レビュー
目指そう,明るく強い家族計画
CONCEPTION II 七星の導きとマズルの悪夢
本作を実際にプレイして分かった,ゲーム内容や前作から進化した部分,そして気になるヒロインたちとの交流や,RPGとしての完成度などについてお伝えしていこう。なお本稿の内容はPS Vita版をもとに記述しているが,ストーリーやゲームシステムなど,ほとんどの部分はニンテンドー3DS版でも同様だ。
「CONCEPTION II 七星の導きとマズルの悪夢」公式サイト
前作からは,基本システムと一部設定のみを継承
本作は,前作から“恋愛要素+ダンジョンRPG”という基本システムや,「愛好ノ儀」や「星の子」といった一部の設定は引き継いでいるものの,ストーリーに直接のつながりはない。キャラクターや世界観も一新されているため,前作をプレイしていなくとも,ゲームにはすんなり入っていけるだろう。
世界観はファンタジーテイストを含むSFといった感じ。魔法世界「アナザーテラ」を舞台に,魔物を浄化する力を持ち「星の子」を産み出せる「聖徒」という存在である主人公やヒロインたちが,「聖徒学園」での学園生活と,魔物が巣くう迷宮「マズルサークル」の攻略にいそしむこととなる。
そんな特別な力をもつ聖徒の中でも,主人公は星の力を使う源となる「エーテル」を生み出せる唯一の存在「マレビト」であるという設定。魔物せん滅を任務とする学園内のクラス「ネメシスイーター」に配属され,7人の女子聖徒との間に産まれる星の子たちとともに,ダンジョンでの戦いへと赴くのだ。
……初っぱなから専門用語の連発にクラクラきてしまったかもしれないが,いろいろと省略して簡単に言うと,同じ学校の女の子と子供を作り,その家族でダンジョンを攻略するRPG,ということである。
2種類あるPS Vitaの体験版のうち,最初に配信されたものと,ニンテンドー3DSの体験版は,上記の専門用語の使用を最低限に抑えたゲームを把握しやすい内容となっているので,これから本作を試してみようという人にはオススメだ。
序章でチュートリアルを進めると,本作の目玉と言っても過言ではない,「愛好ノ儀(あいこうのぎ)」の機会が早々にやってくる。これはともにダンジョンを進むための仲間である星の子を産み出すための儀式で,主人公と7人のヒロインとの間で行われるものだ。
最初の愛好ノ儀は,最初に出会うヒロインのフウコが相手で,特別に3人の星の子が誕生するが,通常は1人,場合によっては2人(双子)が産まれることになる。星の子のパラメータは,ヒロインのパラメータや,主人公に対しての好感度に大きく影響されるため,ゲーム全体でヒロインとのコミュニケーションがとくに重要になっているのである。
ちなみにゲームを進めると,一度に2人のヒロインと愛好ノ儀(W愛好ノ儀)を行うこともできるようになる。さらに通信では,男子聖徒(プレイヤー)同士による「男交ノ儀」も可能だ。
産まれてくる星の子が攻略のカギを握る
こうして星の子が生まれたら,出生時のパラメータや性別などを考慮して職業を選ぶことになる。職業は,戦闘時において星の子それぞれの攻防に影響するほか,特定の組み合わせでチームを組むことで「チームスキル」を発揮することもできる。
星の子は必ず3人で1チームとなるので,最初に産まれた3人は強制的にチームを組むこととなるが,以降に産まれる星の子は,自由にチームに組み入れられるようになる。
ゲームを進めて条件を満たすと,上級職も選べるようになる |
星の子が産まれたときに持っているカードは,主人公にボーナス効果をもたせてくれる |
星の子は職業によって武器や防具などの見た目が変わるので,序盤のうちは好みで選んでもいいが,ゲームを進めて人数が増えてきたときは,チームスキルなどを意識した組み合わせを考えることが必要になるだろう。なお星の子は最大3チーム(9人)まで連れていくことができる。
星の子は主人公やヒロインと同様,戦いで得た経験値でレベルが上がり成長していくが,レベルには上限がある(愛好ノ儀を行ったヒロインのレベルなどに依存する)ので,ずっと同じ子を連れて行くわけにはいかない。ヒロインとの関係が最悪の状態でなければ,ゲーム中に入手するキズナポイント(KP)と,星の子を授かるためのアイテム「マトリョーシカ」を消費して愛好ノ儀が行えるので,ゲームを進めるためには積極的な(星の)子作りが必要なのだ。
また,レベルが上限まで達した星の子たちを「独り立ち」させることで街が発展していくというシステムも用意されていて,子育てが決して無駄にならないのも嬉しい配慮だ。
街のマップ上にはさまざまな施設があり,物語を進めたり,星の子を独り立ちさせることで新しい施設が増えていく |
強い星の子を産み出すため,愛を育むのだ
そんな(星の)子作りの相手となる7人のヒロインは,同級生,上級生,下級生,さらには教官を兼任する聖徒などがいて,それぞれの性格もまちまちと,まるで学園ものの恋愛アドベントチャーゲームのようにバラエティ豊かだ。個人的には研究所所長やショップの店員さんあたりも攻略対象だと嬉しかったのだが,挙げはじめるときりがないので,それはまた次回作あたりに期待することとしよう。
彼女たちとの関係は,学園での「キズナイベント」をこなすことで深まっていく。キズナイベントでは,それまで2Dで表示されていたヒロインたちが3Dキャラクターとなって登場し,通常のイベントシーンなどでは見られない表情で主人公に語りかけたり,問いかけたりしてくる。この質問に正しく返答したり,プレゼントを贈ったりすることで,彼女たちの機嫌や好感度が上昇し,愛好ノ儀でより強い星の子を宿すことができるようになるというわけだ。
キズナイベントは,マップ画面に表示されているハートマークの数(最大で3)しか行えず,誰とキズナイベントを行うかはプレイヤー次第。ハートマークは,迷宮に挑んだり,自室で休息をとったりしてゲーム内の時間を進めると回復するようになっており,休息による時間経過で物語が進んでしまうこともないので,キズナイベントを進めるたびに休息を入れ,ヒロインたちと密にコミュニケーションをとることは可能だ。
ただし,好感度の上限は物語を進めないと上がらないので,より強い星の子を作るためには,適度にゲームを進めていく必要がある。
個々のキズナイベント自体はそれほど長いものではないが,会話はフルボイスで1人につきかなりの種類が用意されているうえ(物語を進めないと,同じ内容のものが出ることがある),ヒロインにタッチしてコミュニケーションするシーンなどもあり,感情移入してしまうこと間違いなし。
筆者がプレイした限りでは,複数のヒロインと同時にキズナを深めても彼女達の印象が悪くなることはないようなので,うまくやればハーレム状態にすることも可能だろう。ダンジョンへは彼女たちのうち1人しか連れていけないのが残念なぐらいだ。
子連れ11人の大所帯でダンジョンに挑む
主人公たちが挑む迷宮マズルサークルには,メインとサブの2種類がある。メインのダンジョンは7つあり,それぞれに七つの大罪の名前がつけられている。主人公たちはこのダンジョンを探索し,最深部にいるボス「マズルマザー」の討伐を目指す。
もう1つの「サブ迷宮」と呼ばれるダンジョンは,ゲーム進行には影響せず,レアアイテムなどを入手できるものだ。
ダンジョンは自動生成で,挑むたびに形が変わる仕組みだが,ダンジョンごとに設定されたフロア数や属性が変わることはない。各フロアには「脱出ポータル」が用意されていて,次回挑戦時には前回脱出した地点に至るまでのフロアから,好きな場所を自由に選んでスタートできる親切設計。さらにマズルマザーを倒してクリアしたダンジョンにも,再度挑戦できるようになっている。ヒロインや星の子たちが個別のレベルを持っていることもあり,何度でも挑戦できるのはありがたい仕様だ。
ダンジョンの魔物はシンボルで現れ,接触するまで正体はわからないが,シンボルの色によって強さを確認することは可能だ。シンボルに後方から接触することで先制できることもあり,逆に主人公が後方から接触されると魔物に先制されてしまうこともある。また主人公のレベルが高い場合,接触するだけで倒せるようにもなっている(エンカウントスマッシュ)。
前述したように,ダンジョンにはパーティを組んで出撃することになるが,ここがほかのRPGとは少し変わっている。主人公はパートナーとして必ずヒロインを1人選び,2人のチームを組む。さらに生まれた星の子3人を1つのチームとして,最大3チームを連れていくことができるのだ。人数で数えると,最大11人の大所帯パーティとなるわけだが,戦闘時はチームごとの行動となるため,1ターンで最大4組ぶんのコマンドを入力すれば済むようになっている。
なお,チームを組んでいるときは,原則としてメンバーのHPやMPは共有された状態となり,1人のキャラクターのように表示される。アイテムやスキルの効果もチーム全員に効果が発揮されるようになっているので,状況を把握しやすいはずだ。
11人の大所帯,しかも星の子のメンバーチェンジなどもあるので,チーム編成や装備の管理は大変だが,「オススメ編成」「まとめて最強」といったコマンドが用意されているため,めんどくさがりのプレイヤーでもちゃんと戦えるはず。筆者も実際に編成をゲームに任せる形のプレイで十分に楽しめた。
戦闘時の位置取りが重要なポジショニングバトル
そんなパーティが繰り広げる戦闘は,チームや敵が行うアクションによって行動順が入れ替わるターン制のコマンド入力バトルで,前作と同じくポジショニングバトルが導入されている。
魔物との戦闘は,特定の広さのあるフィールドにて行われ,魔物が複数いるときは,全チームがその中の1匹の魔物の近くで戦闘態勢をとる。ここで攻撃やスキルのコマンドを選ぶと,次に魔物の周囲に4つある「方向エリア」の選択に移り,そのチームが魔物のどの方向から攻撃をするかを決められるのだ。
魔物の背後などに存在する弱点を狙って攻撃すれば,通常よりも大きなダメージを与えられるが,敵の背後に移動する分,次回行動の順番が少し遅くなってしまうデメリットもある。
一方,弱点以外の方向から攻撃することのメリットには,魔物の行動順を遅くして,こちらが一方的に攻撃できる「チェイン」がある。このチェインを発動するためには「オーバーチェインゲージ」を溜める必要があるのだが,このゲージは,敵が次に攻撃を行うための予備動作をしている方向(方向エリアに「CAUTION!」と表示された位置)から攻撃するのが一番溜まりやすい。逆に弱点攻撃時はあまり溜まらず,積極的に危険な場所から攻撃することが,チェインの発動につながるという仕組みになっているのだ。
赤い矢印が出た方向エリアから攻撃すると,弱点をついて大きなダメージを与えられる |
チェインが発動すると魔物を赤い鎖が包む。チェインは魔物のターンまで続き,攻撃効果が高まる |
チェイン発動中に魔物を攻撃するとコンボとなって与えるダメージが増え,これは魔物のターンが来るまで続く。さらにゲージがMAXになると,敵全体にチェインの効果がもたらされるオーバーチェイン状態となり,さらにコンボを稼ぐことができる。コンボを続けた数は,戦闘後に入る経験値のボーナスにもつながるので,狙っていく価値は大いにあるだろう。
また,そのオーバーチェインを狙うための要素に,「エーテル濃度」というものもある。これは特定の条件によって増減するもので,画面右下にあるエーテルゲージの値が高いほど味方の行動が早くなり(=魔物が遅くなる),オーバーチェインゲージがたまりやすくなるのだ。エーテル濃度が増える条件には,「魔物が予備動作を行っている方向から攻撃を与える」というものがあり,チェインと同様に,危険をかえりみず攻撃することで,魔物に大きなダメージを与えるきっかけとなる。
戦闘中に突然ヒロインから通信が入ることも。コミュニケーションのイベントだが,通信を受けると主人公のチームが1ターン消費してしまう |
本作の戦闘にはさらに「セブンスバレット」(主人公とヒロインの特殊技),「インターセプト」(味方の救援要素),「チームスキル」(星の子の組み合わせによる特別なスキル),「GASSIN(ガッシン)」(KPを消費して,星の子が合体変身して強くなる)などといったさまざまな要素が存在するが,まずは前述の方向エリアを意識したポジショニング戦闘を心がけていれば,かなり有利に戦えるようになるはず。
また,△ボタンで行える「AUTO PLAY」での自動戦闘では,チームの作戦を「チェイン優先」に設定しておくと,序盤からチェインを意識した戦いを自動で行ってくれるので,それを見ながら感覚を掴んでいくのもいいかもしれない。
星の子のチームがKPを消費して行えるGASSIN。いつもの可愛い容姿からは想像できない姿へと合体変身し,強力な攻撃が行えるようになる |
ヒロインと子どもたちにいつでも会える,携帯機ならではの嬉しさがプレイの原動力
サブタイトルは前作よりもソフトになっているが,本編では「男子聖徒が放つエーテルを女子聖徒が星器(マトリョーシカ)で受け止めて受星する」といったパンチのある言葉も飛び出し,弾けっぷりは今回も清々しい。
主人公やヒロインたちだけでなく,脇を固めるキャラクターも美男美女揃いで,ほかの作品では退屈になりがちな2Dキャラのバストアップ会話シーンも,多関節処理されたキャラクターがクネクネと動きまくりの揺れまくりで,これも見ていて飽きない。
ダンジョンの演出に若干淡白さを感じたものの,RPGとしての完成度はなかなかに高いと感じた。凝ったシステムを採用しながら,いつでもダンジョンから脱出や再開ができたり,AUTO PLAYなどでサクサク進めたりと,携帯ゲーム機向けの内容に仕上がっている。
ヒロインとのコミュニケーションが,強い星の子を産むという育成目的のもとに行われるなど,恋愛とRPGがきちんと結びついているのも評価できるポイントだろう。
難解かつ思わせぶりな専門用語が飛び交う世界観や,キャラクターデザインが嫌いでなければ,ぜひプレイしてみて,ヒロインたちとの(星の)子作りの尊さや悦びを味わってみてほしい。
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