インタビュー
機能の改修によって遊びやすくなった「戦国IXA 千万の覇者」。4周年のタイミングで投入される新コンテンツや今後の展開を運営/開発スタッフに聞いた
そこで今回,プロデューサー山下英貴氏,ディレクター早乙女真哉氏,そしてプランナーの安藤さとみ氏に,4周年に至るまでを振り返ってもらいながら,今後の展開についても詳しく聞いてみた。現在進行中の4周年イベントや新しく実装された「夢幻曼荼羅」のコンセプトなど,旬な話題にも触れているので,ゲームをプレイしながら本稿を読み進めてもらいたい。
「戦国IXA 千万の覇者」公式サイト
改修作業を優先的に行ってきた2015年の千万の覇者
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは4周年おめでとうございます。
ありがとうございます。プレイヤーの皆さんに支えられ,また,たくさんのスタッフに助けてもらいながらここまでやってこれました。この場を借りてお礼するとともに,今後もスタッフ一丸となって千万の覇者を盛り上げていくことをお約束します。今回は,今後実装する新しいコンテンツの企画に携わっているフレッシュなスタッフも同席させました。
安藤さとみ氏(以下,安藤氏):
2年ほど前から開発スタッフとして在籍しているので,フレッシュというほどでもないのですが(笑)。
早乙女真哉氏(以下,早乙女氏):
先に説明しておくと,4月に「夢幻曼荼羅」という常設のコンテンツが実装されます。安藤はその責任者ですね。ほかに,ゲーム内機能の改修や改善をメインで携わっていて,これからも開発/運営の中心として動いてもらいます。
4Gamer:
分かりました。気になる新コンテンツについては後ほど詳しくお聞きするとして,昨年からこれまでの歩みを振り返っていただけますか。
山下氏:
そうですね,振り返ると「りーぐ戦」が運営的にもプレイヤーさんからの反響的にも一番大きな追加要素でしたね。まだまだ改善の余地はありますが,最高ランクの「覇」武将入手を目標に,多くプレイヤーさんに遊んでいただけています。
4Gamer:
「覇」武将が手に入るというのは,プレイヤーとして嬉しいコンテンツですが,実際に手に入れるとなると結構大変ですよね。
山下氏:
毎日2回行っていますが,開催時間が限られておりますので,参加できないという声が寄せられていて,そこは改善すべき点だと認識しています。
4Gamer:
今年の頭から,さまざまなコンテンツで改修作業が行われていますよね。現在の運営方針としては,改修に力を入れているということですか?
山下氏:
そうですね。昨年末にユーザーアンケートを行いましたが,「既存機能の改修」を望む声が大きかったんです。そのため,まずは改修作業を優先することにしました。
安藤氏:
長く運営を続けているタイトルですので,アップデートを重ねるうちにゲームの基本システムが複雑になっていたんです。それを徹底的に改修していたので時間は掛かりましたが,ようやくひととおりの改修の実装が完了しました。
4Gamer:
次は新しいコンテンツやイベントを期待したいところですね。個人的には,以前にあった「戦国武将の学園モノ」みたいに,千万の覇者らしい一風変わったものも見てみたいですが,最近は,そういった色が薄くなっているような気がします。
早乙女氏:
そうですね。以前に比べると,戦国モノのゲームらしい史実を絡めた,比較的堅いイベントが中心だったかもしれません。プレイヤーさんからもファンタジーに寄りすぎるとお叱りをいただくことがあるので,サジ加減が難しいと感じています。
安藤氏:
学園モノのイベントでは賛否あったので,真面目なイベントを多くしていたんですよ。SFモノとか幕末IXAといったアイデアも出してはいたんですけど。
4Gamer:
その路線も期待したいところです(笑)。プレイヤーの意見も聞いてみたいですね。ところで,このインタビューが掲載されるころは,ちょうど4周年の記念イベントなどが行われていると思うのですが。
4月28日から一週間,「天下統一戦」を行う予定です。天下統一戦は,プレイヤーの皆さんからほかのイベントもやりたいとの意見をいただいたことで,最近は2か月に一度の開催になっていましたが,4周年のタイミングでは外せないイベントかなと。
4Gamer:
確かに,千万の覇者を象徴する大きなイベントですよね。
早乙女氏:
今回は報酬として,ゲーム内アイテムだけでなく特製ポスターをプレゼントしようと思ってます。また,ログイン時にプレゼントが受け取れるキャンペーンや,ウェブマネーカードのプレゼントキャンペーンも行いますので,休止している方もこの機会に遊んでいただけると幸いです。
4Gamer:
天下統一戦というと,同盟の動向も気になります。昨年のインタビューでは,各プラットフォームで一強状態になっていたようですが,それから変化はありましたか?
早乙女氏:
どこも強いことは変わらないのですが,例えばYahoo!ゲーム版では,何度か1位を明け渡したことがありましたね。
安藤氏:
一強状態は緩和されつつありますが,それでも上位3同盟が強くて。天下統一戦の組み合わせを見て,「今回は熱いぞ」と運営チーム内でも話していたりします。
4Gamer:
新規同盟が下克上を起こす……とはいかないまでも,上位同盟同士で競い合えるような状況にはなっているんですね。
早乙女氏:
はい。プレイヤーの皆さんが切磋琢磨できるバランスになってきたので,4周年の天下統一戦も楽しみなんですよ。
4Gamer:
イベント以外に目を向けると,サプライズなネタとして「サラリーマン金太郎」とのコラボが印象に残ってます。
安藤氏:
あれはインパクトのあるコラボをしたいと考えて,本宮ひろ志先生に打診してみたんですよ(笑)。そうしたら,快諾していただけまして。
4Gamer:
確かに,本宮さん描き下ろしの織田信長,矢島金太郎はインパクトがありました(笑)。プレイヤーの反応はどうだったんですか?
早乙女氏:
本宮先生のマンガを読んでいた世代のプレイヤーさんが多く,「サラリーマン金太郎 五十歳」が連載された時期と一緒だったこともあり,評判は上々でしたね。
4Gamer:
なるほど。ちなみに,山下さんと早乙女さんがお正月に連名で公開した公式サイトでの所信表明では,今年もコラボをやっていくということでした。具体的に,何か予定はあるのでしょうか。
山下氏:
すでに新しいコラボ企画を進めていますよ。まだ発表はできないのですが,サラリーマン金太郎と同じように“ざわつく”コラボになると思いますよ(笑)。
4Gamer:
ざわつく……ですか,何とコラボするのか楽しみです。
30人の敵NPCを次々と撃破していく新規常設コンテンツ「夢幻曼荼羅」
4Gamer:
公開されたアンケート結果を見ましたが,千万の覇者の魅力は「仲間とのコミュニケーション」がダントツで1位でしたね。以前のインタビューでコミュニティを大事にしていきたいと聞いていたので,運営とプレイヤーが同じ方向を向いていて,良い傾向なのかなと感じました。
我々の目指すものと,プレイヤーの皆さんが求めるものがきちんと重なっていたことは素直に嬉しいですね。私自身もいちプレイヤーとしても遊んでいますが,当然イベントの内容を知っているので,手探りで遊ぶゲーム的な楽しさは得られないんですよ。ですが,ほかのプレイヤーさんと関わりながら遊ぶのは楽しい。それと同じ楽しさを感じてもらえているのかなと。
4Gamer:
一方で,千万の覇者に「ゲーム性」が足りていないという意見も多かったようです。
安藤氏:
そうですね。ですから,ゲーム性を高めるための施策の一環として,4月21日に先ほど少しお話した「夢幻曼荼羅」をリリースします。最初はβ版に近いものですが,敵となるNPC部隊にプレイヤーが挑む形のコンテンツで,そこで活躍したプレイヤーの部隊(のデータ)を,次回の夢幻曼荼羅のボスとして登場させる予定です。
4Gamer:
プレイヤーが次のボスになるというのは面白いですね。では,夢幻曼荼羅について詳しく教えてください。
安藤氏:
初級/中級/上級という3種のステージを用意していて,上級に関しては,上位のプレイヤーさん向けに試行錯誤を繰り返して戦うような,高難度のコンテンツとなります。
夢幻曼荼羅イメージ。初級 |
中級 |
早乙女氏:
上級については,「クリアさせる気がないだろう」と思われるかもしれませんよ。
4Gamer:
そんなに難しいんですか。ちなみに,何人くらいが突破できる想定なのでしょうか。
早乙女氏:
5名から10名を想定していますが,プレイヤーの皆さんの部隊の力がどの程度なのか把握しきれていない部分もあり,もしかしたら最初は誰もクリアできないかもしれません。
4Gamer:
それは厳しいですね。
早乙女氏:
もちろんデータ上では“倒せる”設定になっていますので,力試しに挑戦していただければと思います。
夢幻曼荼羅の設定にはファンタジー要素も取り入れていて,普段とは違う“異空間”で修行をするイメージです。難度ごとにそれぞれNPCが30人いて,順番に撃破していくことになります。もし上級がクリアできないようでしたら,初級や中級にチャレンジし,力をつけてから上位のステージに挑んでください。
4Gamer:
個人的には,上位のプレイヤーがどんな部隊でどういった戦い方をするのか興味があるので,リプレイ機能のようなもので実際に戦っているところを見てみたいのですが。
早乙女氏:
最初のβバージョンでは入りませんが,そうしたリプレイ機能は実装する予定です。強い人がどんな武将を持っていて,どんな特技を発動させて戦うのか気になる人は多いと思いますから。
4Gamer:
おお,それは嬉しいです。
早乙女氏:
また,上位のプレイヤーさん達にとって,自分の部隊がどれだけ強いのかを体感できる場所は限られているので,夢幻曼荼羅で自分の部隊が敵として登場するかもしれないというのは,面白い体験になるのではないでしょうか。
4Gamer:
自分の部隊と戦うことで,弱点だったり,まだ強くなる余地だったりが見つかるかもしれませんね。ほかには,例えば挑戦のための制限のようなものはあるのでしょうか。
安藤氏:
最初のβ版には入らないのですが,今後はレアリティや属性の縛りを入れることも検討しています。
4Gamer:
なるほど。常設コンテンツということなので,いつでも夢幻曼荼羅に挑戦できるんですよね?
早乙女氏:
はい。24時間プレイ可能で,2か月を目安に敵部隊の入れ替えを行う予定です。
4Gamer:
2か月後にどんな部隊が立ちはだかるのかも楽しみです。ちなみに,報酬はどんなものが手に入るのでしょう。
報酬は検討中でして,β版では控え目に設定しています。リリース時は,夢幻曼荼羅でしか手に入らないような報酬を用意する予定ですので,ご期待ください。以前,ビジュアルを出して今後実装予定と公表したのに,まだゲーム内に入っていない“もの”もあるので,もしかしたらそれを出すかもしれません。
4Gamer:
発表されたけど,まだ出ていないものですか。
安藤氏:
情報を追いかけているプレイヤーさんなら,もしかしたらピンとくる方がいるかもしれませんが,ここではお楽しみにということで(笑)。
4Gamer:
では,夢幻曼荼羅の本実装はいつぐらいになる予定ですか?
安藤氏:
β版を1か月ほど運用してから問題点を洗い出し,修正を反映させてから本実装となります。もし大きな問題がなければ,そのまま本実装します。
山下氏:
あと,夢幻曼荼羅の実装に合わせて「サブ部隊」機能を追加しました。
4Gamer:
それはどういうものですか?
安藤氏:
いままでは攻撃と防御で4部隊ずつの8部隊しか組めませんでしたが,攻撃か防御どちらかをプレイヤーが自由に選べる4部隊が追加され,合計で12部隊に増えます。多くの方は攻撃用部隊を増やすのではないかと想定はしているのですが。
4Gamer:
それは,部隊の使い分けが楽になりそうですね。風/林/火/山という4種の属性や所属家のシステムも入って,多くの武将を所持しているでしょうし。
安藤氏:
そうですね。まだ属性を気にしていない方もいらっしゃいますが,敵に合わせて部隊を組む千万の覇者らしい楽しみ方を,この機会に知ってもらいたいという意味も込めています。
4Gamer:
属性ごとの部隊などが作りやすくなりますよね。所属家も,その家に所属する武将を中心に集める必要がありますから,意識して部隊を組むのは難しかったんですよね。とくに,織田家や徳川家といったメジャーどころなら,いくらでも有能な武将がいますが,例えば龍造寺家にこだわって部隊を組もうとすると,キャラクターが足りなかったり。
山下氏:
史実に基づくゲームですので,そこは致し方ありません。
安藤氏:
女性のキャラクターも出したいのですが,龍造寺家あたりになると,なかなか女性の名前が出てこなくて苦労しています。
早乙女氏:
機会があれば,「家ごとにゲーム内に入れてほしい武将アンケート」なんかも取ってみたいですね。
4Gamer:
それはいいですね。そういえば,昨年は武将の「総選挙」もありました。
早乙女氏:
好評だったので,今年1月に第2回を開催しました。あのときは女性武将限定で行って,1位は長尾景虎でした。念のため説明すると,長尾景虎は上杉謙信の初名で,謙信は女性説もあるということで女性武将枠に入っています。その長尾景虎のイラストに人気があったことと,人気の高い上杉家の武将ということが決め手となって選ばれた感じでしょうか。
安藤氏:
総選挙イベントの前から告知をしていたのですが,誰が選ばれるのかプレイヤーさんの間で話題が盛り上がったので,総選挙も引き続き行っていきたいです。ちなみに,先ほどお話した4周年記念のログインキャンペーンでは,長尾景虎の別バージョンが入手可能です。
第1回総戦挙1位の武将「羽柴秀吉」 |
第2回総戦挙1位の武将「長尾景虎」 |
今後はイベントを中心に新しいチャレンジも行っていく
4Gamer:
それでは今後の展開についても教えてください。夢幻曼荼羅でゲーム性の拡充を行っていくとのことでしたが,イベントについてはどうでしょう。
早乙女氏:
イベントでは,途中で“なぞなぞ”を入れたり,イベントのストーリーで登場キャラに「信頼度」を設定して,ストーリーが分岐するといった新しい試みも行っています。今後もそれは継続していくつもりです。
4Gamer:
4月7日から行われていた「暁の夢〜本能寺の変〜」では,光秀/秀吉/蘭丸の3人の信頼度によってストーリーが変わる仕掛けになってましたね。
当初の予定では,クリア後にほかのストーリーも試せることなっていたのですが,あえて自分の選んだストーリーだけしか読めないようにしました。
早乙女氏:
現在,そうした仕掛けのあるイベントを,6月の予定で企画中です。
4Gamer:
どんな内容なのか気になりますね。
安藤氏:
みんなでワイワイ楽しめるイベントになると思いますよ。
4Gamer:
みんなでワイワイということは,同盟のメンバーで協力して遊ぶイベントでしょうか?
早乙女氏:
そうですね,まだ企画段階なので詳しくお話できないのですが,同盟員が何かを発見すると,自分にも恩恵があるようなコンセプトになっています。
4Gamer:
なるほど。続報に期待していますね。ところで,6月以降,今年の下半期についてはいかがでしょうか。
今年の頭から行ってきた改修作業は,もう少しで落ち着くと思いますので,そこからは新しいことへのチャレンジを進めていきます。また,新しい武将もどんどん追加していきますが,今年は渋めのテイストのイラストを多く入れていきたいですね。アンケートの結果を見ると,いわゆる萌え絵な女の子よりも,渋いおじさん風の方が受けが良かったんですよ。
4Gamer:
プレイヤーの年齢層は割と高めのようですし,萌え絵ばかりのゲームだと,通勤電車や自宅でプレイしづらいのかもしれませんね(笑)。
山下氏:
それはあるかもしれません(笑)。
やはり,千万の覇者は歴史モノを扱ったゲームですし,萌えよりもしっかりと描かれたイラストを用意させていただきます。
安藤氏:
今年はコラボの仕込みもたくさん行いますので期待していてください。まだ実現するかどうか分かりませんが,夢幻曼荼羅と絡めて敵として登場させることも考えています。
早乙女氏:
あと,24時間いつでも楽しめて,どのタイミングでもほかのプレイヤーとつながれるようなコンテンツを考案していきたいですね。アンケートも行っていきますので,いろいろご指摘していただければと思います。
4Gamer:
では最後に,4Gamerの読者に向けてメッセージをお願いします。
山下氏:
5年目に突入し,ある程度武将も出揃っていますので,そうした武将の魅力を前面に押し出しながら,お客様の声を聞きつつ,開発/運営として新しいチャレンジを行っていきます。
早乙女氏:
プレイヤーの皆さんとコミュニケーションを取りながら,千万の覇者はこれからも歴史を積み上げていきます。歴史ゲームとして安定したサービスを続けながら,イベントなどでサプライズも用意していきます。今後ともよろしくお願いします。
安藤氏:
4周年という節目で,長く続けることの大切さをあたらめて感じています。基本を大事にしつつも,過去の施策にとらわれすぎないようにして,皆様に新しい風をお届してまいります。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「戦国IXA 千万の覇者」公式サイト
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