 20112012 DODGE CHALLENGER SRT-8の4種類で,それぞれ挙動特性など違いがあるため,じっくり試乗してから購入したい。日本車ということもあって,筆者は2013 NISSAN 370Zを購入した。

 ゲームパッド(Xbox 360 Controller for Windows)でプレイしたところ,2013 NISSAN 370Zは,ステアリング操作に対して若干反応が遅い気がしたものの操作性は上々。挙動はリアル寄りではなく,アーケード寄りという感じだった。
 ちなみにプレイ視点は上方が2つで,そのほかバンパー,ボンネット,コクピットビューが用意されている。リアリティを求めるなら,コクピットビューがオススメ。

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 エアロパーツなど一部のパーツが使えたので,適当にチョイスしてカスタマイズしてみたが,残念ながら,車高を落としたり,挙動特性を変更したりするといったセッティングは今回,できなかった。6月14日に掲載されたE3 2014レポートでは,高級スポーツカーをオフロード仕様にするといったカスタマイズが紹介されていたので,ちょっと期待していたが,これは製品版のお楽しみとしてとっておこう(筆者が,そういうことができるレベルに到達していなかった可能性もある)。

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 CBTをやってみた印象としてはまず,多彩で広大なアメリカを自由に走れることそのものがとても面白く,いろいろなところを,キービジュアルにも登場していた「ラ フェラーリ」で思い切りかっ飛ばしたくてしょうがないという気持ちにさせられた。
 ストーリーが用意されていたのも軽い驚きで,連載を担当するほど「テストドライブ アンリミテッド」をやり込んだ筆者だけに,似たコンセプトの本作にも非常に期待している。個人的には大人数で長時間競い合う「アメリカ横断キャノンボールレース」をやれたらいいなと思うので,ぜひ実装してほしい。
 ……という妄想はともかく,多くの仲間とアメリカを走り回れるのは魅力的で,早くいろいろな人達とプレイしたい気持ちが高まっている。発売に向けて新情報も次々に出てくるはずなので,続報に期待したい。

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