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[TGS 2012]バンダイナムコゲームス,カプコン,セガの人気タイトル開発者達がクロスオーバー。「プロジェクト クロスゾーン」ステージイベントレポート
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印刷2012/09/22 21:55

イベント

[TGS 2012]バンダイナムコゲームス,カプコン,セガの人気タイトル開発者達がクロスオーバー。「プロジェクト クロスゾーン」ステージイベントレポート

 東京ゲームショウ2012の初日(2012年9月20日),バンダイナムコゲームスのブースにて「プロジェクト クロスゾーン」のステージイベントが行われた。バンダイナムコゲームス,カプコン,セガのタイトルがクロスオーバーしている本作にちなんで,イベントは「開発者たちの宴」と題され,本作のプロデューサーであるバンダイナムコゲームスの塚中健介氏,開発ディレクターであるモノリスソフトの森住惣一郎氏,カプコンの北林達也氏土屋和弘氏,セガの寺田貴治氏本山真二氏,そしてサイバーコネクトツーの松山 洋氏と,総勢7名ものゲーム開発者が登場。本稿では,本作の開発経緯や,元になっている各タイトルの裏話などが明かされたイベントの内容をお伝えする。

画像集#020のサムネイル/[TGS 2012]バンダイナムコゲームス,カプコン,セガの人気タイトル開発者達がクロスオーバー。「プロジェクト クロスゾーン」ステージイベントレポート
「プロジェクト クロスゾーン」プロデューサー バンダイナムコゲームス 塚中健介氏
画像集#021のサムネイル/[TGS 2012]バンダイナムコゲームス,カプコン,セガの人気タイトル開発者達がクロスオーバー。「プロジェクト クロスゾーン」ステージイベントレポート
「プロジェクト クロスゾーン」開発ディレクター モノリスソフト 森住惣一郎氏

 ステージには最初に塚中氏と森住氏の2人が登場し,本作の開発の経緯について説明した。企画時には,塚中氏らが各社へと「門前払いをくらんじゃないか,というくらいの覚悟で」プレゼンテーションをして回ったそうだが,実際には非常に温かく受け入れてもらえたという。
 また,森住氏も企画の持ち込みにあたっては,大量に用意した各キャラクターのイラストを並べて,「これだけ出るんですけど,この中の1つのキャラクターとして使わせていただけますか」と聞いて回ったのだという。

 続いて,参戦作品の原作者ともいうべきゲスト陣が一斉に登場。本作に関するエピソードや,オリジナルの作品を元にしてどのようにプロジェクト クロスゾーンの戦闘シーンが生まれたかなどについてトークを展開していった。ちなみに,スクリーンで上映された原作ゲームのプレイ映像については,なんと森住氏自身がプレイしたものなのだという。

画像集#022のサムネイル/[TGS 2012]バンダイナムコゲームス,カプコン,セガの人気タイトル開発者達がクロスオーバー。「プロジェクト クロスゾーン」ステージイベントレポート
「ロックマンX」シリーズ プロデューサー カプコン 北林達也氏
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「サクラ大戦」シリーズ チーフディレクター セガ 寺田貴治氏

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カプコン 土屋和弘氏。ほかのゲストとは異なり,肩書きが「その他いろいろ」と,出オチ的な紹介のされ方になっていた
 カプコンの土屋氏は,以前から森住氏が作るゲームのファンだったため,企画書を初めて目にしたときも「これ,実は森住さんのゲームなんですよね?」と聞き返したのだという。土屋氏は「キャラクターをすごく綺麗に扱っていただける人」と森住氏を高く評価しており,本作の開発にあたっても積極的に協力したそうだ。

 本作には数多くのカプコン作品のキャラクターが参戦しているが,今回土屋氏が紹介したのは「ヴァンパイア」シリーズ。プロジェクト クロスゾーンのシナリオには,ヴァンパイアシリーズ本編では描かれなかったような設定などもさりげなく仕込まれているそうだ。

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 また,本作では多彩な作品のキャラクター全員にボイスが付いており,豪華キャストの競演という大きな魅力もある。だが,「ロックマンX」シリーズのプロデューサーである北林氏は,残念ながらエックスやゼロのボイス収録の現場には立ち会えなかったのだという。

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 寺田氏によると,「サクラ大戦」シリーズのキャラクターが他社の作品に登場するというのはこれまでに例がないという。本作の内容を監修するにあたって寺田氏がとくに注意を払ったのは,作中のメッセージだ。原作の名ゼリフはもちろんのこと,原作中でテキストとして出てきてはいるものの,これまで音声をアテられたことがないものについて「これを入れたらユーザーさんは喜ぶんじゃないですか」と提案したこともあったそうだ。
 なお,サクラ大戦のキャラクターは基本的に生身で戦うことがほとんどないため,プロジェクト クロスゾーンにおけるバトルシーンについては,寺田氏も「ファンにとってもめっちゃ嬉しいことなのでは」と述べていた。

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 「戦場のヴァルキュリア」シリーズからは最新作「3」のキャラクターが参戦しているが,本山氏によると,なんと元々はシリーズ1作目のキャラクターが本作に参戦する予定だったのだという。しかし,森住氏には1作目の主人公が生身で戦っている姿がどうしても想像できなかったため,主人公が非常に攻撃的である「3」に変更したそうだ。

 また,ヴァルキュリアは盾からビームを放つという特殊攻撃を使えるが,実はこれまで,このビームには決まった名前がなかったのだと本山氏は明かす。しかし,本作へ参戦するにあたって技の名前は必要となるため,今回のクロスオーバーがきっかけで技の正式名称も決定したそうだ。

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「戦場のヴァルキュリア」シリーズ プロデューサー セガ 本山真二氏
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「.hack」シリーズ プロデューサー サイバーコネクトツー 松山 洋氏

 ここで,本山氏の隣で話を聞いていた寺田氏が「ヴァルキュリアは,ひと言だけ言いたいことがある」と宣言し,とあるエピソードを披露した。寺田氏によると,戦場のヴァルキュリアは当初「戦場のワルキューレ」というタイトルで開発がスタートしていたのだという。しかし,このタイトルで商標登録をしようとしたところ,「ワルキューレ」は,バンダイナムコゲームス(当時はナムコ)の「ワルキューレの冒険」で先に取られてしまっていた。そのため,寺田氏は当時「ワルキューレいなくなってしまえ!」と思っていたそうだが,今回,プロジェクト クロスゾーンのオープニング映像でワルキューレとヴァルキュリア状態のリエラが共演しているのを見て「いつの間に和解したんだ?」と感じたそうだ。

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 ゲストのトリをつとめた松山氏は,これまでのゲスト陣と違い,パブリッシャではなくデベロッパ側の立場である。「.hack」シリーズの権利は,松山氏が所属するサイバーコネクトツーではなく,バンダイナムコゲームスが有しているのだ。そのため,松山氏はあるときバンダイナムコゲームスの.hackのプロデューサーに呼ばれて,「.hackがこの作品に参戦することになったから。いいな」と,いきなり本作への参戦を告げられたのだと明かし,客席の笑いをとっていた。

 松山氏によると,サイバーコネクトツーの場合は.hackのキャラクターがそういった他作品へ参加する際の監修の目が非常に厳しく,これまでも揉めることが少なからずあったそうだ。しかし本作については,そういった監修を担当しているスタッフ陣も「非の打ちどころがなかったです!」と断言するほど原作に忠実であるらしい。松山氏も,こうした森住氏の手腕を絶賛し,「モノリスソフトと仕事したい!」とステージ上にて熱烈なラブコールを送っていた。

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 原作の映像として,シリーズ第1作である「.hack//感染拡大 Vol.1」のプレイムービーも公開されたが,松山氏によると,この作品はサイバーコネクトツーの前身であるサイバーコネクト時代に開発されていたそうだ。松山氏自身も社長ではなくグラフィックデザイナーとして開発に携わっており,「いま歩いていた草原って私が作ったんですよ」と明かした。

 また,.hackシリーズには「外伝禁止令」なるものが存在するらしく,これまでリリースされてきたどのメディアのどの作品も,正式な物語として作られてきたそうだ。そのため,プロジェクト クロスゾーンで描かれているストーリーも実は「.hack//絶対包囲 Vol.4」の直後,カイトとブラックローズの物語なのだという。松山氏は「.hackシリーズの最新エピソードがプロジェクト クロスゾーンで楽しめると,太鼓判を押しますので,ぜひ楽しみにしてほしい」と断言していた。

 ゲスト陣とのトークを終えたところで,塚中氏と森住氏によって,本作に関連したキャンペーンなどの発表が行われた。
 まず,本作では発売記念キャンペーンとして,ゲーム内アイテムがもらえる「アイテム引換番号」が期間限定で配信となる。配信期間は10月11日から10月28日までで,ソフトの解説書裏表紙に記載されているアクセスキーをプロジェクト クロスゾーンの公式サイトで入力することで,アイテム引換番号が取得できるとのこと。入手できるアイテムの名前は「ジェイド・メタル」で,その効果は,「HP+800/TEC+10/入手経験値20%アップ」となっている。

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 また,早期購入特典として,スペシャル仕様のパッケージには「登場作品紹介&設定資料集」と「クロスオーバーサウンドトラックCD」の2つが付属する。このスペシャル仕様パッケージは通常のパッケージ版と同じ価格で購入できるため,かなりお得な仕様だといえるだろう。

 さらに,イーカプコン,セガストア,LaLaBit Market,といった3社それぞれのECサイトではスペシャルエディションも購入可能だ。こちらには,早期購入特典付きのソフト本体に加えて,3社ごとに異なるカラーリングがなされたオリジナルTシャツが付属するのだ。実は,今回の登壇者の多くもこのシャツを身に付けて登場していた。

背中には,各社のイメージカラーでデザインされた「PXZ」の文字がプリント。塚中氏はわざと前後逆にシャツを着ることで,「PXZ」の文字を強調していた
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 最後に,塚中氏は「こういった形でゲームメーカー3社がクロスオーバーすること自体がまずないということで,原作のキャラクターをお借りしているからには我々も最大限の努力させていただきましたので,ぜひ製品を楽しみにしていただければと思います」と述べ,今回のステージイベントを締めくくった。
 なお,プロジェクト クロスゾーンはTGS 2012のバンダイナムコゲームスブースにてプレイアブル出展も行われている。発売日が待ちきれないという人は,会場で実際に触ってみよう。

「プロジェクト クロスゾーン」公式サイト

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