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公式販売が2017年7月3日に開始。VR空間を自分の足で移動できるデバイス「Virtuix Omni」発表会レポート
Virtuix Omniの開発にあたっては,2013年に目標金額15万ドルのKickstarterキャンペーンが実施され,開始からわずか30分で目標を達成。最終的に,本キャンペーンで集まった資金は110万ドルに達し,さらにほかの投資家からも800万ドルの資金援助を得られたとのこと。結果として,製品版は事前に発表されたものよりもスペックと安全性が高くなっているそうだ。
また海外では,Virtuix Omniを軍事訓練や災害時の避難訓練などに使用している事例もあるとのこと。
Virtuix Omniの本体は,中央部がへこんだベース(床)部分から伸びた2本のアームが,プレイヤーの身体をサポートするリングを支えるような形状をしている。床がへこんでいるのは,自然な歩行を実現するためだ。またアームは8段階に設定可能で,幅広い体型にフィットするよう調整できる。
さらにリングの上には,プレイヤーの腰に装着するハーネスがある。このハーネスには72個のセンサーが取り付けられており,プレイヤーの身体の回転を正確に読み取れるという。またプレイヤーの動きを妨げないため,センサーとVirtuix Omni本体とのデータのやり取りはワイヤレスで行われる。
Virtuix Omniの使用時は,専用シューズを履くことになる。このシューズの裏には,これまた自然な歩行を実現するために摩擦を軽減する素材が使われている。また甲の部分には,足の動きを正確に追跡するIMU(慣性計測装置)ベースのトラッキングポッドが装着される。
Virtuix Omniのメリットは,何といってもVR空間内での自由かつ自然な移動を可能にしたことである。これにより,ゲームを始め,さまざまなVRコンテンツで今まで以上に没入感が得られる。
通常,HMDを装着すると周囲が見えなくなるため,部屋の壁や家具にぶつかったり,装飾品を壊したりする恐れがある。しかし,Virtuix Omniを使えばプレイヤーの身体が一定の範囲から外に出ることがなくなり,安全性を保てるのも利点といえる。
さらに,個人差はあるものの,HMDに映し出される映像と,プレイヤー自身が覚えている身体の感覚のズレが少なくなり,VR酔いしにくくなるという特徴があるそうだ。
Virtuix Omni用のコンテンツとして,まずは「基本セット」を購入することで3種類のゲームが付属する。さらに現在,専用プラットフォームの日本版を準備中で,オープンした際には40種類以上のコンテンツが提供される予定だ。
そんなVirtuix Omniの発売日は7月3日で,以下の5つがパッケージになった「基本セット」の価格は98万円(税別)となる。
「Virtuix Omni基本セット」
- Virtuix Omni VRゲームプラットフォーム 1ユニット
- Virtuix Omni Shoes 1ペア
- Virtuix Omni Harness 1ユニット
- Virtuix Omni トラッキングポッド 1ペア
- オフラインゲーム 3タイトル
会場では,Virtuix Omniの基本セットに同梱されるVRゲーム「OMNI ARENA」を使ったマルチプレイの実機デモも行われた。本作はマップ内に設置されたパワーコアを,迫り来る敵の攻撃から守るというガンシューティングだ。会場では2人のプレイヤーが協力しつつ,敵に近づくためにダッシュしたり,周囲の敵を撃つために身体をさまざまな方向に回転させたりする様子を確認できた。本作のマルチプレイには,対戦モードも用意されているという。
今回のデモプレイは5分程度だったが,ゲームをプレイしたスタッフの顔には汗がにじんでいた。成人男子がVirtuix Omniを使ったVRゲームを1時間程度プレイすると,350〜400kcal程度の運動量になるとのことで,日頃運動不足に悩んでいるゲーマーにはピッタリかもしれない。
さらに会場では,7月10日に東京・新宿にてVirtuix Omniのショールームがオープンすることがアナウンスされた。このショールームでは,実際にVirtuix Omniに触ることができ,各種のVRコンテンツを体験できる。Virtuix Omniがどんな製品なのか,興味のある人は足を運んでみてはいかがだろうか。
Virtuix Omni ショールーム(※要予約)
住所:
東京都新宿区新小川町7-17飯田橋三幸ビル4F
Tel: 03-6868-6441
Mail: sales@suhojapan.com
営業時間:
平日14:00〜17:00
土日祝11:00〜17:00
予約サイト:
https://reserva.be/omni