プレイレポート
遊べば遊ぶほどハマる中毒性はまさに未開の領域。「FRONTIER GATE Boost+」の魅力をあらためてまとめてみよう
前作は,コマンド式RPGでありながらマルチプレイで楽しめるという点や,プレイすればするほどにその奥深さを味わえる「戦意システム」で注目を集めていたが,今作ではさらなるシナリオの追加や新システムの搭載によって,単純な“拡張版”とは呼べないほどのパワーアップを果たしている。
本稿ではあらためてゲームの概要を確認しつつ,追加された数々の新要素を紹介していこう。
“戦意”MAXで作り上げたスルメゲー,「FRONTIER GATE Boost+」は何が変わったのか? 主要スタッフに聞く
「FRONTIER GATE Boost+」公式サイト
パートナーと挑む未開の新大陸
本作の舞台となるのは,世界中の人々が外の世界へと乗り出していく“変革の時代”。プレイヤーは新米開拓者として,広大な未開の新大陸「フロンティア」を冒険することになる。
基本的なゲームの進行は至ってシンプル。冒険に役立つさまざまな施設が存在する「拠点」でクエストを受注し,モンスターの討伐や素材採取などをこなし,報酬を獲得してまたクエストへ……という,昨今の携帯機向けマルチプレイゲームではほぼ定番化している流れだ。
多種多様なクエストに挑んでいくうちに,「昇級クエスト」が発生し,これをクリアすれば「フロンティアレベル」が上昇。さらに難度の高いクエストを受注できるようになる。メインストーリーもクエストと同時に進行するので,進むべき場所が分からず右往左往して“詰む”ようなことは一切無いだろう。
ただし,本作には独自のルールがあり,クエストには必ず「パートナー」を連れて行かなければならない。つまりマルチプレイを行う場合,フルメンバーで組むとプレイヤー3人とパートナー3人で最大6人のパーティーとなるわけだ。
ストーリーを進めるごとに新たなパートナーとの出会いがあり,最終的には15名ものキャラクターの中から,好きなパートナーを選べるようになる。
人数の多さだけでも相当なインパクトだが,驚くべきは15名それぞれにちゃんとしたバックグラウンドがあり,固有のストーリーも用意されているという点だ。パートナーのストーリーはメインストーリーと並行して進むので,共に冒険すればするほどに思い入れも深くなっていく。また,豪華キャスト陣がボイスを担当しているのも見どころの一つだ。
多彩な装備品が存在するのも,本作の大きな魅力。武器には片手剣,両手剣,槍,弓,ボウガン,双剣,刀,闘拳,軽打撃,重打撃,戦盾の全11種類が存在し,プレイヤーキャラクターはどれでも好きな物を使用できる。特定の武器だけを使い続けてもかまわないのだが,それぞれの武器を使い込むことで習得できる技があり,これらは武器ごとにまったく違っている。敵との相性も存在するので,戦闘を有利に運びたいならばクエストによって使い分けるのがオススメだ。
装備は拠点の鍛冶屋で製造,強化,改造が可能。強化すればランクが上昇し性能がアップするほか,武器の場合は「武器効果」も付加される。一方,改造は持っている装備を同ランクの別物へと変化させるシステムだ。
本作ではランクによって装備の性能が決まるため,同ランクの装備は種類が違ってもほぼ同じ性能となる。そのためコーディネートの自由度はかなり高く,気に入ったデザインの装備をずっと使い続けられるのだ。マルチプレイにおいても,ほかのプレイヤーとコーディネートがカブることも少なく,自分のこだわりをとことん追求できるのは嬉しい。
次にバトルシステムだが,「コマンド式RPG」といえば多くの人々はオーソドックスなターン制バトルを思い浮かべるはず。本作で採用されているのもターン制バトルには違いないのだが,「AP(アクションポイント)」や「戦意」といった要素によって新鮮な面白さが味わえるバトルシステムへと昇華されている。
まず,APとはその名の通りプレイヤーとパートナーの行動値を示すものだ。本作では,技や魔法といったコマンドを入力するのに,それぞれ定められた量のAPが必要となる。APが続く限りは1ターン中に何度でも行動が可能だが,APを残したままターンを終了すれば敵から受けるダメージを軽減できるというメリットがある。
APの最大値は一定のフロンティアレベルに達するごとに上昇するが,これに深く関わってくるのが戦意の存在だ。戦意は敵味方ともに重要な意味を持ったステータスであり,技や魔法にはそれぞれ戦意を上昇,または下降させる効果が付加されている。戦意はAPへダイレクトに影響し,味方の場合は戦意が上がればAPの最大値がプラスされ,逆に下がればマイナスとなる。
一方で,敵は戦意によって攻撃力と使用してくる技が変化する。戦意の状態で強さが大きく変化するため,戦闘では「味方の戦意を上げつつ,敵の戦意を下げる」戦い方をするのが理想的となるわけだ。
さらに,同じ敵に対して複数人で交互に攻撃を行う「コンビネーション攻撃」も戦略的にとても重要な要素だ。なぜなら,コンボがつながれば与えるダメージ量が上昇するだけでなく,技や魔法の組み合わせによって「アイテムドロップ率UP」や「クリティカル率UP」といった多彩なボーナス効果が発動するのである。
コンボが続くほどにボーナス効果の倍率も上がっていくため,APはプレイヤー一人で使い尽くすよりも仲間とうまく配分した方が戦闘を有利に運べる。
また,敵を攻撃した際に得られる赤い石(※マルチプレイ時には緑や黄の石も出る)を溜めることで「BoostAP」という特別なAPが出現することもある。BoostAPを使用すると,瞬時に味方のAPが最大まで回復するため,より多くのコンボをつなげて敵に大ダメージを与えるチャンスが生まれるのである。
前述したボーナス効果の中には,BoostAPの出現率をUPさせるものも存在するので,強敵との戦いでは積極的に狙っていくと良いだろう。
説明だけだと小難しく感じるかもしれないが,実際のところゲームを進めているうちにAPと戦意の関係性は自然と理解できる仕組みになっている。やがて強敵との戦いの中で戦意コントロールのコツを掴み,その奥深さが分かってくる頃には本作の“真の面白さ”にドップリと浸かっているはずだ。
“Boost+”された新要素の数々
以上の基本システムを再確認してもらったところで,いよいよBoost+から追加された新要素の数々を見ていこう。
細かな変化を除けば,基本的に新要素は前作エンディング後から解放され始める。前作をクリア済みで「引き継ぎプレイ」を選択した人ならば,すぐさま追加シナリオを楽しめるのだ。なお,メインストーリーだけでなく,パートナーのエピソードも追加されており,前作では薄かったパートナー同士のつながりが垣間見えるようなシーンもあるので要注目である。
なお,装備品などを持ち越してレベル1から遊べる「引き継いで初めから」という項目もあるので,あらためて最初からシナリオを楽しみたいという人は,こちらを選択すれば良いだろう。キャラクターカスタマイズもやり直すことができるので,前作で男性キャラを使っていたならば今度は女性キャラで……という遊び方もできる。
システム面で特筆すべきは「ブーストスキル」の追加だろう。「ある条件」を満たすことで使用可能になるブーストスキルには,「ブースト技」と「ブースト効果」の2種類が存在し,戦闘で獲得できる「BP(ブーストポイント)」を使うことで習得できる。
ブースト技は戦闘中に使用可能で,武器ごとにその効果はさまざま。どれも通常の技より非常に強力かつ,見た目もド派手なので,積極的に使っていきたくなること間違いなしだ。
そして,ブースト効果はパラメータの底上げなど,習得するだけで自動的に効果を発揮するスキルだ。同種のスキルと組み合わせれば相乗効果を発揮するというのが大きなポイントで,しかも装備を変更しても習得したブースト効果は引き継ぐことができる。
さらに,フロンティアレベルやAP,キャラクターレベル,武器ランクや武器熟練度など,あらゆる成長要素の上限も解放されるため,キャラクターの強化にはもはや限界が存在しないのでは? という感覚すら味わえる。
また,メインストーリーの拡張に伴って新フィールドや新モンスターが登場。さらには「上級クエスト」を超える難度の「特級クエスト」まで出現する。ブーストスキルを使いこなせなければクリアは難しく,内容によっては前作のラスボスですら雑魚に思えるような歯応えになっているので,心して挑もう。
フロンティアでの冒険に終わりはない
以上,遊び応えの面で高く評価された前作をさらに“ブースト”し,新要素の数々を“プラス”したBoost+は,もはや“時間泥棒ゲー”として新境地に達している。遊べば遊ぶほどに飽きるどころかハマっていく中毒性は,同ジャンル作品の中でもトップクラスに位置するだろう。
目新しい要素を数多く搭載しているものの,RPGとしては非常に入り込みやすい世界観・ストーリーなのも好印象だ。カジュアルゲーマーだろうがハードゲーマーだろうが,まとめて抱き込める懐の広さを持ち合わせている。
今作からフロンティアへと踏み出そうと考えている新米開拓者は,しばらくほかのゲームに浮気できないはずなので覚悟を。そして,前作を遊び倒したベテラン開拓者には,さらなるスリルと興奮を。広大なフロンティアでの冒険に,終わりはない。
“戦意”MAXで作り上げたスルメゲー,「FRONTIER GATE Boost+」は何が変わったのか? 主要スタッフに聞く
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FRONTIER GATE Boost+
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FRONTIER GATE(フロンティアゲート)
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