連載
駒が4つだけなのに奥深い! スマートフォン向け簡易将棋「どうぶつしょうぎ(公式)」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第379回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
「どうぶつしょうぎ」は,子供への将棋の普及を主な目的とし,女流棋士・北尾まどか氏と藤田麻衣子氏によって作られた,将棋の簡易版といえるもの。しかし,その奥深さは将棋に匹敵し,子供だけでなく大人も楽しめる作品となっている。
本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」で紹介する「どうぶつしょうぎ(公式)」(iPhone / Android)は,そのルールやイラストを忠実に再現してアプリ化したもの。これがあれば後片付けの必要もなく,いつでもどこでも「どうぶつしょうぎ」が楽しめる。
「どうぶつしょうぎ(公式)」ダウンロードページ(iOS版)
「どうぶつしょうぎ(公式)」ダウンロードページ(Android版)
ゲームモードは「どうぶつたちとあそぶ」と,「家族や友達とあそぶ」の2種類が用意されている。前者は,それぞれ指し方に特徴がある動物たちと,各5段階の難度で対局ができ,後者は,自分や家族,友人とデバイスを交互に操作しながら,対戦プレイが行える。基本的なルールは,チュートリアルで分かりやすく解説されているので,誰でもすぐに理解できるはずだ。
本作は,自分の駒を動かして,相手の駒を取っていき,その駒を使いながら,相手のライオン(将棋でいう王将)を取るという,将棋とほぼ同じルールが採用されている。もちろん,取った敵の駒は自分の駒として,好きな場所に配置可能だ。
ただし,将棋と違い,駒の種類は4種類だけで,フィールドの大きさも4×3と,かなり簡略化されている。これだけ狭いフィールドで駒の種類も少ないと,あっという間に勝負が付くのでは……と思うるかも知れないが,実際にプレイしてみると,指し方の種類は豊富だ。
対局開始時にフィールドの中央では,ひよこの駒が向かい合って置かれている。ひよこは前にしか移動できないため,先行のプレイヤーが最初の一手で一方的に相手のひよこを取ることができる。
しかし,前に出たひよこは相手のライオンかゾウに必ず次の手で取られ,しかもその攻めてきた駒を,こちらの次の手で取り返すことはできない。このように,目の前の駒を取ることだけを考えると,相手が有利になってしまうこともある。
本作では,相手の駒を次の手で返り討ちにできる布陣を整えておいたり,進むと見せて相手をおびき出してから退たりするなど,将棋と同様に,先の手を読んで動くことで勝利に近づけるのだ。さらに,前述したように取った相手の駒は自分の駒として好きな位置に配置できるため,攻め方,守り方のパターンはこの小さなフィールドでも数え切れないほどになる。
また,どの駒がどの方向に動けるかは,各駒に赤いマークで分かりやすく示されているので,ルールの再確認をする必要がなく,次の手を集中して考えられる。この表示により,子供は直感的に,大人はじっくりと考えて遊べるというわけだ。
知育目的で遊ぶのなら,実物の駒を手に取って楽しめる本家「どうぶつしょうぎ」をオススメするが,本作は,豊富な対戦相手(9匹のどうぶつたち)が用意されているので,1人で遊ぶ時間の多い人は,本作を選択するといいかもしれない。
さらにどうぶつたちとの対戦を重ねて条件を満たせば,大人でもかなり頭を悩ませる,高難度の隠しステージが登場するようだ。ぜひ最後までやり込んで,その難しさを体験してほしい。
本作は,シンプルなルールと,そのビジュアルから,ファミリー向けアプリのように思えるが,いざ遊んでみると,シンプルな遊び方だけでなく,状況判断や先を読む力などが要求される,ガチな対決にも向いてることが分かる。日本伝統のボードゲーム「将棋」が,なぜこれほど長く愛され続けているのか,その理由が垣間見える本作を,ぜひプレイしてみてほしい。
著者紹介:カイゼルちくわ
ゲーム攻略記事を中心に活動するフリーライター。ゲーセンに寝泊まりしたいくらいのシューティング&ガンシューティング好きだが,家に帰ればパソコンのFPS(ファーストパーソンシューティング)も遊びたがる。アクションゲームとかわいいキャラにも目がない。
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(C)Madoka Kitao Maiko Fujita 2012/G-mode
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