連載
真実は深い闇の奥にある……。スマートフォン向けホラーノベルゲーム「あげはの花は宵に咲く」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第405回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
文章のみならず,画像やBGM,効果音などを巧みに組み合わせたビジュアルノベルゲーム。その臨場感はかなりのもので,とくにホラー作品は,ヘッドフォンを使うことにより,感じる恐怖が数倍にも増す。
本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」では,そんなスマートフォン向けビジュアルノベルゲーム「あげはの花は宵に咲く」(iPhone / Android)を紹介しよう。
「あげはの花は宵に咲く」ダウンロードページ(iOS版)
「あげはの花は宵に咲く」ダウンロードページ(Android版)
本作は,画面をタッチして文章を読み進めながら,ときおり表示される選択肢を選んで物語を進めていくというビジュアルノベルで,ホラー要素が強い内容となっている。
物語は,夜の街に名を馳せる「あげは」こと主人公の姫川ナオミが,友人「ソマリ」が自殺したマンション「レジデンス社台」に向かうところから始まる。ナオミは,投身自殺の名所として知られているそのマンションで,謎の少年や奇怪な少女と遭遇。自分の運命に絶望しながらも,レジデンス社台に隠された秘密に迫っていく。
本作は,普段我々が生活の中で目にしているマンションや商店街の風景など,ほぼ全編が実写で描かれており,ゲーム内で起こっているはずのできごとが,まるで身近に起こっているかのように思える。
例えば,階段を一段ずつ昇るシーンでは,実写の階段とリアルな足音により,実際に自分で階段を昇っているような感覚に陥るはずだ。階段を昇っている途中,壁に悪霊が……などというシーンもあり,単に悪霊の画像を見せられるよりも,現実的な風景の中にそうした画像が溶け込んでいると,そこで受ける衝撃はより強くなる。
筆者は,スマートフォンの小さい画面では文字が小さすぎて,ビジュアルノベルをちゃんと楽しめないのではないかと不安だったが,実際にプレイしてみると,本よりも文字が大きく,むしろ読みやすいように感じた。
また,本作のデータセーブは,物語の進行中であっても,画面左上のしおりマークをタッチすればいつでも行える。そのうえ,選択肢が現れるたびにオートセーブされるので,やり直しやすいという親切設計だ。
しかし,プレイヤーの選択次第では即座にバッドエンドになることは日常茶飯事で,先述したように,エンディングの数も20弱と多く,全シナリオ制覇までの道のりは長い。
ややショッキングな表現や,痛ましいエピソードなどを盛り込み,人の心に潜む闇を描いている本作。真のエンディングにたどり着くのは,なかなか難しいかもしれないが,それだけやり応えがあることは確かだ。「読書の秋」でもあるこの季節,ゲームと読書の両方を,スマートフォンで手軽に味わってみてはいかがだろうか。
著者紹介:カイゼルちくわ
ゲーム攻略記事を中心に活動するフリーライター。ゲーセンに寝泊まりしたいくらいのシューティング&ガンシューティング好きだが,家に帰ればPCのFPSも遊びたがる。アクションゲームとかわいいキャラにも目がない。
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