プレイレポート
スマートフォンでもMMORPGを。オープンβテスト中のAndroid向けMMORPG「ブルーオデッセイ」プレイレポート。タッチ操作用に研究されたユーザーインタフェースに注目
実はこのブルーオデッセイは,PC向けMMORPGとして開発された「Le Ciel Bleu 〜ル・シエル・ブルー〜」を,Android端末向けにチューンしたものとなっている。したがって,ゲームシステムの根本はル・シエル・ブルーと共通する部分が多い。
これまでも,スマートフォン用のMMORPGがないわけではなかったのだが,PCでお馴染みのMMORPGがほぼそのまま動くという展開はあまり聞いたことがない。その理由の一つは,PC用オンラインゲームを移植するときにキーボードのある/なしによる操作性の違いが出てしまうことにある。しかし,本作の開発を担当するFUN YOURS Technologyは,スマートフォン/タブレット端末向けにユーザーインタフェースを大幅に改良したことで,タッチパネルの操作だけでストレスなくオリジナルのゲーム性を実現することに成功している。
まだβテスト中ということもあって,ゲーム内のテキストが完全でなかったり,通信状況によりゲームから切断されてしまったりする事例もあるようだが,スマートフォン/タブレットで本格的なMMORPGが楽しめるようになったといっていいだろう。
今回はそんなブルーオデッセイのゲーム内容を紹介しつつ,スマートフォン/タブレット端末向けに改良されたシステムについて詳しく解説していこう。
数多くの要素が盛り込まれた王道のファンタジーMMORPG。中でも注目はキャラクター育成
自由なキャラメイクと育成,プレイヤーのパートナーともなる「聖霊」と共に世界の運命に挑む壮大なストーリー,数多くのクエスト,武具の収集など,ブルーオデッセイにはさまざまな要素が盛り込まれている。以下,ル・シエル・ブルーと共通する内容も多いのだが,同作を知らない人のために特徴的な部分を挙げておこう。
最も特徴的なのは,多彩なキャラクターメイクとプレイヤーが選択できるクラス(職業)の豊富さだろうか。
キャラクター作成時は,名前/誕生日/外見の基本情報のほかに,プレイヤーを守護する聖霊を決めることができる。ジュサイア,リブル,ハルト,マルトという4人の聖霊は,それぞれFAI(魔法防御力/最大SP),VIT(物理防御力/最大HP),DEX(命中率/クリティカル発生率),AGI(回避率/通常攻撃速度)のいずれかの能力を強化してくれる。精霊はストーリーにも絡んでくるため,見た目で決めたいところだが……実は聖霊の力はかなり強力なので,自分のキャラクター育成の理想に合わせて選択したほうがよい。あとから聖霊の変更を行うことはできないのだ。
「アルカディアブルー」と「クリムゾンルビー」,どちらの連盟にするかは直感で選んで問題ないが,一緒に遊びたい友達がいるなら,同じ連盟を選んだほうが無難だ。
最後に武器を選択することになるが,これはゲームスタート時に所持する武器を選ぶだけなので,好きなものを選んでかまわない。後述するように,このゲームではいくつものクラス(武器)をいつでも切り替えられるのだ。
さらに複合職として,ガンスリンガー/マジックナイト/メイド(バトラー)/エクスマスターというクラスも存在している。
複合職とは,1次職のうち,決められた二つのクラスのレベルを一定以上にする必要があるクラスのこと。例えば,ガンスリンガーなら,アーチャーとアサシンのレベルを35以上にするのが転職の条件となる。ちなみに,メイドとバトラーは性別によってクラス名が変わるだけで,スキル構成などに違いはない。
ちなみに,キャラクターのレベルとクラスのレベルは別個になっていて,キャラクターのレベルが上がると,キャラクターのステータスに割り振れるポイントが,クラスのレベルが上がると,スキルを習得するためのポイントが獲得できる仕組みだ。上昇させるステータスに合ったクラスをメインと考え,メインクラスの能力を伸ばすために,サブとして有用なスキルを持ったクラスを選ぶのが理想だろうか。
ステータスをどう割り振るか,どのクラスを選択するか,スキルの選択をどうするかなど,自由度の高いキャラクター育成要素は悩ましくもあるが,同時に「自分だけのキャラクターを作りたい」という欲求を満たしてくれるものになっているのだ。
研究を重ねて設計されたユーザーインタフェースにより快適なゲームプレイを実現
実際にオープンβテストに参加して感じたプレイフィールについても紹介していこう。
ユーザーインタフェースは,画面の左上にキャラクターの情報とクラスチェンジのボタン,画面右の列にシステム周りのボタン,画面下にショートカット類が配置されている。
キャラクターを移動させる際は画面をタッチする仕様となっているため,「ミスタッチで関係のないボタンを押してしまうのでは?」といった懸念があったのだが,使わないボタンは折り畳んでおけるため,ほとんどストレスを感じずにプレイに集中することができた。
戦闘は,敵をタッチすると自動で戦闘が開始され,状況に応じてショートカットからスキルやアイテムを使うのが基本。指1本だけで直感的な操作ができるのは,スマートフォン/タブレット端末の強みといったところだろうか。ただ,ソードマンのラインスラッシュのような,キャラクターの移動を伴うスキルを連続で繰り出すときの操作は忙しく,ある程度コツをつかむ必要がありそうだ。
ブルーオデッセイは,二つの連盟を中心に,いくつかの町と,モンスターが生息するフィールドやダンジョンが混在する広大な世界が舞台となっている。レベルが上がってキャラクターが強くなるにつれて行動範囲が広がっていくわけだが,本作にはPC版にはないワープによる瞬間移動が用意されており,移動の煩わしさをまったく感じずにゲームプレイに没頭できるのである。ある意味,ここがPC版のル・シエル・ブルーと最も違う部分となっている。
このワープは,全域マップから指定の場所を選ぶ,クエスト画面から目的のNPCや敵を選ぶ,モンスター図鑑から倒したい敵を選ぶといった手順で行え,フィールド内に1匹しか湧かないような敵であっても目の前まで飛ぶことができるため,非常に便利だ。
戦闘方法やワープを使った移動など,プレイヤーへの負担を減らす簡略化が随所で行われているが,それはクエストでも同様である。
クエストは,クエスト一覧画面を開いて,現在受けられるクエストの内容を確認し,そこから関連NPCにワープして開始するのが基本となっている。
また,クエスト一覧の中からシステム側がオススメのクエストを一つ選択し,メイン画面からワンタッチでそのクエストを遂行することもできる。これはゲームを始めて間もない人への指針としての役割も持っていて,提示される順番に進めればゲームに少しずつ慣れていくことができるのだ。
クエストを受けて対象のフィールドに移動すると,“自動でパーティがマッチングされる”のもブルーオデッセイの特徴といえる。パーティを組むと入手経験値が若干減るのだが,クエストをサクサクとクリアできるため,ほとんどデメリットにはならない。大いに活用したいところだ。なお,自動でマッチングされた仲間は自動的にフレンドリストに入るのだが,とくに親しくしたい人はあとで「お気に入り」登録しておこう。
短時間のプレイでも満足を得られるような作りだが,やり込み要素も盛りだくさん
簡単操作で自由度の高いキャラクター育成に集中でき,同時に短時間でも満足感を得られるようなさまざまな工夫が凝らされているのが分かってもらえただろうか。
スマートフォン/タブレット端末向けのアプリということで,どちらかというとソロでの遊びやすさを優先した作りになっている。しかし,MMORPGなので,ギルドをはじめとするコミュニティ機能は充実しており,連盟クエストのような仲間との協力が必要なクエストもあって遊び応えは十分だ。
今回は詳しく紹介できなかったが,武具の「精錬」や「ペット」システム,同じ敵を倒し続けると分析率が上がって対象モンスターの詳細を確認できるようになる「モンスター図鑑」など,やり込み要素も盛りだくさんだ。プレイを続けていくうちに,新しい目的がどんどん見つかってくるだろう。
1人で短い時間楽しむこともでき,仲間とパーティを組んで難解なクエストにチャレンジすることもできるブルーオデッセイは,スマートフォン/タブレット端末向けの“アプリ”ではあるものの,PC向けMMORPGに勝るとも劣らない遊びの幅と,ストーリーを含めたボリュームが魅力のタイトルとなりそうだ。
ブルーオデッセイは,世界に先駆けて,まず日本で正式サービスを開始する予定となっている。開発担当のFUN YOURS Technologyと運営担当のAimingが,お互いの持ち味を活かした協力体制で作り出す本作は,奥深いゲーム性を維持しながらも,誰でも楽しめるタイトルに仕上がっている。なお,現在はAndroid版のみだが,iOSへの対応も検討しているとのこと。
残念ながら,スマートフォンやタブレットではバッテリー消費がかなり激しいので,ずっと立ち上げっぱなしにしておいて気が向いたときにプレイする……といった遊び方には適していないのだが,移動中などでもちょこっとゲームにアクセスするなんてことは可能だ。MMORPGの新しい楽しみ方が広がるかもしれない。
Google Play「ブルーオデッセイ」
「ブルーオデッセイ」公式サイト
- 関連タイトル:
ブルーオデッセイ
- この記事のURL:
(C)FunYours Co.,Ltd. Aiming Inc.