インタビュー
ハンゲームの新作「バビロン」はスタイリッシュな世界観を持つカードバトルRPG。その魅力とこだわりについて4名のキーパーソンに聞いた
このタイトルは,スマートフォンなどで人気のカードバトルを採用したお手軽なオンラインRPGだ。最大の特徴は,ハンゲームで好評を博しているブラウザゲーム「Toy PLANET」と同様に,ユーザー各自が持つハンゲームアバターがそのままプレイヤーキャラとなって,コスチュームに応じた追加パラメータを得られる点である。
本稿では,「バビロン」の運営開発に携わる4名のキーマンのコメントを交えながら,同タイトルがどんなゲームなのか紹介していこう。
「バビロン」公式サイト
「Toy PLANET」のサービスで蓄積した運営開発ノウハウを投入
したがって「バビロン」もまた,複雑な操作を要求されない“簡単”“お手軽”な内容になっているのだが,異世界化した現代の東京を舞台にストーリーが展開したり,塚本陽子さんや碧風羽さんなどの人気イラストレーターを起用した美麗なカードイラストを前面に打ち出していたりと,印象は「Toy PLANET」とはまったく異なる。また音楽や色調バトルのエフェクトにも非常にこだわっており,全体的にスタイリッシュな世界観を演出しする仕上がりとなっている。それらの凝った要素が,ゲーム難度の上昇に結びついていない点は,ハンゲームタイトルとしての大きなセールスポイントと言えるだろう。
そして「Toy PLANET」と最も異なる部分は,プレイヤー間のチャット機能が導入されたことである。これは,ハンゲームというポータルのユーザーが持つ特性に合わせた施策と,植松氏は説明する。
ゲームの操作は,モバイルカードバトルゲームの1ボタンシステムとほぼ同様で,ときに簡単な選択を挟むこともあるが,基本的にはマウスクリックだけで進行。プレイヤーは5枚一組のカードデッキを構築して(サポートカードを5枚設定することも可能),用意されたクエストを選択し,探索と敵とのバトルを繰り返しながら,カードやアイテム「ディスク」を収集していく。ディスクは6パーツ一組となっており,全部揃えると1枚のカードとして使用できるようになる。
もちろん追加カードは,無料/有料のガチャでも入手可能だ。また同種類のカードが揃ったら合成できたり,カード固有のスキルをほかのカードに継承できたりといった部分も,一般的なカードバトルゲームでお馴染みのシステムといえる。
植松氏によれば,ハンゲームユーザーには,ほかのプレイヤーとコミュニケーションを取りたがる一方で,ゲームプレイは一人で進めたがるという,ある意味で相反した傾向があるという。
そこで「バビロン」では,よりシングルプレイRPGを意識した内容を目指し,手動モードが用意されている。このモードでは,バトルに登場する複数の敵から攻撃対象を選択したり,特定のスキルを持ったカードを選択したりというような,簡易コマンドバトルも楽しめるのだ。
「バビロン」が「Toy PLANET」と大きく異なる点は,各クエストの最終エリアに到達するために必要なカードのパーツを,対プレイヤー戦(PvP)で入手しなければならないという部分である。PvPは,お互いのカード5枚の勝ち抜き戦となっており,各カードのスキルは当然ながら場に出した順に発動する。したがって,先頭のカードで相手にデバフを掛けておけば,以降の展開が有利になる,といったような戦略/戦術を使う余地も生ずる。
またクエスト遂行中に発生するレイドボス戦にも,複数の敵が登場する。当然,レイドボスはプレイヤーひとりでは倒せないので,ギルドのメンバーに救援を依頼することとなるが,「バビロン」では,チャットを使って誰がどの敵を攻撃するか,あるいはどの敵を集中攻撃するかといった作戦を共有することができるのである。
むろん,リアルの友人/知人やゲーム内で親しくなったプレイヤーと遊びたいというケースも生じるだろうが,その場合はギルドメンバーを4名まで固定する「ガチメン」機能を利用できる。
「ハンゲームのお客様は,ゲームに詳しい方も少なくないですから,一般的なソーシャルゲームのような内容だけではどうしても物足りなくなってしまいがちです。とは言え,本格的なオンラインゲームを求めているかというと,それもまた違います。そこで『Toy PLANET』では,運営開発を続ける中で,どの程度のバランスでオンラインゲームに近い要素を盛り込めばいいのか,試行錯誤しました。『バビロン』には,その成果を可能な限り投入しています」(植松氏)
「バビロン」独自アバターは「マセキ」でパラメータをカスタマイズできる
この「バビロン」モチーフのアバターが持つ最大の特徴は,さまざまなパラメータを持つ「マセキ」をはめ込むためのスロットが空いていることだ。つまり,プレイヤーはマセキを組み合わせることで,アバターに好みのパラメータを付与できるのである。
この仕様は,「Toy PLANET」の反省から生まれたと池田氏は語る。「Toy PLANET」では,アバターすべてに固有のパラメータが付与されていたために,コーディネートと性能を両立させにくいという意見がプレイヤーから寄せられていたのだ。
なお,これら「バビロン」モチーフのアバターは,通常のアバターと同じくハンゲームショップで提供されるので,ゲームプレイと関係なく,純粋にファッションとして楽しむこともできる。
またマセキは,ガチャのほか,ゲーム内のレイドボス討伐や各種ランキングの報酬などとして提供される予定だ。
ここまで紹介してきたように,「バビロン」のシステムは「Toy PLANET」のサービスを通じて得られたフィードバックを元に企画開発されている。そしてそれは,ゲームプレイからは直接見えない,データベースや通信部分などの部分も同じだと上江洌氏は語る。
「『Toy PLANET』では,データベースのパーツをかなり細かく作ったのですが,それだとユーザーインタフェースに大きな負担がかかってしまいます。『バビロン』は,さらに豪華な仕様ですから,データベースをなるべくシンプルに設計し,お客様が気持ちよくプレイできることを目指しました」(ベルリネッタ 上江洌邦子氏)
また「バビロン」のカードは,バトルで使用する決めゼリフが設定されているのだが,そのうち3枚のスペシャルカードや罠アイテムには,豪華声優陣が演じたボイスが再生される。サービスイン時には,このボイス付きカードをプレゼントするキャンペーンも行われる予定なので,後日のアナウンスを待ってほしい。また好評であれば,ほかのカードにボイスを付けることも検討するそうだ。
最後に,「バビロン」を手がける3社を代表して,お話を聞いた4名からいただいたメッセージを掲載して記事の締めとしよう。
「オープンβテストに向けて万全の体制で臨むのはもちろんですが,それから先もゲームはどんどんブラッシュアップしていきます。多くの皆さんが楽しんでいただけるゲームにしていきますので,よろしくお願いします」(石原氏)
「『Toy PLANET』で培ったスキルを,ふんだんに投入しました。いい仕上がりになったと思いますので,たくさん遊んでいただきたいです」(上江洌氏)
「コミュニティとゲーム性が最も大事ですから,徹底的にこだわりました。チャット機能もありますので,できるだけ多くの皆さんとコミュニケーションを取りながら遊んでいただきたいです。もちろん,足りない部分はサービスを継続する中でどんどん磨いていきますので,「バビロン」をよろしくお願いします」(植松氏)
「バビロン」公式サイト
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