プレイレポート
[E3 2012]既存シリーズ作品とは大きく方向性を変えた「Forza Horizon」をプレイ。頭を空っぽにして楽しめるアクションレーシングゲームだ
[E3 2012]コロラドの広大なオープンロードを自由に走り回れる! Forzaシリーズ最新作「Forza Horizon」のプロモムービーを掲載
今回プレイできたデモ版は,タイトル画面でスタートボタンを押すと,車の選択画面などは表示されず,まずカットシーンが流れてからすぐにレースがスタートするという仕様だった。カットシーンは,山あいのドライブインに止めてある車にドライバー達が乗り込み,それぞれにエンジンをかけて公道へ出ていくというもの。まるで「食後の運動代わりにレースでもするか」という軽い感覚で,サーキットでの真剣勝負といった趣だった従来のシリーズ作品とはまったく違った雰囲気だ。
プレイヤーが使用する車種は「Viper」。操作方法は,アナログスティックがステアリング,[RT]がアクセル,[LT]がブレーキとなっていた。試遊ではあらかじめAT車が選択されていたので,シフトチェンジなどの操作は確認できなかったが,ほかのボタン配置を見た限り,おそらく従来のForzaシリーズと同様だろう。
今回走ったコースは,スタートからゴールまで一本道。初回プレイではコースを覚えるのが不可能なうえ,公道を使用しているという設定なので,砂利道もあればアスファルト舗装の区間もあり,対向車も走っているという,レースをするにはなかなか危険な要素がいっぱいだ。
その一方で,フルブレーキングが必要なきついカーブなどはほとんどなかったので,思い切ってアクセルを踏むことができた。
レース中,「スキル」と呼ばれる条件を満たすと,ポイントが加算される。スキルには「他車を抜く」「ドリフトを決める」といった,レースゲームでよくみかけるもののほかに,「コース脇にある標識やテーブルなどの障害物をはじき飛ばす」「対向車をギリギリのところで避ける」「ホイールスピンさせる」といったユニークなものがあり,全部で30にもなるという。
実際にプレイしてみて,これらのスキルには最も魅力を感じた。コースを外れたり,ホイールスピンさせたりといった,一般的なシミュレーション系のレースゲームでは「良くない」とされる行為が評価されるので,たとえ速く走れていなくても,ポジティブな気持ちでプレイできる。加えて,複数のスキルを同時に決めるとポイントがアップするので,「対向車をギリギリで避けつつ他車を抜く」といった,危険なシチュエーションにも挑戦したくなるのだ。レースをしているのに,順位を落としかねない行為を積極的にやりたくなるというのも,不思議な感じだった。
初回のプレイでは,スキルによるポイント稼ぎに夢中になり,数回大クラッシュを起こしながらも,8台中3位でフィニッシュ。あまりレースゲームが得意ではない筆者の場合,試遊ではたいてい下位に沈むのだが,今回は珍しく上位に食い込めた。他車AIのレベル設定も関係するはずなのでなんとも言えないが,これまでのForzaシリーズよりも,難度は低めなのではないだろうか。
個人的な感想にはなるが,本作は「頭をからっぽにして楽しめる」レースゲームだ。これまでのForzaシリーズはブレーキのタイミングやコーナーリング時のライン取りを少しずつ修正し,タイムを削っていくようなイメージがあったが,本作は「細かいこたぁいいんだよ!」とばかりにアクセルを踏み込み,路肩を爆走するというドライビングが似合うゲームになっている。最近のレースゲームに窮屈さを感じている人は,期待していいタイトルではないだろうか。
具体的には,狭い道幅の公道コースや,対向車の存在といった要素にそれが表れている。サーキットでのレースでは道幅も広く,他車の動きもある程度予想できるため,計画的なレース運びが可能だが,本作では道幅が狭いうえに,対向車がいつ来るか分からない状況でレースをするため,瞬時瞬時の判断が必要になる。それが快い緊張感につながるのだという。
谷口氏が本作のコンセプトとしてもう1つ挙げたのが「魅せるレースゲーム」だ。これはもちろんスキルのことを指しているが,それ以外にも,標識やテーブルなどに代表される破壊表現を積極的に取り入れていることなどを語ってくれた。
そういったコンセプトを実現するため,車の挙動にも手が加えられているという。基本的には既存のForzaシリーズをベースとしているものの,マイルドな方向に味付けされているとのことだ。試遊でプレイヤーがドライブしたViperは「暴れ馬」的な車種で,これまでのForzaシリーズでは満足に走らせることができない人も多かったというが,今回の出展ではほとんどの人が他車との競り合いを楽しんでいるとのこと。もちろん,ただ簡単にしているだけはなく,65種類の路面データが車の挙動に影響を与えるといった,「Forzaらしさ」も十分に残しているそうだ。
谷口氏は最後に,「Forzaシリーズのファンには『こういうのもいいね』と言ってもらいたいし,Forzaシリーズを知らない人には本作から入って,既存のシリーズタイトルにも興味を持ってもらえたら嬉しい」と抱負を語ってくれた。
ドライビングシミュレーションの人気シリーズに上り詰めたForzaシリーズが,あえて冒険に打って出たとも言えるだけに,今後も注目のタイトルとなりそうだ。
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