連載
母の手は温かく,時に痛い。iOS向けアクション「母ちゃんの奴隷」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第166回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
幼いころは誰でも,母からの言いつけやお小言に反発を覚えるもの。大人になって振り返れば,それは愛であり人生の先輩としての助言だということに気付くのだが,言われたときはそんなことも分からず,妙な反抗心を出して母を困らせたことがあるのではないだろうか。そんなかつての親不孝者達に捧げたいゲームが,この「母ちゃんの奴隷」(iOS / Android)だ。
ゲームの内容は,長男,次男,三男という3人のキャラクターをタップやスワイプで操り,背後に迫る母ちゃんの手からひたすら逃れるというもの。なんだそりゃ,とお思いの方もいるかもしれない。筆者もそうだった。
「母ちゃんの奴隷」ダウンロードページ(App Store)
「母ちゃんの奴隷」ダウンロードページ(Google Play)
鬼の形相を浮かべる母ちゃんは,逃げる息子達を捕まえようと躍起になっており,文字どおりあの手この手で捕まえにくる。母ちゃんの顔の両サイドには大きな手が表示されており,この手が息子達に襲いかかってくるのだ。攻撃(?)パターンは,ずずっと手が前進してきて息子をつかむ,上から手の平で我が子を押し潰す,3人まとめてなぎ払う,の3種類だ。
息子達をタップすればその場でジャンプ,左右へスワイプすればその方向へ一瞬移動する。これを駆使して母ちゃんの猛攻をかわし続けることになるのだが,母ちゃんの攻撃パターンによってかわせるアクションが違うので,攻撃の見極めが重要だ。
つかみはタップまたはスワイプ,押し潰しはスワイプ,なぎ払いはタップで回避可能。なお,なぎ払いは3人を順に狙ってくるので,まず左右どちらから来るかを把握してから,3人を順にタイミング良くタップしてかわさなければならない。慣れるまではこのなぎ払いが難関だ。
画面上部には逃げた距離が表示されており,これが1000mを超えたあたりになると,母ちゃんが本気を出してくる。最初は手を交互にゆっくりと攻撃してくるのみだったのだが,両手を同時に動かしてきたり,時間差で攻撃してきたりと,まさかのコンボ攻撃を繰り出してくるのだ。
同時攻撃の場合はもちろん2人同時に回避させなければならないので,攻撃の種類をとっさに判断したうえで,2人分同時にアクションを行わなければならない。これがやってみるとかなり難しく,とくにつかみと押し潰しのコンボはタイミングが非常にとりづらい。また,攻撃後に間髪入れず次の攻撃を行うこともあり,息つく暇もないほどだ。
そんな難しいゲームなのだが,激しいメタル調のBGMがやたらとかっこよかったり,ゲーム中に聴けるボイスが真に迫っていたりで,妙に笑えるのも魅力だ。とくにゲームオーバー時のボイスは必聴のクオリティで,やられた息子に応じて「にいちゃ〜ん!」「じな〜ん!」「さんな〜ん!」という声がむなしく響き渡るのだ。
バカゲーながら思った以上に熱中して遊べてしまう本作。かつて母ちゃんに迷惑をかけた人も,かけてない人も,ぜひプレイしてほしい。逃げるときのセリフは「俺は母ちゃんの奴隷じゃないっつーの!」で。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。
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(C) SYUPRO-DX
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