インタビュー
「SDガンダム オペレーションズ」は,世代を超えてガンダムファンの絆を結ぶ。BNOがYahoo!ゲームで贈る新ガンダムゲームのインタビューを掲載
バンダイナムコオンライン,「SDガンダム オペレーションズ」を発表
「SDガンダム オペレーションズ」公式サイト
宇宙(そら)をイメージさせるティザーサイトの公開から,週明けとなる本日のタイトル発表までのわずかな期間ながら,多くのオンラインゲームファンの注目を集めていた今回の発表。では一体,「SDガンダム オペレーションズ」とは,どんな作品なのだろうか。
4Gamerでは,本作の開発/運営を行うバンダイナムコオンラインのゼネラルプロデューサー近藤貴浩氏,プロデューサー飯嶋正隆氏に,バンダイナムコ未来研究所でインタビューを行った。
ゲーム概要はもちろんのこと,Yahoo!ゲームでの展開の狙いや,世代を超えて愛されるガンダムワールドにおける,本作のポジションといった大きな展開まで,「SDガンダム オペレーションズ」の全貌についてお届けしたい。
なお本作は,PCブラウザ上で遊べる基本プレイ無料のゲーム作品なので,PCから本稿を読んでいるという人であれば,いますぐプラチナユーザーテストに参加し,ゲームを始めてもいい(※プラチナユーザーテストの参加募集は先着順で,一定数に達し次第締め切られる。期間中は随時募集枠が拡大される予定)。いち早く本作の魅力に触れてみたいという人は,さっそくゲームをプレイしつつ,合間にこのインタビューに目を通してみてほしい。
「SDガンダム オペレーションズ」公式サイト
先鋭化をリセットする「オール・ガンダム」コンセプト
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まずは,SDガンダムオペレーションズというタイトルを,Yahoo!ゲームで展開する狙いを聞かせてください。
Yahoo!ゲームは,日本最大級のポータルサイトであるYahoo!Japanの中にあり,幅広いユーザーが利用しています。そこでガンダムというキャラクターを活かした新しいゲームタイトルへと集まっていただこうというものです。
飯嶋正隆氏(以下,飯嶋氏):
ガンダム関連のコンテンツビジネスにおいて過去,現在,そしてもちろん,将来においてもメインとなっている30代男性とYahoo!ゲームのユーザー層がマッチしているのではないかという考えから、ガンダムゲームをYahoo!ゲームにも展開しようということになりました。30代はオンラインゲーム,サービスを牽引している世代でもあります。
4Gamer:
本作のコンセプト,想定するプレイヤー層についても教えてください。先ほど30代男性という具体的なキーワードがありましたが,やはりメインターゲットはこの層になるのでしょうか。
近藤氏:
もちろん,30代男性が中心となることは間違いありませんが,企画段階から現在まで,SDガンダム オペレーションズには年齢や作品,そしてガンダムとの関わり方を問わず,特定のシリーズファンに向けて作る,という考えはありませんでした。
私達バンダイナムコオンライン自体は設立3年の若い会社ですが「ガンダムネットワークオペレーションシリーズ」や「ガンダムブラウザウォーズ」といったタイトルを運営してきました。
本タイトルの企画では,これら先行・現行タイトルでの経験を活かし,開発と準備を重ねてきたわけです。そして「オール・ガンダム」をキーワード,コンセプトに定め,一度でもガンダムを見たことのある方から,初めてガンダムに触れる方まで,皆さんに楽しんでいただけるゲームを目指すことにしました。
ガンダムネットワークオペレーション3 (c)創通・サンライズ |
ガンダムブラウザウォーズ (c)創通・サンライズ |
4Gamer:
先行するガンダムブラウザウォーズはYahoo! Mobageでサービスをされていますね。
飯嶋氏:
はい。ガンダムブラウザウォーズはリアルタッチのモビルスーツが活躍するゲームで,初代「機動戦士ガンダム」世代に向けた作品です。
それに対して本作は,より幅広い年齢層,そして男女を問わずアピールするために,デフォルメされたガンダム,いわゆる「SDガンダム」というコンテンツを利用して,さまざまなシリーズ作品のストーリー,モビルスーツ,パイロットを生かしたものになっています。
また,弊社は「ガンダムネットワークオペレーションシリーズ」などクライアントダウンロード型のゲームも運営しておりますが,今回は,よりライトで幅広いプレイヤーの皆さんが気軽に楽しめるように,PCブラウザを選択しました。
4Gamer:
現行サービスが行われている「機動戦士ガンダム」関連オンライン作品とは,スタート時点からゲーム内容,ビジネスプランともに,大きく差別化されているわけですね。
近藤氏:
はい。実はプラットフォームを問わず,ガンダムを題材にしたゲームはシミュレーションRPGから,対戦アクションゲームまで,さまざまなジャンル,タイトルに展開され,各タイトルがシリーズ化され固有のファンを獲得しているという状況があるんです。
4Gamer:
確かにガンダムは好きだけれど,ゲームは難しそうだから手を出せないというガンダムファンも決して少なくはないはずですね。
近藤氏:
プレイヤーが望むものを形にしていくと,ターゲットとなるプレイヤー層が絞り込まれ,ゲーム内容もどんどん先鋭化していきます。コンシューマゲームでも,ナンバリングタイトルや続編などでは,より顕著になっています。
今回,SDガンダム オペレーションズを企画するにあたっては,さまざまなジャンルへと広がっていったガンダムというキャラクター,それに伴って増えたガンダムファンの皆さん,そしてゲームプレイヤーの皆さんが同じスタートラインで遊べるという事を一番の狙いとしています。
4Gamer:
そこまで大きな狙いがあるんですね。
近藤氏:
今まで,映像やプラモデル,関連グッズ,ゲームを問わず,ガンダムに触れたことのある幅広いガンダムファンの皆さんが,ゼロから一緒にスタートできるゲームを目指して開発を行ってきました。今後の運営でも,この基本的なポリシーは変わりません。
非同期でつながるガンダムファンの絆
オール・ガンダム総出演・原作再現に注目
4Gamer:
それでは,「SDガンダム オペレーションズ」がどのようなゲームなのかを教えてください。
はじめに,SDガンダム オペレーションズはゲームソフト自体をインストールすることなく,PCブラウザ上ですぐにプレイできるブラウザタイプのゲームです。
また,ゲームに参加するプレイヤーの皆さんが,リアルタイムにその場にいる必要があるというものではありません。自分の都合の良い時間に遊んでいただきつつ,ほかのプレイヤーさんとのコミュニケーションも取れ,絆を結んでいる感覚を楽しんで一緒に遊ぶことができる,いわゆる非同期型のRPGとなります。
4Gamer:
非同期型を選択したのはなぜですか?
近藤氏:
幅広い年齢層の方,ガンダムファンの皆さんに楽しんでもらいたいという「オール・ガンダム」コンセプトを実現するためです。
ゲームジャンルの好みや得意/不得意といった差はもちろん,年齢やライフスタイルすらも大きく異なるガンダムファンの皆さんをつなぐべく,設計を行っています。
もちろん,現在の市場動向に即しても,非同期型のゲームコンテンツがホットであることは重要なポイントです。
4Gamer:
確かに昨今では,ソーシャルゲームを含めて,「非同期型」はオンラインゲームの重要なキーワードになっています。では,ゲーム内の要素に関しても聞かせてください。
飯嶋氏:
本作では,各ガンダムシリーズの原作ストーリーをベースにしたマップが登場し,ゲームの進行はマップ上のバトルへックスを進むことで展開していくRPGになっています。
近藤氏:
マップは,一つ一つが歴代ガンダムシリーズをモチーフにしています。ゲームを進めていくことで,さまざまなガンダムシリーズ,例えば,お気に入りの作品や,リアルタイムでは見ることができなかったシリーズ,まだ見たことのないシリーズなどのストーリーを,これらのマップを通して知り,思い出し,楽しんでいただけます。
つまり,原作アニメの名場面や名シーンを追体験できると共に,自分が知らないガンダム作品にも興味を持って本作をプレイヤーの皆さんへお届けするということで,今までオンラインゲームをプレイしたことのない方にも遊んでいただくことを想定し,マウスを使った直感的なインタフェースを全面的に導入しています。
さらに,原作と同様のSEを使用していたり,原作を再現したキャラクターのカットインやセリフが登場したりと,ファンには嬉しい演出も用意しています。
4Gamer:
デモプレイを拝見した感じでは,ブラウザゲームというより,「スーパーロボット大戦シリーズ」や,「Gジェネレーション シリーズ」などのコンシューマゲーム作品に近い印象を受けますね。
飯嶋氏:
ファンにニヤリとしていただけるような,これまでのブラウザゲームとは一線を画した,原作再現を心がけています。
ほかにもストーリーはもちろん,例えば,ガンダムXであれば必殺武器の「サテライトキャノン」を使用するときに,月からマイクロウェーブが放射されるといった,SDキャラクターによるアニメーション演出も実現しています。
モビルスーツ(以下,MS)/モビルアーマー(以下,MA)ごとに,非常に細かな使用武器によるアニメの変化や,代表的な武器,アクションギミックの再現にも挑んでいますので,プレイヤーには,さまざまなMS/MAカード,パイロットカードを手に入れて,動いているところを見ていただきたいですね。
シリーズごとにゆるいコミュニティを形成
シリーズ愛・モビルスーツ愛の表現も
4Gamer:
「オール・ガンダム」がコンセプトとなる本作ですが,同じ作品のファン同士で一緒に遊びたい,コミュニケーションを取りたい,というプレイヤーニーズもあると思います。こうしたコミュニティ機能はどうなっているのでしょうか。
プレイヤーコミュニティの根幹である,シリーズごとに大別された「カテゴリー」と,各カテゴリー内の「チーム」がそれに当たります。
チームはガンダムシリーズごとに大きくカテゴリー分けされたコミュニティ内の,比較的ゆるくて,中規模のグループとなります。そして,プレイヤーの皆さんは,ゲーム開始直後から,いずれかのチームに所属していただくことになります。
例えば「機動戦士ガンダム」というカテゴリーには,初代ガンダムが好きなプレイヤーのチームが,「機動戦士ガンダムSEED」というカテゴリーにはガンダムSEEDが好きなプレイヤーが所属していますので,これをもとにしてチームを選んで頂ければ,自然に同じ作品のファンの方とコミュニケーションが取れます。
4Gamer:
なるほど,初代ガンダム好きなら,「機動戦士ガンダム」カテゴリーの「RX-78の会」みたいなチームに所属したり,チームを作ったりできるわけですね。
飯嶋氏:
そうです。また,先ほどお話ししましたカードデッキにも,プレイヤーの皆さんがどの作品の,どのMS/MAが好きかというアピールができるような仕組みがあります。
4Gamer:
どんな仕組みなんですか?
飯嶋氏:
通常時のカードデッキではリーダーとなるMS/MAを決め,そこにデッキに入れたほかのMS/MAの能力を合算していくという形式になっています。
また、ガンダムバトル(PVP)時のカードデッキでは所持MS/MAの中から任意の3体を選んで配置する形式になっています。
4Gamer:
つまり,あまり強くはないけど自分が好きなMS/MAをリーダーにしても,ほかのMS/MAやパイロットで強さを補えるということですね。
飯嶋氏:
そうです。さらに,リーダー機のカードアイコンはほかのプレイヤーからも見えますので,そこに自分が好きな作品のMS/MAを設定することで,アバターアイコンとしてもアピールできるわけです。
例えば,「機動戦士ガンダム」でかなり弱いMSの象徴となってしまっているボールをリーダー機にして,カードデッキの残りの部分に強力なモビルスーツを入れれば,ボールを使って「機動戦士ガンダム」が好きなことをアピールしつつ,強力なカードデッキを組むことも可能です。
4Gamer:
ボールがいたので,しめしめと挑んでみたら,後ろにガンダムXが控えていて,サテライトキャノン直撃! とか(笑)。
飯嶋氏:
あるかもしれませんね(笑)。ほかにもドムを3枚並べて「黒い三連星」パーティみたいに,原作再現のパーティを作ってみるのも楽しいでしょう。プレイヤーの皆さんのこだわりに期待しています。
運営経験,Yahoo! との連携を活かし
100万アカウント達成を目指す
4Gamer:
ガンダムファンとして,確かめておきたいのですが,本作にはすべての作品からモビルスーツやキャラクターが登場するんですよね?
基本的には今後,すべての作品のガンダム,MS,MAなどが登場する可能性があります。
4Gamer:
現在,アニメでも展開中の「機動戦士ガンダムUC」は……参戦しますか?
近藤氏:
ええ,もちろん参戦します(笑)。アニメシリーズ以外にも,ガンダムUCを筆頭に,さまざまな作品のモビルスーツやキャラクターが追加されていく予定です。
4Gamer:
では,カードはどの程度の頻度で追加されていく予定でしょうか。
近藤氏:
1か月あたり,2〜3回のアップデートを予定しています。そこで新しいモビルスーツやキャラクターなどを追加していくことになるでしょう。ワールドも1か月に1つを目標に,順次新たなステージ,ストーリーを追加していきたいですね。
4Gamer:
それは,かなりハイペースですね。
近藤氏:
実は相当先までアップデートの予定が決まっていて,そこに向けて人員も投入しています。ですので,始めて数か月でやることがなくなるのでは,という心配はないと思います。
4Gamer:
どちらかと言えば,ソーシャルゲームのアップデートに近い感覚ですね。
近藤氏:
アップデートの頻度はそうですね。これは「ガンダムブラウザウォーズ」や,「デジモンコレクターズ」など,弊社で開発、運営してきたタイトルのノウハウが活かされています。
4Gamer:
なるほど,本作はバンダイナムコオンライン,設立3年間の集大成であるということですね。それでは,最期に4Gamer読者に向けて,コメントをお願いします。
近藤氏:
今年はお台場にエンターテイメント・スペースである「ガンダムフロント東京」もできましたし,「機動戦士ガンダムUC」「機動戦士ガンダムAGE」と共にガンダムをさらに盛り上げていく年だと考えています。この気運に乗って,「SDガンダム オペレーションズ」も100万アカウントを目指して頑張りたいと思っています。
本作は,ブラウザゲーム単体としての取り組みではなく,「オール・ガンダム」をコンセプト,題材にした,ガンダムファンのみなさんが新しくスタートできるガンダムゲーム,コミュニティです。本命とされているガンダムシリーズや,ゲームタイトルはもとより,本作を通じてより大きなガンダムファンの絆を体感して欲しいと思っています。
そして,ガンダム作品を見たことはないけれど,ポータルサイトからゲームを遊ぶ習慣がある方,アニメは見ているけれどガンダムゲームで遊んだことはないという方にとっても,最初に触るオンラインゲームタイトル,ガンダムゲームであってほしいと願っています。
4Gamer:
期待しています! 本日はありがとうございました。
100万アカウントを目指し,すべてのガンダムファンにアピールするという「オール・ガンダム」コンセプトを掲げるソーシャルRPG「SDガンダム オペレーションズ」。
一口にガンダムファンといっても年齢や趣味嗜好などの細分化が進んでいる現在の市場状況を考えると,かなり野心的な試みと言えるだろう。
しかし,日本最大級のIP,キャラクターコンテンツであるガンダムと,日本最大級のポータルサイトYahoo!ゲームで展開されるという事実を考えれば,群雄割拠のブラウザゲーム市場においても,大きな注目を集めることは間違いない。
4Gamerでは今後もSDガンダム オペレーションズに関する情報をお届けしていく予定だ。とはいえ,本作ではすでにプラチナユーザーテストが行われている。興味を持った方は下のボタンから公式サイトに飛び,先着順の募集枠に登録して,プレイしながら続報をお待ちいただきたい。
「SDガンダム オペレーションズ」公式サイト
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