インタビュー
[gamescom]10対10による壮大なバトルが楽しめる「Total War: Arena」の開発者にインタビュー
gamescom 2015の会場でこの「Total War: Arena」を実際にプレイしてみたところの感触も,MOBAというよりは,手軽に参戦できる「World of Tanks」のようなゲームのノリに近い。時間をかければ,自分のユニットを成長させていくことも可能なようで,ユニットを収集するという楽しみも生まれてくると思われる。
今回,Creative Assemblyのライブ・オペレーション・マネージャーであるJan van der Crabben(ジャン・ヴァン・デル・クラッベン)氏と,ゲームデザイナーのLeif Burrows(レイフ・ブロウズ)氏に,「Total War: Arena」の現状などを聞いてきたので,その模様をお届けしよう。
4Gamer:
「Total War: Arena」は,制作が発表されてから2年ほどになりますね。開発チームの規模はどれくらいなのですか。
Jan van der Crabben氏(以下,van der Crabben氏):
少ないと思われるでしょうが,メンバーは20人ほどなのです。もちろん,「Total War: Rome II」のゲームエンジンを利用することで,テクニカルな面での開発負担は大きく軽減されていますし,今後はβテストからライブへの拡充に合わせて,その数は大幅に増やしていくことになるでしょう。
4Gamer:
「Total War: Arena」は,10対10によるマルチプレイが楽しめますが,この人数になった理由を教えてください。
van der Crabben氏:
「Total War」という世界観に最適なユニットやプレイヤーの数については,かなり早い段階からテストしていて,最終的に10対10に落ち着きました。ほかのチームメンバー9人の行動を確認しながら,壮大なバトルを体験できる数だと考えています。
Leif Burrows氏(以下,Burrows氏):
参加人数が少な過ぎると,Total Warというゲームにおいては,誰か1人のミスがチーム全体に影響を及ぼすようなことになりかねません。10人でプレイするということは,そうしたネガティブな効果を軽減しつつ,熟練のプレイヤーとゲームを始めたばかりのプレイヤーが共存しながらバトルを楽しめる人数になっているんじゃないでしょうか。
4Gamer:
ちょっと気がかりなことがあるんですが,マッチメイキングで10人のチームが組まれてみたら,全ユニットが騎兵とかいうことにはなりませんよね。
Burrows氏:
マッチメイキングでは,ユニットタイプのバラエティだけでなく,最大10ティアまでアップグレードしていく各ユニットのレベルなども総合的に考慮して,公平にチームを編成するようになっています。
4Gamer:
安心しました。例えていうなら,MOBAタイトルよりも「World of Tanks」のようなシステムに近いのでしょうか。
Burrows氏:
まあコンセプトとしては近いものがあるかもしれませんが,マッチメイキングシステムは我々独自のものであることは強調しておきたいです。
4Gamer:
なるほど。まだアーリーアクセス版なのは承知しているのですけど,今のところプレイヤブルとして発表されている文明は,ギリシャとローマ,バーバリアンですね。バーバリアンというのは具体的にどのような勢力になるのでしょう?
van der Crabben氏:
ローマ時代のドイツ地域にいたグループの総称と考えていただければと。
4Gamer:
なるほど。今のところ「Total War: Rome」の世界観を踏襲しているようですが,例えば,ナポレオンの大砲部隊と,中世日本のサムライが対峙するといった,シリーズの遺産を活かしつつ,時代を超越するようなシーンは登場しないのでしょうか?
Burrows氏:
今のところ,歩兵,弓兵,騎馬兵という3つの基本ユニットタイプが,三つ巴のシステムで上手くまとまっており,ここに砲兵が絡んでくるべきなのかどうかは,実はまだ我々もじっくり考えている部分なのです。もちろん,お話しされた異なる時代の勢力の登場は,多くのファンが望んでいるところですから,こちらとしても実現したいとは思っています。
4Gamer:
ぜひお願いしたいですね。
Burrows氏:
ですが,現時点ではまだ,最終的にどれくらいの勢力数を予定しているのかといったことはお話しできません。息の長いオンラインゲームになることを想定していますし,時間をかけて作り込んでいく必要があるでしょう。
4Gamer:
実際,クローズドβテストが始まってから相当な時間をかけてらっしゃる印象です。
van der Crabben氏:
ええ。クローズドβが始まったのは2014年11月ですから,ゆっくりとゲームを練り込んでいるのは間違いないですね。これまでのシリーズにはないくらい,ファンの声に耳を傾けて,それをゲームプレイに反映しています。2015年の末ごろまでには,より多くのプレイヤーに参加してもらえるようになります。オープンβテストについての計画はまだ発表できませんが……。
4Gamer:
「Total War: Arena」は,Creative Assembly初のFree-to-Playゲームになりますが,実際にどの部分がマイクロトランザクションになるのでしょう?
Van der Crabben:
ユニットの経験値が早く稼げるようになるといったオプションを想定しています。もちろん,時間をかければどんなユニットタイプにも手が届きますし,Pay-to-Winにならないということは保証します。機会があれば,歴史好きの多そうな日本の皆さんにも参戦してほしいですね。
「Total War: Arena」公式サイト
- 関連タイトル:
Total War: ARENA
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