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Hearthstoneで勝ち抜くためにいますぐあなたが学ぶべきこと 第12回:大会に出て,Hearthstoneをより深く楽しもう
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印刷2016/07/27 12:00

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Hearthstoneで勝ち抜くためにいますぐあなたが学ぶべきこと 第12回:大会に出て,Hearthstoneをより深く楽しもう

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 ここまでの連載では,主にラダーにおける勝ち方について紹介してきた。だが,「Hearthstone: Heroes of Warcraft」PC / iOS / Android)の魅力はラダーだけではない。海外,そして国内でも,ユーザーあるいは企業が主催する大会が月に何度か開催されており,その気になれば誰でもエントリーが可能だ。
 誰だって最初は初心者。大会もまた然りである。筆者だって右も左も分からない状態で大会に飛び込み,結果多くのプレイヤーと知り合い,交流の輪を広げることもできた。なかには大会というだけで尻込みしてしまう方もいるかもしれないが,大会に出ることでさらにHearthstoneを楽しむことができる。

 大会を勝ち抜くと,各季の日本選手権に参加するためのWCTポイントを獲得できる。そして,その日本選手権で優勝すれば,アジア太平洋選手権への挑戦資格が与えられ,さらにそこで優勝すれば,アジア太平洋地域の代表選手として,栄誉ある世界選手権に出場できるわけだ。2015年の世界選手権では日本のKno選手が出場し,ベスト4に入るという健闘を見せたことは記憶に新しい。

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 大会は大会で非常に戦略的であり,ラダーとは一風変わった面白さを堪能できる。本連載の読者にも,ぜひその楽しさを味わってもらいたいところだが,まだ大会に出たことのないプレイヤーのなかには,戦い方が分からず尻込みしてしまっている人も多いだろう。
 実際,ラダーと大会は同じHearthstoneでありながらも,まったく別のゲームと言ってもいいほどで,戦術もそれに合わせたものを用意しなければならない。

 では,大会ではどのように戦えば良いのか。筆者はこれまで数多くの大会,そして各季の日本選手権に参加,入賞し,直近の春季日本選手権ではベスト8の実績を残している。今回は,筆者が蓄えてきたノウハウを基に,大会での基本戦略を記していくので,興味を持っているプレイヤーは是非ともご一読いただければと思う。

ツアーの流れは画像の通り。各季選手権で優勝した代表選手達が,世界選手権の場で戦うことになる
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「Hearthstone」カードリスト

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まずは各デッキの相性を把握しよう


 Hearthstoneの大会では,複数のヒーロー,デッキを使用する形が一般的だ。例えば,多くの大会で採用されているコンクエスト方式のBest of 5(以下BO5)では,プレイヤーの選んだ3種類のヒーローそれぞれで勝ち抜き,3本先取しなければならない。
 そのため,1つのヒーローしか使えないような状況では大会を戦い抜くことはできないのだ。もし大会に出ようと考えているのであれば,少なくとも3〜4種類程度のヒーローは使えるようにしておいたほうが良い。

 また,大事なのは各デッキの相性をしっかりと把握しておくことだ。実際の試合では,3ヒーローの中から任意のヒーローを選んで戦うことになる。ただし,コンクエスト方式であれば,勝ったヒーローはその試合中は使えなくなるため,どのタイミングでどのヒーローを勝ち抜けさせるか……といったことが非常に重要になる。

 例えば,コンクエスト方式のBO5で2-2のイーブンとなった場合,残ったヒーローはお互い1体ずつで,そのヒーロー同士の対決になってくる。この時,相手ヒーローに対して苦手なヒーローが残ってしまうと,対戦前から不利という状況に陥ってしまうわけだ。では,どのようにしてそれを回避すればよいのだろうか。

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 まず最低限必要なことは,各ヒーロー・デッキの相性を把握することである。大会という迷宮で正しい道を行くには,その迷宮の地図が不可欠。地図となる相性の知識がなければ,どのヒーローに対してどのヒーローをぶつければ良いのかも分からない。
 では,相性を学ぶためにすべてのデッキを使い込まなければならないのか? と不安になった人もいるかもしれないが,そんなことはない。英語ではあるが,海外のプロチームTempoStormのウェブサイトには,“Meta Snapshot”として各デッキのラダーにおけるTierリスト,そして各デッキの相性表がグラフで表示されている。
 筆者も手っ取り早く各デッキの相性を把握したい時に利用しているので,まずはここを見てざっくりと各デッキの相性について学ぶのがオススメだ。各デッキのサンプルも載っているので,デッキ内容について困った時の助けにもなってくれる。

「TempoStorm」公式サイト



勝てるヒーロー・デッキの選び方とは?


 ヒーロー・デッキ毎の相性について把握したら,次に使用するデッキを選ぶことになる。どのようなデッキ構成にするかは,大会のフォーマットにもよるところだが,適切なデッキの選び方は大きく分けて2通りある。1つは,「さまざまな相手に対応できる受けの広いデッキ構成にすること」。もう1つは,「特定のデッキにターゲットを絞り,それに強いデッキ構成にすること」である。

 どちらが優れているというわけではないが,後者のコンセプトで適切なデッキ構成を作るためには,多くの試合経験を必要とするため,大会初心者のであれば前者のコンセプトではじめると良い。その場合は,前述のTempoStormのTier1デッキをメインとした構成にするのが手堅いだろう。というのも,ラダーにおけるTier1デッキというのは,概ね受けの広さとデッキパワーの高さを兼ね備えており,前者の戦略には非常にマッチしやすい性質を持っているからだ。
 とくに,指定したヒーローの使用を禁止するBanシステムがないタイプの大会なら,単純にTier1のデッキを3つ持っていくだけでも,水準以上の成績は残せるだろう。大会での戦いに慣れるまでは,Tierの高いデッキの中から相性表とにらめっこしつつ,より広く受けられるデッキを3つ持っていこう。もちろん,持ち込むデッキはラダーなどで使い込んでおくと,なお良い。

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 ただ,Banありの大会の場合は,やや話が変わってくる。例えば,筆者が出場した日本選手権では,4Hero1Banというルールが採用されていたが,より大きな大会になればなるほど,Banを採用したルールで戦う確率が高くなる。したがって,Banを踏まえた戦略を覚えることは,上を目指すなら避けては通れない道である。ここからは,筆者が日本選手権に出場したときの実例を交えつつ,Banありルールでの戦略を紹介していこう。

 まずは,Banシステムについて少しまとめておこう。これは,お互いに相手のヒーローの中から1つ(ルールによっては複数)を使用禁止にできるというものだ。特定のヒーローを使用禁止にすることで,自分の持ち込んだデッキが苦手とするヒーローを消すことができる。
 このシステムが採用される大会に挑戦するときは,前もって相手のどのヒーローをBanするかを決めた上で,デッキを選んでいくと良い。
 ドルイドをBanすると決めているのであれば,ドルイドを苦手とするデッキを4つ持ち込むといった感じだ。こうすることで,相手のどの構成に対しても比較的受けやすいデッキ構成になるため,トッププレイヤーのほとんどは特定のヒーローをBanする前提でデッキ構成を決めている。

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 上の画像は,実際に春季日本選手権で筆者が使用し,ベスト8に残ったデッキ群だ。それぞれZoo,パトロンウォリアー,アグロシャーマン,フリーズメイジという内容で,相手のウォリアーをbanするという前提で構成している。これらのデッキは,とくにコントロール型のウォリアーを苦手としているのだが,逆にウォリアーの存在さえ消せば,かなり受けを広くとれるデッキ構成になっている。
 実際の大会では,筆者以外でもこのウォリアーBan構成を持ち込んだプレイヤーは多く存在し,優勝したJako選手もほぼこの構成と同様のものを持ち込んでいた。Banありの大会を戦い抜く場合は,このように特定のヒーローをBanすれば,ほぼ弱点をカバーできる構成で望むのがよい。

 特定のデッキにターゲットを絞り,それに強いデッキ構成にする戦略の場合も,基本的にはBanするヒーローを決めておきつつ,その大会でもっとも遭遇率の高いデッキを予想し,そのうち1つ以上のデッキに負けない構成を組むという形になる。そもそも遭遇率の高いデッキを予想するという時点で,豊富な大会経験が必要なため,この戦略は何度か大会に出場して慣れてきたころに採用すると良いだろう。ちなみに,春季日本選手権を準優勝したTredsred選手は,この戦略を採用していた。彼の構成は以下のとおりだ。

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 基本的には,苦手とするZooがいるウォーロックをBanしつつ,フリーズメイジなどのデッキにメタを張った構成になる。実際にこの大会では,ウォリアーBanを前提にフリーズメイジを採用したデッキを組み込んでいる人が多かったので,Tredsred選手のフリーズメイジにメタを張った構成はピタリとハマり機能した。事実,筆者もTredsred選手と当たった際に,フリーズメイジを通してもらえず敗戦となった。
 Tredsred選手の結果からも分かるように,実際にこのメタを張るタイプの戦略は機能すれば大きな戦果を得られるのだ。


まずはたくさん大会に出て楽しもう!


 ここまで大会に出場する上での基本戦略について記してきたが,何よりも大切なのは経験を積むことである。なので,まずは充分な準備ができていなかったとしても,大会にエントリーして,大会の空気を肌で感じるところからスタートしてみてほしい。

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 どこで大会をやっているのか分からないという人は,「HearthStone Read2win」「HearthGamers」といった国内のコミュニティサイトで定期的にWCTポイントつきの本格的な大会を開催しているため,これらのサイトを定期的にチェックしておくと良い。また,「Hearthstone Dojo」でも,国内で行われるHearthstoneのイベントスケジュールを掲載しているため,チェックしておくと大会の情報を見つけやすいはず。

 大会に出ることは,それだけで楽しいし,大会で戦った相手と交流することもでき,Hearthstoneライフをより豊かなものにするはず。Hearthstoneをもっと奥深く楽しみたいという人は,ぜひ大会に参加してみてほしい。

著者紹介:ルネ
カードゲームやボードゲームの攻略・レビュー記事をメインに担当するフリーライター。第1回ドミニオン世界選手権優勝,第4回ドミニオン日本選手権優勝,その他複数のアーケードカードゲームで全国ランキング入りなどの経歴を持つ。Hearthstoneでは,AmericaサーバのLegendランク2位まで到達,およびGAMERS LEAGUE Season#1でSemifinal進出経験あり。主にアナログのカードゲーム/ボードゲームが大好物だが、コンシューマ,アーケードからソーシャルゲームまで,ゲームと名がつけば何でも食いつく雑食系。

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