レビュー
架空の大都市を舞台に,レースやカーチェイスを楽しもう
ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド
レースゲームの長寿シリーズ「ニード・フォー・スピード」シリーズの最新作が登場
自分の愛車や,街で見かけるスポーツカー,そして(筆者のような)サラリーマンにはとてもじゃないけど手が届かない超高級スポーツカーなど,さまざまな車に乗って公道レースをしたり,警察とのカーチェイスをしたりする人気のドライブゲーム「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」(PC/PlayStation 3/Xbox 360/PS Vita。以下,モスト・ウォンテッド)が,2012年11月15日にリリースされた。
「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」公式サイト
「ニード・フォー・スピード」シリーズを通してプレイしてきた人なら知っていると思うが,本作は,2005年にリリースされた同名タイトルのリメイクという位置付け。開発は,2008年の「バーンアウトパラダイス」や,2010年の「ニード・フォー・スピード ホット・パースート」などを手がけたイギリスのCriterion Gamesが担当しており,ゲームエンジンとして「Battlefield 3」に使われたEA DICEの「Frostbite 2」が採用されている。
今回,一足お先にモスト・ウォンテッドをプレイすることができたので,どんな内容になっているのか,そのインプレッションをお届けしたい。今回プレイできたのはPlayStation 3向けの海外版なので,ゲーム中のテキストや音声は英語。もちろん,国内版はテキストや音声がすべて日本語になっているので,筆者を含めた日本語ラブの人も安心してほしい。また,発売前ということもあり,シングルプレイのみのインプレッションとなっている点も,ご了承いただきたい。
さまざまなダメージが再現されるが,見た目がボロボロになるだけで挙動に変化はない。思う存分,ぶっ飛ばそう |
プレイ視点はバンパーと外部の2つのみで,ボンネットやコクピット視点を多用する筆者は慣れるまでちょっと,プレイしにくかった |
10人のライバルを打ち倒し,「モスト・ウォンテッド」の称号を勝ち取ろう
限度はあるものの,道路以外のところも走行可能で,ショートカットルートやジャンプポイントの探索,巨大な看板の破壊といった,バーンアウトパラダイスっぽい要素も用意されている。屋内でも走れる場所があるので,ゲームを始めたばかりのときは,あちこち走り回って試すのがよさそうだ。
道には一般車のほかにパトカーも走っており,移り変わる風景に見とれて事故を起こしたり,スピード違反したりすると,パトカーに追われることになる。そんなことになったらどうするのか? もちろん,パトカーとのカーチェイスだ。相手に体当たりして破壊したり,必死に逃げ回って振り切ったりすればオッケーなのだ。……えっと,ゲームだからオッケーなので,本当にやっちゃダメですよ。
2005年の「モスト・ウォンテッド」は,ムービーシーンを多用した,ストーリー性重視の作品だった。だが本作では,10人のライバルに勝利して,モスト・ウォンテッドの称号を手にするといった大まかな目標はあるものの,そんなことは無視してドライブを楽しんでもいいし,気に入ったレースにばかり挑戦し続けてもいいという,自由度の高いゲームになっている。今回はプレイできなかったが,マルチプレイで仲間とドライブしたり,世界中のレーサーとレースに明け暮れたりするだけでも構わない。
ゲームでは,経験値であるSP(スピードポイント)が重要になる。SPは,レースで入賞する,ライバルや追っ手のパトカーを破壊する,ロードブロックを回避する,ジャンプで広告板を破壊する,スピードカメラ(スピード測定地)で最高速をマークするなど,さまざまな走りをすることで手に入る仕掛けだ。このSPを貯めることで,10人のランカーとのバトルに挑戦できるようになるため,単にレースに勝利するだけでなく,熱い走りを披露してSPを稼ぎまくる必要があるのだ。
オープンワールド内に停めてある車を見つけ出してレースに挑戦しよう
本作の主役である車だが,ランボルギーニ,ポルシェ,アウディ,BMW,日産,スバルなど,国内外の自動車メーカーの車が多数収録されている。ただし「購入」という概念はなく,すべての車は街のいろいろなところに停められており,それを発見することで入手できる。そして発見した車は好きなときにリストから選んで,自由に乗り換えられるのだ。
車の調達も探索要素の一つに含まれているのが面白いところで,これまでのドライブゲームにはない特徴といえるだろう。そこかよ……なんてところに停めてあったりするので,お気に入りの一台を見つけ出すために,あちこち走りたい。
登場するレースモードは,周回コースで戦う「サーキットレース」,スタートからフィニッシュまでを走り抜く「スプリントレース」,コースの平均速度を競う「スピードラン」,そして,パトカーの追っ手からどれだけ逃げ切れるかを競う「アンブッシュ」が用意されている。それぞれのレースの難度が,イージー,ミディアム,ハードの3段階で表示されるので,挑戦する際の参考にしよう。また,一度チャレンジしたレースの場合,わざわざレース開始地点まで走らなくても再挑戦できるので,勝てなかったレースやお気に入りのレースは何度でも挑戦してみよう。
見つけた車には乗り換え自由。さらに,乗り換えた場合,挙動特性がどのように変化するかも分かるようになっている |
車ごとに難度の異なるレースが用意されている。入賞すると,どんなカスタマイズ用パーツが手に入るのかも分かる |
本作では好みの車でレースに挑戦するのではなく,それぞれの車ごとにレースが用意されている。順位によってSPのほかにカスタマイズ用のパーツが手に入るようになっているため,まずは難度の低いレースから挑戦し,パーツを手に入れて車を速くしてから難度の高いレースに挑戦するといいだろう。
車の挙動はニード・フォースピードシリーズらしく,非常にアーケードライクなので,難しいテクニックは必要ないだろう。ただ,車ごとにアクセルレスポンス,トップスピード,操作性,車重などのパラメータに違いがあり,挙動特性として再現されているので,そのへんは数をこなして覚えていくといいかもしれない。
また,車の細かいセットアップはできないが,タイヤ,ニトロ,シャシー,ボディ,ギアのパーツを変えることでパラメータが変化する。パーツの種類は少ないが,組み合わせにより挙動特性も変わり,それにより難度の高いレースでの勝率が上がるので,試行錯誤しながら挑戦してほしい。
自由にドライブするもよし,レースに明け暮れるもよし! オープンワールドで自由に遊ぼう
車の発見など,コレクション要素が数多く用意されているため,自然とフェアヘーブン・シティのあちこちを走り回ることになり,街に詳しくなるにつれて,適当に走り回っているだけでも面白くなってくる。また,車ごとにレースが用意されているのも面白く,レースへの挑戦のために,普段ならチョイスしないような車にも乗ってみることになるはず。
レースゲームの視点で見ると,ライバルの速さは接戦になるように調整されており,常に熱いバトルになる。当然,ワンミスで簡単に抜かれるので,最後の最後まで気が抜けないレースが多い。全体的に,レースゲーム初心者でも遊びやすいバランスになっている印象で,「ニード・フォー・スピード」シリーズは初めて,という人にもオススメだ。
レースでは接戦になるように,ライバルカーの速さが調整されている印象。ワンミスで大きく順位を落とすと泣きそう |
156か所に設置されているビルボード(広告板)を破壊しよう。ニトロでジャンプしないと届かないビルボードもある |
今回はまた,PlayStation 3版のほかに,PS Vita版も軽くプレイさせてもらえたので,その印象を少々。同じタイトルでも携帯ゲーム機版になるとまったく違うゲーム性,なんてことも少なくないのはよくご存じだと思うが,本作に関しては,グラフィックスや内容など,ほぼ同じ作りになっており,どちらをプレイしても似た感じで楽しめた。
強いて違いを挙げれば,ボタン数の関係でPS Vita版とPlayStation 3版ではキーアサインが異なり,PS Vita版ではアクセル/ブレーキの操作がデジタルになるため,多少コツが必要ということぐらいだ。
プレイフィールに大きな違いを感じることは少なく,むしろPS Vita版はロード時間が極端に短いため,さらに快適だ。携帯ゲーム機の利点を活かして,通勤や通学の途中,ちょっとドライブ,なんてのも悪くないだろう。
「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」公式サイト
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(C)2012 Electronic Arts Inc.
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