インタビュー
東京エリアの実装予定もあり。開発プロデューサーと国際事務部課長が語る「ARK FRONTIER -時空漂流-」の見どころ
そんなアークフロンティアの開発を行っている台湾のオンラインゲームメーカーであるChinesegamer Internationalを訪問し,開発プロデューサーの王 任徳氏と,国際事務部課長の劉 哲魁氏にゲームの見どころなどを聞いてみた。以前掲載したゲームの概要記事とあわせて読んでほしい。
台湾に拠点を置くChinesegamer International。10年間オンラインゲーム一筋で社員数は610名以上
4Gamer:
よろしくお願いします。
王氏&劉氏:
こちらこそよろしくお願いします。
王氏:
日本のメディアに来てもらうのは,初めてですね。
4Gamer:
それは光栄です。ところで,かなり大きなビルで驚いたのですが,この中の5フロア分をChinesegamer Internationalさんが使用しているんですか。
劉氏:
はい,そうです。ここでは約610名の社員が働いており,弊社が手がけるタイトルの開発と運営の両方を行っています。
4Gamer:
オンラインゲームの業務だけで,それだけの社員がいるというのはかなり多いですね。
Chinesegamer Internationalがあるビル。5フロア分を使用しており,約610名が働いている |
オンラインゲームを開発するだけでなく,運営も行っているので,大所帯になりました。2000年の設立当初からオンラインゲーム一筋で,これまでに20作以上を手がけています。
4Gamer:
現在運営しているゲームのなかで,自社開発タイトルの割合はどれくらいでしょうか。
劉氏:
ほとんどが自社開発で,他社が開発したゲームはあまり扱っていません。
4Gamer:
Chinesegamer Internationalさんが手がけてきたタイトルを振り返ると,「2Dのアニメ絵」と「3Dの武侠」といったゲームが多いですね。
劉氏:
はい,その2つが弊社の得意分野です。今後はプラットフォームよって住み分けを行っていき,PC向けタイトルは3Dを重視する傾向にあります。一方の2Dモノは,必要とするハードウェアスペックが比較的低いことから,携帯端末での展開を視野に入れています。
4Gamer:
台湾や中国のゲームでは武侠を扱ったものが多いですが,定番のゲームジャンルになっているのでしょうか。
劉氏:
はい。台湾の人達にとって武侠はごく普通に親しまれているジャンルであり,ゲーム以外でも人気が高いです。
4Gamer:
言葉は悪いかもしれませんが,日本ではあまりメジャーなジャンルとはいえません。
劉氏:
武侠関係は専門用語が多くとっつきにくい面がありますね。分かってくるとそれが魅力になってくるのですが……。とはいえ,日本市場の調査なども行っており,それは十分に理解しているつもりです。
現在,弊社はワールドワイドでの展開を積極的に考えていますので,武侠色をあまり前面に出さないようにしています。ですから,アークフロンティアも武侠だけでなくSFっ部分もありますし,現在開発している次回作は,ファンタジーものです。
同時接続者数が10万人を超えたヒット作
では,アークフロンティアの台湾での状況を教えてください。
王氏:
約2年の開発期間を経て,2011年8月にサービスを開始しました。オープンβテストのときの同時接続者数が12万に到達しており,現在のサーバー数は9台です。
4Gamer:
かなりの人気ですが,どのあたりがその要因だとお考えでしょうか。
王氏:
前作である「黄易群侠伝」が台湾でヒットしたこともあり,サービス前から注目度高かったことが挙げられます。また,武侠に加えて,“SF”の要素を盛り込んでいるところが,新鮮に映ったようですね。台湾で同時接続者数が10万人を超えるゲームはそう多くないので,社員一同嬉しく思っています。
4Gamer:
画面を見るとSF要素が前面に押し出されているのが分かり,武侠っぽさはあまり見えないですね。
劉氏:
ええ。先ほども話にあがりましたが,ワールドワイドでの展開を考慮しているので,武侠っぽさを減らしているのです。
4Gamer:
原作にもSF要素が盛り込まれているのでしょうか。
王氏:
黄易氏の小説は武侠とSFが融合した世界が描かれているのが特徴です。黄易氏が手がける小説にある,“現代から古代へのタイムスリップ”“古代中国での冒険”“未来の冒険”という要素をピックアップしてゲームに盛り混んでいます。
黄易氏の小説は日本語に翻訳されていないこともあり,知名度はそれほど高くありません。台湾でどれくらい人気があるのかを教えてください。
王氏:
小説だけでなく,それを元にしたテレビドラマなども作られており,台湾に住む10代から40代の人なら,誰でも知っているといっても過言ではないでしょう。ちなみに,黄易氏はとてもひげが長く,仙人のような見た目をしています(笑)。
4Gamer:
なるほど。そういった著名な方の小説をゲーム化するにあたって,気をつけている点はありますか。
王氏:
例えば,シナリオを追加するときは,原作の世界観に合っているかを厳重にチェックすると共に,黄易氏にも監修してもらっています。
4Gamer:
なるほど。では本作の導入部ストーリーをあらためて教えてください。
王氏:
少し長いのでかいつまんで説明しますね。
“マー博士”という有名な科学者がいて,彼の発明により時代を行き来できるようになったのですが,とある実験の最中に歴史の一部を破損してしまうんです。そこで宇宙ステーションの“アークシティ”を拠点に,主人公達(プレイヤー)がさまざまな時代や地域を冒険しながら,時空の歪みをを修復していく,というのがメインストーリーです。
4Gamer:
前作である「黄易群侠伝」との関わりはどのようになっていますか。
王氏:
前作でプレイヤーが操作したキャラクターが,“ジェット・ロン”というNPCとして登場します。マー博士とロンはアークシティに滞在しており,プレイヤーがシナリオを進めると随時アドバイスをしてくれる存在です。とはいえ,前作のプレイ経験はなくても楽しめますのでご安心ください。
台湾のアップデートや日本ローカライズ展開
4Gamer:
台湾と日本のほかに,アークフロンティアのサービスを予定している国や地域を教えてください。
劉氏:
2011年の8月に,台湾とマレーシアでサービスを開始しています。そのあとは2012年5月に中国,2012年夏に日本,そして2012年秋にタイでのサービス開始を予定しています。まだ正式発表は行えないのですが,そのほかにも契約を交わしている国がいくつかありますよ。
4Gamer:
では,台湾でのサービス状況を確認させていただきます。現在のレベルキャップはいくつでしょうか。
王氏:
最初は120でしたが,大型アップデート後には150になりました。
4Gamer:
すでに大型のアップデートを実施していたんですね。レベルキャップの開放以外には,どのようなことをやったのか教えてください。
王氏:
かなり多いので駆け足で紹介しますね。新職業モンクの追加,3次職のクラスチェンジ,PvPのトーナメント戦,変身システム,キャラクターを強化する“経脈”システム,マップ及び勢力の追加などです。
4Gamer:
ちょっと気が早いかもしれませんが,日本版での実装予定は決まっていますか。
劉氏:
日本版の仕様については,現在ベクターさんと調整を行っている最中です。アップデートのタイミングや順番も,より遊びやすくするために一部変更されるかもしれません。
4Gamer:
日本版に独自要素を追加する予定はありますか。
劉氏:
その点についても,現在ベクターさんと調整しているところです。ちなみに「ソードオブリベリオン」を日本でサービスしたときは,ギルド人数をはじめとしたゲームバランスの調整を念入りに行いましたし,霊獣の仕様を変更しました。
4Gamer:
世界各地のさまざまな時代を旅することができるので,日本をモチーフにしたエリアの実装などはいかがでしょう。
王氏:
実は,日本のエリアに関しては今後のアップデートでの実装がすでに決まっています(笑)。現代の東京をモチーフにしているのですが,どういった形で登場するのかは楽しみにしてください。
4Gamer:
ベクターとの共同作業は順調ですか。
劉氏:
2007年頃からやり取りしていますが,コンタクトを積極的に取ってくれるので助かっています。例えば,私達の意見を聞くだけでなく,さまざまな提案をしてくれます。そういったやりとりを通じて,日本人プレイヤーの好みを把握し,アップデートなどに役立てています。
4Gamer:
それでは,2012年夏の日本版アークフロンティアのサービス開始に向けて,意気込みをお聞かせ下さい。
王氏:
私達が憧れる日本で,アークフロンティアのサービスができることを光栄に思っています。日本のプレイヤーが認めてくれるまで精一杯頑張ります。
劉氏:
アークフロンティアを日本の方達がもっと楽しめるように,ベクターさんと一緒に頑張っています。日本独自のシステムや,イベントなども積極的に展開したいと考えていますので,よろしくお願いします。
4Gamer:
ありがとうざいました。
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