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[gamescom]「グランツーリスモ6」のプレゼンテーションをレポート。「Vision Gran Turismo」やオンラインモードの詳細などが明らかに
8月21日に掲載した記事でもお伝えしたように,本作では,第1作「グランツーリスモ」発売15周年を記念したコラボレーションプロジェクト「Vision Gran Turismo」の存在が明らかにされた。簡単に説明すると,自動車メーカーをはじめとする世界的企業のデザイン部門に,グランツーリスモ6に登場しそうな2ドア,2シーターのスポーツカーを考えてもらうというプロジェクトだ。
アルファロメオは,「6C」という車を企画中。これはアルファロメオの「4C」と「8C」の中間にあたる,ミドルサイズのスポーツカーだろうという。アウディは,外観だけでなく,メカニズム面でも革新的なものを用意しているとのこと。シミュレーション性の高い「グランツーリスモ6」は,そうしたアイデアを試す良いプラットフォームになるということだ。
BMWが企画しているのは,おそらくMシリーズの一つで,山内氏が見たデザインは,非常に完成度の高いものだったという。自動車メーカー所属のデザインスタジオとしては世界初の存在であるGMデザインは,今回のプロジェクトのために社内コンペまで行っているそうだ。
ホンダとは現在,新型NSXとのコラボ企画も進行中だがが,「Vision Gran Turismo」には,それとは違った,特別なものが出てくるようだ。インフィニティは,日産とは別ブランドとして参加するとのこと。
スポーツウェアのジョーダンはナイキのブランドだが,こちらもナイキとは別として参加するそうで,エアジョーダンのデザイナーであるティンカー・ハットフィールド氏がデザインするという。そのナイキは,2004年リリースの「グランツーリスモ4」に収録された「ナイキ One」に続く,「ナイキ Two」を制作中だ。
メルセデス・ベンツは,北米やヨーロッパ,日本,中国などにデザインスタジオを持っているが,そのすべてが参加した社内コンペを実施するとのこと。
クライスラーはスポーティなSRT系,フォルクスワーゲンは,ゴルフGTIの未来バージョンといった感じのデザインだという。山内氏はフォルクスワーゲンで多数のスケッチを見たそうで,「どれもすばらしい完成度だった」と述べた。
これらの車は,ソフトの発売日である12月6日以降,約1年をかけて順に配信されるとのことだ。さらに,この中には,実際に制作されるものも含まれているという。運転できるものなのか,あるいは実寸モデルなのかは分からなかったが,いずれにせよ驚くような話だ。
続いて山内氏は,gamescom 2013のタイミングで公開された,ゲームに登場する7車種を紹介した。山内氏によれば,「Abarth 1500ビポスト ベルトーネ B.A.T 1 コンセプト '52」は,非常に珍しいクラシックカー。また「BMW 507 '57」と「BMW Z8 '01」は親子の関係にある2台だそうで,BMWの歴史の中で最もエレガントな存在であるという。そして,「Cizeta V16T '94」はV型16気筒のスーパーカー。さらには「Fisker カルマ エコスポーツ '12」「Ford フォーカス ST '13」「Pagani ウアイラ '11」というラインナップで,いずれも魅力的な車ばかりだ。
さらに山内氏は登場するコースについて説明を行った。最初に紹介されたのはイギリスのグッドウッドで,ここは限られた人しか走ることのできない名門サーキットであるとのこと。「グランツーリスモ6」のプレイヤーは,サーキットの所有者で「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」の主催者でもあるマーチ伯爵から招待状を受け取り,ヒルクライムレースに参加することになるという。
また,同じイギリスのブランズ・ハッチはアップダウンのきついクラシカルなコースで,走って楽しいコースとのことだ。
さらに,「グランツーリスモ4」に収録されていたものの「グランツーリスモ5」では出てこなかったファンタジーコースの一部が「グランツーリスモ6」でよみがえることが明らかにされ,アプリコットヒル・レースウェイの昼と夜の姿が紹介された。
続いては,オンラインモードについて。山内氏は,これまでのシリーズ作品を通じて,さまざまなオンラインフィーチャーを試してきたと語り,その甲斐あってか,現在「グランツーリスモ」シリーズは,PlayStation 3の中では最もオンラインでの活動が活発なタイトルの1つになったとアピールした。
「グランツーリスモ5」では,現在約125万人のプレイヤーがオンラインモードを楽しんでおり,そこから膨大なフィードバックをもらっているという。そうした,これまでの運営で培ったノウハウを反映させたのが,「グランツーリスモ6」のオンラインモードというわけだ。山内氏は「フィードバックによって作られたという意味では,本作のオンラインモードはプレイヤーが作ったものだといえるかもしれない」と述べて,オンライン要素の紹介に移った。
最初に紹介されたのは,「レースオーガナイザー」で,これによりプレイヤーがさまざまなレースを構成できるという。
「グランツーリスモ5」では,プレイヤーが主催したオンラインチャンピオンシップの模様が多数YouTubeなどにアップされている。しかし,さまざまな規則を決めて参加者を募集し……といったレースの運営には誰しも苦労している様子とのこと。
その苦労を,システムレベルで少しでも軽減できないかと導入されたのがこのフィーチャーであるとのことだ。
マルチプレイの基本は,前作同様,最大16人のプレイヤーが参加できるというものだが,ロビーのデザインが変更されるなど,いくつもの変更が行われているという。こういった新要素や変更によって,オンラインはさらに盛り上がりそうだ。
以上でプレス向けのプレゼンテーションは終了した。山内氏は最後にメディアの質問に対して,最初の「グランツーリスモ」をリリースしたとき,15年後にこんなことになっているとは想像もしておらず,今起きていることが夢のようだと語っていた。
ただ,この15年間で山内氏も,開発チームも,そして世の中も大きく変わったが,一番カッコいいものを世の中に送り出していきたいという思いだけは,現在も変わっていないとのこと。まだ明かせない情報もいろいろあるようなので,今後の続報を楽しみにしたい。
「グランツーリスモ6」公式サイト
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