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LINE,イベント「LINE CONFERENCE TOKYO 2014」で事業戦略を発表。LINE GAMEの展開や,新サービス「LINE MUSIC」などが続々と明らかに
イベントの冒頭,森川 亮氏(LINE 代表取締役社長)によって,LINEの登録ユーザー数は世界で5億6千万人,月間アクティブユーザー数は約1億7千万人といった,同サービスにおける最新の利用状況が公開された。
続いて森川氏は,「LIFE」をテーマとして掲げ,LINEがオンライン・オフラインの垣根を越え,より生活に密着した存在となることを目指すとしつつ,新サービスやパートナーシップ戦略など,今後の事業構想に関してもコメントした。
ゲーム,漫画,音楽の3分野からLINEのエンターテイメント領域を強化
LINEのエンターテインメントプラットフォーム領域の展開として,まず発表されたのが,「LINE GAME」における提供タイトルの拡充についてだ。
これまでのLINE GAMEでは,「LINE:ディズニー ツムツム」「LINE レンジャー」などのカジュアルゲームを中心に提供してきたが,今後は9月24日に発表されたばかりの「LINE レヴァナントゲート」を筆頭に,ミドルコア〜コアゲームも含めた多様性のあるラインナップでの提供を目指すという。
具体的には,カジュアルゲームとして「LINE POP2」(パズルゲーム)と「LINE トリオ」(パズルゲーム),ミドルコア〜コアゲームとして「LINE アルビオン戦記」(シミュレーションRPG)と「LINE 英雄の軍団」(シミュレーションRPG)などが,2014年秋以降にリリースされる予定とのことだ。
続いて,サイバーエージェントとグリーの共同出資による新会社設立に,それぞれ基本合意したことが発表された。いずれの新会社も,サイバーエージェントおよびグリーが培ってきたノウハウを活かし,LINE GAME向けにゲームコンテンツを開発・提供していく予定だという。
サイバーエージェントとの新会社の社名は現在協議中で,代表取締役社長には,サイバーエージェント 副社長の日高祐介氏が就任する。
一方,グリーとの新会社Epic Voyageの代表取締役社長には,グリーの取締役 執行役員である荒木英士氏が就任するとのこと。
日本国内のゲームコンテンツデベロッパおよびゲームコンテンツへの投資を目的として設立されたLINE Game Global Gatewayの出資先第1号として,トランスリミットが選ばれたことも発表された。
トランスリミットは,北米やアジア圏を中心に,世界150か国以上のユーザーに利用されている対戦型知的ゲーム「BrainWars」などを開発したデベロッパである。LINEの海外展開を推進するうえで,グローバルに通用する開発力を持つトランスリミットは最適のパートナーだという。今後発表される新作にも期待が高まるところだ。
エンターテインメントプラットフォーム領域の第2のトピックとして紹介されたのは,「LINE マンガ」のグローバル展開を目指して設立された「LINE Book Distribution」である。これは,講談社,小学館,メディアドゥ,LINEの4社による合弁会社で,サービスの開始時期は2014年内が予定されている。サービス当初は,英語および中国語(繁体字)版を配信していくとのこと。
第3のトピックとして発表されたのは,音楽に関するものだ。会場では,エイベックス・デジタルおよびソニー・ミュージックエンタテインメントとの3社共同出資による新会社LINE MUSICの設立について,基本合意に至ったことが発表された。
同社は,サブスクリプション型の音楽ストリーミングサービスを手がけていくとのことで,サービスインは2014年内が予定されている。
具体的なサービス内容については,追ってアナウンスされるとのこと。
そのほか,音楽アーティストの活動をサポートする「Artist Value Chain」が発表されていた。
アーティストやタレントなどの著名人が,購読者に限定した情報を配信できるサービス「LINE有料公式アカウント」や,ブログサービス「LINE公式ブログ」が展開されるという。
テーマ「LIFE」に基づくLINEの新サービスが続々と発表
会場では,テーマ「LIFE」に基づくLINEの新たなサービスも続々と発表された。
1つめは「LINE Maps for Indoor」だ。これは,ショッピングセンターなどの商業施設内のナビゲーションに特化した地図アプリ。施設内で行きたいショップやレストランを指定すると,現在地から目的地までの最適なルートを地図で案内するというものだ。営業時間や電話番号なども掲載される。
サービスインはAndroid限定で,2014年秋が予定されている。
2つめの「LINE Pay」は,LINEおよびLINE関連サービス,提携サービスでLINEアプリ上から決済できる新たなシステムだ。
クレジットカードはもちろん,提携銀行(みずほ銀行および三井住友銀行)などの口座を通じて行えるようになるという。
同サービスならではの特徴として,LINEでつながっているユーザー同士であれば,決済した商品やサービスの購入費用を複数人で“ワリカン”したり,相手のLINE Pay口座宛に送金したりできる点が挙げられた。
サービスインは2014年冬が予定されているが,まずはLINEおよび提携Webサービスでの決済利用がスタートし,追って順次,オフライン店舗などでの利用にも対応されるという。
また,セキュリティ面では,LINE本体とは別の2次認証パスワードやApple Touch IDによる指紋認証でのパスワード照会(iPhone 5S以降),PCサイト利用時のスマートフォン認証が採用される予定とのこと。
3つめの「LINE TAXI」は,日本交通との提携により,LINEアプリおよびLINE TAXI専用公式アカウントから,タクシーを呼べるサービスだ。
GPSを使ったり,建物の情報を入力したりすることで,指定した場所にタクシーを配車できる。支払いは上記のLINE Payで決済可能。
今冬に東京限定でサービスが開始され,ゆくゆく全国で展開されていく予定という。
4つめの「LINE WOW」は,韓国にてフードデリバリーを展開するWoowa Brothers Corp.との共同出資により設立した新会社LINE Bros.による,オンデマンドECサービスだ。
その第1弾としてフードデリバリーサービスが,2014年秋に開始される予定。始めは東京・渋谷区内に配達エリアは限定されるが,順次,メニューや店舗,エリア,配達時間などが拡大されていく予定とのこと。
さらに将来的には,フードに限らずあらゆる分野のデリバリーサービスが行われるという。
5つめの「LINE@ ID」は,すべてのLINEユーザーがもう1つのLINEアカウントを持てるというサービスとなる。
従来のLINEアカウントはプライベートなコミュニケーションでの利用が前提とされていたが,LINE@ IDは法人/個人を問わず,情報を発信したり,商用で使ったりできるものになる。
サービスインは2014年内が予定され,詳細は追って発表されるとのこと。
イベントを締めくくったのは,LINE 代表取締役COOの出澤 剛氏だ。出澤氏は,LINEに関して,人と人のコミュニケーションをつなぐプラットフォーム,そしてエンターテイメントのプラットフォームを両軸としてグローバルに成長していきたいとコメントし,「世界中の人達の生活をもっと楽しく,もっと便利に,もっと豊かにするLINEにご期待ください」と述べていた。
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