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サイバーパンク2077公式サイトへ
  • CD PROJEKT
  • 発売日:2020/12/10
  • 価格:8778円(税込)
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アニメ「サイバーパンク エッジランナーズ」先行試写レポート。アニメ制作の経緯を聞いた,プロデューサーインタビューとともにお届け
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印刷2022/09/13 16:01

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アニメ「サイバーパンク エッジランナーズ」先行試写レポート。アニメ制作の経緯を聞いた,プロデューサーインタビューとともにお届け

画像集 No.047のサムネイル画像 / アニメ「サイバーパンク エッジランナーズ」先行試写レポート。アニメ制作の経緯を聞いた,プロデューサーインタビューとともにお届け
 CD PROJEKT RED(以下,CDPR)とアニメスタジオのTRIGGER(トリガー)のタッグが制作するアニメ「サイバーパンク エッジランナーズ」の配信が,Netflixにて本日(2022年9月13日)スタートした。

 本作は,CDPRのアクションアドベンチャーゲーム「サイバーパンク2077」PC / PS5 / Xbox Series X / PS4 / Xbox One)のスピンオフアニメだ。ゲームと同じナイトシティを舞台に,アウトローの傭兵――サイバーパンクの道を歩んだ少年の物語を,全10話のオリジナルストーリーで描く。監督を務める今石洋之氏をはじめ,吉成 曜氏(キャラクターデザイン/総作画監督)や大塚雅彦氏(脚本)といったトリガーの面々,劇伴を担当した山岡 晃氏など,著名なクリエイターが集結した制作陣にも注目だ。

 そんな本作をメディア向け先行試写会で視聴してきたので,本稿にて作品の魅力をお伝えしたい。本作のプロデューサーを務めるCDPRの本間 覚氏エルダー 爽氏のインタビューも合わせてお届けしよう。

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「サイバーパンク エッジランナーズ」公式サイト



ゲームより少し前の「ナイトシティ」を舞台に,一人のサイバーパンクの生きざまを描く


 主人公は,サントドミンゴに住む一人の少年デイビッド・マルティネス。母のグロリアと二人暮らしで家は裕福ではないが,グロリアの希望で名門校のアラサカ・アカデミーに通っている。しかし,富裕層のエリートばかりの学校では浮いた存在で,クラスメイトとの諍(いさか)いばかりを起こしている。

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 ある日デイビッドは,自らの失敗によって学校に大きな損害を与えてしまう。デイビッドに少しでもいい仕事についてほしいと考えるグロリアは,学校側へ賠償を払うことを約束する。デイビッド自身は居心地の悪い学校を出て働きたいものの,母の気持ちに応えるため学生生活を続けることに――。

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 そんな矢先,デイビッドに突然の惨事が巻き起こる。それによって自らの力で生活や賠償のために金を工面しなければならなくなるが,偶然にもグロリアの持ち物のなかから軍用のサイバーウェアを発見する。
 知り合いのリパードクによると,それはかなり強力なサイバーウェアであり,反面,心身への影響もまた大きいものだという。

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 自身に降りかかる悲劇と経済的な苦境を乗り越えるために,サイバーウェアをインストールするデイビッド。その後,謎めいたネットランナーの少女ルーシーや街で暗躍するサイバーパンクたちに出会い,ナイトシティの裏社会に足を踏み入れることになる。

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 まず圧倒されるのが,これぞトリガーというアニメーションだ。サイバーパンク2077らしいリアリティのある描写やバイオレンス表現を踏襲したうえで,スピーディかつダイナミックな躍動感にあふれている。ナイトシティの街並みの緻密な表現はもちろん,そこに暮らす人たちの日常が伝わってくる雰囲気もあり,ワンシーンの情報量はかなりのものだ。

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 ストーリー構成も秀逸だ。各話にメインとなるエピソードがありつつ,終盤には次のエピソードにつながる伏線が登場するため,続きが気になって視聴が止まらなくなるだろう。何日もかけて数話ずつを視聴するのもいいが,個人的にはその勢いのまま一気見をオススメしたい(もちろん,休憩は入れつつで!)。

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 ゲームの楽曲やアニメオリジナルの曲,そして山岡 晃氏による劇伴が散りばめられた音楽にも注目だ。アクションシーンを盛り上げる力強い楽曲はもちろん,デイビッドが暮らすダウンタウンのシーンで流れるチープで脱力した雰囲気のある楽曲では“街の日常”を感じられ,音楽面でのこだわりが伝わってくる。

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 「面白そうだけど,ゲームをプレイしていないと楽しめないのかな」と思うアニメファンも少なくないだろう。そのあたりは心配無用だ。サイバーパンクと呼ばれる作品群のおおまかなイメージを持っているか,今(現実)より少し先の,人体改造が一般化した未来の話であることを知っていれば,問題なく作品世界に入り込めるだろう。

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 街に存在する社会的不平等,毎日どこかしらで発生している犯罪,複数のギャング組織,裏社会で大きな力を持つフィクサー,そして“何でも屋”として暗躍するサイバーパンクたち。サイバーパンク2077の世界を知るうえで必要な要素は,ストーリーの流れのなかで自然に伝えられるため,いつの間にかこの世界で起きていることを理解できるはず。そういった意味では,アニメ「サイバーパンク エッジランナーズ」を入り口にゲームの世界に飛び込む……というのもアリだろう。

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プロデューサーに聞く,サイバーパンク エッジランナーズ誕生の経緯と作品の魅力


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。さっそくですが,なぜアニメのプロジェクトを立ち上げたのかを教えてください。

本間 覚氏(以下,本間氏):
 さまざまな理由がありますが,何よりスタジオのメンバーたちが「アニメが好き」ということが大きかったですね(笑)。ゲーム制作中の2017年ごろに「サイバーパンク2077の世界観でアニメ作品を制作したい」という企画が生まれました。
 アニメのプロジェクトが本格的に決まり,いくつかの日本のアニメ制作会社にプレゼンを行ったのですが,そのときお声がけした会社の一つにトリガーがありました。

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4Gamer:
 なぜ制作をトリガーが担当することに決まったのでしょう。

本間氏:
 これもいくつか理由がありますが,サイバーパンク2077という作品を取り扱っていただくうえで,どういう形の作品が生まれるか,もっとも想像できなかったのがトリガーだったんです。
 サイバーパンク×トリガーが起こす化学反応によって,ファンの皆さんの期待や想像を良い意味で裏切る表現が生まれるのではないか。そういった期待が大きかったですね。

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4Gamer:
 サイバーパンク2077は,ナイトシティで巻き起こる出来事をメインとした,どちらかというとミニマムな世界での物語を描く作品という印象があります。トーンは全体的に淡々としていて。
 それに対してトリガーの作風は,世界規模や銀河規模の物語が勢いのある表現で展開するイメージがあります。たしかにアニメを観るまでどんな作品になっているのか,想像できませんでした。

本間氏:
 ええ。物語はサイバーパンク2077らしく,ナイトシティという街の出来事を現実的に描きつつ,トリガーの作風や得意とする手法を生かしたダイナミックな表現で展開していく。そこが本作の見どころの一つとなっています。
 演出面の“らしさ”のところはトリガーにお任せして,そのあたりのバランス取りは私たちが行いました。やはり銀河を突き抜けちゃったりすると,それはサイバーパンク2077ではなくなってしまいますから(笑)。それによって,双方の魅力を打ち出すギリギリを攻めた仕上がりになったと感じています。

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4Gamer:
 1話から3話までを視聴して,ブレインダンスの場面は「ここでトリガー“らしさ”が発揮されそうだな」と思いました。とくに月のシーン,実際は部屋で体験していることですが,銀河を突き抜けた……ではないですけど「宇宙に飛び出した!」と感じました。

本間氏:
 まさにそのとおりですね。ブレインダンスやサイバー空間は自由に表現できる余地があるものなので,トリガーらしい独創的な表現で描き出すシーンになっています。4話以降でさらに大きく展開し,サイバーパンク2077の世界をより魅力的に広げていくものになっているので,ぜひお楽しみください。

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4Gamer:
 ストーリーは完全オリジナルということですが,どういった流れで制作されたのか気になります。

エルダー 爽氏(以下,エルダー氏):
 実はトリガーと契約する段階で,我々の方で制作したシナリオの初稿がある程度仕上がっていたんですよ。すべてのシーンやセリフもきっちり入ったものです。
 しかし,それをトリガーにお渡しして意見をうかがったところ,「これでは“アニメ映え”しないです」という返答があり,新たに書き直すことになりました。

本間氏:
 ゲームとアニメはストーリーの魅せ方が違うので,アニメの脚本としては使えなかったんですよね。
 CDPRはストーリー性のある作品に自信がある開発会社なので,面白い物語は作れるし,それがあればアニメも面白くなるだろうと考えていたのですが,実際はそうはいかない。アニメ制作の経験がなかったのもありますが,このあたりは我々のエゴが強かったという,一つの反省点でした。

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4Gamer:
 初稿の段階ではどのような話だったのですか?

エルダー氏:
 完成したものとは大きく異なり,もっとノワールでハードボイルドな,かなりダークな物語でした。表情で何かを伝えるシーンやモノローグ,心理戦なども多くて。その描写や演出はいわゆる洋画的で,アニメで表現にするのは向いてはいなかったんです。

4Gamer:
 トリガーと組んで制作すると考えると,方向性が違う印象がありますね。

エルダー氏:
 ええ。もちろんアニメでも表情の細かい変化や心情で物語を動かすことはできるのですが,やはりトリガーの皆さんとしても,自分たちの得意とする演出で物語を描きたいわけですね。
 もちろんこちらも,トリガーのボンバスティックでファンタスティックなアートや表現に期待していたので,あらためてお互いの意見をすり合わせて,シナリオを新たに制作しようと決めたんです。

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本間氏:
 2018年初頭から本格的にプロジェクトが動き出して,2020年にトリガー側で脚本の制作が始まるまでの2年ほどでしょうか。CDPRとトリガー間でシナリオ作りの方向性が定まるまで,かなりの時間を消費しました。
 いろいろなパターンのプロットを考えた結果,気が付いたら全10話のプロットが4パターンもできあがっていました。しかも各パターンを何度もリライトしていたので, バージョン数は数え切れないほどです。

4Gamer:
 何バージョンも……それはかなりのボリュームですよね。

エルダー氏:
 そうですね(笑)。最初はひたすらダークな感じの展開と終わり方だったんですが,それは「さすがに暗すぎてダメですよね」となり,何十回も書き直して。
 実際に使用されたシナリオは,1つのパターンをストーリーの軸にし,そこにほかのパターンからさまざまな要素を持ってきて制作したんですが,やはり“どう終わらせるか”は難しくて。プリプロに入るまでに3つの候補に絞ったのですが,そこからも悩みましたね。
 最終的には双方が納得できる,トリガーや今石監督らしい“サイバーパンク2077の世界観で繰り広げられる物語の結末”になったと感じています。

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本間氏:
 シナリオ制作は,作業自体だけではなく,CDPRとトリガーとのやり取りも大変だったんですよ。

4Gamer:
 ああ,ポーランドと日本だから,言葉の問題が発生しそうですね。

本間氏:
 まさにそれです。CDPR側が作成したポーランド語の脚本をいったん英語にして,それを日本語にしてトリガーにお渡しし,トリガーに手直しをしてもらったものをまた英語にしてからポーランド語に……。3言語を使っているぶん,何倍も時間がかかったんです。
 そこに新型コロナウイルスの世界的な感染拡大もあり,想像していたより時間を要しました。

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4Gamer:
 シナリオが仕上がり,アニメ制作が本格的に動いてからはどうだったのでしょう。

エルダー氏:
 シナリオ制作のときほど,やり取りで時間を要することはなかったかなと思います。絵コンテまではこちらからの要望やフィードバックを出しましたが,原画や作画に入ってからはトリガーにお任せでしたから。
 もともとトリガーのほうからもそういう要望がありましたし,お願いしたこちらとしても,トリガーらしさというものを楽しみにしていたので,絵コンテで方向性が決まってからはあまり口を挟むものではないですからね。
 信頼してお任せしていたわけではありますが,どのような仕上がりになるか,待っているときはドキドキしました(笑)。

4Gamer:
 映像はもちろんですが,音楽も興味深かったです。ゲームの曲を生かしながらも,またそれとは違った方向性を感じました。

エルダー氏:
 ありがとうございます。当初はゲーム内の音楽だけを使用する案もあったんですけど,アニメならではのエモーショナルな部分の表現をする際に,ゲーム楽曲だけでは難しいところもあって,アニメの制作途中でアニメオリジナルの楽曲を入れることになりました。

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本間氏:
 ゲームのヘビィなサウンドばかりだと,全10話のアニメとしては重苦しい印象が強くなってしまうという部分もあったんですよね。
 さらにトリガーのポップな色調のグラフィックスや勢いのある演出に合う曲という意味でも,新しい楽曲が必要だと感じたんです。全部で50曲ぐらい制作したんでしたっけ?

エルダー氏:
 そうですね。実際使用しているのはその半分くらいでしょうか。今石監督から「このシーンに,例えばこういうテーマの曲を3パターンほど用意できませんか?」みたいに相談を受けて,そのイメージにあった曲をお渡ししたりもしました。

4Gamer:
 なるほど。オリジナルの曲もゲームの曲も使用されている場面に合っているというだけではなく,ナイトシティという街の空気が伝わってくるような感覚がありました。

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本間氏:
 そのあたりでいうと,ひとつ面白い話があります。第3話で街の飲み屋でワイワイ騒ぐシーンがあって,そこで流れていた楽曲を覚えていますか?

4Gamer:
 はい。いかにも街のやんちゃな連中が盛り上がるような,ダンサブルな楽曲ですよね。

本間氏:
 ええ。あまり聞きなれない言葉の歌だったと思うのですが,あれはポーランド語の楽曲で。実はそれを作ったのが元CDPRの法務担当の人間なんです。

4Gamer:
 法務担当が制作した楽曲……なんだか異色な感じがありますね。

本間氏:
 といっても彼は個人でアーティストとしても活動していて,アルバムも出しているんですけどね(笑)。楽曲素材としてたくさん提供したうちの一つとしてあって,それが採用されたんです。
 さらに,こちらは英語ですが,エンディング曲はポーランド出身のアーティストであるDawid Podsiadłoが担当していて。日本のアニメでポーランド出身のアーティストの曲やポーランド語の楽曲が流れること自体珍しいと思うので,視聴した人がどう感じるか楽しみです。

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4Gamer:
 劇伴を山岡 晃さんが担当されているところもワクワクしました。
 バンドサウンドやエレクトロ,電波系と,さまざまなタイプの楽曲を手がける山岡さんがサイバーパンク作品のサウンドを制作することには“間違いない”という感じはあったのですが,これはどういった経緯で決まったんでしょうか。

エルダー氏:
 これまたシンプルに,弊社のゲームディレクターが「サイレントヒル」が大好きだったことが大きいです(笑)。
 スタジオのアニメ好きのスタッフたちからは,「アニメを作るならこの人と仕事がしたい」「あの人の音楽だろう」と,有名なアニメ系のアーティストや好きな作曲家の名前がたくさんあがったりもしましたが,「山岡さんと仕事がしたいよね」というゲームディレクターの推薦もあって決まったという感じです。

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本間氏:
 スタジオのコンポーザーが山岡さんと知り合いで,そのあたりでも話が進みやすかったんです。

エルダー氏:
 ええ。山岡さんご自身が英語を話せる方なので,トリガーだけではなくCDPRサイドのコミュニケーションを円滑にできたことも大きかったですよね。楽曲のイメージを言語化して伝えていただけて,本当にありがたかったです。

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4Gamer:
 仕上がった作品を観たときはどんな気持ちでしたか?

エルダー氏:
 まず,私自身がトリガー作品が好きで,そのトリガーがサイバーパンク2077で作品を制作してくれるということは,いちファンとして本当に嬉しかったんですね。一方,制作に関わる者としては,アニメの本格的な制作に入ってからはお任せだったので,1話が仕上がるまで不安な気持ちもやはりありました。
 それだけに,完成したものを観たときの喜びと感謝の気持ちは大きかったです。世界観をしっかりと理解していただいたうえで,新しい物語を描いていることが伝わりましたし,街並みや雰囲気も忠実に再現してくれていて。ジャンルとしてのサイバーパンク作品ではなく,「サイバーパンク2077のアニメ」として素晴らしい仕上がりに感動しました。

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本間氏:
 街並みの再現でいうと,トリガーの皆さんはゲームでしっかり“ロケハン”をしてからビジュアルを作り出していたんですよね。
 街の人たちが使用しているクルマや武器,街のグラフィティのイメージなど,こちらからも資料となる素材は大量にお渡ししてはいましたが,路線図などはさらに詳しくヒアリングして「デイビッドの家がここで,通っているアカデミーがここだとすると,この電車に乗って車窓からはこういう風景が見える」みたいなところまでしっかりと制作されていました。
 ゲームでその場所に立ってみると分かるのですが,可能な限りゲームで見える風景を再現しているんですね。そのこだわりには驚かされました。

エルダー氏:
 ゲームは一人称視点ですが,アニメだとキャラクターをとおした三人称視点などいろいろな角度で街を見られるので,ゲームをプレイした人にも新鮮に映るかと思います。

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4Gamer:
 サイバーパンク2077のこういったメディア展開は,ほかにも何か動く予定はあるのでしょうか?

本間氏:
 個人的な考えが大きく,また本作の反響次第という話ですが,今後もさまざまな形でメディア展開ができるといいなと思っています。
 ただ,大前提として,本作は完全にスタンドアロンの作品で,ある種の実験的な作品であることは伝えておきたいです。全10話を最後まで観ていただければ分かると思うのですが,続編ができるような作品ではなく,我々としても続編の構想はまったくありません。仮に新しい作品を作るとしても,違った形になりますね。

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4Gamer:
 いち作品ファンとしては,サイバーパンク2077の世界をベースとした群像劇が見たいというのがあります。

本間氏:
 それは面白いですね。ゲームはV(ヴィー),アニメはデイビッドの視点で物語を描いていますが,彼らと関わる人たちにはそれぞれの背景や物語があって,その一つ一つを別の軸で描くだけでも,群像劇としても深みのある物語が生まれるのではないかと思います。
 そもそもサイバーパンク2077とは,ナイトシティという街の物語なんですよね。ナイトシティが主人公であり,悪役でもあり,それを街の人々の視点で描くような。現状は具体的な何かが動いているわけではないですし,個人的な意見ではありますが,アニメに限定せず,漫画やノベルス,ドラマといった形でそういった作品展開があると面白いなと思っています。

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4Gamer:
 それでは最後に,読者やこれからアニメを視聴するファンにメッセージをお願いします。

エルダー氏:
 サイバーパンク2077をプレイした人だけではなく,知らない人でも楽しめるような導入になっていて,さらにトリガーならではの魅せ方で冒頭から作品世界に引き込まれると思います。街の雰囲気や人々の生活が本当に丁寧に描かれていて,それがとても魅力的でオススメです。
 これでもかっていうぐらいバイオレンスシーンとエロティックな表現も盛り込まれていて,それらも作品の魅力ですが,家族やお子さんがいる場所,移動中の電車などでの視聴には注意してください(笑)。

本間氏:
 サイバーパンク2077はポーランドの会社のゲームではありますが,日本のスタジオが制作した日本発のアニメ作品という形で,作品の魅力を打ち出せたことは日本人として本当に嬉しいです。たくさんの人たちにアニメを楽しんでいただきたいですね。
 リリースしたばかりのサイバーパンク2077のパッチ1.6(関連記事)では,アニメに関するコンテンツを追加しています。ゲームのプレイヤーの皆さんにはこちらも楽しんでいただきつつ,全10話,約240分の濃厚なストーリーを堪能してほしいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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