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「クロストライブ」はプレイヤーとクリエイターが作り上げるPBW型RPG。小説版との連係も明らかになった制作発表会レポート
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印刷2013/04/19 20:59

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「クロストライブ」はプレイヤーとクリエイターが作り上げるPBW型RPG。小説版との連係も明らかになった制作発表会レポート

 デジタルハーツは2013年4月19日,ハイファイネットと共同開発を行っている“プレイバイウェブ型RPG”「クロストライブ」の制作発表会を開催した。

 クロストライブは,郵便やインターネットなどを用いて遊ぶ多人数参加型ゲーム「プレイバイメール(PBM)」から派生した「プレイバイウェブ(PBW)」形式のRPGで,iOS端末(OS 5.0以降)やAndroid端末(OS 4.0以降)のほか,各種ブラウザに対応予定となっている。
 プレイヤーは,現代の東京で覚醒した「魔術師」の1人となり,謎めいた噂話から始まる不思議な事件を経験することになる。ほかのプレイヤーと仲間になったり,敵と戦って経験値/アイテムを手に入れたりしつつ,事件の真相に迫っていくのだ。

「クロストライブ」公式サイト


画像集#011のサムネイル/「クロストライブ」はプレイヤーとクリエイターが作り上げるPBW型RPG。小説版との連係も明らかになった制作発表会レポート

「クロストライブ」は,プレイヤーとクリエイターが共に作り上げるゲームになるという。デジタルハーツが基本的な舞台設定とシステムを提供し,プレイヤーと「デジタルハーツクリエイターズネットワーク」に登録したクリエイターが相互作用することで,物語が展開されていく
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デジタルハーツ取締役の川口兼一郎氏
 「PBWといわれてもピンとこない」という人も少なくないだろうが,多数のプレイヤーが同じ世界観の中で,状況に応じた行動をゲームマスター(主催者)に伝え,参加者達の行動内容に応じた形でシナリオが進行していく多人数参加型ゲーム……といえば想像がつくだろうか。PBMでは電子メールや郵便によって行動を伝えるのだが,そういった行動をブラウザ上で完結させているのが,PBWというわけだ。
 コンピュータRPGの多くは,選択肢の差こそあれ,基本的には用意されたシナリオどおりにストーリーが進んでいく。一方,PBW型RPGのクロストライブでは,プレイヤー達が決めた行動をもとに,シナリオライターがその結果を書き起こす。つまり,プレイヤー達の行動次第で,ストーリー展開がさまざまに変化し,自分たちが登場する物語を,アドベンチャーゲーム感覚で楽しめるというゲームなのだ。
 なお,本作は基本プレイ無料のタイトルだが,別途料金を支払うことで,自分のキャラクターをイラストレーターに描き下ろしてもらったり,ボイスを購入したり,有料シナリオを楽しんだりもできるという。

画像集#007のサムネイル/「クロストライブ」はプレイヤーとクリエイターが作り上げるPBW型RPG。小説版との連係も明らかになった制作発表会レポート
ハイファイネット代表取締役社長の三並慶佐氏(左)と,チーム月島代表の月島総記氏(右)
 プレイヤーとしてゲームに参加するだけでなく,クリエイターとして参加できるというのもクロストライブの魅力の一つ。デジタルハーツが運営する「デジタルハーツクリエイターズネットワーク」に登録することで,イラストレーターやシナリオライターとして,クロストライブの制作に参加し,クリエイティブの対価を得ることもできるのだ。

 なお本日(4月19日)から,PCブラウザ版のオープンβテストがスタートしている。今後はiOS版,Android版のリリースも予定されている。将来的には,スマートフォンを利用して外出中にストーリーパートを読み進めたり,ほかのキャラとパーティを組んで敵と戦ったりできそうだ。

 制作発表会では,最初にデジタルハーツ取締役の川口兼一郎氏が登壇。「デジタルハーツは発表前のゲームをお預かりしてテストすることが仕事です。テスターの中には“クリエイターになりたいが,仕事として収入を得るのは難しい”という悩みを持つ方も多くおられました。弊社はメーカーさんから“クリエイターを紹介してほしい”というお声を頂くことも多いのですが,クリエイター集団であるハイファイネットさんと意見を交換しつつ,ゲーム制作に参加しながらクリエイティブな仕事のできる場を作りたいと,クロストライブを企画しました」と,本作の生まれた経緯を説明した。


 続いて登壇したのは,クロストライブの世界観設定や原作小説を担当する,チーム月島代表の月島総記氏
 月島氏は「クロストライブを通じて,プレイヤーとクリエイターが共にゲームを作り上げる楽しさを感じていただきたいです。クロストライブは小説での展開も予定されています。ゲームの物語はプレイヤーさんの行動で変化していくのですが,ゲームと小説が互いに影響を与えつつ進化するという,ほかに類を見ない試みですので,そういったところも楽しんでいただきたいです」と今後の展望を語った。

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「クロストライブ」のプロデューサーである,ハイファイネットの雑賀 寛氏
 最後に登壇したのは,クロストライブのプロデューサーを務めるハイファイネットの雑賀 寛氏。「私はこれまでにもPBWを手がけてきましたが,これまでやれなかったことが“クリエイターの支援”です。現在,デジタルハーツクリエイターズネットワークでは,シナリオライターとイラストレーターを募集していますが,将来的には声優やCGクリエイターも募集したいと考えています。
 クリエイターが登録するマッチングサイトは多くありますが,デジタルハーツクリエイターズネットワークでは,クロストライブに参加することを通じてキャリアを積む機会を提供させていただきます。クリエイターの支援を通じ,ゲーム業界全体の発展に寄与したいです」と,今回のプロジェクトの意義をあらためてアピールした。

 クロストライブには,プレイヤーが作るキャラクターのほかに,運営サイドによって用意されたキャラクターも存在する。そういったNPCは,魔術師として覚醒したプレイヤーを導いていく存在になるようだ。

 なお会場には,そういったNPCの声を担当する声優も駆けつけ,担当キャラクターに対する思い入れを語ってくれた。

「鷹野春道」役の代永 翼さん:
 「鷹野春道は,最初にプレイヤーキャラクターが出会う人物で,困っている人を放っておけない前向きな性格です。天真爛漫なところもあり,面白く演じられました」

「竜崎 圭」役の市来光弘さん:
 「圭はプレイヤーたちのたまり場となるゲームセンターに勤めています。いわゆる“ドチンピラ”で口が悪いんですが,心を許した人には優しい,情の深い男です。格闘ゲームが好きなのは自分とリンクしていますね」

「支倉響香」役の鳴海杏子さん:
 「とても有能なお姉さんで,バナナのたたき売りから爆弾の解体までなんでもできてしまいます。ゲームのアフレコは初めてだったんですが,とても楽しく演じることができました」

 最後に三並氏は,「ぜひ,クロストライブを楽しんでいただきたいです。クリエイターさんにおかれましては,ユーザーさんのご意見を取り入れつつ創作する機会として,そして力試しや発表の場として,クロストライブを活用してほしいと思います」とコメントし,制作発表会を締めくくった。

 PBW形式のゲームにプレイヤーとして参加できるだけでなく,腕に自信があればクリエイターとしても参加できるクロストライブ。ゲームジャンルとしては決して新しいものではないが,iOS/Android端末への対応やクリエイターの発掘,小説版との連動など,興味深い試みが多数盛り込まれている。今後の展開にも引き続き注目したいところだ。

左からハイファイネット代表取締役社長の三並慶佐氏,「竜崎 圭」役の市来光弘さん,チーム月島代表の月島総記氏,「鷹野春道」役の代永 翼さん,「支倉響香」役の鳴海杏子さん
画像集#009のサムネイル/「クロストライブ」はプレイヤーとクリエイターが作り上げるPBW型RPG。小説版との連係も明らかになった制作発表会レポート

■クロストライブ」関連スケジュール
・ゲーム版
 4月19日:PCブラウザ版,オープンβテスト開始
 4月26日:PCブラウザ版,正式サービス開始予定
 ※iOS版,Android版は今後リリース予定。PCブラウザ版と同じキャラクターでゲームを楽しめる

・小説版
 5月:大手ソーシャルネットワークサイトで一章ずつ限定公開
 6月:第一巻発売予定(講談社BOX文庫)
 今夏:第二巻発売予定


「クロストライブ」公式サイト

  • 関連タイトル:

    クロストライブ

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