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[E3 2019]基本システムが詳しく紹介された「サイバーパンク2077」。キアヌ・リーブスさんは英雄ジョニー・シルヴァーハンド役で登場
「サイバーパンク 2077」は,ボードゲームデザイナーのマイク・ポンスミス(Mike Pondsmith)氏が1988年に基本ルールブックを発売したテーブルトークRPG,「Cyberpunk 2.0.2.0.」を正式ライセンスしたRPGだ。本作については,昨年のE3 2018やgamescom 2018でも記事を掲載しているので,合わせて参照してほしい。
「サイバーパンク2077」公式サイト
TRPGで描かれる2020年から50年以上が経過したという設定の「サイバーパンク 2077」は,ロサンゼルスとサンフランシスコの中間に位置する巨大都市,「ナイトシティ」が舞台となる。経済破綻によってアメリカ政府が機能不全に陥ってしまったため,企業連合が「北カリフォルニア自由州」を創設。ナイトシティは,行政から警察までを企業が支配した強権的な統制下にある。
その一方で,ナイトシティの人々は企業体のさまざまな製品を使用し,まるでアクセサリーを取り替えるように,身体能力を向上させるオーギュメンテーションやインプラントなどの「サイバーウェア」を体のいたるところに組み込んでいる。プレイヤーは裏稼業なら何でも請け負う「サイバーパンク」のV(ヴィー)となり,ディストピアとなったこの街で成り上がろうと奮闘する,というのがこれまでのトレイラーやデモで紹介された内容だ。
キアヌ・リーブスさんは,
英雄ジョニー・シルヴァーハンドとして登場
まずは,現地時間の2019年6月9日に開催されたMicrosoftの「Xbox E3 ブリーフィング」で公開された,4分ほどのトレイラーを簡単に説明しておこう。
裏社会のフィクサーとして昨年紹介されたデクスター・デショーン(Dexter DeShawn)から,何らかの価値を持つバイオチップを盗む出すように指示されたVと,その相棒のジャッキー(Jackie)だったが,警察に追われることになり,銃撃戦でジャッキーを失ってしまう。
それでもなんとかバイオチップをデクスターのもとに届けたVだが,警察の注目を集め過ぎたことに憤ったデクスターと連絡役のティーバグ(T-bug)に殺されそうになる……というのがトレイラーの内容だ。ラストシーンでは,ゴミ廃棄場のような場所で目を覚ますとキアヌ・リーブスさんの演じるキャラクターが目の前に現れるという流れになっていた。
キアヌ・リーブスさんの役どころは,左腕に銀色のサイバーウェアを装備していたことから気づいた人もいるかもしれないが,「Cyberpunk 2.0.2.0.」のジョニー・シルヴァーハンドとして知られる重要なキャラクターだ。2021年の第4次企業戦争に決着をつけるため,悪徳企業の本部に乗り込み,そのまま戦死したという革命の闘士で,英雄であると同時に,Samuraiというロックバンドを率いるギタリストでもあった。彼の遺体は見つからなかったので,やがて存在が神格化され,彼を求める「Where’s Johnny?」と書かれたポスターやグラフィティが,2077年になってもなお,ナイトシティのいたるところに見られる。
さらに,(トレイラーで気づいた人もいるだろうが)ときおり半透明になるジョニーは生身の人間ではなく,TRPGでは「デジタルゴースト」と呼ばれる,サイバースペースの中にいる意識のコピーのような存在だ。彼が死んだとされる年から50年以上が経過しているため,若いままの姿でジョニーが現れるのは確かに妙な話なので,ゲームでも同様に,彼がデジタルゴーストであることは間違いない。
公開されたライブデモでもジョニー・シルヴァーハンドが何度か登場していたのだが,デモ担当者は詳しく説明してくれなかった。どうやら,デクスターに撃たれたときにVの脳幹に直結していたバイオチップが破損して,中にあったジョニーのデータが覚醒した……,という筋書きであるようだ。トレイラーでは,「おいサムライ,早く目を覚ませよ。街を燃やす仕事が残ってるぜ」とジョニーが言うのだが,半世紀後に出現した彼はこのあと,Vの頭の中の声として居すわり,ときには目の前に登場してくるのだ。
Vに仕込まれた
バイオチップの謎を解き明かせ
ライブデモはVのキャラクターメイキング画面からスタートした。デフォルトは,最新のアートワークで描かれている髪を短く刈り上げた男だが,特徴的なのは彼の過去を設定する「オリジンストーリー」で,遠くからナイトシティにやってきた流れ者「Nomad」,ナイトシティの貧民街で育った「Street Kid」,そして解雇されて路頭に迷っている企業戦士「Corporate」の中から選ぶことになる。もちろん,肌の色から髪型,顔の傷跡なども細かく設定可能だが,担当者によれば,オリジンストーリーの選択により,NPCの対応が変化するとのことだった。
ライブデモを担当した開発者はここでメインミッションについて語った。それによると,Vが自分の脳幹にインストールしたバイオチップには「不死の秘密」が隠されており,このバイオチップについて調べていくことが物語の中心になるというのは,これまで明らかになっていなかった情報だろう。
キャラメイク後,初めて公開されたナイトシティの新しい地域「パシフィカ」からゲームが始まった。海岸に沿った西海岸らしい地域だが,建設中だったホテル群は,折からの経済危機のあおりを受けて荒れ放題のまま放置され,この地域に暗い影を落としている。ハイチ系移民が多いようで,あちらこちらからフランス語系のクレオール語が聞こえてくる。
Vの目的は,有能なハッカーだというブリジット(Brigitte)の居場所を突き止めることで,そのためにヴードゥー・ボーイズというギャングに接触しなくてはならない。彼らは地域住民に根付いたローカル色の強いギャング団で,外部の人間とは一緒に仕事をしたがらないという設定のようだ。ともあれ,Vはミッションの目的の1つである,教会に潜むMr.ハンズという人物にコンタクトすることとなった。
教会ではミサが行われており,肩が触れ合うというほどの密度ではないにせよ,少なくとも100人は確実なNPCで埋め尽くされている。彼らを分け入って進んでNPCに話を聞くと,今度は精肉所にいるプラシド(Placide)という人物にあたってみろと言われる。
面白いのは,途中で出会う多くのキャラクターはクレオール語を話しているのに,テキストが英語化されていることだ。どうやら未来世界では,バイオチップに自動翻訳機能があるらしい。また,途中でショップにも立ち寄ったが,さまざまなコスチュームやアイテムを買えるインベントリも確認できた。コスチュームには,ハッキングをより正確に行えるなど,能力を拡張するものもあるようだ。
奥で肉を切っていたプラシドにMr.ハンズの名前を出すと,すぐさま別の地点に連れていかれることになった。道中,プラシドは遠くに見える建設途中のホテルのグランド・インペリアル・モール(GIM)と呼ばれる地上部分の廃墟を,最近アニマルズというギャングが縄張りにしていると告げた。さらに,プラシドが実はヴードゥー・ボーイズの幹部であると語り,ブリジットに会いたいなら,GIMに30人ほどいるアニマルズを始末してこいと要求された。
会話の選択はいくつか用意されているが,それを見ると,ライブデモの主人公は「Corporateのオリジンを持つ,ネットランナーというキャラクタークラス」になっているようで,地元の人の信用度を表す「ストリートクレジット」は低い。そのため,ミッションを遂行するにはプラシドの要求を呑むしかないのだ。しかし,そう言うプラシドもVをまったく信頼していないらしく,Vの視覚や聴覚を共有するためにバイオチップをハッキングするという危険な行為,「ジャックイン」(Jack-In)を行った。ここでプラシドの背後に,「おまえの頭に別の声が入って来たな」と語るジョニーが登場するが,プラシドにはジョニーの声が聞こえず,姿も見えないらしい。
キャラクタークラスによって
まったく異なるゲームプレイ
GIMへの移動には,Vの新しい乗り物であるYAIBA社製「KUSANAGI」を使用する。高速道路を疾走するのだが,乗り物の操作がうまく設定できていないらしく,ライブデモはゴッドモードになっていた。もちろん,ゲーム内でほかの乗り物や壁にぶつかればバイクは破損するし,大きなクラッシュが起きればVは死んでしまうとのことだった。パシフィカの道路はボロボロなうえ,野蛮な路上生活者が襲いかかってくるので,かなり慎重に運転しなければならない。
GIMに住み着いたアニマルズは,筋肉の増強にこだわる屈強なギャング団で,GIMにトレーニングマシンやスパーリングロボットなどを持ち込んで運動に励んでいる。上記のように,Vのキャラクタークラスはネットランナーで,その特技を活かしてセキュリティカメラをハッキングしたうえで敵を翻弄しようと画策する。しかし,アニマルズにもネットランナーがおり,セキュリティシステムにアクセスしたと途端,こちらの存在がバレてしまった。
ネットランナーというキャラクタークラスでも銃器はそれなりに使えるし,デジタルワイヤーと呼ばれるオレンジ色の鞭のような武器で相手を切り刻んだり,相手のタレット銃をハッキングして味方につけるといったことができる。ライブデモでは,さまざまな戦い方を見せるため,ここで「ソロ」という孤独な生き方を好むキャラクタークラスの女性に切り替えて,プレイが続けられた。
ソロは両腕にパワーグローブを装備しており,閉ざされたドアをこじ開けたり,敵を殴り倒したりできるし,タレットガンから銃だけを奪って戦うといった,かなりすさまじいプレイも可能だ。ライブデモでも,敵の雑魚を裸絞めしたままタレットに進み,そのままタレットからマシンガンをむしり取るというプレイが確認できた。
アニマルズのラスボスはサスカッチ(Sasquatch)という,ほかの大男どもにひけを取らないほど大柄の女性キャラクターで,屈強なボディアーマーと,非常に大きな鉄槌を振り回して戦う。
しかし,マシンガンのおかげでサスカッチのボディアーマーが次第に剥がれ,ついに彼女は地面に転がった。デモの担当者によれば,この時点でサスカッチは戦闘不能になって苦しんでいるだけで死んではおらず,どうやら必ずしも殺す必要はないらしい。殺さなかったらどうなったのかは説明されなかったが,彼女が使っていた鉄槌を自分の武器として手に入れることはできるという。
プラシドとの交信により,敵のネットランナーを探して映画館に入っていくと,そこにブライス・モズリー(Bryce Mosley)というキャラクターがいた。彼は,ネットウォッチというサイバーポリスのような政府機関のメンバーで,ジャックインしたプラシドとの交信を一時的に遮断するという高度なハッキング能力を持っていた。
そもそもアニマルズはモズリーの用心棒であり,Vはヴードゥー・ボーイズに利用されているだけだと語るモズリーは,ブリジットを捕まえるのを手伝うからこちらに寝返るようにと説得してくる。すでにブリジットはプラシドの一味に裏切られて冷却化(意味は不明)されており,VもGIMを出れば即座に殺されると話す。
CD Projekt REDのビジネスブースに飾ってあった,ジョニー・シルヴァーハンドのギターのモックアップ |
こちらもモックアップ,ジョニー・シルヴァーハンドのバンドは「Never Fade Away」や「Jack In」といった大ヒット曲を出したらしい。ちなみに,キアヌ・リーブスさんもバンドをやっていた時期がある |
しかしVは死ぬことはなく,数時間が経過したところで復帰し,プラシドのもとへ向かう。Vが生きていたことに恐れをなした彼はようやくブリジットを呼び,さらに,隠れ家のような謎の地下施設へと連れて行ってくれた。どうやらプラシドはブリジットを裏切ってはおらず,誰の言い分が本当で誰がウソをついているのかよく分からなくなってきた。
このあとの展開をざっと説明すると,ブリジットはさらにオルト・カニンガム(Alt Cunningham)という人物に会うよう,Vに勧める。オルト・カニンガムもTRPGに登場する人物で,自分の意識を人類史上初めてサイバースペースに移植したという伝説のネットランナーだ。Vは,「バイオチップの謎は彼女にしか分からない」と,ブリジットに勧められるままに自らの体を氷が浮かんだ浴槽に沈め,サイバースペースでブリジットに出会うという場面でデモは終了した。
Microsoftのカンファレンスで発表されたとおり,「サイバーパンク 2077」は2020年4月16日のリリースが予定されている。「マトリックス」などで知られる人気スターのキアヌ・リーブスさんが登場するという驚きのニュースだけでなく,「Vに組み込まれた特別なバイオチップの謎を追う」という物語のあらすじも判明したので,今年のE3もなかなかの収穫だった。今後もさまざまな機会に新情報が明らかにされていくと思われるだけに,続報に注目していたい。
「サイバーパンク2077」公式サイト
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Cyberpunk 2077 is a trademark of CD Projekt RED S. A. Cyberpunk 2077 CD Projekt RED S. A. All rights reserved. Cyberpunk 2077 is based on a Pen & Paper Cyberpunk system created by Mike Pondsmith. All other copyrights and trademarks are the property of their respective owners.
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