総勢27人の武将が夢の競演を繰り広げた「舞台『戦国BASARA』武将祭2013」が開催。最新作「戦国BASARA4」や次回公演の情報も発表に

　カプコンの人気戦国アクション「戦国BASARA」シリーズの舞台公演，「舞台『戦国BASARA』武将祭2013」が，2013年7月13・14日に東京・有明コロシアムで開催された。今回の公演は，2009年より開催されている同シリーズの舞台に出演したキャスト総勢27人（7月14日公演は28人）が一堂に会し，「武将祭」のタイトルにふさわしい盛りだくさんの内容となった。本稿では，初日（7月13日）昼の部の模様をレポートしよう。

有明コロシアムに「戦国BASARA」ファンが集結。7月13・14日の2日間で3公演を行った

物販ブースは，今回の公演限定グッズが販売されていたこともあって大盛況だった

　オープニングアクトでは，全キャストが次々に舞台に現れ，ゲームさながらの殺陣やアクションを熱演。大友宗麟や今川義元の登場時は一転，ミュージカル風になる演出もあり，「戦国BASARA」シリーズの魅力を凝縮した圧巻のステージを約40分にわたって繰り広げた。

■7月13日公演　出演キャスト
久保田悠来（伊達政宗）
細貝 圭（真田幸村）
吉田友一（片倉小十郎）
村田洋二郎（猿飛佐助）
中村誠治郎（石田三成）
広瀬友祐（徳川家康）
高橋 光（風魔小太郎）
小谷嘉一（毛利元就）
新田健太（大谷吉継）
小田井涼平（豊臣秀吉）
崎本大海（竹中半兵衛）
白川裕二郎（黒田官兵衛）
今井靖彦（最上義光）
浅倉祐太（大友宗麟）
加藤靖久（立花宗茂）
真佐夫（前田利家）
別府あゆみ（まつ）
八代みなせ（雑賀孫市）
川村ゆきえ（鶴姫）
知念沙也樺（かすが)
AKIRA（上杉謙信）
中村憲刀（武田信玄）
塚本拓弥（今川義元）
桜田航成（浅井長政）
谷口賢志（天海／明智光秀）
玉置成実（お市）
窪寺 昭（織田信長）
<登場順・敬称略・カッコ内は役名>

小林裕幸プロデューサー（左）と西田大輔氏（右）。演出家の西田氏は，舞台「戦国BASARA」シリーズの全公演を手掛ける

　オープニングアクトの終了後，「戦国BASARA」シリーズのプロデューサー 小林裕幸氏と，舞台「戦国BASARA」シリーズの構成・演出・振付を担当する西田大輔氏がステージに登場。西田氏は「舞台ならではの最高に格好良くて，最高にくだらないところを楽しんでください」と大勢の観客に向かって挨拶した。



　次のコーナーは「大宴会」。これは舞台「戦国BASARA」シリーズではおなじみとなっている“宴会芸”を武将たちが披露するというもの。今回は，伊達軍・武田軍・豊臣軍・織田軍の4勢力が参戦し，徳川家康と鶴姫が司会進行を担当した。

「奥州ヒッパリィ〜♪」でスタートしたメドレー歌唱。伊達軍の名物宴会男「老兵」が，これまでの舞台で披露した宴会曲を歌いまくった。このときばかりは，伊達正宗と片倉小十郎も老兵の引き立て役に
真田幸村の選手宣誓で始まった武田軍の「真田リンピック」。「お館引き」「お館っきゅう」「走りお館跳び」などで盛り上がる武田軍全員を，最後は雑賀孫市がロケットランチャーで吹っ飛ばすというオチに
豊臣秀吉の「我が見るはこの国の未来っ！」にかけたダジャレをカオスに展開した豊臣軍。「もしも秀吉様が車掌さんだったら!?」と石田三成が振ると，「次は〜，みなとみらいっ！」と秀吉。「ああ，そうだね」と竹中半兵衛が冷ややかに受け流すと会場は爆笑に包まれた

トリを務めたのは織田軍。「人間五十年〜」としつこく続ける織田信長を止めようと，明智光秀が奮闘する。信長に宴会芸を振られた光秀は，乱入してきた今川義元とテレビドラマ「101回目のプロポーズ」のモノマネを披露すると，信長から「すべらんなぁ」のお墨付きをもらった

宴会芸の判定は，観客の拍手に委ねられたが，最後は徳川家康が「絆！」と高らかに一声。勝敗なしの結果で，「大宴会」のコーナーを締めくくった

突然始まった，はぐれてしまった大友宗麟を捜す立花宗茂の独演。宗麟は有明で迷子になっていたらしい

　続いて，小林プロデューサーが再びステージに登場し，シリーズ最新作「戦国BASARA4」の最新PVが初公開に。おなじみの武将はもちろん，新登場の島 左近，柴田勝家，そして足利義輝の姿がスクリーンに映し出されると，会場は大歓声に包まれた。PVのラストには伊達正宗と片倉小十郎の会話シーンがあり，未発表だった片倉小十郎の登場を匂わせる内容となっていた。

PVは残念ながら撮影禁止だったが，公式サイトで後日公開される予定とのこと。このほかの最新情報は「こちら」の記事でお伝えしているのでチェックしてほしい

　さらに小林プロデューサーは，スペシャルゲストの声優 池田秀一さんをステージに招き入れた。「戦国BASARA4」で足利義輝を演じる池田さんは「久しぶりの時代劇，さらにゲームということで，演技に遊びを入れて楽しく演じることができました」と，今回の出演について感想を語っていた。

池田秀一さんは「戦国BASARA」シリーズ初出演。演じる足利義輝は，「戦国創世」を引き起こした敵武将の中心人物として登場する	新キャラクターの島 左近について，池田氏が「彼の髪型は美容院で作ってるのかな？　頻繁に通わないと崩れちゃうよね」とコメント。会場の爆笑を誘った
トークの合間には劇中の台詞を演じて，足利義輝がどんな雰囲気の武将なのかを会場のファンに伝えていた	足利義輝が扱う武器は「笏（しゃく）」。小林プロデューサーいわく，人生を賭けたギャンブルという意味を込めてルーレットのように，手元でグルグルと回転させているとのこと
笏を弓・刀・槍の3つの武器に変形して戦うため，相手にしたときは強敵となりそうだ	足利義輝が鎮座する宮殿の玉座。これもカジノのルーレットがモチーフになっている。壁が回転していて，プレイヤーが止めることができるようだ

「戦国BASARA4」に“あの老兵”の緊急参戦が決定。役どころはもちろん「伊達軍兵士の一人」で，かなりのレアキャラとなるらしい。

サプライズ発表を受けて登場した伊達軍老兵。ゲームデビューの報に暖かい拍手が贈られた

　続いて，「ひな壇BASARA」と題して，舞台に登場したキャストによるトークコーナーへ。「楽屋」「衣装」「こばP」といったテーマに沿って，役柄とは違うキャストの本音トークが繰り広げられた。

無口な風魔小太郎を演じる高橋 光さんは、マイクを付けるときにいつも淋しそうにしているそうだが、今日は「はい」と一言だけ返事をしたとのこと。このエピソードに会場から拍手があがった	鶴姫役の川村ゆきえさんは，お市役の玉置成実さんと一緒に，楽屋ではほかの武将の衣装を着て楽しんでいるとのこと。ほかの衣装はサイズが大きく，フィギュアみたいになってしまったが，大友宗麟の衣装だけはしっくり着られたそうだ。その理由は写真を見ればお分かりだろう
小林プロデューサーは，知念沙也樺さんが演じるかすがの衣装の胸元（ゲームでは深いスリットが入っている）について，ディレクターの山本 真氏と相談して網目模様を施したと明かした	大谷吉継役の新田健太さんは，ジャパンアクションエンタープライズ所属のアクション俳優でもある。今回の公演でアクションシーンを採用する案もあったそうで，「いつかあるかも？」と話す西田氏に対して，立ち上がって熱烈アピール

　ファンからのアンケートによって決定した「リクエスト殺陣」のコーナーでは，ランクインした中から4組の対決（殺陣）が披露された。なお，この組み合わせは公演によって異なる対決が用意されていたようだ。

ランキング6位の猿飛佐助 VS 片倉小十郎。どちらも名武将の片腕として知られる存在だが，主役となる戦いはゲームではあまり見られないシーン	ランキング7位は，女性人気の高い毛利元就 VS 竹中半兵衛。元就の輪刀と半兵衛の関節剣，変わった武器の使い手同士の戦いとなった
スペシャル枠のお市 VS 織田信長。まさかの兄妹対決に会場は騒然となった。一度は地に伏せた信長が，立ち上がってお市にトドメを刺した	山本ディレクターからのリクエストは，武田道場の火男仮面（武田信玄）＆天狐仮面（猿飛佐助） VS 若き虎（真田幸村）。なんと徳川家康も参戦し，最後は「お館様ぁ！」「幸村ぁ！」の展開に

　舞台「戦国BASARA」の次回公演に関する発表も行われた（関連記事）。詳細はすでにお伝えしている通りだが，「舞台『戦国BASARA3 宴弐』‐凶王誕生×深淵の宴‐」と題した2本立て公演となる。今年11月に東京・名古屋・大阪での公演が決定しており，今回は「戦国BASARA3 宴」に登場した松永軍の三好三人衆も登場する。その独特のアクションやセリフ回しが，舞台上でどう再現されるのか気になるところだ。

次回公演では石田三成，片倉小十郎，猿飛佐助の3人がキーマンとなるようだ。西田氏は「前回の『宴』で集大成を見せられたが，それを超える挑戦」と意気込みを語った

チケットは7月22日より先行予約がスタート。一般発売は9月22日からとなっている。詳細は舞台「戦国BASARA」の公式サイトをチェックしてほしい

　そして，舞台はキャスト全員がステージに勢揃いしてグランドフィナーレに突入。小林プロデューサーは「戦国BASARAシリーズは，皆さんのおかげでこれからもどんどん発展していきますので，引き続き応援よろしくお願いします」と挨拶して，2時間45分に及ぶ公演を締めくくった。
　なお，今回の公演の模様はDVD化されることが決定している（関連記事）。残念ながら見られなかった人は，ぜひDVDの発売を楽しみにしてほしい。

舞台「戦国BASARA」シリーズ公式サイト