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印刷2016/12/28 00:00

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【PR】Hearthstone連載 特別編:大型の拡張パック「仁義なきガジェッツァン」で台頭してきたデッキが猛威を奮い続けるワケ

デッキ構築について説明するという連載の性質上,ゲームの遊び方の説明は一切いたしません。すでに遊び方を理解している人が,対人で勝ち抜いていくためのデッキ作りのイロハを中心とした連載となりますので,ご了承ください。

 Blizzard Entertainmentは2016年12月2日,同社がサービスするオンライン対戦カードゲーム「Hearthstone: Heroes of Warcraft」PC / iOS / Android)に,最新拡張パック「仁義なきガジェッツァン」を実装した。

 拡張パックとしては4つめとなる「仁義なきガジェッツァン」は,132枚の新カードからなる久々の大型拡張パックで,それ以前まで“ミッドレンジシャーマン1強”といっても過言ではなかった環境は大きく変化し,ランクマッチで多様なデッキが使用されるようになった。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 【PR】Hearthstone連載 特別編:大型の拡張パック「仁義なきガジェッツァン」で台頭してきたデッキが猛威を奮い続けるワケ

 今回の拡張パックは「グライミー・グーンズ」「カバール」「翡翠蓮」という3つの勢力によるガジェッツァンの裏社会をテーマとしており,目玉はレジェンドカードとして登場した各勢力のリーダー達だ。
 とくにカバールのリーダーである「カザカス」は,現環境におけるTop Tierのデッキで核となっているカードとして猛威を奮っている。

 そこで本稿では,なぜ猛威を奮っているのか,そもそもどんなデッキなのか? という点にフォーカスして紹介していくので,現環境のランクマッチで勝ちたいというプレイヤーはぜひご一読を。

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超高速がトップメタ!? 海賊を中心とした新環境のデッキ


 現環境を語る上でまず挙げなければならないのは「海賊デッキ」の存在だろう。ガジェッツァンの実装により強力な海賊カードが追加された結果,さまざまな海賊デッキが台頭することになったのだ。

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 海賊デッキの核を担っているのは「海賊パッチーズ」だ。海賊カードを盤面に出すだけで,デッキの中からパッチーズが場に召喚されるという効果が非常に強力。
 1/1の突撃というスタッツが1マナのミニオン相応のスタッツなので,1コストの手札1枚で実質2マナ以上のリターンが得られる行動をしていることになる。
 1ターン目に1コストの海賊カードを出してパッチーズを召喚し,そこからガンガン攻めて一気に相手の体力を削り切るという超アグレッシブな戦術が,現環境の海賊デッキにおける勝利の方程式だ。

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 新カード「ちんけなバッカニーア」も海賊デッキにおける快進撃の立役者だ。バッカニーアは,武器を装備することで3/2という実質2コストのミニオン相応のスタッツになるので,パッチーズを絡めると実質2コストのミニオンと1コストのミニオンを1ターン目に召喚している状態となる。
 とくに武器が豊富なウォリアーやシャーマンのほか,ヒーローパワーで武器を装備できるローグとの相性が良く,それらのデッキにパッチーズとバッカニーアを採用するケースが非常に多く見られる。これら強力な海賊カードによって,現環境における海賊デッキはTier 1として扱われ,台風の目となっているのだ。

○海賊ウォリアー
カード名 枚数 タイプ コスト Atk HP
ン=ゾスの一等航海士 2 ミニオン 1 1 1
アップグレード! 2 呪文 1
烈火の戦斧 2 武器 2 3 2
ヒロイック・ストライク 2 呪文 2
ブラッドセイルの狂言者 2 ミニオン 3 3 4
泡を吹く狂戦士 2 ミニオン 3 2 4
コルクロンの精鋭 2 ミニオン 4 4 3
必殺の一撃 2 呪文 4
アルカナイト・リーパー 2 武器 5 5 2
海賊パッチーズ 1 ミニオン 1 1 1
サー・フィンレー・マルグルトン 1 ミニオン 1 1 3
ちんけなバッカニーア 2 ミニオン 1 1 2
南海の甲板員 2 ミニオン 1 2 1
酸性沼ウーズ 1 ミニオン 2 3 2
ブラッドセイルの略奪者 2 ミニオン 2 2 3
悪辣なる海賊 2 ミニオン 4 3 3
リロイ・ジェンキンス 1 ミニオン 5 6 2

 パッチーズとバッカニーアの追加により,海賊デッキの代表格に躍り出たヒーローがウォリアー(通称:海賊ウォリアー)だ。これらを組み込んだウォリアーのデッキは1ターン目から展開が早く,「ン=ゾスの一等航海士」やバッカニーアなどで初動を切り,2コストと3コストをスムーズに展開できれば,相手を対処しようがない状況に追い込んで勝ちをもぎ取ってしまうほどのパワーがある。

 海賊ウォリアーの超高速展開についてこられないデッキは,現環境で生き残れないのだ。

○海賊翡翠シャーマン
カード名 枚数 タイプ コスト Atk HP
トンネル・トログ 2 ミニオン 1 1 3
ライトニングボルト 2 ミニオン 1
精霊の爪 2 武器 1 1 3
トーテム・ゴーレム 2 ミニオン 2 3 4
メイルシュトロームのポータル 2 呪文 2
岩穿ちの武器 2 呪文 2
炎の舌のトーテム 2 ミニオン 2 0 3
翡翠の爪 2 武器 2 2 2
溶岩爆発 2 呪文 3
野獣の精霊 2 呪文 3
翡翠の稲妻 2 呪文 4
ドゥームハンマー 2 武器 5 2 8
サー・フィンレー・マルグルトン 1 ミニオン 1 1 3
ちんけなバッカニーア 2 ミニオン 1 1 2
南海の甲板員 2 ミニオン 1 2 1
海賊パッチーズ 1 ミニオン 1 1 1
ブラッドメイジ・サルノス 1 ミニオン 2 1 1

 最近では海賊デッキを採用したシャーマン(通称:海賊翡翠シャーマン)も台頭してきている。シャーマンは「岩穿ちの武器」の弱体化によって一時期は鳴りを潜めたアーキタイプだが,海賊と新ギミック「翡翠蓮」のカードを組み込むことで,再びトップメタに舞い戻ってきたデッキだ。

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 「精霊の爪」に加えて新カード「翡翠の爪」と海賊カードがシナジーを発揮しており,火力になる「翡翠の稲妻」という新しいカードも追加されたので,デッキパワーは大幅に増したのだ。海賊翡翠シャーマンも海賊ウォリアーと並ぶ高速展開を持ち味とするデッキで,それぞれが現環境を定義する存在感を示している。

◯ミラクルローグ
カード名 枚数 タイプ コスト Atk HP
死角からの一刺し 2 呪文 0
偽造コイン 1 呪文 0
段取り 2 呪文 0
冷血 2 呪文 1
怪盗紳士 2 ミニオン 1 1 1
腹裂き 2 呪文 2
昏倒 2 呪文 2
エドウィン・ヴァンクリーフ 1 ミニオン 3 2 2
ナイフの雨 2 呪文 3
SI:7諜報員 2 ミニオン 3 3 3
墓荒らし 2 ミニオン 4 5 4
ガジェッツァンの競売人 2 ミニオン 6 4 4
海賊パッチーズ 1 ミニオン 1 1 1
ちんけなバッカニーア 2 ミニオン 1 1 2
ブラッドメイジ・サルノス 1 ミニオン 2 1 1
ヴァイオレット・アイの講師 2 ミニオン 4 3 5
アジュア・ドレイク 2 ミニオン 5 4 4
リロイ・ジェンキンス 1 ミニオン 5 6 2

 海賊カードを採用することによって,デッキタイプは維持しつつもパワーを増した存在としてローグ(通称:ミラクルローグ)が挙げられる。元々は序盤の弱さを欠点としていたミラクルローグだが,1ターン目からバッカニーアまたは「怪盗紳士」を出してパッチーズを召喚するという手で,現環境では序盤の弱さを克服してしまっているのだ。
 とくにバッカニーアは,2ターン目からヒーローパワーを発動してそのスタッツを3/2にできるので,ミラクルローグが狙って序盤の盤面を取れるカードだ。
 さらにローグは「偽造コイン」という新カードも採用することで,最序盤から「エドウィン・ヴァンクリーフ」を召喚することが以前より容易になった。
 序盤,中盤,終盤のすべてで隙がなくなったミラクルローグもTier 1として十分なパワーを持っており,ランクマッチでも見かけやすいデッキの1つだ。

◯ドラゴンウォリアー
カード名 枚数 タイプ コスト Atk HP
ン=ゾスの一等航海士 2 ミニオン 1 1 1
アレクストラーザの勇者 2 ミニオン 2 2 3
止めの一撃 1 呪文 2
烈火の戦斧 2 武器 2 3 2
死憎悔いのグール 1 ミニオン 3 3 3
泡を吹く狂戦士 2 ミニオン 3 2 4
獰猛なサル 2 ミニオン 3 3 4
コルクロンの精鋭 2 ミニオン 4 4 3
サー・フィンレー・マルグルトン 1 ミニオン 1 1 3
ちんけなバッカニーア 2 ミニオン 1 1 2
海賊パッチーズ 1 ミニオン 1 1 1
フェアリードラゴン 2 ミニオン 2 3 2
トワイライトの守護者 2 ミニオン 4 2 6
アジュア・ドレイク 2 ミニオン 5 4 4
ブラックウィングの変性者 2 ミニオン 5 5 4
ドラコニッド・クラッシャー 2 ミニオン 6 6 6
キュレーター 1 ミニオン 7 4 6
炎の王ラグナロス 1 ミニオン 8 8 8

 海賊ウォリアーのギミックを一部採用したドラゴンウォリアーも,“海賊に強い海賊ウォリアー”として新たな地位を確立している。序盤はバッカニーアなどの海賊ギミック,中盤以降はサイズの大きい挑発カードや,ドラゴンとのシナジーがあるカードで盤面を取ることに長けており,海賊カードによる猛攻が容易には通じないポテンシャルを持っている。こちらも大会で見かける機会が増えた強力なデッキだ。


現環境における海賊の対抗馬となるデッキは?


 前述のとおり,海賊を絡めたデッキは非常に強力だが,カザカスを採用したレノウォーロックは,その対抗馬候補の最右翼デッキとして挙げられる。

◯レノロック
カード名 枚数 タイプ コスト Atk HP
生の苦悩 1 呪文 1
凄まじき力 1 呪文 1
魂の炎 1 呪文 1
闇の売人 1 ミニオン 2 2 2
悪魔の憤怒 1 呪文 3
インプ・ギャングのボス 1 ミニオン 3 2 4
シャドウボルト 1 呪文 3
ブラストクリスタル・ポーション 1 呪文 4
地獄の炎 1 呪文 4
カザカス 1 ミニオン 4 3 3
影の炎 1 呪文 4
魂抽出 1 呪文 6
奈落の始末屋 1 ミニオン 7 6 6
捻じれし冥界 1 呪文 8
超うざい調剤師 1 ミニオン 1 2 2
酸性沼ウーズ 1 ミニオン 2 3 2
ドブネズミ 1 ミニオン 2 2 6
終末予言者 1 ミニオン 2 0 7
ブラン・ブロンズビアード 1 ミニオン 3 2 4
大地の円環の遠見師 1 ミニオン 3 3 3
さまよう無貌のもの 1 ミニオン 4 1 1
スナック売り 1 ミニオン 4 3 5
トワイライト・ドレイク 1 ミニオン 4 4 1
無貌の操り手 1 ミニオン 5 3 3
リロイ・ジェンキンス 1 ミニオン 5 6 2
二流の強面 1 ミニオン 5 4 5
ソーリサン皇帝 1 ミニオン 6 5 5
レノ・ジャクソン 1 ミニオン 6 4 6
シルヴァナス・ウィンドランナー 1 ミニオン 6 5 5
山の巨人 1 ミニオン 12 8 8

 これまでのレノウォーロックは「レノ・ジャクソン」を引けないと弱い点から,良くてTier 2という評価に落ち着いていたデッキだった。しかし,カザカスがレノと双璧を成すといえる存在で,現環境ではTier 1に繰り上がり,ランクマッチで使われるようになった。

 カザカスが強力なのは,5マナの呪文の作成によって全体に4点のダメージというAoE(Area of Effectの略。範囲効果/攻撃)で,盤面をほぼ一掃できるからだ。追加効果も付与されるので,速攻を仕掛けてくる相手に対応しやすいのである。新カード「奈落の始末屋」も,地獄の炎を搭載した6/6のミニオンという優秀っぷり。
 全体除去系のカードを複数組み込みづらいのがレノウォーロックの欠点だったが,これらの手段が取れるようになったことで,安定感が大幅にアップした。現環境では,多くの人がこのデッキでレジェンド1位を達成するほどの活躍を見せている。

◯アヴィアナクンドルイド
カード名 枚数 タイプ コスト Atk HP
月の炎 2 呪文 0
練気 2 呪文 0
ワタリガラスの偶像 1 呪文 1
生きている根 2 呪文 1
自然の怒り 2 呪文 2
野生の繁茂 2 呪文 2
マルチ 1 呪文 3
妖獣の激昂 2 呪文 3
なぎ払い 2 呪文 4
ファンドラル・スタッグヘルム 1 ミニオン 4 3 5
古代地の番人 1 ミニオン 4 3 3
滋養 2 呪文 5
戦の古代樹 2 ミニオン 7 5 5
アヴィアナ 1 ミニオン 9 5 5
忘却王クン 1 ミニオン 10 7 7
ブラッドメイジ・サルノス 1 ミニオン 2 1 1
酸性沼ウーズ 1 ミニオン 2 3 2
アジュア・ドレイク 2 ミニオン 5 4 4
ガジェッツァンの競売人 1 ミニオン 6 4 4
マリゴス 1 ミニオン 9 4 12

 そのほか,大型コンボデッキとして注目されているのが「アヴィアナ」と「忘却王クン」によるコンボを採用したドルイド(通称:アヴィアナクンドルイド)だ。

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 アヴィアナクンドルイドは,10マナの状態でアヴィアナを出したあと,忘却王クンの効果で10マナまで回復し,そこからアヴィアナの効果で1マナになった手札のカードを一気に出すというコンセプトで運用するデッキだ。手札は「ガジェッツァンの競売人」を使って補充できるようになったので,これで引いたカードを片っ端から出していくという荒業も可能となっている。
 現環境において随一のパワーを誇る大型コンボデッキで,海賊ほどのアグロが得意なわけではないが,ハマったときの爆発力は抜群だ。派手なコンボを決めるのが好きという人にもっともオススメしたいデッキである。

◯ドラゴンプリースト
カード名 枚数 タイプ コスト Atk HP
チビ・トワイライトドラゴン 2 ミニオン 1 2 1
ノースシャイアの聖職者 2 ミニオン 1 1 3
狂気ポーション 1 呪文 1
真言・盾 1 呪文 1 2
ワームレストのエージェント 2 ミニオン 2 1 4
密言・痛 2 呪文 2
カバールのカギ爪のプリースト 2 ミニオン 3 3 4
密言・死 2 呪文 3
ドラコニッド諜報員 2 ミニオン 5 5 6
ホーリーノヴァ 1 呪文 5
ドラゴンファイア・ポーション 1 呪文 6
ネザースパイトの歴史家 2 ミニオン 2 1 3
ブラン・ブロンズビアード 1 ミニオン 3 2 4
アルガスの守護者 1 ミニオン 4 2 3
トワイライトの守護者 2 ミニオン 4 2 6
アジュア・ドレイク 2 ミニオン 5 4 4
ブラックウィングの変性者 2 ミニオン 5 5 4
ブック・ワーム 1 ミニオン 6 3 6
炎の王ラグナロス 1 ミニオン 8 8 8

 また,これまで不遇な扱いだったプリーストもランクマッチで見かけるようになった。ドラゴンとの強力なシナジーを発揮できる新カードの追加によって,ドラゴンプリーストが大幅に強化されているためだ。

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 とくに目立つのは,ドラゴンの新カード「ドラコニッド諜報員」だ。これは5マナの5/6という標準以上のスタッツでありながら,相手のデッキからの発見という強力なドロー効果を持っている。この効果は,発動時の選択で相手デッキの中身が分かってしまうだけでなく,キーカードを引っ張ってくることもあるので,まさに強力無比。
 ドラゴンプリーストを運用するなら,組み込まない手はないといえるほどだ。

 全体除去系としても新カード「ドラゴンファイア・ポーション」が追加されたので,相手によるミニオンの横並べにより対処しやすくなった。長年にわたって不遇の扱いを受けてきたプリースト使いは,ぜひこのドラゴンプリーストでランクマッチに参上し,暴れまわってみてほしい。

著者紹介:ルネ
カードゲームやボードゲームの攻略・レビュー記事をメインに担当するフリーライター。第1回ドミニオン世界選手権優勝,第4回ドミニオン日本選手権優勝,その他複数のアーケードカードゲームで全国ランキング入りなどの経歴を持つ。Hearthstoneでは,AmericaサーバのLegendランク2位まで到達,日本選手権ベスト8,WESG APAC Final 3位入賞などの実績を持つ。主にアナログのカードゲーム/ボードゲームが大好物だが,コンシューマ,アーケードからソーシャルゲームまで,ゲームと名がつけば何でも食いつく雑食系。

「Hearthstone: Heroes of Warcraft」公式サイト

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